化け猫あんずちゃんのレビュー・感想・評価
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展開がよい
たまに会う、何をしている人なのか分からない親戚みたいなあんずちゃん。
ロトスコープで撮られたこちらの作品、細かい動きの描写と上手いデフォルメ。
あんずちゃんの動きや声はどの場面もよいが、とくに盗られた自転車を探す場面がリアル。アニメ史上もっともリアルなのでは。
森山未來さんの声は、たしかにゆるく、大人なあんずちゃんに合っている。
未來さんは似た役を二度とやらない、と聞いた。また化け猫役見たいけどな。
かりんちゃんの父ちゃんはクズだ。
かりんちゃんはそんな父ちゃんと共に母ちゃんのいない日々を過ごした。子どもなら、母ちゃんの思い出を昇華できず、父ちゃんに苛立ち、つっけんどんに心を開くことをしなくなるだろう。かりんちゃんはそんなガキンチョなのだ。
そしてかりんちゃんの母ちゃん。
地獄から脱走し、どんな目に遭う覚悟もできている!と閻魔さまに。
閻魔さまとあんずちゃんチーム、どう勝つんだ!?ってくらいボコボコにされる。けれど、最終「勝つ」ではなく話し合いで終着する。大人だ。ご都合的な助っ人も来ない。みんな弱いのだ。そうだよな、普通に暮らしてる人だもん。ボコボコが仕事の人には敵わない。そこがリアル。
この地獄や地獄チームが現世に来る描写が楽しい。閻魔さまが霊柩車で追いかけてきたり、鬼たちがやわらぎのバスで迫ってくる。
霊柩車に乗れるサイズの閻魔さまが「覚悟は」と母ちゃんに聞く場面は色の使い方が見事で、閻魔さまは人間と変わらないサイズながら、圧があって怖い。その見せ方が上手くていいアニメーションを見ている満足感があった。
母ちゃんの覚悟。
自分が死んで、地獄で娘に会う。3年前の娘で記憶がとまっていたのに、3年後の娘に触れられて、声が聞けて、現世を逃避行(原付で)する。これ以上のことがあるだろうか。母ちゃんが「覚悟できている」と言うのは、そういうことだろう。
こんないい思いをしたのだ。死にながら、また娘に会えた。地獄で何が待っていようが構わないんじゃないか。
こんな冒険があり、あんずちゃんに心を開くことができたかりんちゃん。
そこに帰ってくる父ちゃん。帰るぞ、と言う。
ハァ!?やっと落ち着いたのにか……
ラスト、かりんちゃんの決断にも納得した。綺麗でファンタジーな作品ながら、脚本にリアルを感じられる。いや、そうだよな、と大人が思える展開が多い。ご都合主義や勢いで乗り切る脚本ではない。そこに好感がもてた。
ロトスコープ撮影のほうも見せてくれないかな〜🐱
絶対にまた見たい作品だ。
姿が猫に変わるだけで、こんなに印象がキュートでまろやかになるのものでしょうか。見た目と異なり中身はおっさんという「ギャップ萌え」も発生しているようです。
「カラオケ行こ!」「1秒先の彼」の山下敦弘監督とアニメーション作家の久野遥子監督がタッグを組み、いましろたかしの同名コミックを日仏合作で映画化し、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品された長編アニメーション。
●ストーリー
ある豪雨の日、南伊豆・池照町の一角にある草成寺の住職が段ボール箱の中で鳴いている子猫を見つけます。その猫は「あんず」と名付けられて大切に育てられますが、奇妙なことに20年が過ぎても死ぬことはなく、30年経った頃には人間の言葉を話して人間のように暮らす化け猫となっていました。現在37歳のあんずちゃん(森山未來)は、飼い主であるおしょーさん(鈴木慶一)の養子となり、寺の仕事を気まぐれにこなしつつ、日常生活をおくっていたのです。たまに原付バイクに乗って移動し、マッサージ師のアルバイトもしていました。但し、ノーヘルと無免許を警察に指導された後は自転車に乗り換えています。
見た目は愛らしいのに、食事中にオナラはするわ、立ち小便もするわ。しぐさは完全なおっさん。 おしょーさんに拾われた際に、安心させるような笑い声を掛けられており、それに似た「ニャッハッハッ」という高笑いをよくします。
ある日、親子ゲンカしたまま行方がわからなくなっていた住職の息子の哲也(青木崇高)が、11歳の娘かりん(五藤希愛)を連れて寺に帰ってきます。かりんの世話を頼まれたあんずちゃんは、仕方なく面倒を見ることになります。
しかし逆に金をあんずちゃんにパチンコで使い込まれる等、迷惑を被ることに。またかりんには、亡くなった母に会いたいという願望があり、それを叶えて名誉挽回したいあんずちゃんは、彼女と一緒に上京するのです。さらにどういうわけか、地獄へと繰り出すことになります。
●解説
今作の最大の特徴は、実写映像を基にアニメーションを作る「ロトスコープ」と呼ばれる手法を採用したことにあります。山下監督が演出し、撮った映像や音声に基づき、久野監督がスタッフとアニメーシを作り上げました。
あんずを演じた。中の人”は、森山未来。ロトスコープの効果は抜群で、躍動感あふれる森山の動きと豊かな表情があんずに乗り移っています。シンプルなアニメ化ではこの味は出せなかったことでしょう。これだけで一見の価値ありです。
山下監督は過去の実写作品と特段、変わらずに演出したといいます。「全身で芝居をするタイプ」と評するあんず役の森山未来については「猫っぽい動きを注文したりはしたけれど、わざとだらしない感じでやってくれて、苦労はありませんでした」と称賛します。 一方、久野監督は「動きが出すぎてしまうか、普通のアニメの感覚で止めすぎてしまうか。うっかりすると、どちらかになってしまう」と、難しさを語る。ただ、大きな発見もあったといいます。「人間は思ってもみない動きをするので、自分も、アニメーターたちの頭も拡張されていく感覚がありました。初めて監督という立場で長編を手がけたことで、『お芝居の大切さ』が身にしみました」。
脚本開発にあたっては、制作に加わった仏のアニメスタジオ「MIYUプロダクション」の意見も多分に取り入れました。その結果、仏側の反応が良かったといいます。その結果、あんず以外の妖怪の登場シーンが増加。
あんずちゃんにしか見えない貧乏神とか妖怪とかが現れるとぼけたエピソードは脱力系のコメディーとなっています。貧乏神やカエル、たぬき姿の妖怪たち。えんま大王まで出てくる後半のドタバタ劇は笑いを誘うことでしょう。同時に、かりんの母への思いが浮かび上がり、今までの反抗期一色だったあんずが、ひとりの娘として可愛らしく思えてくるのです。頼りない父親だけど、それでも親として認めているかりんの気持に触れるとき、ちょっとグッとくるものを感じることでしょう。
●感想
姿が猫に変わるだけで、こんなに印象がキュートでまろやかになるのものでしょうか。見た目と異なり中身はおっさんという「ギャップ萌え」も発生しているようです。
人を食った話だと、あきれることなかれ!タイトルと設定と絵柄から予想される興趣のはるか上を行く佳品でした。だらしない中年オヤジのごときあんずちゃんは情に厚い人格者~トラ柄だけに寅さん的(?)で、頼りない父親を、不満だらけでも慕うかりんを見守る。その距離感が絶妙で、多感な少女のひと夏の物語としてみずみずしいなと思えました。
ただし、かりんの母親に会うためにあんずちゃんと地獄に行くという展開、特に閻魔様まで登場し、閻魔様の手下となる妖怪とあんずちゃんたちがバトルを繰り広げるところはぶっ飛びすぎて、ストーリーについて行けませんでした。その辺が同じ異界を描く新海誠監督作品との違いでしょう。
「お前に何がわかる」と叱られると思いますが
ヒロイン(と、お父さんもだけど)の根性の悪さと、彼女の「だだコネ」で無茶苦茶になっていく展開には耐えがたいものがありました。
この後、お母さんも貧乏神も地獄で罰を受けていると思うと耐えがたいものがあります。
だた、彼女を慕う妖怪の皆さんや坊さんはみな素敵なので
楽しく観ることは出来ました。
うちの猫も大切に育てています♪
"夫と子が旅行中に映画見まくるゾ"
第二弾は「化け猫あんずちゃん」
先日の「大いなる不在」では静かながらも熱い芝居で魅せてくれた未来ちゃんが今度は
"化け猫"だと?!
フライヤーも持っていたので見てみると。
久野監督&山下監督!
青木さんに美和ちゃん、慶一さん!に
うのしょ〜へ〜!(宇野祥平)
(呼び捨てなっちゃうけど言いやすい
敬称略m(__)m スキだってばぁ)
中々のキャスト!
そして実写をアニメにする
「ロトスコープ」なる手法を採用したとの事。
どんな映像に仕上がっているのか興味津々で行って来ました。
原作は知らなかったのですが、この世界観を受け入れられるかどうかで評価が変わってきそうな作品でした。
私は楽しく観れました♪
でも
かりんちゃん初登場で何か違和感。
日本人に見えないの、何だろ?目の色?
表情やしぐさ?
日本のアニメーションの少女っぽくないビジュアルにやや戸惑う。
が、見慣れてきたら大丈夫でした。
背景も(特に田舎)色味が独特な雰囲気を醸し出していて美しい。
この辺はフランスっぽいのでしょうか?
あんずちゃん。
最初は普通の猫だった。大切に育てられていたあんずちゃん。
しかし死なないのよ何で?!
今、37歳!!
お寺で和尚さんのお手伝いをしながら暮らしている"化け猫"
ほぼ人間?!みたいなんだけど、猫っぽさが残っていて面白い。
猫って、うつ伏せで寝ていると乗っかってきてモミモミするから。
あんずちゃんもマッサージのお仕事しているのかな〜?とか、
猫舌だから、お茶も冷ましときました〜とか、いきなりテンション上がって1人運動会はじまっちゃう〜とか、猫あるある?細かい所もニクイ♪
"化け猫"なのに、その存在は皆から受け入れられている。不思議w
かりんちゃん。
小学5年生の都会っ子で現代っ子。
お母さんは亡くなっているらしい。
借金取りから逃げている、やや無責任な父親が、お金を工面するまでの間、田舎のお寺に預けられることに。。
良い子の顔と本当の自分の顔を使い分ける様子は、彼女の置かれた立場からリアルに伝わってきた。
この年代の子は、大人が思うよりもずっと色々考えている。だけど出来る事には限界があって、その怒りや苛立ちが伝わってきておばちゃんはやや涙でした( ; ; )
そんな
あんずちゃんとかりんちゃんの物語。
「母さんに会いたい」
その願いを叶えるべく、あんずちゃんとかりんちゃんのひと夏の大冒険が始まった!
地獄!まで母さんに会いに行っちゃうYO!
劇カワ♡なウズラちゃん。
カエルちゃんやたぬきさん、お地蔵様にお婆。キノコおじさん!見た目も可愛い劇弱助っ人も加わるが、、さぁ大変!
追いかけてくる、やっぱり非情なのねのエンマ様や鬼達が大暴れでピンチ!
ボコボコにし過ぎなのはちょっと可哀想だった( ; ; )
逆立ちで退場の母さんにはビックリしたが。
かりんちゃん。強くなれた。
自分の中で納得し、消化出来たのではないかな?
これからのかりんちゃんの人生を応援したくなりました。
夏に似合う楽しい作品でしたYO。
でもよ??
何で母さんは地獄行きなの?とか、
あんずちゃん、それはどこから出した?!の
ポケットの仕組みが謎過ぎて気になるのドラえもん仕様??
そして
"使用中止"のトイレは絶対に開けないゾと思ったり、死神は来ないでくれ!と願ったり、と、色々ありますが、
1番の売りである
「ロトスコープ」の匠の技。
私にはよくわかりませんでした落第
( ̄∇ ̄)
トトロっぽさと、あと何かが混ざってた
原付に乗って、ガラケー首から提げて、按摩やって、豪快な料理をつくって、ピンクのおならをするあんずちゃん。なにこのかわいい生きもの…37歳、中村あんずって名乗ってる!おもしろーい。
無免許で警察に怒られて、ちゃりんこ派になり、パチンコで有り金失う。
そうそう、あんずちゃんのボディには毛皮のポケットがあるらしい!なにそれーうけるー!
化け猫っぽいのは、貧乏神が見えるところくらい?
いやいや二足歩行で人語を操るんだからじゅうぶん化けてる。
かりんちゃんは借金取りに追われる哲也(たぶん父)により、実家の寺に預けられ、あんずちゃんに出会う。南伊豆らしい。
初対面からあんずちゃんに対しては、いい子の仮面は被らない。ふきげんを隠さない。
かりんちゃんの「今」の子っぽい、いい子のフリとか、いじわるな感じとか、すらんと伸びた手足とか、2020年代の子だなーって思った。11歳かぁ。
まるいウズラ(なわけなかろう)に誘われ、森の穴に入ると、かえるちゃんが住んでいて、その寝姿はまるでトトロ…まるいウズラは小中トトロか!
エリンギみたいな神様とか、スイッチを正座して嗜む地蔵とか、信楽の狸とか、千と千尋の神隠し系でもある。
怖くないけど面白いビジュアルの鬼たちと、顔が國村隼に似てるけど声が國村隼じゃなかった閻魔大王(宇野祥平だった)、盆踊り会場での弱い助っ人たちのバトル…
地獄の入り口のトイレから、ゴキブリ⇒ねずみ⇒鳩から、間はわからんけど最後はカブトムシが、
エリンギみたいな神様に、かりんちゃんのピンチを伝え、みんなでスポーツカーで助けに行く(でも弱い)。
死んだ母を恋しがる11歳のかりんちゃんと、親身にはなってあげないけどみまもるあんずちゃんの
距離感が良かった。お寺のそこそこおっきい大仏、目が開いてたね。地獄にいたカラフル大仏と、何か関係あんのかしら?
つよいメッセージもないけど、のんびり楽しめて、なんかちょっと切なくて、よかった。
洋画が流行らない昨今の日本。メイディセンバーは公開初日の金曜の夜に見たけど、10人以下しか客いなくて、でもあんずちゃんは、火曜の夜で30人くらいいた。しかも若い子が多かった。邦画、ってゆうかアニメ映画を若者は見てるんやな、と思った。そらそうか。
映画といえば洋画と思っているのは、古い人の考えなんやなー。
「生きてればいいことあるから」かりんのみずみずしい表情がさらに傑作へと導いている
ここのところ、不満足なアニメ映画が続いていたのですが、久しぶりに素晴らしいアニメ映画に出会えました。後半は涙目になり、それでいて懐かしさと心地良さを感じました。
化け猫のあんずちゃんは、ドラえもんをおじさんっぼくしたキャラですが、かりんを優しく見守る姿に好感です。
かりんは、舌打ちするリアルな現代っ子ですが、みずみずしい豊かな表情が印象的で、作品の質をさらに高めているように感じました。
「生きてればいいことあるから」は、劇中でかりんの母親が言ったセリフです。今、自殺を考えている人たちにぜひ届けたい言葉です。前向きに生きていける人間になりたいですね。
往年の名作を現代的にアップデートした感触があり、アカデミー賞のアニメ部門にノミネートされる可能性は高いと思います。
不思議で微妙で愛おしい
癒されないけど、憎めない。
可愛くないのだが、愛おしい。
微妙で褒めにくいのだが、嫌いになれない。
不思議な作品でした。
キャラたちが法を犯したり、過激な暴力表現があったりと、ややとっつきにくい部分もあったが、アニメーションというオブラートが上手く機能していたと思います。
実写をアニメ化する手法故か
”あんず”と”かりん”の地獄巡り
実写映像をアニメ化する「ロトスコープ」という手法を使って制作されたアニメということでしたが、私の鈍感さゆえか、正直普通のアニメとの相違が感じられませんでした。
それは脇において内容的なところでは、化け猫であるはずのあんずちゃんが、普通に人間社会に溶け込んでおり、愛らしいオッサンそのものを演ずるという世界観が心地よかったです。借金取りに追われる父親に、祖父が住職を務める伊豆のお寺に半ば置き去りにされてしまったかりんが妙に大人びていて、いかにも現代の女の子っぽかったのもキャラクター設定として良かったと思います。
終盤亡くなった母親に会うために地獄に侵入したあんずちゃんとかりんの冒険や、対峙する閻魔大王のユーモラスなヤクザ感も絶妙で、終始温かい空気に包まれたお話でした。
惜しむらくは、「ロトスコープ」の良さを実感できなかったことくらいでしょうか。
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
夏休みにぴったり
まったく予見なく観て笑いました
例によって別の映画の幕間で観た予告編だけで予備知識なく足を運んだ、ジャケ買いならぬ「コク買い」。たまに外すが、これは予想外のエンタイトルツーベースで走者一掃の打点2を記録した感じ。
なんと言ってもあんずちゃんのキャラがじわじわ来るのと、ツンデレ小学生との掛け合いが魅力的。
クズ男の父やその父の寺の住職、不良チームを結成している小5男子2人、閻魔様などのキャラもかなり魅力的だが、個人的には何と言っても貧乏神が最高にシュールだ。
自転車を盗られて帰宅したあんずちゃんが棒の先に包丁を括り付け、いつもはクール&アンニュイなのに逆上して「赦さねぇっ」と障子をズタズタにするシーンは声を上げて笑ってしまった。
しかし、TOHOシネマズ六ヒルのスクリーン6,120席で観客たった2人は、平日の昼前からの回とは言えちょっと寂しい。もっと入っても良い佳作だと思うけど。
これからクチコミでじわじわ来て欲しい。
若干憲法論の観点から怪しい部分はあるものの(本文参照)
今年265本目(合計1,357本目/今月(2024年7月度)28本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
(前の作品 「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」→この作品「化け猫あんずちゃん」→次の作品「」(明日予定))
日仏合作という事情があるので、日本の文化もフランスの文化もあり、またこの映画の一つの論点となる「現在と過去」「この世界と来世・地獄」といった普遍的テーマも、一般的な日本の考え方とは「ちょっと」ずれたかなと思える点はありますが、それでも許容範囲かなといったところです。
ここでは辛口のコメントが多いですが、おそらく上記の事情で日本のこうした事情や、夜逃げ・借金夜逃げの事情(借金返せだの何だのの張り紙。日本と違い、フランスでは債権者代位権の行使が日本より普通なので、あのようにはならない。日本の民法はフランス民法を借りているので同じ趣旨の条文はあるが(423)、ほぼ使われていない)など、やや似ている点も違う点も明確にあります。こうした点に関しては日韓合作や日台合作などならともかくも、ほぼ地球の裏側というほどの日仏合作ならもう仕方がないのでは…といったところです。
個人的には自転車の件など日本でもフランス民法基準でもアウトだろうという部分はままあるものの、当事者は小学5年生だったか(10歳か11歳といっていたははずなので)の年齢で、そこまで突っ込んでも仕方がないので、そこは大目にみました(減点なし)。
ただ、若干この映画は憲法論に踏み込んでいる部分があり、その補足がなかったのが惜しかったところです。以下触れながら解説します。
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(減点0.3/「マッサージ」を手伝うなどの行為と、「マッサージ」かどうかの説明が不足)
序盤で主人公?のあんずちゃんが代わりに押しているシーンですね。
日本では「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」という法律があり(以下、一般的略称の「あはき法」で統一)、これらの職業は規制がかかっています。もっともこれは、制定当時も今も、視覚障害者(以下は、視覚障がい者に対して「眼が不自由ではない」という意味で「健常者」という語を用います)の職域として守るべく作られた法律で、現在令和6年においても、健常者による専門学校などは開けません(令和5年まで最高裁まで争われても敗訴しています)。
しかし、同あはき法は「マッサージ」などの厳密な定義をおかなかったために、「リフレッシュマッサージ」や「整体」「カイロプラクティック」といった「法の想定していない施術」がどんどん増えていくことになります。これも最高裁判例まで争われ、「…それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも、人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであつて」(最裁昭和35.1.27)と「実際に健康被害等が生じないものまで罰することはできない」という結論になった事情があり、これを契機に整体・カイロ等が現在においても存在します。これらは最高裁の判例の建前では「怪我をさせない範囲で」というものですが、実際にこれにより怪我をしたといった事例が消費者庁や国民生活センター等に紹介されていることもご存じの通りです(よって、整形外科医とこれらとは険悪どころの騒ぎではなく、患者に対しても「整体・カイロ等を受診した方は当院での治療はお断りします」などというありさまです)。
ですが、令和6年度の現在においても、視覚障がい者の社会進出の一つの類型に、いわゆる法で定められるあはき法による「正規の施術」があるのに対し、健常者のそれ「もどき」はどうしても料金設定や予約の取り方などで有利であり(あはき法のこれらの施術は医療に類するものですから、値段設定まで法で縛られます)、こうした「整体・カイロ等」の存在によって、視覚障害者の方の職域が奪われているのは現在においても程度の差は縮まっても変わってはいません(現在は読み上げソフト等の普及でIT職に就く方もいます)。
そうであれば、映画の描写で明確にわかるのは「無資格マッサージである」という点だけであり(30分追加でいくら、というような取り方は「正規の施術者は」できません)、この点については日本の福祉事情にかんがみて適切な描写が欲しかったです(もっとも、本映画はこうした論点が結果的に抜け落ちたものであり、積極的悪害があるものではないと思います。フランスに「あはき法」によるような視覚障がい者を一定程度守る職域があるかは不明)。
猫好きのオイラはウズウズ💦
あんずちゃん大好き❤タミャラーン😹
まったくもって個人的嗜好の話で
聞くに耐えないほどの恐縮さだが、
自分の子供の頃からの夢は、巨大な猫を仔猫からじっくり大きく人間サイズに育てて、やがて跨って乗り回したり、夜は抱きついて眠ることだった
大人になってもその夢は続き、巨大化する猫種のメインクーンと共に肉球按摩術を開発し、マッサージ指圧師資格を取り、地元に"仔猫治療院"を開業する計画も密かに立てたりしていたのだ
だから映画が始まってすぐに
あんずちゃんと友達になりた〜いとウズウズし始めて止まらず
終盤までカリンちゃんとあんずちゃんの物理的距離がなかなか縮まらず
私はスクリーンに巨大なモフモフをチラつかされ、だんだんとモヤモヤしてきて
「早よ抱きつかんかい!ほれ今じゃ、行かんか〜い」と焦らされまくりで、最後の最後にモフッた時にはジーンと感動🥹する始末の変態猫惚けジジイ丸出しでありました
それはさておき この映画、エンタメとしても実によく出来てた
人物描写のディテールが繊細なのは大ファンの天才漫画家いましろたかし先生の原作のテイストもありますが、曲者いまおかしんじさんのこなれた脚本と山下監督の安定感ある演出、何より久野遥子監督の猫へのビッグラブのお陰だと思う
オレほどの猫ボケじゃなくとも素直に物語を楽しんで最後にはとても良い気分になれるはず
「ルックバック」に続き、個人的にはまたもアニメ映画で大当たり🎯
日本のアニメもまだまだ世界のトップクラスにいるんだと感じられて、なんかそこも微妙な多幸感味わえました🫶
慶一御大が音楽🎵と和尚さんの声役で大活躍なのも嬉しいかったニャ😹
またたび
パチンコを打ってた化け猫のあんずちゃんの予告に惹かれて鑑賞。
めっちゃ素敵だった〜!夏休みに観る映画ってこんな感じだったな〜と小学生の頃を思い出すような懐かしさがあって最初から最後までまったり観れました。
祖父の元に預けられたかりんちゃんと、なぜか二足歩行の人間サイズの猫のあんずちゃんとの不思議な生活をじっくりと眺めることができます。
あんずちゃんの登場シーンがババーンって感じではなくて、バイクでゆったり登場するところからがっしり心掴まれました。
この手のキャラをヌルッと画面に入れて、そのまま何事もなかったかのようにどこかへ行ってしまう行方の知れなさが良かったです。
中身が完全にダメ人間なのもあって、無免許運転はするわ、あんずちゃんの稼ぎを増えせばいいやって感覚でパチンコにぶち込むわ、怒りのあまり障子を槍でぶち抜くわで、時々猫の部分が垣間見えていたのも良かったです。
人間サイズのフォルムで毛繕いしたりするところとかもキュートとはまた違った可愛さがありました。
かりんちゃんが非常に良いキャラをしていて、外面はとっても良いのに、悪巧みはするし、舌打ちは高頻度でするし、悪態はつきまくるしで、中々に尖った小学5年生で面白かったです。
直近での悪ガキムーヴをかましていた「トラペジウム」の東ゆうと似た部分があったのも面白くて、東ゆうは夢への渇望ゆえにどん底に落ちていくタイプでしたが、かりんちゃんは表情に出すのを隠してはいなかったので、周りに易々とバレるのも年相応だなぁと少し微笑ましくなりました。
お母さんが大好きだからこその行動力だったり、あんずちゃんと分かり合っていく様子だったり、友達のような関係性を築いて成長していくのが観れてとても好き〜ってなりました。
終盤の地獄へと向かうところで冒険ものの色味が強くなり、トイレから地獄へ向かうという印象的なシーンでかりんちゃんが躊躇なくトイレに飛び込んで行ったのは笑いました。
ポップな地獄かと思いきや、しっかりと人は痛めつけられているし、鬼たちが地上に上がってきてからの暴れっぷりはマイルドな作風から一転してあんずちゃんはじめ容赦なくボコボコにされていく様子はゾッとしました。可愛らしいタッチとのギャップが中々に強烈でした。
お母さんの選択のその後が描かれないのは怖いものがありますが、身を挺して守ってくれたお母さんの分までめいいっぱい生きようと成長したかりんちゃんのラストシーンも淡い余韻が残ってとても良かったです。
もっと深く描いてほしいなと思うところはちょくちょくありましたが、尺的にはこの収まり方が良かったのかも知れません。
アニメーションのタッチがフランスとの合作という事もあって、色合いが淡い感じなのがとても素敵でした。
シンエイ動画らしくよく動き回るのも良くて、各キャラクターの一度見たら忘れられない顔や形もとても良かったです。
シンエイ動画という事もあって、動きの多いところはクレヨンしんちゃん味を感じました。
本職の声優陣はほぼおらずで俳優陣が多く起用されていましたが、森山未來さんのあんずちゃんはめちゃくちゃハマっていて、ニャッハー!と高らかに笑うところがツボです。
かりんちゃん役の五藤希愛さんもこれまた良くて、可愛らしさのある声から繰り出されるわるーい感情がとてもクセになりました。
青木さんの渋いお父さんの声も好きでしたし、市川さんの優しいお母さんの声も好きでした。
えらい聞き馴染みのある関西弁の閻魔だなぁと思ったら宇野さんだったのも面白かったです。
トドメにまんまる鳥の声が大谷育江さんで贅沢ぅ〜ってなりました。
夏真っ盛り、お日様テッカテカな日には映画館に行って今作で涼みましょう。
しっかしチャーハンうまそうだったなぁ…。
鑑賞日 7/21
鑑賞時間 11:30〜13:15
座席 D-14
ドラ、トトロ、ゲゲゲ、クレしん。
ほのぼのとして癒される映画だった!
いましろたかし女の子を描くのうまくなったなぁ?
と、思って配信で原作を読んでみたらそんな事はなかった。作画監督が優秀だって事ですね。
借金かかえて夜逃げした父親と娘が実家のお寺に転がり込むのだが、そこに唐突にスーパーカブ( 丸目じゃなくて、角目のヘッドライトのカブ。分かってるなぁ?渋いよね?角目カブ!) に乗って化け猫登場。
一瞬、女の子は驚くのだがすぐに受け入れて普通に会話する。受け入れるの早すぎ、飯島真理だってリン・ミンメイのキャラを受け入れるのに何十年もかかったぞ?( 何、その例え)
警察官も慣れたもんでスーパーカブでスピード違反する化け猫に向かって
「 駄目だよ。無免許でバイクに乗っちゃー? 免許取れる年齢なんだからー?」 と注意してパトカーに乗せて連行する。違う、違う、そうじゃない、そうじゃない。
この不思議な生き物を見た時にまずする事は、学研のムー編集部に通報でしょーが?その後にNASAに通報ね?
女の子が大好きなお母さんが死んじゃってから、クズの父親に振り回されているせいか、グレて事あるごとに舌打ちをするのだが、その舌打ちする度におじさんは興奮したぞ?( おい )
化け猫が山の中でウズラを拾ってくるんだけど、そのウズラのあまりにも適当な作画には笑った。可愛いんだけどね。
この後にも、様々な化け物が登場するのだが普通に人間世界に馴染んでいてそういう世界観だという事がわかり妖怪好きにも満足する仕上がりです。
死んだお母さんに会いたいとお願いする女の子とお母さんが会ってからのドタバタ劇からーの、EDはまぁよくあるパターンだけど良かったかなと思います。「 鬼太郎誕生、ゲゲゲの謎 」に満足しなかった人にお勧め。
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