毒親 ドクチンのレビュー・感想・評価
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賢くて優しい子が犠牲になる
かなり救いがないストーリーだった。
賢くて優しい彼女が出した結論は、本当に悲し過ぎる結末だ。せめて父親がもう少ししっかりしてたらなぁと思う。
他人から明かされる真実にショックを受けたかに見えたが、結局人のせいにして自分の都合の良い解釈で自分を守ってしまう。毒親に育てられて毒親になったこの女に育てられた女の子の最後に明かされる動画が本当に悲しいものだった。
「毒親」の対義語は「賢母」なのか。。。悩む
2023年公開、韓国映画。
香港や日本を凌駕するクオリティを持つに至った韓国映画。
本作は、韓国映画が得意とするアクションやカメラワークが活きるテリトリーではなく、親子、という
重たいテーマだ。
毒親、とは?
相手を愛してさえいれば、
なんでも許容されると思っている親?
対義語は、賢母?
哲学的な作品でもあった。
私自身、母子家庭で育ち、
思春期には、
母に対する愛憎(アンビバレント)に苦しんだ。
いなくなれば良い、と願う一方、
殺したい、と考えたことはなかった。
もしかしたら、
子供だった私は、場合によっては
ユリ(カン・アンナ)と同じことをしていたかもしれない。。。。
そんなことを、ボンヤリ考えながら見ていた。
テーマとしては、
最大級の普遍性を持ちつつも、
おそらく、
百の親子に、百の態様があるため、
映画として、大多数の共感を得るのは困難だろう。
ただ、製作陣が表現したかったことは、
理解できるし、
商業的な野望がどれほどだったかは分からないが、
チャレンジ精神には敬意を表したい。
母親役(チャン・ソヒ)は、
オカルト色を滲ませながらの熱演、素晴らしい演技だった。
良い作品だが、
個人的には重すぎて、もう一度観る気になれないので、
☆4.0
ユリはいい子だった
学校に行った筈の高校生の娘ユリが所在不明。
警察からの連絡で、
湖のほとりに止めた一台の車の中で男女二人と
亡くなって見つかりました。
解剖され、一酸化中毒が死因だと?
車内には炭が焼かれていて直接の原因らしく。
自殺か他殺か、わかりません。
残された携帯の履歴などに
同級生の言葉が見つかります。
それを持って警察にこの子が犯人だと言いはる母親。
最近に担任とも話し込んでいたこともあり、
母親は担任とその同級生を告訴してしまいました。
同級生からのイジメによるのか、
母親には言えない担任と相談していた
何かが原因なのか
母親は悩み苦しんだ上でのことでしょう。
時間が経たないうちにこの二人を告訴したことに
疑問が生じました。
警察の調べもまだ始まったばかり。
短絡的な行動だと感じました。
この母親、娘たちの父親である夫とは
別居状態であること。
たまに帰って来た夫に浴びせる言葉にも、
子供の手前ながら敬うかけらもありません。
息子は幼いながら聞いています。
また夫と娘がレストランで二人きりで会う場にも
行っています。
不安なのでしょうか。
警察は、その場にもう一人いたことを突き止め、
加害者なのか、自殺志願者の一人なのか探る為
探し、見つけました。
男は殺しはきっぱりと否定して、
メンバーを引き合わせたことは認めました。
その男と母親が対面し男が言うには。
ことを起こす直前、
コーヒーを飲みながらケーキを頬張るユリ。
一番嫌いな人物の名前を言います。
毒親という言葉も言います。
またその男は、ユリの嫌いな食べ物も
知っていました。
牛乳とサンマ。
そして、なぜ母親が知らなかったのか疑問ですが、
青魚アレルギーで身体中が痒くなることも
知っていました。
ユリがあの場で話したのです。
聞いて愕然とする母親。
家で母親は幼稚園児の息子の横に座り、
息子の嫌いなものを食べろ食べろとやかましく言い、
息子はパニックを起こしてしまいました。
ユリは、母親の実家に行った時、母親がその母から
厳しくしかられていたことを知ります。
イエナに、
お母さんのお母さんになって
お母さんに子供の愛し方を教えてあげたい。
と言っていました。
担任教師は、
またレストランで両親と兄と兄の婚約者と
食事を共にします。
優秀な兄ばかり贔屓にする父親。
顔にお皿のものをかけました。
少しは気が済んだでしょうか。
真面目で母親の期待にそえるよう努力するユリ。
学習面、素行面、食べ物の嗜好、体調、‥‥。
成長と共に無理が来たのでしょうか。
でも、ユリちゃん、とってもいい子なんです。
母親を殺せないから自分を殺す、という説明。
自分を押し殺していただけともとれますし、
持って生まれたものもあるかと思いますが、
母親はある程度までよく育てたのだと思うのですが、
やり過ぎたのではないでしょうか?
自我が芽生えた一人の人間にしてはいけないことを
たくさん言い、してしまった、その結果でしょうか。
本作の警察関係者、刑事さんたち、
とても良い方たちでした。
何度も、子供にであってもしてはいけないことを
していますよ、と母親に言っていて、
下の息子の為にも変わるようにと
母親に言っていました。
見て良かった
こんな親はイヤだ…
極めて誠実な「母という呪い」に対する処方箋
ここ2年ほどの間に観た韓国映画のなかで、もっとも優れた作品だと思う。
本作も、《すべての家族は呪いであり、呪われていない家族などないのだ》という普遍的な主題、その各論のなかでも深刻な事態と言うべき「毒親」、さらにその多数を占める「害毒となった母親」を扱った映画である。
本作は、女子高生死亡事件の謎を追うミステリーとして始まりながら、やがて主題の深刻さを浮き彫りにし、その解決策をも示唆する。
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【以下ネタバレ注意⚠️】
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「毒親」という言葉は、韓国では、まだあまり知られていないと脚本も書いたキム・イスン監督は述べているが、日本では、「毒親」をタイトルに含む書籍やコミックはかなり出ている。
また、タイトルになくとも押見修造の『血の轍』、戸田彬弘が戯曲として書き自ら映画化した『市子』も「毒親」を扱った作品として周知されている。
Wikipedia に書かれている通り、学術用語ではなく、俗的概念だとしても、日本ではある程度普及している言葉であることは間違いない。
韓国系アメリカ人であるセリーヌ・ソンの初監督作品『パスト ライブス』に登場した「イニョン/因縁」というキーワードでもそうだったが、日韓で同じ言葉を使っている場合でも、微妙なニュアンスレベルでの差異があることは充分承知しておく必要があるだろう。
さて、ストーリーは公式サイトなどに委ねたいが、本作は序盤で、女子高生ユリ(カン・アンナ)が年上の男女数人と屋外パーティーで談笑したあと、彼らと自動車のなかで失神したまま息絶える姿を見せている。
だから観衆には、ユリは最初から(理由は不明ながら)集団自殺に及んだことが分かっている。
ところが、発見した警察は、自殺・他殺両方の可能性について捜査を進める。
また、ユリの母親ヘヨン(チャン・ソヒ)は、最初から「娘が自殺するわけがない」と決めつけ、捜査官が自殺の可能性もあることを示唆しただけで烈火の如く非難し始める。
結論的には本作は超名作だとの確信を得たが、何故か、撮影のルックは低予算感が見え見えだ。
俳優陣も、他の韓国ドラマ・映画で観たような顔も脇役にいないことはないものの、それも少なめ。
捜査を担当するオ刑事(オ・テギョン)もカッコいいイケメンなどではなく、どう見ても庶民的な普通のおじさんだ。
だが、捜査が進むにつれて明らかになる母親としてのヘヨンの異常性に気づいたときのオ刑事がヘヨンに言う言葉が良かった。
「お母さん、しっかりしてください。
残された息子さんのためにも、お母さんが娘さんを追い詰めてしまったようなことを繰り返さないように、しっかりしなければならないでしょう」
ちょっと記憶が曖昧になって、かなり違うかも知れない。
だが、オ刑事が、ヘヨン本人は罪には問われないものの、ユリの死の原因となったことをハッキリと本人に告げ、残されたユリの弟のために、それを繰り返してはならないと述べたことは確かだったと思う。
本作の優れている点は、「毒親による娘の自死」という深刻な問題について、ミステリー仕立てで真相に迫る手法を用いながら、それを決してエンタメとして消費するだけに終わらせず、その原因と解決策を示しているところにある。
ところが、映画は、幼いユリの弟に、ヘヨンが一方的に厳しく躾けようとし、耐えられなくなった弟が、
「お姉ちゃんを返して!
お母さんは、お姉ちゃんがいなくなったから、今度は僕をいじめるのだから」
と奇声をあげながら叫ぶシーンで終わる。
もちろん、これは「毒親」という病が、一朝一夕には治せないほど根深く深刻なものであることを示す意図で提示されたシーンだ。
実際には、ヘヨンに、二度と子どもに対して偏った押しつけをしないような児童保護の専門家によるケアや指導が行われるはずである。
ラストシーンの弟の「叫び」は、本作が明らかにした問題点が「未解決」あるいは「解決不能」だということを示したかったのではなく、逆に、ヘヨンに対してはそういう専門的なケアが「必要」であることを明確に伝えるために置かれたと考えたい。
その他にも、ユリが親友となったイェナ(チェ・ソユン)との仲をヘヨンに割かれて、「お母さんはお前を愛しているから、こうしているのよ」と言ったのに対して、ユリが応えた
「愛は、傲慢と偏見を産むこともあるのよ」
という言葉も含蓄がある。
いずれにせよ、充分エンタメとして面白く、「毒親」という誰もが無縁ではあり得ない家族の問題を明らかにし、解決策まで提示した優れた作品である。
弱者を殺人者に仕立ててエンタメとして消費しただけの悪趣味極まりない『ビニールハウス』の非倫理性の対極にある倫理的で誠実な映画だ。
儒教国家と女性が強い国 そして学歴社会
毒親を生み出しているのは、無関心を貫く傍観者なのかもしれません
2024.5.13 字幕 京都シネマ
2023年の韓国映画(104分、R15+)
ある女子高生の死を巡って露わになる家庭問題を描いたミステリー映画
監督&脚本はキム・スイン
原題は『독친』、英題は「Toxic Parents」で、ともに「毒の親」という意味
物語の舞台は、韓国のソウル
受験を控えた女子高生のユリ(カン・アンナ)は、ネットで知り合った人たちとホンイン湖を訪れていた
ジュンテ(カン・ヒョンイル)は近くの喫茶店でコーヒーとケーキを買い込み、チャンヒョン(タクヤ)とウンソ(パク・ウンソ)らもパーティーの準備をしている
彼らは「自殺志願サイト」で集まった若者たちで、その日は決行の日だった
最後の晩餐とばかりにバーベキューを楽しみ、そして4人は軽バンに乗り込んだ
その後、軽バンの中から3人の遺体が発見され、一人は逃走していることが判明する
事件を担当することになったオ刑事(オ・テジョン)、チャン刑事(ユン・ソジン)、ユン刑事(ソ・ヒョンギョン)たちは、遺体の身元確認を急ぐ
そして、その知らせは、ユリの母ヘヨン(チャン・ソヒ)のもとに届いた
ヘヨンは「自殺をするような娘ではない」と食ってかかり、現場から逃走した男が犯人ではないかと言う
また、ユリが不良娘のイェナ(チェ・ソユン)と付き合いだしてから素行がおかしくなったと言い、前日に担任のギボム(ユン・ジュンウォン)ともおかしなやりとりがあったと言い出した
遅々として進まぬ警察に苛立ちを見せるヘヨンは、あろうことか「担任とイェナを犯人だと告訴」してしまう
それによってオ刑事たちも余計な仕事が増えるのだが、この自殺騒動の背景からはおかしなことばかりが発見されるのである
映画は、ユリがどのような理由で自殺に至ったのかを紐解く流れであるものの、一人が逃げ出したことで事件性を窺わせる内容になっていた
いわゆるミスリード的な流れだが、物語のテーマを考えると、車の外で倒れているところを発見される、で良かったように思えた
いわゆる「毒になるほどの親の愛」というものが描かれていて、過干渉すぎるヘヨンの実情が描かれていた
だが、親は一人ではなく、父チャンフン(ソン・ヨンジン)も存命だったことを考えると、あながち母親だけの責任とも思えない
父と娘で二人だけで会おうとしても、その後のことを考えて母(妻)に連絡するし、最終的には「過干渉だとわかっている」のに、子どもを放置して家を出て行ってしまっている
このあたりの背景を考えると、毒親というものは片方だけの問題ではない(シングルも広義的には同じか)と言えるのかもしれない
映画では、イェナとの関係を悪く言われ、彼女の夢を台無しにする行動を起こした母への当てつけのようなものだが、実際には「ユリの強すぎる母への愛」というものが、歪な方法を選んでいたことがわかる
彼女は「死んだらお母さんのお母さんになりたい」と言い、その理由は「お母さんに愛し方を教えるため」だった
母親か自分かどちらかがいなくなるしかないと考えた先に出た結論というものが、自分を殺すのではなく、死んで母親を1から教育し直すというところに、ユリの病的な愛というものが描かれているように思えた
かなり強烈な内容だが、殺人と自殺を並列に描くミステリー部分は不要だったように思う
第4の男が犯人であるかのようなミスリードがなくても、ヘヨンはハナからイェナや担任を疑っていた
彼が証言することでユリの本懐がわかるのだが、それは彼が生きてあの時のことを話せばよかっただけなので、一酸化炭素中毒で死にきれなかった、というのでOKだったのではないだろうか
いずれにせよ、韓国の社会問題を切り取っていて、学歴至上主義の闇を描いている
そんな中で、自分の行動を微塵にも悪いと思っていない母親を描き、最後まで変わらないところがリアルであると思う
ラストでは、姉が消えたことで的になっている弟ミンジュン(チェ・ウンジュン)の叫びが聞こえるのだが、彼にどうやって姉の死を説明するのだろうか
このあたりも含めて、いずれ真相がわかった時に何かが起こりそうな不穏さを抱えたまま、映画は終わってしまったように思えた
世界中の永遠の問題
国民病
湖畔の社中で死んだ高校生の娘の死を巡りファビョる母親の話。
10歳以上歳上の男女2人と共に死んだ娘の死が担任教師による殺人であると騒ぎたてる母親と、訴えられた教師、捜査にあたる刑事が聴き込む体で過去に遡ってみせていくストーリー。
三現主義を無視して捜査する警察とか、何を持ってして告訴出来ているのかもわからない母親とか、ミスリードにもならないミスリードだけれど、事件性を匂わせるからまどろっこしい。
そして母親があまりにも見え見え過ぎてなんだかね…娘にしたって、そこまでの態度を示すなら、薬の理由はお前だって言えば良いのに…。
日本人からしたら強烈な火病だけど、隣国民からしたらそれ程強烈でもないのかな?
話し自体は面白かったけれど、解が出てからも長ったらしく説明的だし、もうちょっとスッキリならなかったかな。
韓国の教育ママは怪物!ミステリードラマ
お母さん、あんたはイカれてるよ!腹立つ!お前のせいだよ。皆んなのせいにしやがって。あー腹立つ。
先生、あんたも被害者だったんだね。だからこそ、、、
親父、ザマーみろ!スカッとしたよ。
不気味で怖くて面白かった‼️
ポレポレ東中野さん、上映してきださり有難う御座いました。感謝致します。
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