「泣きました いや、絶対泣くだろ?!」35年目のラブレター もるとさんの映画レビュー(感想・評価)
泣きました いや、絶対泣くだろ?!
— 学びの先に辿りついた、言葉にならない愛 —
人は、いくつになっても学ぶことができる。
そして、学びとは、自分を変える力であり、大切な人への想いを届ける手段でもある——。
映画『35年目のラブレター』は、「学ぶこと」と「愛すること」の本当の意味を問いかけてくる珠玉の一作でした。
奈良県の西畑保さんの実話をもとに描かれた本作。
学校に通えず、読み書きができないまま社会に出た保さんは、数え切れないほどの悔しさや恥ずかしさ、悲しみを抱えながらも、黙々と働き、家庭を守ってきました。支えてくれたのは、いつも傍にいた妻でした。
定年を迎えた保さんは、妻に感謝と愛を伝えるため、夜間中学で学ぶことを決意します。
最初のラブレターは、たどたどしくも温かく、彼なりの精一杯の想いを綴ったものでした。けれど、それでは足りない。もっと想いを伝えたい——そう願った保さんは、さらに学び続け、やがて心からの言葉を込めた二通目のラブレターを書き上げます。
しかし、そのラブレターを渡すことは叶いませんでした。
妻は突然、帰らぬ人となってしまったのです。
映画館の暗闇の中、私は前半から涙が止まりませんでしたが、この場面ではもう声を殺して泣くしかありませんでした。
どれほどの想いを込めて綴った言葉だったか。
それを届けることができなかった無念と、深い喪失感。
それでも保さんは、悲しみから立ち上がり、再び学び続けます。
そして、ついに迎えた卒業式——そこには、学びと愛を貫いた一人の人間の姿がありました。
「学ぶことは、生きること」
「愛することは、想いを伝え続けること」
この映画は、そんな普遍的なメッセージを、静かに、そして力強く伝えてくれます。
人生のどの瞬間からでも、私たちは変わることができる——心が震える、真実の物語でした。
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