「バスケット人生が終わっても人生は続いていく」リバウンド みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
バスケット人生が終わっても人生は続いていく
弱小バスケットボールチームが奇跡を起こす典型的な実話ベース作品だと思っていたが、高評価であり、ポテンシャルの高い作品が多い韓国映画なので予定外で鑑賞した。前半は想定通りの展開だったが、後半は、勝負を超えて人生の在り方に迫っていく、深みのある作品だった。“バスケット人生は終わっても人生は続く”という言葉が心に刺さる。
元バスケット選手のカン・ヤンヒョンは、釜山中央高校の弱小バスケットボール部のコーチに就任する。就任早々の全国大会初戦で高校バスケットボール界最強の龍山高校と対戦しチームワークが崩れ惨敗する。学校側は廃部を検討する。ヤンヒョンは部員達を再結集して、チームワークを鍛えチームを再生する。そして、たった6人の部員達とともに再び全国大会に挑んでいく・・・。
惨敗した当初は、6か月の対外試合禁止処分を受けたので、対外試合をやれない日々が続く。それでもヤンヒョンは諦めず新部員を募ってチームの再起を図る。6か月間が、部員達のバスケットボールに対する強い想いを蘇させる。対外試合をやりたい、勝負したいという気持ちが日に日に強くなる。6か月の空白が彼らの本心を浮き彫りにする。そして、彼らは新メンバーを加えたチームとして再生する。
再生したチームは、本音でぶつかり合い、互いのバスケットボールへの熱い想いを知り、団結し、全国大会の試合を通して、相互理解、相互信頼できる強いチームワークを築いていく。部員達各々の想いも吐露される。満身創痍で限界を超えた者、この全国大会でバスケットから去る者、各々の想いを抱いて戦っていく。
クライマックスの全国大会・決勝の決着は描かない。試合結果と彼らのその後が字幕で綴られるだけだ。何故か。部員達の人生はここで終わらない。この先も続いていくという作り手の揺るぎない意志を感じた。彼らの人生のクライマックスは今ではない。これからである。
本作は、人生の生き方を示唆したスポーツ青春ドラマである。
コメントありがとうございます。
確かに、バスケは終わっても人生は続きますね。
足首痛めて結局治らずバスケが続けられなかった部員が1番気の毒だったけど。
控えが居ればあそこまで無理しなくても済んだのに、と。