雪の花 ともに在りてのレビュー・感想・評価
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『劔岳 点の記』を想起させる雪山シーン
どこまで忠実なやり方なのかわからないけど、当時の天然痘の予防接種ってあんな感じなのねと思ったのが一番印象的。
全編通して正直それほど盛り上がるシーンはなかったけど、あの雪山シーンの後では皆無事で一安心したらしく、かなり深く息を吐きだしていた。
あとは医者らしく(?)、襲ってくる悪漢を撃退するのに、相手の関節を中心に狙っていくのがえげつなくて好き。
ついでに言うと宇野祥平が坊主頭でなかったので、最初のうちは何処に出てるのか気が付かなかったw
肝心な「克服」が如何にも軽い
鑑賞前は前情報を極力入れないようにしている私。ところが、先週に新宿ピカデリーを訪れた際、通常の予告編とは別の「本作の解説動画」をついつい観続けてしまい、大筋でどんな話かを知ってしまうという想定外。まぁ、松竹作品だし松竹直営映画館で売り込みするのは当然のことで、私のリスク対策不足ですね。と言うことで、劇場鑑賞は見送ろうかなとも考えたのですが、小泉堯史(監督・脚本)×上田正治(撮影)の最新作は観ておくべきかと考え直し新宿ピカデリーへ。上田さんの訃報の影響もあったのかと思いますが、10時50分からの回はなかなかの客入りです。
と言うことで、まず作品のルックは言うまでもなく素晴らしい。名匠・上田正治の撮影技術は自然の美しさ、過酷さ、壮大さが伝わりながら、どこをどう見ても紛れもなく時代劇映画に仕上がっていて、スクリーンを通してその世界観に引き込まれます。偉大なお仕事に感謝するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
次に内容についてですが、、ふむ、やはりと言うかそりゃそうなんですが、数日前に知ったばかりの大筋通りの展開が続きます。ですが、史実がベースであるためそれはある程度当然のことで、重要なのはその見せ方。前作『峠 最後のサムライ』だって最後の最後まで「河井継之助の落とし前のつけ方」に目が離せなかったわけですから、今作でも「笠原良策の偉業」をどう見せてくれるのか集中して観続けます。
ところが、、、パターンとして乗り越えなければならない「困難」からの「克服」の繰り返し構造なのですが、肝心な「克服」が如何にも軽い。。中でも今作最大の「困難」である「峠越え」。猛吹雪の中、優に腰の辺りまで沈み込む雪をかき分けて峠を登っていくのですが、皆が倒れ込んで動けなくなるほどの状態から、助けが来た直後にシーンが切り替わると・・・「そんなわけない。。」と苦笑せざるを得ず、、もうこれは脳を空っぽにして全部受け入れましょうと開き直るしかない。
何なら、劇場も皆さん泣いている様子はなく、むしろ笑いがこぼれるシーンがチラホラ。原作未読のため、どこまでが映画オリジナルの脚色かは判らないものの、主にフィクション性が高い部分はそれまでのトーンと異なった思い切りのよい演出が。例えば「良策(松岡桃李)が悪漢に囲まれるシーン」の立ち合いと台詞は、そのあまりの変さに劇場の方々から笑い声。また良策の妻・千穂(芳根京子)も大活躍で、こちらも「質屋に押し入ってくる強盗」を見事に返り討ちした後の亭主とのやり取りがまた可笑しく、更に終盤でその伏線を回収する「男之助」はもうニコニコして観るしかありません。一応私の解釈としては、立派で真面目な笠原夫妻に対する「微笑ましいギャップ」を見せる意図かな、なんて。お茶目ですね。
とは言うものの、正直言って映画作品としては少々物足りないかな。。これだけの「困難」と「克服」を117分でまとめるのは「やや詰め込みすぎ」で、結果的にこの偉業を処理しきれてないように思います。イマイチ大変さが伝わりづらく、作品に対して思い入れること出来ずに残念。なお、映画は映画として(史実や原作との違いを理由に、低評価をつけるのは違うかと)、参考までにWikipediaを斜め読みしてみるだけでも、笠原良策の正に「人生をかけた」歴史が垣間見えますよ。
ちょっと物足りない
悪くもないけど、凄い面白いわけでもない。一番気になったのは役者さんのセリフがそのまま台本読んでるみたいで堅くて浮いているような気がして違和感が拭えなかったです。松坂さんや役所さん、またドラマ「ライオンの隠れ家」で主人公の弟役で名演が光った坂東さんは、役じゃなくちゃんとそこに生きている人たちという感じがしてさすが、自然体でとてもよかった。風景はとても風光明媚で美しかったですね。そこは大きな画面だからこそ映えていた。天然痘のワクチンを文字通り一命を賭して運び広げ人民に尽くしたことは素晴らしく、感銘を受けます。友人や蘭方医仲間、また知人などいつ裏切られるのかと、深読みして勘ぐって見ていましたが、そんな凝った人間ドラマは全くなく、品行方正な物語にちょっと物足りなさはあったかも。一緒に行った母は(70代)、大満足だったのでご年輩向けのお話しなのでしょうね。
脚本がいまひとつ。
ワクチンの真実
いい話なんだけど
原作未読。いい話なんだけど、何故か個人的には盛り上がらなかったです。理由は自分でも不明ですが、ちょっと考えてみると、激しい描写がなく、淡々と描かれているからかもしれません。それがこの映画の魅力とも思います。
なので、途中吹雪の中無理して峠を越えるシーンは不要と感じました。
あと、あっけらかんとして明るくフォローしてくれる妻の芳根ちゃん、最後の太鼓のシーンはもう少し迫力が欲しかったです。
この時代から、ワクチン(今回は種痘)を使って感染症を予防しようとし、結果天然痘は根絶されました。当然、初めてのものには忌避する人も多いでしょうし、たくさんの犠牲もあったと思います。ですが、このような市井の人たちの努力で医学は発展してきたということは忘れないようにしたいと思います。
福井へ天然痘の予防接種を普及させた町医者
江戸時代末期、当時は治療法がなく、かかると高確率で亡くなっていた痘瘡(天然痘)が数年ごとに流行していた。福井藩でも例外ではなく、町医者・笠原良策は、その痘瘡に有効な種痘(予防接種)という予防法あるらしいと知り、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、私財を投げ打って必要な種痘の苗を福井に持ち込んだ。しかし、天然痘の膿をあえて体内に植え込むという種痘の普及には、奉行所や他の医者の邪魔など、困難が立ちはだかった。それでも良策は、妻・千穂に支えられながら困難な状況を克服し・・・そんな、実話に基づく話。
見所満載。
まず、主人公の笠原良策の志が素晴らしい。そして、医師としてだけじゃなくて武術も素晴らしいこと。そのため暴漢に襲われても退治できた。こんな全国的には無名の人物を取り上げて作品にしたプロデューサーや監督にも敬意を表したい。
妻千穂も自分の持ち物を質屋に持っていき夫に協力する姿勢が素晴らしい。また、武芸の心得が有った事も良かった。
雪の中の峠越えのシーンは、がんばれ、と手に汗握って応援してた。
主演の松坂桃李が良かったのはもちろんだが、妻・千穂役の芳根京子が美しくて強くアクションも披露してくれて凄く良かった。日本髪も似合ってた。
役所広司、吉岡秀隆、三浦貴大らもキーマンとして活躍してた。
元子役の新井美羽も観れたし、はつ役の三木 理紗子は演技も良かったし歌も上手かった。
素晴らしい作品だった。
内容が優等生過ぎて極度に詰まらない、映画としての面白みは及第点。
最近注目している木下Gさん+松竹さんですね。
早くからトレ-ラ見てましたのでかなりこの作品は期待はしておりました。
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江戸時代末期、全国各地で大流行した疱瘡(天然痘)に対して正面から挑んだ福井の町医者・笠原良策の信念を描いた実話。
京都⇒福井への猛吹雪の中 峠越え強行を図り、海外から輸入した 疱瘡に二度とかからなくする種痘(ワクチン)を運び人々の命を救う死闘展開なのだが。
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お涙頂戴の超感動作になると思っていましたが、
フタを開けたら 場内はガラガラ。宣伝が伝わってない?
若い人は興味無しなのか、老人ばかりなのか。
どうも感触悪し・・・。
映画見終えて 確かにこれでは人は来なさそうですな。
そう感じましたよ。
話展開、脚本が 功績流れそのまんまの描写で。
もっと 脚色入れて変化をですね。直球過ぎる展開ですな。
どこかに伏線を、そして感動域を作らなきゃ。
なんと言うか例えると、旬の脂のったサンマを両側しちりんで焼いたのに
焼き跡も焦げ目も脂も取って皿にのせて殿様に出したような、
そんな感触になってますね。しかも醤油なしで。
つまりはネタは良いのに不味いって事ですよ。そう素直に感じます。
出だしの村人の疱瘡発症症状、隔離、そして死別。
ココだけでも時間を割いて見せるべきで さらりと流してしまってるのが
惜しい点。掴みが弱く感じました。
あと、引き画が多いです。全体的な自然調和は上手く映ってるんですが
寄りが少な目で誰が何を、この点が見えづらく感じました。
この作品の撮影を担当された方が最近お亡くなりになられたそうで、
そう言う話を聞くと 撮った当時何か感じることが有ったのかなとは思います。
兎に角流れが全体的に速くって
感動が追いつかない作りに感じましたね。
アクが感じられ無くて、そこなんですよ。
都合良く話が進んでしまっていて、本人は長崎には行かないわ、望みの種痘はかさぶただけど既に手配されて手に入るわ、必死に書いた嘆願書。これだけは殿様に届く様に~なんですが、最終中根雪江(役:益岡徹さん)の根回しで上手く取り計らいが出来ているわで。笠原良策の苦労が どうもなぁって伝わり方に感じますね。
(感じたところ)
・笠原良策(役:松坂桃李さん)と奥方 千穂(役:芳根京子さん)の夫婦関係は良い感じに思えました。
夫の留守中に家を守ったり、ワクチン接種の場所や子供集めに奔走している姿(内助の功)は良かったと思います。
・猛吹雪の中の峠越え大作戦ですね。辛うじて一番良かったのは。
先に数人男手を先に行かせて、母子が後から行って万が一遭難しかかったら戻ってきて手助けしてくれ~ ここの思考作戦が功を奏して上手くいった事が良かった場面ですね。
中々あの猛吹雪の雪山の中 撮影は困難極まり無いなと感じましたわ。
よく頑張ったなと思います。
・当時、ワクチンは鮮度が重要で、次々に子供達に摂取して行かねば成らないと言う事。それをしながら種痘(ワクチン)を運ぶっていう思考と、藩主、殿に如何にしてこの病とワクチン接種と そして人々の命を救う重要さを説いたって事が偉業なんだと思います。
・最初 初めて輸入された種痘を子供6人に入れてみるがどれも失敗。最後の欠片七つ目を我が子の腕へ入れる・・・。
翌日 白い腕に一つの赤い斑点が、それはまるで雪の中に咲く赤い花のよう。
上手くいった瞬間であった。ここの想いは上手く伝わったと思います。
中々難しい内容かもですが
興味ある方は 劇場へ!
プロジェクトX(NHK) 時代劇版
最後急に半沢直樹くらいスカッと
2025年劇場鑑賞28本目。
エンドロール後映像無し。
実在の無名の町医者(まぁ実在で名前残っている時点で無名ではない気もしますが)が当時かかったら隔離して一か八か生き残るしかなかった疱瘡を、オランダの蘭学から学び福井に持ち帰ろうと奮闘した話。
正直役所広司が演じていた京都の医者も結構すごい方でしたし、この映画のヤマの一つ冬山越えも別にこんな時期選ばなければもうちょっと安全に楽にできただろ、と思いましたし、芳根京子はなんかセリフセリフしてるし、引きの画が多くてこの役者誰でしょうクイズがしょっちゅう始まるし、こういうチャンバラじゃない時代劇あるあるのメインテーマの曲ヘビーローテーションだし、そんなに評価高くなかったのですが、福井に着いてからの展開が急に痛快になりすぎて、そこだけでお釣り来ました。
安心して観てられました。
安定の桃李くん。実際は壮絶な物語なのでしょうが残忍な殺傷や恐ろしい陰謀などインパクトありすぎるシーンは無く、案外あっさりと様々な障害困難を乗り越えて種痘を行えた。落ち着いてゆったりした気分て観れました。天然痘から生還した女性が本人が嘆くほど跡が残っておらず、、ん?となったり
自分のわらしに接種させたくないという親があっさりと説得に応じたり、、ん?という所もまあまあ、ありましたが、映画だもの!
先人の方々のおかげで元気に暮らせているのですね
と感謝の気持ちで一杯になりました。
キレイすぎる映画だけど…
登場人物のほぼ全てが、こんな人は実際いないんじゃないか?というほど清らかで真っ直ぐです。道徳のビデオかと思うほどです。
中には、きれいごと言うな!って思えるシーンもあった(たとえば痘痕が残った少女への慰めなど。…桃李くんが励ましますが、少女の「この顔で(生き残っても)何を感謝しろっていうの、痘痕のせいでみんなめちゃくちゃだ、うつるって騒がれて」というようなセリフのほうに共感できました。)し、猛吹雪の中、巻き込んだ周囲の人を犠牲にするリスクを負ってまで突撃する桃李くん(人命を救う立場のはずなのに…責任が取れない、根拠のない楽観論に基づいた突撃なんて、指揮官として一番やっちゃいけない事だと思う。)など「ん?」と思うシーンはありましたが、悪人がほぼ出てこないんで、全体として、見ていて気持ちがいい映画なのは確かです。
なぜなら、現実の生活ですでに嫌というほど汚いものを見せられているから。
保身しか考えず、時にはヤクザも平気で使う悪代官。
平気で他者を陥れる人の、獣よりはるかに薄汚く醜い悪意と獣性。
次から次へと、それこそ疫病のように世にはびこる陰謀論。
躓いた人をスケープゴートとして叩きまくり、ストレス解消する一部のネット世論。
同じものをわざわざフィクションで見たいとは思いません。
石清水のような清らかな映画を観て、鑑賞後の気分は最高でした。
最近の邦画は、ごく狭い範囲での人間関係のあれこれを描いているものが多くて、はっきり言って苦手なのですが、これは、久々に、見て良かったと思える映画でした。
タイトルが渋すぎて損してるが、見ると「雪の花」の意味が分かり、しみじみと、良い映画だなと思いました。
人物が話し合うシーンの背景は、里山など、和の自然の風景が多いのですが、これが絶妙に美しいです。また、懐かしく哀愁漂う、時代劇にぴったりな笛の音とピアノ、チェロの静かな音楽が、溶け合っていました。
主人公の妻も出来過ぎた人で、超美人・健気・善人・正義感強い・自分の着物を売ってでも夫のピンチを支える・夫を常に立てる・夫を真っ直ぐに信頼している・常に笑顔・自身もいざとなると強盗を追い払えるほどの戦闘力を有する。
など、スーパーウーマンです。
少し前の時代なら、貞淑で夫を立てる妻は、「婦人の鑑」とでも呼ばれたんでしょうか。
最初に出てくる村人一家のお母さんも、病気なのに「私は後回しで構いませんから、我が子を先に看てください」と言うし、隔離された後も人の世話ばかり焼いていた描写がありました…
こんなに健気な人は実際いないでしょうが、美人で優しくて、真っ直ぐな気性で、頭も良くて、決してひけらかすことなく、自分を常に立てて尊敬してくれる。そして働き者で、人のために尽くす女性ばかり出てきます。二次元にしか存在しない。男性からしたら、理想像かも。だから脚本は男が書いたんじゃないかと思ったらやっぱりそうだった。
それにしてはエロ要素が皆無だったけど。そこも、子どもと一緒に安心して見られる健康的な映画ってとこ。
ここまで来ると、水清ければ魚住まずで、私が夫であれば、もうちょっと頭のゆるい愛人を作りたくなるかもしれません。あんな奥さんいたら、だらしない姿を一切見せられない…
あと、桃李君の着物の色が良かったです。薄い緑と濃い緑を重ね着してますが、どちらも和の色(名前が分からない)で中間色、下の袴?も栗の渋皮色というか、中間色のココアブラウンでとっても似合ってました。
逆に女性はみんな紺の着物で、庶民とはいえもうちょっと綺麗なの無かったの?と思いました。
男性が寝巻き?がわりに着ているバスローブみたいな白い服も気になる。素材がぽこぽこしていて、この時代にこんな生地があったのなら名称が知りたいと思いました。
日本の里山の風景をたっぷり鑑賞できますし、美術と音楽が素晴らしく、しみじみとした美しい映画でした。話の流れ上、ほぼ、「室内」と「自然風景」しか背景が出てこないので、その分、自然のほうにはメリハリがつけてあって、清流の流れや、森、雪山、など、毎回違う自然美が見られます。
けっこう低予算だったのかもしれません。
室内の小物も、目立つのは火鉢と盆、湯飲みぐらいで、かなりシンプルでした。
「仏心鬼手」の掛け軸も良かったな。
漢方に対して、当時、西洋医学が「蘭方」と呼ばれていた事も初めて知りました。
この物語ほどスムーズに受容はされなかったでしょうが、私が庶民の立場なら、いきなり種痘と言われても信じられないし、そんなもの注射して本当の疱瘡になったらどうするんだ、と食って掛かるのは当然。
で、解体新書の原本その他は東大図書館と九州大学図書館、九州大学病院図書館にあるんですね。オランダの医学が中国を通って長崎のシーボルトまで伝わってきた事に感銘を覚えるとともに、ワクチンが今や利権と陰謀論の温床になってしまったのはちょっと切ないなぁ・・・と思いました。金が絡むとすぐ利権。
ジェンナーも使用人の少年を実験台にしてますが、この物語でも最初に接種されたのが子供たちだった事や、医者の娘が「私に注射して」と自ら申し出るのも、切なく感じました。自己犠牲っていいことばかりじゃない。
せめて跡が残る可能性あるんだから男の子にしたら良かったんじゃ…
この映画で唯一、気に入らない点があるとしたら自己犠牲の賛美ですね。
最後、エンドロール見てたら猟友会の名前が出てきたけど、
解剖用のイノシシさんは本物だったのかな?
あと、主人公が、俸禄をもらい武士の身分に取り立てられることを自ら断っていますが…江戸時代の医者ってどういう身分なの?学問を身に付けたお武家様の子じゃないの?と思って調べてみたら、そうでもないようですね。
読み書きができないと医学書が読めないので、町人や農民の子で、比較的裕福で、優秀な人がなっていたようです。藩医に取り立てられれば、武士身分になったようですが、町医者や村医者は武士階級ではなかったそうだ…。詳しく書いてあるサイトも見つけることが出来て勉強になりました。
こういう人ばかりの世界だったらいいのになぁ。
神社や町の小さな祠に疱瘡神と云う石塔を見たことがありませんか。
疱瘡(天然痘)は江戸時代では死病とされていて、これを撲滅するために奮闘した福井藩の町医者笠原良策に吉村昭さんが光を当てました。
私は原作を2年前に読みました。
今回の映画では主人公の笠原良策を松坂桃李が熱演していましたが、良策の妻千穂を私の大好きな芳根京子が演じ、良策を導く蘭方医日野鼎哉を役所広司が演じました。
江戸時代末期には笠原良策や師匠の日野鼎哉、大阪適塾を開塾した緒方洪庵、妻や実母を実験台にして日本初の麻酔手術を行った華岡青洲、福井藩には医者ではありませんが、幕末の志士橋本左内は緒方洪庵の適塾で医学を学んでいました。
この映画でそう言う人達が改めて名前を知られることになったのであれば、今回笠原良策が映画になって良かったと思います。
もったいない
ガミさんと日岡の対峙に超テンション上がった(笑)
原作は未読です。
恐らく、原作を読んだことがある方々には
残念な仕上がりになっているのではないかと
容易に推測されます。
美しい福井の四季を感じさせる映像の数々に
心癒される思いではあるけど、
もっと重要なシーンを
撮るべきではなかろうか?とか
シーンの繋ぎや、場面展開などの演出が
全く好みではなかったです。残念。
この時代に西洋医学に目を向け、耳を傾け
それらを取り入れる勇気や
福井から京都まで、果ては長崎まで
福井藩のため、いや日本国のために
ひたすら駆け回る笠原良作(松坂桃李)と、
影で支える妻 千穂(芳根京子)の姿には
胸がジーンとなります。
こういう人達の苦労の数々があるからこそ
今がある!
感謝しきれない思いでいっぱいになる。
が、テンポが悪い。
さくら貝なんかエピソードあった?
太鼓のシーンいる?
なぜ死ぬかもしれないというリスクも省みず
冬場の峠越えを決断した?
あれ、下手したら全員☆になっててもおかしくない。
八甲田山かと思った(苦笑)
優しく描いている教科書みたい・・
感謝✨✨
お金をもらってやる仕事ではない。
ジェンナーが牛痘による種痘を始めたのが1796年。この作品の主人公、笠原良策が福井県で種痘を始めたのが1849年末。実に50年以上の時間を有しますが、しかし彼らが頑張ったおかげで日本では1976年に種痘をやめたそうな。日本は天然痘自体は1956年以降発症していないとか。
なお、日本で牛痘ではなく人痘による種痘は1789年に成功し、また牛痘による種痘は1824年に成功したそうな。この映画を見たら、どうしてもこの映画の例が最初のように勘違いしてしまいますが、四半世紀も前に日本でも牛痘による種痘が行われたそうです。
ただ、この作品は日本で種痘が広まっていく苦労や経緯がよくわかり、決して笠原良作とその妻の偉業を否定するものではありません。しかし・・・種痘を受けるって本当に勇気が必要だったでしょうね。基本的に「ワクチン」って現代でも同じなわけで、コロナワクチンに対しても反対論があっても当然だと思います。もちろん副作用で大変な目にあった人も多かったですし。
「お金をもらってやる仕事ではない」というセリフに胸が熱くなりました。
「雪の花」というタイトルは普通に雪深い北陸福井のシンボルとして感じていましたが、全く違ったので感心させられました。
己のに恥じない生き方を
江戸時代の末期に流行した疾病に挑んだ町医者の物語。まだワクチンも無かった時代に独りの町医者が残した功績は勲章に値するように感じる。
「己に恥じない生き方をしたい」という台詞が印象的で昔も今も疾病と闘い続ける医師に感謝したい。
2025-10
名を求めず、利を求めず、胸熱時代劇!
江戸時代末期に疱瘡(天然痘)を種痘(ワクチン)で予防していく町医者の話ですが、
この時代に、いわゆるワクチンの発想が海外から持ち込まれ、
それを理解し、実現しようとする当時の医者に脱帽ですし、
素晴らしいと思いました。
やはり日本の医学を飛躍的に進歩させたのは、蘭方医であり、
杉田玄白と前野良沢によるターヘルアナトミアの翻訳書「解体新書」でしょう。
そのくだりも描かれ、
主人公 笠原良策(松坂桃李)が大武了玄(吉岡秀隆)との出会いにより、
開眼していくところや、
そこから京の日野(役所広司)に師事して、種痘に出会うところは胸熱でしたね。
いや、全編にわたって胸熱なんですよね。
冬の山越のシーン、城下町でのチンピラとのアクションシーンなど、
どれをとっても胸に突き刺さりましたね。
良策の判断軸が日野から教わった「名を求めず、利を求めず」であるところはグッときました。
良策の妻 千穂を演じた芳根京子も、良策への愛情が迸る、
また、男まさりな格闘シーン、太鼓シーンなど、みどころも多々あり、
素晴らしかったです。
その他の脇も、三浦貴大、益岡徹が良かったですね。
まさに時代劇の王道を地で行っている作品で、とても楽しめました。
松竹さんには今後も良い時代劇をつくり続けて欲しいです。
※案の定なのですが、客層がジジババがほとんどで、劇場内がお茶の間化していたのは
とてもとてもとてもとても苦痛でした。
話しのみならず、咳エチケットもなく、スマホも見放題。
普段劇場にいらっしゃらない諸先輩方の振る舞いにはうんざりです。
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