「なに!お父ちゃんの方じゃなかったか!」ザ・ウォッチャーズ ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
なに!お父ちゃんの方じゃなかったか!
どおりでちょっといつもとテイストが違うなーって思ったわ。
アーティスト志望のミナはペットショップでアルバイトをして生計を立てている。ある日オウムを届けるため、クルマで山道を抜けようとするが途中で故障し深い森の中で立ち往生する。
全く動く気配のないクルマに見切りをつけ、オウムの入った鳥籠を持って森の中を歩き始める。
すると目の前に不気味な看板、看板にはNo way to return 戻る道はないという文言と番号が、気味が悪くなったミナはクルマに戻ろうと振り返ると、そこにあったはずのクルマが無くなっている。
パニックになりながら森の中を歩あていると、遠くから初老の女性がこちらに来いと呼びかけてくる。
ミナは呼ばれるままにある建物に入ると、そこは住居ではなくて初老の女性マデリンによると鳥籠と呼ばれている場所。そこにはマデリンの他にミナと同じぐらいの世代の女性シアラ、19歳の男性ダニエルの3人が奇妙な共同生活をしていた。
部屋は大きなリビング一つのみ、一面が全面ガラス張りになっている。
そこでは普通の暮らしではなく、夜になるとウオッチャーズと呼ばれる存在が彼らの暮らしぶりを観察に来るらしい。一体何のため?
このウオッチャーズの存在がもちろん映画の最大のキーになってくる。シャマラン印ならではのいつもの定番テーマ、自然の大いなる力だったり、家族の愛だったり、そんなテーマをホラータッチで見せていくんだけど、いつもよりも少しだけ分かりやすいように感じた。ん、なんかある程度どこかに着地させようとする意図を感じて、おや?と思ったら映画の解説を見て初めて監督が娘シャマランだと知った。
まあ飛行機の中鑑賞だったのであまり情報を事前確認してなかったのが幸いしたのか、先入観なしで鑑賞できてちょっと親父シャマランとのタッチの違いを感じることができたのは良かったかも。
それにしても、制作に親父シャマランが入ってるとはいえ、監督と脚本は娘シャマラン、全くもって血は争えんと言うか、その謎めいた舞台を徐々に明らかにしていくアプローチはお父さんの影響バリバリ。
息子クローネンバーグはまだもう一皮二皮剥けてもらわんとなーと思ったけど娘シャマランはもうかなり仕上がってます。
まあもちろんツッコミどころも沢山あるけど、世界観やストーリー展開含めて今後が楽しみな監督さんやなぁと期待したくなった。