化け猫あんずちゃんのレビュー・感想・評価
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「生きてればいいことあるから」かりんのみずみずしい表情がさらに傑作へと導いている
ここのところ、不満足なアニメ映画が続いていたのですが、久しぶりに素晴らしいアニメ映画に出会えました。後半は涙目になり、それでいて懐かしさと心地良さを感じました。
化け猫のあんずちゃんは、ドラえもんをおじさんっぼくしたキャラですが、かりんを優しく見守る姿に好感です。
かりんは、舌打ちするリアルな現代っ子ですが、みずみずしい豊かな表情が印象的で、作品の質をさらに高めているように感じました。
「生きてればいいことあるから」は、劇中でかりんの母親が言ったセリフです。今、自殺を考えている人たちにぜひ届けたい言葉です。前向きに生きていける人間になりたいですね。
往年の名作を現代的にアップデートした感触があり、アカデミー賞のアニメ部門にノミネートされる可能性は高いと思います。
不思議で微妙で愛おしい
癒されないけど、憎めない。
可愛くないのだが、愛おしい。
微妙で褒めにくいのだが、嫌いになれない。
不思議な作品でした。
キャラたちが法を犯したり、過激な暴力表現があったりと、ややとっつきにくい部分もあったが、アニメーションというオブラートが上手く機能していたと思います。
実写をアニメ化する手法故か
”あんず”と”かりん”の地獄巡り
実写映像をアニメ化する「ロトスコープ」という手法を使って制作されたアニメということでしたが、私の鈍感さゆえか、正直普通のアニメとの相違が感じられませんでした。
それは脇において内容的なところでは、化け猫であるはずのあんずちゃんが、普通に人間社会に溶け込んでおり、愛らしいオッサンそのものを演ずるという世界観が心地よかったです。借金取りに追われる父親に、祖父が住職を務める伊豆のお寺に半ば置き去りにされてしまったかりんが妙に大人びていて、いかにも現代の女の子っぽかったのもキャラクター設定として良かったと思います。
終盤亡くなった母親に会うために地獄に侵入したあんずちゃんとかりんの冒険や、対峙する閻魔大王のユーモラスなヤクザ感も絶妙で、終始温かい空気に包まれたお話でした。
惜しむらくは、「ロトスコープ」の良さを実感できなかったことくらいでしょうか。
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
夏休みにぴったり
まったく予見なく観て笑いました
例によって別の映画の幕間で観た予告編だけで予備知識なく足を運んだ、ジャケ買いならぬ「コク買い」。たまに外すが、これは予想外のエンタイトルツーベースで走者一掃の打点2を記録した感じ。
なんと言ってもあんずちゃんのキャラがじわじわ来るのと、ツンデレ小学生との掛け合いが魅力的。
クズ男の父やその父の寺の住職、不良チームを結成している小5男子2人、閻魔様などのキャラもかなり魅力的だが、個人的には何と言っても貧乏神が最高にシュールだ。
自転車を盗られて帰宅したあんずちゃんが棒の先に包丁を括り付け、いつもはクール&アンニュイなのに逆上して「赦さねぇっ」と障子をズタズタにするシーンは声を上げて笑ってしまった。
しかし、TOHOシネマズ六ヒルのスクリーン6,120席で観客たった2人は、平日の昼前からの回とは言えちょっと寂しい。もっと入っても良い佳作だと思うけど。
これからクチコミでじわじわ来て欲しい。
若干憲法論の観点から怪しい部分はあるものの(本文参照)
今年265本目(合計1,357本目/今月(2024年7月度)28本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
(前の作品 「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」→この作品「化け猫あんずちゃん」→次の作品「」(明日予定))
日仏合作という事情があるので、日本の文化もフランスの文化もあり、またこの映画の一つの論点となる「現在と過去」「この世界と来世・地獄」といった普遍的テーマも、一般的な日本の考え方とは「ちょっと」ずれたかなと思える点はありますが、それでも許容範囲かなといったところです。
ここでは辛口のコメントが多いですが、おそらく上記の事情で日本のこうした事情や、夜逃げ・借金夜逃げの事情(借金返せだの何だのの張り紙。日本と違い、フランスでは債権者代位権の行使が日本より普通なので、あのようにはならない。日本の民法はフランス民法を借りているので同じ趣旨の条文はあるが(423)、ほぼ使われていない)など、やや似ている点も違う点も明確にあります。こうした点に関しては日韓合作や日台合作などならともかくも、ほぼ地球の裏側というほどの日仏合作ならもう仕方がないのでは…といったところです。
個人的には自転車の件など日本でもフランス民法基準でもアウトだろうという部分はままあるものの、当事者は小学5年生だったか(10歳か11歳といっていたははずなので)の年齢で、そこまで突っ込んでも仕方がないので、そこは大目にみました(減点なし)。
ただ、若干この映画は憲法論に踏み込んでいる部分があり、その補足がなかったのが惜しかったところです。以下触れながら解説します。
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(減点0.3/「マッサージ」を手伝うなどの行為と、「マッサージ」かどうかの説明が不足)
序盤で主人公?のあんずちゃんが代わりに押しているシーンですね。
日本では「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」という法律があり(以下、一般的略称の「あはき法」で統一)、これらの職業は規制がかかっています。もっともこれは、制定当時も今も、視覚障害者(以下は、視覚障がい者に対して「眼が不自由ではない」という意味で「健常者」という語を用います)の職域として守るべく作られた法律で、現在令和6年においても、健常者による専門学校などは開けません(令和5年まで最高裁まで争われても敗訴しています)。
しかし、同あはき法は「マッサージ」などの厳密な定義をおかなかったために、「リフレッシュマッサージ」や「整体」「カイロプラクティック」といった「法の想定していない施術」がどんどん増えていくことになります。これも最高裁判例まで争われ、「…それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも、人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであつて」(最裁昭和35.1.27)と「実際に健康被害等が生じないものまで罰することはできない」という結論になった事情があり、これを契機に整体・カイロ等が現在においても存在します。これらは最高裁の判例の建前では「怪我をさせない範囲で」というものですが、実際にこれにより怪我をしたといった事例が消費者庁や国民生活センター等に紹介されていることもご存じの通りです(よって、整形外科医とこれらとは険悪どころの騒ぎではなく、患者に対しても「整体・カイロ等を受診した方は当院での治療はお断りします」などというありさまです)。
ですが、令和6年度の現在においても、視覚障がい者の社会進出の一つの類型に、いわゆる法で定められるあはき法による「正規の施術」があるのに対し、健常者のそれ「もどき」はどうしても料金設定や予約の取り方などで有利であり(あはき法のこれらの施術は医療に類するものですから、値段設定まで法で縛られます)、こうした「整体・カイロ等」の存在によって、視覚障害者の方の職域が奪われているのは現在においても程度の差は縮まっても変わってはいません(現在は読み上げソフト等の普及でIT職に就く方もいます)。
そうであれば、映画の描写で明確にわかるのは「無資格マッサージである」という点だけであり(30分追加でいくら、というような取り方は「正規の施術者は」できません)、この点については日本の福祉事情にかんがみて適切な描写が欲しかったです(もっとも、本映画はこうした論点が結果的に抜け落ちたものであり、積極的悪害があるものではないと思います。フランスに「あはき法」によるような視覚障がい者を一定程度守る職域があるかは不明)。
猫好きのオイラはウズウズ💦
あんずちゃん大好き❤タミャラーン😹
まったくもって個人的嗜好の話で
聞くに耐えないほどの恐縮さだが、
自分の子供の頃からの夢は、巨大な猫を仔猫からじっくり大きく人間サイズに育てて、やがて跨って乗り回したり、夜は抱きついて眠ることだった
大人になってもその夢は続き、巨大化する猫種のメインクーンと共に肉球按摩術を開発し、マッサージ指圧師資格を取り、地元に"仔猫治療院"を開業する計画も密かに立てたりしていたのだ
だから映画が始まってすぐに
あんずちゃんと友達になりた〜いとウズウズし始めて止まらず
終盤までカリンちゃんとあんずちゃんの物理的距離がなかなか縮まらず
私はスクリーンに巨大なモフモフをチラつかされ、だんだんとモヤモヤしてきて
「早よ抱きつかんかい!ほれ今じゃ、行かんか〜い」と焦らされまくりで、最後の最後にモフッた時にはジーンと感動🥹する始末の変態猫惚けジジイ丸出しでありました
それはさておき この映画、エンタメとしても実によく出来てた
人物描写のディテールが繊細なのは大ファンの天才漫画家いましろたかし先生の原作のテイストもありますが、曲者いまおかしんじさんのこなれた脚本と山下監督の安定感ある演出、何より久野遥子監督の猫へのビッグラブのお陰だと思う
オレほどの猫ボケじゃなくとも素直に物語を楽しんで最後にはとても良い気分になれるはず
「ルックバック」に続き、個人的にはまたもアニメ映画で大当たり🎯
日本のアニメもまだまだ世界のトップクラスにいるんだと感じられて、なんかそこも微妙な多幸感味わえました🫶
慶一御大が音楽🎵と和尚さんの声役で大活躍なのも嬉しいかったニャ😹
またたび
パチンコを打ってた化け猫のあんずちゃんの予告に惹かれて鑑賞。
めっちゃ素敵だった〜!夏休みに観る映画ってこんな感じだったな〜と小学生の頃を思い出すような懐かしさがあって最初から最後までまったり観れました。
祖父の元に預けられたかりんちゃんと、なぜか二足歩行の人間サイズの猫のあんずちゃんとの不思議な生活をじっくりと眺めることができます。
あんずちゃんの登場シーンがババーンって感じではなくて、バイクでゆったり登場するところからがっしり心掴まれました。
この手のキャラをヌルッと画面に入れて、そのまま何事もなかったかのようにどこかへ行ってしまう行方の知れなさが良かったです。
中身が完全にダメ人間なのもあって、無免許運転はするわ、あんずちゃんの稼ぎを増えせばいいやって感覚でパチンコにぶち込むわ、怒りのあまり障子を槍でぶち抜くわで、時々猫の部分が垣間見えていたのも良かったです。
人間サイズのフォルムで毛繕いしたりするところとかもキュートとはまた違った可愛さがありました。
かりんちゃんが非常に良いキャラをしていて、外面はとっても良いのに、悪巧みはするし、舌打ちは高頻度でするし、悪態はつきまくるしで、中々に尖った小学5年生で面白かったです。
直近での悪ガキムーヴをかましていた「トラペジウム」の東ゆうと似た部分があったのも面白くて、東ゆうは夢への渇望ゆえにどん底に落ちていくタイプでしたが、かりんちゃんは表情に出すのを隠してはいなかったので、周りに易々とバレるのも年相応だなぁと少し微笑ましくなりました。
お母さんが大好きだからこその行動力だったり、あんずちゃんと分かり合っていく様子だったり、友達のような関係性を築いて成長していくのが観れてとても好き〜ってなりました。
終盤の地獄へと向かうところで冒険ものの色味が強くなり、トイレから地獄へ向かうという印象的なシーンでかりんちゃんが躊躇なくトイレに飛び込んで行ったのは笑いました。
ポップな地獄かと思いきや、しっかりと人は痛めつけられているし、鬼たちが地上に上がってきてからの暴れっぷりはマイルドな作風から一転してあんずちゃんはじめ容赦なくボコボコにされていく様子はゾッとしました。可愛らしいタッチとのギャップが中々に強烈でした。
お母さんの選択のその後が描かれないのは怖いものがありますが、身を挺して守ってくれたお母さんの分までめいいっぱい生きようと成長したかりんちゃんのラストシーンも淡い余韻が残ってとても良かったです。
もっと深く描いてほしいなと思うところはちょくちょくありましたが、尺的にはこの収まり方が良かったのかも知れません。
アニメーションのタッチがフランスとの合作という事もあって、色合いが淡い感じなのがとても素敵でした。
シンエイ動画らしくよく動き回るのも良くて、各キャラクターの一度見たら忘れられない顔や形もとても良かったです。
シンエイ動画という事もあって、動きの多いところはクレヨンしんちゃん味を感じました。
本職の声優陣はほぼおらずで俳優陣が多く起用されていましたが、森山未來さんのあんずちゃんはめちゃくちゃハマっていて、ニャッハー!と高らかに笑うところがツボです。
かりんちゃん役の五藤希愛さんもこれまた良くて、可愛らしさのある声から繰り出されるわるーい感情がとてもクセになりました。
青木さんの渋いお父さんの声も好きでしたし、市川さんの優しいお母さんの声も好きでした。
えらい聞き馴染みのある関西弁の閻魔だなぁと思ったら宇野さんだったのも面白かったです。
トドメにまんまる鳥の声が大谷育江さんで贅沢ぅ〜ってなりました。
夏真っ盛り、お日様テッカテカな日には映画館に行って今作で涼みましょう。
しっかしチャーハンうまそうだったなぁ…。
鑑賞日 7/21
鑑賞時間 11:30〜13:15
座席 D-14
ドラ、トトロ、ゲゲゲ、クレしん。
ほのぼのとして癒される映画だった!
いましろたかし女の子を描くのうまくなったなぁ?
と、思って配信で原作を読んでみたらそんな事はなかった。作画監督が優秀だって事ですね。
借金かかえて夜逃げした父親と娘が実家のお寺に転がり込むのだが、そこに唐突にスーパーカブ( 丸目じゃなくて、角目のヘッドライトのカブ。分かってるなぁ?渋いよね?角目カブ!) に乗って化け猫登場。
一瞬、女の子は驚くのだがすぐに受け入れて普通に会話する。受け入れるの早すぎ、飯島真理だってリン・ミンメイのキャラを受け入れるのに何十年もかかったぞ?( 何、その例え)
警察官も慣れたもんでスーパーカブでスピード違反する化け猫に向かって
「 駄目だよ。無免許でバイクに乗っちゃー? 免許取れる年齢なんだからー?」 と注意してパトカーに乗せて連行する。違う、違う、そうじゃない、そうじゃない。
この不思議な生き物を見た時にまずする事は、学研のムー編集部に通報でしょーが?その後にNASAに通報ね?
女の子が大好きなお母さんが死んじゃってから、クズの父親に振り回されているせいか、グレて事あるごとに舌打ちをするのだが、その舌打ちする度におじさんは興奮したぞ?( おい )
化け猫が山の中でウズラを拾ってくるんだけど、そのウズラのあまりにも適当な作画には笑った。可愛いんだけどね。
この後にも、様々な化け物が登場するのだが普通に人間世界に馴染んでいてそういう世界観だという事がわかり妖怪好きにも満足する仕上がりです。
死んだお母さんに会いたいとお願いする女の子とお母さんが会ってからのドタバタ劇からーの、EDはまぁよくあるパターンだけど良かったかなと思います。「 鬼太郎誕生、ゲゲゲの謎 」に満足しなかった人にお勧め。
猫バスならぬバイクに鬼バス
田舎のヤンキーみたいな、ゆる~いキャラに起きていることを全て何の疑いもなく受け入れる人達+妖怪 不思議な方達でしたが、絵柄が可愛くてとても癒されました あんずちゃんのかつてフツーに猫だった頃キュートだし、オッサン妖怪になっても憎めないキャラ 和尚さんの円らな瞳もかわいらしい なんとなく線が粗いので海外のアニメだなとは思ったよ
めんどくさ〜なかりんちゃんにはちとイラッとしてしまいましたが、夏休み、そろそろお盆のお墓参りにピッタリなストーリー
貧乏神は貧乏神なだけに忘れ去られてる?
地獄は六道らしいですがオカンはあれは何道だったんだろう?
ありがとまんにゃ
基本的には良心的な作品だと思う。
ロトスコ手法のリアルさと、ポップな絵柄とをうまく調和させた新しい手法。
話はそんなに面白くなかったけど、とにかく画面が素晴らしい。色、構図、演技、絵のやわらかさが日本の劇場アニメの中でもトップレベルだと思う。
ただこれ、まずプロの俳優で実写パートを撮影し、それをあくまで下書きとして上からリライトしてるわけだから、めちゃくちゃ贅沢な作り方ではある。時間もコストもかかるはず。
そうまでする必要があったのかどうか…? 正直微妙だと思った。
たとえば技術的に未熟なスタッフでもかなりリアルなキャラ&芝居が描ける、とかいうメリットは、ことこの作品に関しては無縁じゃなかろうか。このスタッフで普通に一から作ってもかなりレベルの高いアニメになってそうな予感。
よりネガティブに捉えると、本来プロのアニメーターが想像力を凝らす部分を実写監督とプロ俳優の演技によって手を抜くことが可能になったと(宮崎駿の罵声とともに)言うこともできる。
しかも実際には、本作の手法自体が高度な技術で、上手い人が処理しただろう部分とそうでもない部分との差を感じるなど、現実には未熟なスタッフでも人海戦術でどうにかなるものではなかった気がする。
ただひとつ、キャラクターごとに担当者が決まっていることで芝居のトーンを統一できる、キャラクターの一貫性を保てる、というメリットはあるのかも知れない。
声もほとんどは本人がやってるので、演技がズレたりすることはない。
ただ労力(持続可能性)を考えると、そこまで将来有望なテクニックではないような。
あと録音が微妙。セリフの声がこもって聴こえた部分と、あんずちゃんの足音が靴を履いてるように聞こえたのがマイナスかな。
ゆる〜い気持ちで。
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