蛇の道のレビュー・感想・評価
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テンポも悪いし困ったなぁ
頭の鈍い私でも分かるんですよ。
そこらあたりのことは、いずれストーリーが展開していく中で、ちゃんと種明かししますから、しばらくはこの世界観を楽しんでくださいね。
ということだと思うのですが、肝心の繋ぎ方がまったりというか、まどろっこしいというか、そこはそうじゃないんじゃないの?と言いたくなるような感じなのです。
例えて言えば、4月に入社したばかりの新人さんが、教えられたばかりのルーティン事務を、どうしてそういう手順になっているのかを理解していないまま、ただこなしているので、単純作業のはずなのに手取り足取りで教えたくなる、そんな苛立ちを覚えます。
で、結局それがなんらかの効果を狙っていたのかと思ったらそんな風にもなっておらず、種明かし後も、ほらね、やっぱりちゃんと教えてあげなきゃ新人さんにはちょっとキツイ仕事だったよね、という感じの出来上がり。
説明的な部分について、敢えて不親切な脚本の映画はたくさんあるけれど(最近では『ありふれた教室』なんかも該当すると思います)、それは映画を見る人たちが自分の頭であれこれと考えてくれることへの信頼感があるから。
この映画は、脚本の言葉足らずな(不親切な)部分も我々鑑賞者がかなりの部分、普通の想像力で補うことができるのだが、えっ本当にそれだけなの?という感じで、もしかしたらこういうことなのかもと思索が深まることがないから、なんだか面白くないのです。
うーん、困ったな。
柴咲コウ怖くない
うーん、わらしべ長者的に主犯格に近づいていく物語に途中で飽きてしまった。
スタンガンで気絶させて運搬→共犯の男がキレて銃殺→次どうする?
これの繰り返しで途中少し寝ました。だから物語全部を覚えてないけど、駄長な感じしか受け取れなかった。
はらはらドキドキはないです。
ちょい出の西島さんは彼女のサイコパスさを見せたいための出演かな?
物凄く久しぶりに映画館で眠くなった。
柴咲コウさんのフランス語は上手だけど最初から最後まで感情がなさすぎてつまらなかった。
なぜ‼️❓フランスでリメイク‼️❓
オリジナル版とはまったく違う映画
フランスで撮ったリメイク版は、Vシネのオリジナル版とほぼ同じショットを多数使いながらも、まったく違う映画に仕上がった。
オリジナル版は、娘を暴行され惨殺された香川照之の激情を軸に、謎の男(哀川翔)が絡む構成だが、今作は終始柴咲コウの復讐の「蛇のまなざし」がムードを支配する構成。柴咲コウの男たちに対する恨みは、中盤から直接的に説明されている。
オリジナル版にあった黒沢清特有の訳の分からない怖さや、Vシネ的な即物的バイオレンス、キッチュさなどはあらかた消え去ってしまったが、万人受けする明快さを得て良質のサスペンスドラマになっている。
日本人キャストは素晴らしかったが、フランス人キャストは黒沢監督の演出が行き届いてなかったように思う。西島秀俊の知り合いの女性、ゲランと猟銃を持った男性などは、TVの再現ドラマに出てくる外国人なみの安っぽい演技で映画のムードをぶち壊していた。
柴咲コウは素晴らしかったが、あらためて哀川翔の凄さも感じた。ママチャリにまたがる姿、溶接をする姿(プロにしか見えない)、ゴルフ場の芝の緑の上死体袋を滑るように軽々と引いていく姿は網膜に焼きついて離れない。柴咲コウの溶接はかなりのへっぴり腰で、ちょっと笑ってしまった。
どっちが好きかというと、圧倒的にオリジナル版。
蛇の目
一般指定でよいのか疑問は残るけれども
今年215本目(合計1,307本目/今月(2024年6月度)15本目)。
(前の作品 「ディア・ファミリー」→この作品「蛇の道」→次の作品「」)
この映画、このような評価サイトでは言及がありますが、日本映画のリメイク版でフランス映画です(一部日本人や、日本語も出てくるがごく少数)。なのでフランス映画あるあるの、あの形容しがたいCANAL+の表記も健在です。
個人的にはこの映画、一般指定でいいのかな(公式サイトがない?)といったところです。R15とは言わないにせよPG12はつきそうな気がするんですが…(いくつかの残酷な表現一般につき)。
私はオリジナル版(日本語版)を見ていないので比較は難しいですが、本作だけで見ても理解はしやすい(扱っている内容が、実際に国際上問題になっている「あること」を扱っていることなど)といったところです。
上記のような事情でフランス語を話す日本人の方も何名か出ますが、日本からすると学習難易度が高いとされるフランス語(発音をクリアにしないと通じない。子音を原則発音しないので、発音が正しくないと動詞の活用、ひいて時制が不明になるため)がまぁそこそこきれいで(大学の第二外国語はフランス語でした)そこは良かったかなといったところです。
途中から裏切ったり裏切られたりといったストーリーに飛びますが、そこはネタバレといったところでしょう。パンフには詳しく載っているとのことですが、パンフは購入しませんでした。
採点上、「一般指定でよいか疑問は残る」点はあるものの、一つ違いは0.2固定幅でそれを指摘しても4.5になりませんので、書いてはおきますがフルスコアにしています。
ただやはり若干残酷な表現があるので、「少し考えて」といったところでしょうか(まぁ、今週も先週に引き続いてぼざろ等が入ってくるでしょうから、この映画を積極的に子供が選ぶことは少ない?)。
柴咲コウ、凄い
8歳の愛娘を何者かに惨殺された父親アルベール・バシュレは、偶然知り合った精神科医・新島小夜子の助けを借り、犯人を探し復讐を果たそうとしていた。やがて2人はとある財団の関係者たちを拉致し、鎖で繋ぎ、脅迫し、自白させ、次第に真相が明らかになっていき・・・さてどうなる、という話。
娘の復讐はわかるが、確証も無く関係者を拉致して真犯人を探し出そうというアルベールの単細胞な行動には呆れたし、精神科医の小夜子が何であそこまでアルベールの復讐に協力するのか、観ててずっと不思議だったのだが、ラストで納得した。
単純なようでなかなか奥深かった。
上手いのかそうでも無いのかほとんどわからないが、柴咲コウがフランス語で熱演していたのは素晴らしいと思った。フランス語でのRは日本語には無い発音で凄く難しく、何度も練習してやっとフランス人にOKをもらった経験が有りますが、彼女のは悪くないと思った。
観終わって、ストーリーを理解して、柴咲コウ凄い、もう一度最初から観てみたい、と思った作品でした。
柴咲コウの正しい使い方
柴咲コウの立ち姿が素晴らしい。
喜怒哀楽をはっきりと示す役柄が多いなか、今作ではほぼ無表情で何を考えているか分からないミステリアスな雰囲気。時折爆発させる殺意や聖母のような慈しむ表情とのギャップも良い。
小柄で華奢な彼女が大柄な男性陣の中で圧倒的存在感を放ち全てを支配している。
柴咲コウの手のひらで転がされる疑似体験ができる映画。
裏の裏をかいて表になった?
とうやら、娘を殺した犯人を突き止めようとしている男の話であることは分かるのだが、彼に協力する女医や、拉致してきた男たちが本当のことを言っているのかどうかがよく分からず、果たして、自分が観ているものを鵜呑みにして良いものかどうか戸惑ってしまう。
柴咲コウがフランス語で好演している女医にしても、ミステリアスな雰囲気が醸し出されている一方で、何が目的で、なぜ男の復讐に協力しているのかが分からないため、胡散臭さばかりが鼻についてしまう。
そうこうしているうちに、おそらく、拉致してきたのは、皆、無実の人達で、人身売買や臓器売買の組織というのもでっちあげで、もしかしたら、娘が殺されたというのも、男の妄想なのではないかという疑念が、どんどん大きくなっていく。
ところが、最後にすべてが明らかになると、「違うと思わせておいて、実はそのとおりだった」というオチに、ズッコケてしまった。そこには、協力していた男こそ、女医の真のターゲットだったとか、日本に住む別れた夫も、女医の復讐の対象だったとかといったサプライズも、一応用意されているのだが、あまりのヒネりのなさに、肩透かしを食らった気分になってしまう。
しかも、復讐が目的だった割には、計画が雑で、行き当たりばったりだったように思えるし、ビデオ映像のような証拠が残されているのに、警察の捜査はどうなっているのかという疑問も湧いてくるし、女医に協力してもらっている男も、いくらなんでも彼女の目的に気付くのではないかと思えるしと、色々と不自然なところや、違和感のあるところが気になってくる。
結局、観客の考察の裏をかこうとしたかのような展開も、残念ながら、不発に終わってしまったように思えてならない。
柴咲コウはミステリアスなヒロインを好演しているのだが…オリジナルか...
柴咲コウはミステリアスなヒロインを好演しているのだが…オリジナルから4半世紀後、フランスロケまでしてリメイクした意義がいまいち分からない。画面がリッチになった分、リアリティの欠如が目立つ。黒沢清が撮る「この世のものならぬ」風景は大好きなのだが(前作「スパイの妻」も歴史ものだっただけに顕著だった)、取りたい絵図を優先するあまり、最低限のもっともらしさを放棄していては集中力も削がれるというもの。人の入った寝袋引きずって草原を走って逃げるのに、追手のライフルが当たらない!臓器売買する組織がそんなずさんに死体を放り出してて商売成り立つの?臓器摘出する場面をわざわざ撮影する意味(当然麻酔しているのだろうし)は?なんだあのテキトーなホルマリン標本!?コンプラ関連かもしれないが、児童ポルノ&スナッフビデオ流通組織だったのが、児童売買&臓器売買に設定変更されたのに大筋がそのままなのは、脚本に幾つも齟齬が発生していて手抜きすぎる。一方でもたもたした拷問や拉致のシーンはほぼ前作のままで、新しい趣向は見られない。ただ、こういった細かい粗が気になるのは、一番好きだったシーン、道路いっぱいに描かれた「数式」が宇宙的秩序の崩壊さえ予感させるあのシーンが削除されているせいかもしれない。ただの復讐譚以上の底知れぬ何かが垣間見える、ハッタリにしても素晴らしいシーンだったものを…。
この監督はたまにイレギュラー(たまにじゃねーか)するイメージが強い
クネクネ紆余曲折しながら37564
気づいたら終わってた
原作は未読、未鑑賞です。
どんどん複雑な話になってくるのかと思っていたのですが、思ったよりあっさりと終わりました。
雑なところが多いですが、おそらく意図的なものでしょう。ことわざや神話を連想させる蛇の道という題名は秀逸だと思いました。
原作から改変されているらしいので何か関係があると思いきやあまり重要じゃなかったです。特に娘の殺害された理由が性的暴行から臓器売買に変更されているらしいですが日本人としては臓器売買に馴染みがないので怖さが伝わりづらくなっているような気がします。色々配慮する必要があるのかと思いますが元のままのほうが怖かった気がします。
おすすめできる人はイマイチ分かりませんが原作ファンでしょうか。面白いけどわざわざ見るほどでもないといったところでした。
久々に寝落ちが我慢できなかった(。-ω-)zzz. . . (。゚ω゚) ハッ!
もしも、西島秀俊が復讐相手のラスボスなら…
もしも、青木崇高の復讐のお手伝いのストーリーだったら…
配役次第で評価は変わっただろうにメチャクチャ残念でした。
皆さん採点が高くてビックリ!
黒沢清監督
もちろん蛇の道はオリジナル版も好きですが、今作はオリジナル蛇の道のサスペンス版というような感じで狂気やホラー要素は薄めです。
撮られた時代(90年代)もあると思います。
昔の黒沢監督なら男性を女性に置き換える話はなかなか映画にしようとはしなかったと思いますが、過去他の映画で夫婦を素材として映像化しているからこそ、この作品が違和感なく、むしろ当時より丁寧に描きながらも、新しい展開も納得させるものになっていました。
しかし変わらない部分もたくさんあって、相変わらずの車のシーンやルンバのような無機質な機械音と動きで隠喩したり、もはや隠喩でもないと思えるぐらいですが。
オリジナルと比類する面白さではないでしょうか。
言葉、時差、人種、国を変えた価値があった。
何が変化するか掬い取れない人はフランスで撮った意味がないともいいかねない。
空虚さを抱えた人間を超えて
2024年。黒沢清監督。何者かに娘を殺された男は、精神科医の女性とともに犯人を探して復讐しようと計画する。関係者を拉致監禁、嘘とも本当ともつかない証言を引き出してまた別の人間を拉致監禁し、、、というあいまいな犯行を繰り返すうちに怪しい組織が浮かび上がるが、その過程で男自身にも関係があるあることが判明していく。そして関係者は次々に殺されていく、、、という話。
まず復讐の成り行きの曖昧さや行き当たりばったりの犯行に目がいくが、なんといっても微動だにしない決意を秘めて男を操るようでもある女医の思惑がわからないのがこわい。同じ犯行を重ねていくので(スタンガン、寝袋にくるんで拉致、監禁、水攻め)犯行の反復自体に意味があるように見えてくる。つまり、女医にとって犯行は空虚な人生を生きることそのものではないかと思われてくるが、当初は空虚さの理由が描かれないので、ニヒリズムから人間の則を超えていこうとする姿にも見える(反復と超越)。このサディストぶりがこわい。最後には空虚さの事情が知らされるのだが、それで「あー理由があってよかった」とならないのがさらにこわい。事情の方が後付けの理屈に見えるのだ。やはりこの人は最初から壊れていたのではないのか。
反復によって生まれるリズムと緊張感、深まる謎、拷問にはちょっとした笑いさえ漂っている。ゆったりと静かに展開する復讐の不気味さに脱帽。
黒沢清監督のセルフリメイク
新宿ピカデリーにて鑑賞。
黒沢清監督セルフリメイク版、公開初日に鑑賞🎥
待ちに待った黒沢清監督作とのスクリーン対峙は、至福の時間😊✨
内容はオリジナルを概ね踏襲しているが、主人公が女性(柴咲コウ)、場所がフランス、言葉もフランス語メインなどは決定的な違い😊🇫🇷
しかし、映った映像は明らかに黒沢清の世界🎥
物語は、娘を殺された者の復讐劇であり、オリジナル版では殺された少女に対するダークな残酷さがもっとあったが、今回は時節柄か若干マイルドに変更。
物語の舞台を日本からフランスに変えたことで雰囲気が全く異なるかと思ったが、監禁される者たちは今作でも倉庫なので、このあたりは「フランスでも密室じゃあ、ほぼほぼ似たようなシーン」という感じ。言葉がフランス語ではあるが……。
柴咲コウは、事前にフランスで1ヶ月だったか住んで撮影に臨んだそうなので、かなりフランス語は流暢に話していて「たいしたもの」であった。
黒沢清監督ファンであれば前作(ビデオシネマ版)を観ていると思うが、できれば前作を観てから本作に臨むとベターかもしれない。
前作を観ていなくても当然分かる内容ではあるものの、黒沢清監督が何故こうしたのか?……などを考える楽しみが増大するのではなかろうか?
心地よい時間を過ごすことができた黒沢清監督の佳作🎥✨
<映倫No.60050>
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