「【弱小高校バスケット部のたった6名のメンバーと新米コーチが起こした奇跡を描いた作品。様々なアングルから撮影した迫力とスピード感溢れるバスケシーンを収めたカメラワークに痺れ魅入られた作品でもある。】」リバウンド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【弱小高校バスケット部のたった6名のメンバーと新米コーチが起こした奇跡を描いた作品。様々なアングルから撮影した迫力とスピード感溢れるバスケシーンを収めたカメラワークに痺れ魅入られた作品でもある。】
ー 尺、2H2Mの映画であるが、個人的には体感1H30Mであった。面白い映画あるあるである。特に中盤以降の釜山・中央高校が勝ち進む試合には引き込まれた作品である。-
■カン(アン・ジェホン)は且つては名門の釜山・中央高校のOB。バスケットボールチームは弱小で選手も僅か。そんな中央高校のコーチに就任するが・・。
最初の大会で最強高校と対戦し、審判にボールをぶつけてしまい六ヵ月の正式大会出場停止を喰らった釜山・中央高校。
◆感想
・カンはコーチ就任後、選手獲得のため、自らスカウト活動を行う。そして見つけた賭けバスケをしていたペ・ギョヒュク(チョン・ジヌン)。彼は右足首を痛めており、且つて試合直前にサボタージュしていた。で、同じチームだったギボムとは犬猿の仲である。
・中学時代はMVPになりながら、身長が伸びず高校に入り伸び悩んでいたギボム(イ・シニョン)にも声を掛け勧誘する。
”試合に出れた方が良いだろう?”甘い囁きである・・。
・ストリートバスケ対決でカンは負けつつも、チョン・ガンホ(チョン・ゴンジュ)を誘い、サッカー選手の長身ホン・スンギョ(キム・テク)を
”センターは花形だよ。ほら、アイドルグループでも一番可愛いのは・・。”
とコレマタ甘い囁きでチームに招聘するのである。
■序盤はカンの選手集めのシーンが可笑しい。
だが、彼の目に狂いは無かった事が後半、証明されるのである。
・更に一年生で自称マイケル・ジョーダンのチャン・ジヌク(アン・ジホ)、小学三年からバスケをやって来たホ・ジュエン(キム・ミン)も加入する。
ー で、チャン・ジヌクがスリーポイントシュートは入れるは、ドリブルは巧いは・・、の一方ダメダメなホ・ジュエン。
この設定も後半効いてくるのである。巧いなあ。-
■3年間、バスケをやった者から見ると、僅か1週間でたった6名で決勝に勝ち残ることは奇跡であると思う。
何故なら、通常は今作で他校がやっているように正選手を5名決め、随時No2と交代させるのが、私の時代でも常識であったからである。
これも、この映画の中盤以降の試合のシーンを盛り上げる要素であるし、選手たちが疲労困憊になりながらも戦う姿が、物凄く心に響くのである。
更に言えば、この映画の物語のベースが実話である事にも驚く。
・ペ・ギョヒュクが右足首を痛めており、且つて試合直前にサボタージュしていたために、同じチームにいて苦い目に遭ったギボムとの関係性は最初は最悪であるが、徐々に二人の関係性が好転していく様も良い。
WCで痛みに耐えるペ・ギョヒュクにギボムが戸の下から包帯を差し入れるシーンは沁みたなあ。
そして、ギボムからの的確なパスをペ・ギョヒュクが宙で受け、アリウープを決めるシーンはグッと来るし、興奮する。
・更に、チャン・ジヌクが負傷退場してしまった後に、初めてコートに立つホ・ジュエン。
最初はオドオドしており、戦力にならないが彼が密かに夜、スリーポイントシュートの練習をしている事を知っていたカンは、彼を励まし、敵がノーマークにしていたホ・ジュエンが、次々にスリーポイントシュートを決めるシーンは興奮したなあ。
カンコーチ自身の成長も垣間見えるシーンでもある。
■ラスト、2人がペナルティで退場した後、残り3人で10点近くまで追い上げたというテロップや選手たちのその後の人生を映した実際の映像もムネアツであったなあ。
試合終了から、新たなる人生は始まるんだよなあ。
<今作が素晴らしいのは、選手6名のキャラクターがしっかりと立っている点と、試合を重ねるごとに結束して行く姿である。
そして、それを支えるのが、まるで試合を直ぐ近くで見ているような、様々なアングルから撮影した迫力と熱気とスピード感溢れる試合の光景を捉えたカメラワークである。
今作は、バスケットボール映画としては、白眉の作品であると思います。>