「素質が開花するのは、いつだって逆境とそれに立ち向かう仲間がいる時なんだと思う」リバウンド Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
素質が開花するのは、いつだって逆境とそれに立ち向かう仲間がいる時なんだと思う
2024.4.27 字幕 MOVIX京都
2023年の韓国映画(122分、G)
2012年に実際に起きた釜山中央高校バスケ部の奮闘を描いたスポーツ青春映画
監督はチャン・ハンジュン
脚本はクォン・ソンフィ&キム・ウニ
原題は『리바운드』、英題は『Rebound』で、ともに「リバウンド(バスケ用語)」という意味
物語は、2010年の韓国・釜山にある釜山中央高校の様子が描かれて始まる
度重なる屈辱的な敗戦続きのバスケ部は、学校のお荷物ではないかという議論が深まり、校長先生(ソン・ヨンサム)は「廃部」を口にする
だが、イ先生(イ・ヒョンヒュク)は「形だけ存続させましょう」と、元選手の卒業生カン・ヤンヒョン(アン・ジェホン)をコーチに据えることを提案した
なんとかクラブは存続になったものの、「形だけ」とは思っていないヤンヒョンは、本気で勝てるチームを集めようと躍起になる
スランプに陥っているギボム(イ・シンヨン)、足をケガしてバスケを諦めたギュヒョク(チョン・ジンウン)に加え、路上バスケで片鱗を見せたガンホ(チュン・グンジョ)、サッカー部から引き抜いたスンギュ(キム・テク)、高身長のジュンヨン(イ・テヒ)などが加入することになった
だが、新チーム初戦のその日、ジョンヨンは両親からの要望で対戦チームである龍山高校に入っていたことがわかり、ゲームは荒れ模様になってしまう
相手のエースであるホ・フン(イ・ソクミン)を中心としたゲーム展開に良いようにあしらわれてしまい、苛立ったヤンヒョンは取られたファールに抗議し、審判に悪態をついたことで退場になってしまう
さらに選手が仲間に投げたボールが偶然審判に当たってしまい、その結果、没収試合となってしまった
そして、チームには6ヶ月の対外試合禁止処分が下ってしまうのである
物語は、どん底に落ちたヤンヒョンが自身の現役時代のバスケノートの言葉「リバウンド」に出会い、保管されていたインタビュー映像に触発されて、再起を目指そうとするところから動き出す
ギボム、ギュヒョクに声を掛け、ラグビー部に入っていたガンホとスンギュもチームに加わる
そして、新入生が来る来年に向けての基礎づくりを始めていく
季節は変わり、マイケル・ジョーダンを目指すお調子者ジヌク(アン・ジホ)、試合未経験だがバスケを愛するジュユン(キム・ミン)も入部することになった
そして、大韓バスケットボール協会の長旗大会の幕が切って下ろされるのである
映画は、ほぼ実話ベースになっていて、映画のラストでは「実際の映像(写真)と同じアングルで撮られたシーン」などが登場し、チームのメンバーたちの勇姿が映し出される
ギボム、ガンホ、スンギュ、ジヌクはプロ入りし、ギュヒョクは足の手術をして現役を終え、ジェユンは大学に進学したと示される
ヤンヒョン自身も国際試合の監督を務めるなどのキャリアアップを図り、彼らの「リバウンド」が今も続いていることが示される
映画では桜木花道のような素人だけど天才という人物はおらず、素質のある選手が開花する様子を描いていく
予選3試合、準々決勝、準決勝、決勝と合計6試合を描いていくのだが、チームの熱が家族に飛び火し、クラスメイトに飛び火し、学校関係者やOBまで盛り上がってくるのは伝統校あるあるのような感じになっている
先生たちも青春時代に戻ったかのような輝きを見せていて、不屈であることの影響力と好循環を描いていくのは感動的だったのではないだろうか
いずれにせよ、フィクションだとありがちな設定、キャラ、展開になっていたと思うが、脚色ありきだとしても、6人(ほぼ5人)で戦い抜いたのはすごいことだと思う
ラストにて、決勝の龍山戦の顛末が示されるのだが、ここを映像化してもわかりにくいと思うので、字幕で説明するのはOKだったと思う
出来すぎたストーリーのように見えるが、選手を分析する目であるとか、育成方法についても一緒に学んでいったと思うので、そのあたりの化学反応が起こったのかな、と感じた
ともかく、スポーツ好きの人なら涙腺崩壊待ったなしだと思うので、迷わずに観に行って欲しいと思った
こんにちは
はじめまして、みかずきです
仰る様に、逆境がチームを強くしていったと思います。
一回目の逆境は、6か月対外試合禁止
6か月間が、新しい仲間を増やし、
メンバーのバスケットに対する想い、情熱を高めたと思います。
二回目の逆境は、6人での戦い。
全試合、ほぼ休憩時間なしのフル出場でした。
体力的には相当キツイですが、チームの結束力が高まったと思います。
それにしても、この話が実話だということが最大の驚きです。
脱帽です。
ー以上ー