化け猫あんずちゃんのレビュー・感想・評価
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まったく予見なく観て笑いました
例によって別の映画の幕間で観た予告編だけで予備知識なく足を運んだ、ジャケ買いならぬ「コク買い」。たまに外すが、これは予想外のエンタイトルツーベースで走者一掃の打点2を記録した感じ。
なんと言ってもあんずちゃんのキャラがじわじわ来るのと、ツンデレ小学生との掛け合いが魅力的。
クズ男の父やその父の寺の住職、不良チームを結成している小5男子2人、閻魔様などのキャラもかなり魅力的だが、個人的には何と言っても貧乏神が最高にシュールだ。
自転車を盗られて帰宅したあんずちゃんが棒の先に包丁を括り付け、いつもはクール&アンニュイなのに逆上して「赦さねぇっ」と障子をズタズタにするシーンは声を上げて笑ってしまった。
しかし、TOHOシネマズ六ヒルのスクリーン6,120席で観客たった2人は、平日の昼前からの回とは言えちょっと寂しい。もっと入っても良い佳作だと思うけど。
これからクチコミでじわじわ来て欲しい。
化け猫あんずちゃんのオッサン振りが(笑)
妖怪と人間が共存している南伊豆。妖怪も人間も温い感じで生きてて、地獄の鬼はヤクザ。和尚と仏陀と妖怪がいて、泣いたり笑ったりホッコリしたり。
親ってどこ行ってもアホなんよ。
若干憲法論の観点から怪しい部分はあるものの(本文参照)
今年265本目(合計1,357本目/今月(2024年7月度)28本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
(前の作品 「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」→この作品「化け猫あんずちゃん」→次の作品「」(明日予定))
日仏合作という事情があるので、日本の文化もフランスの文化もあり、またこの映画の一つの論点となる「現在と過去」「この世界と来世・地獄」といった普遍的テーマも、一般的な日本の考え方とは「ちょっと」ずれたかなと思える点はありますが、それでも許容範囲かなといったところです。
ここでは辛口のコメントが多いですが、おそらく上記の事情で日本のこうした事情や、夜逃げ・借金夜逃げの事情(借金返せだの何だのの張り紙。日本と違い、フランスでは債権者代位権の行使が日本より普通なので、あのようにはならない。日本の民法はフランス民法を借りているので同じ趣旨の条文はあるが(423)、ほぼ使われていない)など、やや似ている点も違う点も明確にあります。こうした点に関しては日韓合作や日台合作などならともかくも、ほぼ地球の裏側というほどの日仏合作ならもう仕方がないのでは…といったところです。
個人的には自転車の件など日本でもフランス民法基準でもアウトだろうという部分はままあるものの、当事者は小学5年生だったか(10歳か11歳といっていたははずなので)の年齢で、そこまで突っ込んでも仕方がないので、そこは大目にみました(減点なし)。
ただ、若干この映画は憲法論に踏み込んでいる部分があり、その補足がなかったのが惜しかったところです。以下触れながら解説します。
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(減点0.3/「マッサージ」を手伝うなどの行為と、「マッサージ」かどうかの説明が不足)
序盤で主人公?のあんずちゃんが代わりに押しているシーンですね。
日本では「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」という法律があり(以下、一般的略称の「あはき法」で統一)、これらの職業は規制がかかっています。もっともこれは、制定当時も今も、視覚障害者(以下は、視覚障がい者に対して「眼が不自由ではない」という意味で「健常者」という語を用います)の職域として守るべく作られた法律で、現在令和6年においても、健常者による専門学校などは開けません(令和5年まで最高裁まで争われても敗訴しています)。
しかし、同あはき法は「マッサージ」などの厳密な定義をおかなかったために、「リフレッシュマッサージ」や「整体」「カイロプラクティック」といった「法の想定していない施術」がどんどん増えていくことになります。これも最高裁判例まで争われ、「…それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも、人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであつて」(最裁昭和35.1.27)と「実際に健康被害等が生じないものまで罰することはできない」という結論になった事情があり、これを契機に整体・カイロ等が現在においても存在します。これらは最高裁の判例の建前では「怪我をさせない範囲で」というものですが、実際にこれにより怪我をしたといった事例が消費者庁や国民生活センター等に紹介されていることもご存じの通りです(よって、整形外科医とこれらとは険悪どころの騒ぎではなく、患者に対しても「整体・カイロ等を受診した方は当院での治療はお断りします」などというありさまです)。
ですが、令和6年度の現在においても、視覚障がい者の社会進出の一つの類型に、いわゆる法で定められるあはき法による「正規の施術」があるのに対し、健常者のそれ「もどき」はどうしても料金設定や予約の取り方などで有利であり(あはき法のこれらの施術は医療に類するものですから、値段設定まで法で縛られます)、こうした「整体・カイロ等」の存在によって、視覚障害者の方の職域が奪われているのは現在においても程度の差は縮まっても変わってはいません(現在は読み上げソフト等の普及でIT職に就く方もいます)。
そうであれば、映画の描写で明確にわかるのは「無資格マッサージである」という点だけであり(30分追加でいくら、というような取り方は「正規の施術者は」できません)、この点については日本の福祉事情にかんがみて適切な描写が欲しかったです(もっとも、本映画はこうした論点が結果的に抜け落ちたものであり、積極的悪害があるものではないと思います。フランスに「あはき法」によるような視覚障がい者を一定程度守る職域があるかは不明)。
猫好きのオイラはウズウズ💦
あんずちゃん大好き❤タミャラーン😹
まったくもって個人的嗜好の話で
聞くに耐えないほどの恐縮さだが、
自分の子供の頃からの夢は、巨大な猫を仔猫からじっくり大きく人間サイズに育てて、やがて跨って乗り回したり、夜は抱きついて眠ることだった
大人になってもその夢は続き、巨大化する猫種のメインクーンと共に肉球按摩術を開発し、マッサージ指圧師資格を取り、地元に"仔猫治療院"を開業する計画も密かに立てたりしていたのだ
だから映画が始まってすぐに
あんずちゃんと友達になりた〜いとウズウズし始めて止まらず
終盤までカリンちゃんとあんずちゃんの物理的距離がなかなか縮まらず
私はスクリーンに巨大なモフモフをチラつかされ、だんだんとモヤモヤしてきて
「早よ抱きつかんかい!ほれ今じゃ、行かんか〜い」と焦らされまくりで、最後の最後にモフッた時にはジーンと感動🥹する始末の変態猫惚けジジイ丸出しでありました
それはさておき この映画、エンタメとしても実によく出来てた
人物描写のディテールが繊細なのは大ファンの天才漫画家いましろたかし先生の原作のテイストもありますが、曲者いまおかしんじさんのこなれた脚本と山下監督の安定感ある演出、何より久野遥子監督の猫へのビッグラブのお陰だと思う
オレほどの猫ボケじゃなくとも素直に物語を楽しんで最後にはとても良い気分になれるはず
「ルックバック」に続き、個人的にはまたもアニメ映画で大当たり🎯
日本のアニメもまだまだ世界のトップクラスにいるんだと感じられて、なんかそこも微妙な多幸感味わえました🫶
慶一御大が音楽🎵と和尚さんの声役で大活躍なのも嬉しいかったニャ😹
またたび
パチンコを打ってた化け猫のあんずちゃんの予告に惹かれて鑑賞。
めっちゃ素敵だった〜!夏休みに観る映画ってこんな感じだったな〜と小学生の頃を思い出すような懐かしさがあって最初から最後までまったり観れました。
祖父の元に預けられたかりんちゃんと、なぜか二足歩行の人間サイズの猫のあんずちゃんとの不思議な生活をじっくりと眺めることができます。
あんずちゃんの登場シーンがババーンって感じではなくて、バイクでゆったり登場するところからがっしり心掴まれました。
この手のキャラをヌルッと画面に入れて、そのまま何事もなかったかのようにどこかへ行ってしまう行方の知れなさが良かったです。
中身が完全にダメ人間なのもあって、無免許運転はするわ、あんずちゃんの稼ぎを増えせばいいやって感覚でパチンコにぶち込むわ、怒りのあまり障子を槍でぶち抜くわで、時々猫の部分が垣間見えていたのも良かったです。
人間サイズのフォルムで毛繕いしたりするところとかもキュートとはまた違った可愛さがありました。
かりんちゃんが非常に良いキャラをしていて、外面はとっても良いのに、悪巧みはするし、舌打ちは高頻度でするし、悪態はつきまくるしで、中々に尖った小学5年生で面白かったです。
直近での悪ガキムーヴをかましていた「トラペジウム」の東ゆうと似た部分があったのも面白くて、東ゆうは夢への渇望ゆえにどん底に落ちていくタイプでしたが、かりんちゃんは表情に出すのを隠してはいなかったので、周りに易々とバレるのも年相応だなぁと少し微笑ましくなりました。
お母さんが大好きだからこその行動力だったり、あんずちゃんと分かり合っていく様子だったり、友達のような関係性を築いて成長していくのが観れてとても好き〜ってなりました。
終盤の地獄へと向かうところで冒険ものの色味が強くなり、トイレから地獄へ向かうという印象的なシーンでかりんちゃんが躊躇なくトイレに飛び込んで行ったのは笑いました。
ポップな地獄かと思いきや、しっかりと人は痛めつけられているし、鬼たちが地上に上がってきてからの暴れっぷりはマイルドな作風から一転してあんずちゃんはじめ容赦なくボコボコにされていく様子はゾッとしました。可愛らしいタッチとのギャップが中々に強烈でした。
お母さんの選択のその後が描かれないのは怖いものがありますが、身を挺して守ってくれたお母さんの分までめいいっぱい生きようと成長したかりんちゃんのラストシーンも淡い余韻が残ってとても良かったです。
もっと深く描いてほしいなと思うところはちょくちょくありましたが、尺的にはこの収まり方が良かったのかも知れません。
アニメーションのタッチがフランスとの合作という事もあって、色合いが淡い感じなのがとても素敵でした。
シンエイ動画らしくよく動き回るのも良くて、各キャラクターの一度見たら忘れられない顔や形もとても良かったです。
シンエイ動画という事もあって、動きの多いところはクレヨンしんちゃん味を感じました。
本職の声優陣はほぼおらずで俳優陣が多く起用されていましたが、森山未來さんのあんずちゃんはめちゃくちゃハマっていて、ニャッハー!と高らかに笑うところがツボです。
かりんちゃん役の五藤希愛さんもこれまた良くて、可愛らしさのある声から繰り出されるわるーい感情がとてもクセになりました。
青木さんの渋いお父さんの声も好きでしたし、市川さんの優しいお母さんの声も好きでした。
えらい聞き馴染みのある関西弁の閻魔だなぁと思ったら宇野さんだったのも面白かったです。
トドメにまんまる鳥の声が大谷育江さんで贅沢ぅ〜ってなりました。
夏真っ盛り、お日様テッカテカな日には映画館に行って今作で涼みましょう。
しっかしチャーハンうまそうだったなぁ…。
鑑賞日 7/21
鑑賞時間 11:30〜13:15
座席 D-14
ドラ、トトロ、ゲゲゲ、クレしん。
お盆映画の律儀な更新だが、
ちゃんと泣かす「ももへの手紙」に軍配。
山下敦弘の映画をアニメに落とし込む、
とはこういうことか、とは思えた。
ドラ、トトロ、ゲゲゲ、クレしんを混ぜる
果敢な企みは買うが、
照れ隠しか?直球の引用過多がノイズにも。
ギリ私的テン入りか。
ほのぼのとして癒される映画だった!
思ってたよりも化け猫であるあんずちゃんが町に馴染んでいたのが少しツボだったw
物語は主人公であるカリンのバックグラウンドにフォーカスされて、徐々にあんずちゃんとの関係性が親子みたいなものに変わって行く過程はいいものだった😊
いましろたかし女の子を描くのうまくなったなぁ?
と、思って配信で原作を読んでみたらそんな事はなかった。作画監督が優秀だって事ですね。
借金かかえて夜逃げした父親と娘が実家のお寺に転がり込むのだが、そこに唐突にスーパーカブ( 丸目じゃなくて、角目のヘッドライトのカブ。分かってるなぁ?渋いよね?角目カブ!) に乗って化け猫登場。
一瞬、女の子は驚くのだがすぐに受け入れて普通に会話する。受け入れるの早すぎ、飯島真理だってリン・ミンメイのキャラを受け入れるのに何十年もかかったぞ?( 何、その例え)
警察官も慣れたもんでスーパーカブでスピード違反する化け猫に向かって
「 駄目だよ。無免許でバイクに乗っちゃー? 免許取れる年齢なんだからー?」 と注意してパトカーに乗せて連行する。違う、違う、そうじゃない、そうじゃない。
この不思議な生き物を見た時にまずする事は、学研のムー編集部に通報でしょーが?その後にNASAに通報ね?
女の子が大好きなお母さんが死んじゃってから、クズの父親に振り回されているせいか、グレて事あるごとに舌打ちをするのだが、その舌打ちする度におじさんは興奮したぞ?( おい )
化け猫が山の中でウズラを拾ってくるんだけど、そのウズラのあまりにも適当な作画には笑った。可愛いんだけどね。
この後にも、様々な化け物が登場するのだが普通に人間世界に馴染んでいてそういう世界観だという事がわかり妖怪好きにも満足する仕上がりです。
死んだお母さんに会いたいとお願いする女の子とお母さんが会ってからのドタバタ劇からーの、EDはまぁよくあるパターンだけど良かったかなと思います。「 鬼太郎誕生、ゲゲゲの謎 」に満足しなかった人にお勧め。
五藤 希愛
ちゃんのかりんちゃんが、本当に駄目な女の子でよろしい。あんたのお陰でママはどうなっちゃうんだろう?まったく!
森山未來さんは予告編では本人だったけど、作中ではあんずちゃんそのもので違和感無かったです。
猫バスならぬバイクに鬼バス
田舎のヤンキーみたいな、ゆる~いキャラに起きていることを全て何の疑いもなく受け入れる人達+妖怪 不思議な方達でしたが、絵柄が可愛くてとても癒されました あんずちゃんのかつてフツーに猫だった頃キュートだし、オッサン妖怪になっても憎めないキャラ 和尚さんの円らな瞳もかわいらしい なんとなく線が粗いので海外のアニメだなとは思ったよ
めんどくさ〜なかりんちゃんにはちとイラッとしてしまいましたが、夏休み、そろそろお盆のお墓参りにピッタリなストーリー
貧乏神は貧乏神なだけに忘れ去られてる?
地獄は六道らしいですがオカンはあれは何道だったんだろう?
ありがとまんにゃ
基本的には良心的な作品だと思う。
ロトスコ手法のリアルさと、ポップな絵柄とをうまく調和させた新しい手法。
話はそんなに面白くなかったけど、とにかく画面が素晴らしい。色、構図、演技、絵のやわらかさが日本の劇場アニメの中でもトップレベルだと思う。
ただこれ、まずプロの俳優で実写パートを撮影し、それをあくまで下書きとして上からリライトしてるわけだから、めちゃくちゃ贅沢な作り方ではある。時間もコストもかかるはず。
そうまでする必要があったのかどうか…? 正直微妙だと思った。
たとえば技術的に未熟なスタッフでもかなりリアルなキャラ&芝居が描ける、とかいうメリットは、ことこの作品に関しては無縁じゃなかろうか。このスタッフで普通に一から作ってもかなりレベルの高いアニメになってそうな予感。
よりネガティブに捉えると、本来プロのアニメーターが想像力を凝らす部分を実写監督とプロ俳優の演技によって手を抜くことが可能になったと(宮崎駿の罵声とともに)言うこともできる。
しかも実際には、本作の手法自体が高度な技術で、上手い人が処理しただろう部分とそうでもない部分との差を感じるなど、現実には未熟なスタッフでも人海戦術でどうにかなるものではなかった気がする。
ただひとつ、キャラクターごとに担当者が決まっていることで芝居のトーンを統一できる、キャラクターの一貫性を保てる、というメリットはあるのかも知れない。
声もほとんどは本人がやってるので、演技がズレたりすることはない。
ただ労力(持続可能性)を考えると、そこまで将来有望なテクニックではないような。
あと録音が微妙。セリフの声がこもって聴こえた部分と、あんずちゃんの足音が靴を履いてるように聞こえたのがマイナスかな。
ゆる〜い気持ちで。
常にゆるい気持ちになる。
シリアスなところもどこか面白おかしく見れるような映画。
実写監督との共同ということだったがそれとらしいところはあまり感じられず、画面全体のテクスチャ感で作品の特徴を出している方が印象的なだった。
ただ、いい話なんだろうがもっとギャグ日常に振ってた方が面白かったかも。
ロトスコープによる奇妙な世界観
ロトスコープを使った作品。「白雪姫」の時代からロトスコープは実写映像をアニメに置き換えることによってリアリティのズレというか揺らぎというか奇妙な効果を生み出してきた。
本作では、人間(かりん、哲也、住職、井上、林など)はそのままダイレクトのアニメで表現し、キャラクターはロトスコープで再現しているようだ。ただし、すべてのキャラクターにロトスコープを使ったのではなく雑魚キャラ(カエルくん一味や鬼ども)はダイレクトアニメなのだろう。ロトスコープで表現されたキャラクターはあんずちゃん、カエルくん、貧乏神そして閻魔大王あたりか。いずれも面白い出来上がりだが、なかでも閻魔大王はパイロットフィルムで演じたのは宇野祥平であり特に存在感が強かった。
普通のアニメキャラクターにロトスコープのキャラクターが混ざると、言ってみれば満員電車の中にゆるキャラが居るような感じになる。通常の生活空間を描いた映画であってもこれは面白いと思うけど、この映画の設定はお盆あたり(かりんの母親の命日ではあるが)での地獄巡り。いわば彼岸と此岸が交錯する物語なのである。それだけにロトスコープのもたらす奇妙な感じが効果を出している。
話は変わるが、森山未來っていう役者さんは、先日は「大いなる不在」をみたばかりなのだけど、製作者の意図を理解して協力してくれる実にありがたい存在なんでしょうね。
正直モヤモヤ感が...
主人公である小学5年のかりんちゃんのお父さんの哲也はクズで、クズに育てられたかりんちゃんも顔はかわいいけれど裏表があるクセのある子。哲也の実家である南伊豆のお寺にお母さんの命日までと預けられたかりんちゃんはカブに乗ったあんずちゃんと出会う。
おしょーさんに言われてかりんちゃんの面倒を見ようとするあんずちゃんと反発するかりんちゃん。南伊豆の池照町はあんずちゃんだけでなくいろんな妖怪が住んでいて、人間よりも情が厚い妖怪達。お母さんに命日にお母さんに会いたいと駄々をこねるかりんちゃんに貧乏神から地獄へ案内してもらい地獄で働いてるお母さんと出会う..って、現世ではクズの夫に迷惑かけられて死んでも地獄ってとことんついていないお母さんが可哀そうに思う。
あんずちゃんとかりんちゃんとお母さんの3人で地獄から抜け出し、エンマ大王と鬼たちを振り切って靖国神社の盆踊り大会会場まで逃げる3人。助けに来た池照町の妖怪達は鬼にまるで歯が立たない。結局、お母さんはえんま大王から「覚悟はできているな」と地獄へ連れ戻されその後の様子は分からずにエンディング、嘘だろぉ!かりんちゃんのお母さん、娘の我が儘につきあわされた上に今後どんな厳しい罰が下されているのか全く分からずモヤモヤ感をもって劇場から出てきました。
あんずちゃんの森山未來さんは中年化け猫ばっちりであんずちゃんの声もばっちり、作画も良かっただけに自分の中では決してハッピーエンドではない結末にすごく残念。
アニメーションはロトスコープ手法という実写からアニメーションにするやり方らしいけれど、正直、このモヤモヤ感解消には何の役にも立ちませんでした。
キャラデザは最高
2024年劇場鑑賞185本目。
あんずちゃんいいですね、かわいさでこびたりしてなく、かといってムカついたり不快なビジュアルでもなく、丁度いいマヌケヅラに森山未來の毒っけのある声が最高です。かりんちゃんはめっちゃかわいいんだけど性格ちょっとキツめかな・・・。本編後もうちょっと柔らかくなって子供本来の素直さが出たらいいですね。
林くんだったかな?ちょっと顔面バグってる子がなんともいい味出してました。
イロイロ引く程の生々しさ
本作はマンガ原作で、掲載はガンダムなどロボ作品でアレな『コミックボンボン』の末期作品。ウィキナントカによると当時は青年マンガ家を多数起用してて、当原作者はその1人。ですが実際、児童マンガ誌として青年マンガ家の作品がウケたのかは不明です(直後に廃刊)。
本作は特筆点が2つ、1つは『ロトスコープ』制作。見ていて全くその気配がなく、普通にアニメに仕上がっています。そこに、細かい人間的描写に拘ったんだなぁ感が出ていて、この辺りは非常に興味深いものがあり、見どころと言えばこの点です。
もう1つは、フランスの制作会社との合作。コチラは非常に謎で、この作品のどこにもフランス感がありません。ホントに制作だけに関わっただけの様です。ただその甲斐あってか、アヌシー映画祭出品となっています。
ところで、良かった作品は『良かった』『面白かった』で充分伝わるので、自分のインプレはマイナス点が中心ですが、本作は★2.5と言う辛辣さ。つまり上記の特徴は作品の良し悪しとは一切関係ありません。
大きなマイナス点は、表現が生々しい事。色々デフォルメした表現手法としてのアニメであるという持論(記号)から、本作は見た目意外のキャラや話の根本がかなりリアル寄りです。
まず、あんずちゃんが下賎で可愛くない、同じく可愛くないかりんちゃん(舌打ち連発)、ソレこそ生々しくて微妙な可愛くない周辺の小学生たち、悪い意味で田舎モン風情の大人たち。ロトスコで幾ら表現をリアルにしても、リアルの意図を履き違えた感すら滲んでいます。
また、地獄の鬼たちとの逃走劇とそのオチが???な事。あの一連のシーンは意味不明で一体何だったのかがサッパリです。
マイナス点2つ目は、ノリと趣味が『昭和のセンス』であり、今現在のアニメ作品を好む人にソレがウケるかどうかは疑問です。冒頭の親子(家族)の掛け合いがワリと胸糞で、しかも『中の人』の真骨頂とも言えるリアルさが災いし、ココで「シマッタ‥‥」と思いました。それに道路交通法違反やパチンコの件など、食事中の●とか最悪。集団で一方的にボコボコ暴行するなど、正直アニメの見せ方ではないかと。てか整体師の仕事は冒頭だけ?
極めつけは、全体的に音声・会話劇が淀んでいて、ボサーーーッとしててメリハリがなく、そのクセかりんちゃんのキレシーンだけは突然に空気をエグるので、むしろ不快が増してしまいます。その諸悪の根源は『制作首脳陣が理解してくれない』事、まァいつもの事です‥‥
文句ばかりと思われそうなので、チョッと面白かった部分は、村の妖怪たちの暮らしぶりでしょうか。何だか『水木しげる』をイメージさせられますが、微妙に『夏目』な隠し味も。でもソコにも昭和感の搭載。ソレさえなければ‥‥
と言う訳で、原作を知らなかったせいもありますが、本作は期待を真っ向から裏切られた感が強い後味でした。
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