雪の花 ともに在りてのレビュー・感想・評価
全156件中、21~40件目を表示
えっへんえっへんが我が家の流行語
名を求めず、利を求めず
江戸時代末期、有効な治療法がなく多くの人の命を奪ってきた痘瘡(天然痘)。
福井藩の町医者・笠原良策は、その痘瘡に有効な「種痘」という予防法が
異国から伝わったことを知り、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、
私財を投げ打って必要な種痘の苗を福井に持ち込んだ。
しかし、天然痘の膿をあえて体内に植え込むという種痘の普及には、
さまざまな困難が立ちはだかる。
それでも良策は、妻・千穂に支えられながら疫病と闘い続ける。
・・・といったあらすじ。
子供のころ読んだ、ジェンナーの伝記を思い出した。
そうそう、牛痘の菌を子供に摂取したんだよな。
今でいう予防接種だよ、ワクチンだよ。
その方法が日本に広められていく話だったとは。
今回は福井が舞台、その町医者の笠原が異国からの牛痘の入手に骨を折り、
幕府から許しを得る。
そして入手した牛痘を子供に植え付けることに成功。
次に、種痘を京都から福井にどうやって運ぶのかと思いきや、
まず京都で子供に種痘(植え付け)を行い、その子供を連れ、
道中でまだ種痘をしていない別の子供に植え継いでいくとは、驚き。
しかも、冬の大雪、吹雪の中、峠越えをしていくとは。。。
主人公笠原良策を演じたのは、松坂桃李さん、まっすぐなところ、
ぴったりでした。
奥さん役は芳根京子さん、夫を信じぬく、心の強さ、素敵でした。
京都の蘭方医・日野鼎哉を演じたのは、役所広司さん、
バツグンの安定感、さすがです。
ただ、ストーリーはちょっと地味。
同じ福井ものであれば、少し前にやった「おしょりん」のほうが
ストーリー、描き方は面白かったかな。。。
歴史の舞台裏の物語
ストーリーは、激動の時代の裏側にこんなことがあったのか!と思わずにはいられない題材で、興味深く観れました。今では当たり前なことが、そこに至るまでの苦労や、成しえた時の喜びに、とても共感できました。
しかしながら、主演の松坂桃李の良さって、クールな演技だと思うけど、この映画はそれが裏目に出てしまっていると感じました。冒頭にある村の危機的状態を救えなかったと悲観する姿に、その悲しみや悔しさがイマイチ伝わらないし、色々な場面で頭を下げるシーンがありますが、その必死さや説得力が伝わらない。だからなのか、他の登場人物に白々しささえ感じました。
また自然描写の1カット1カットが長いので間延びしている印象でした。
たぶん予算や撮影期間などの問題で、作り込みができなかったんだろうな、と感じましたが、それでも、なかなか知ることができない事を知ることができて、それなりに満足です。
壮大な命のリレーA Grand Relay of Life
種痘のこと、知っているようで知らなかった。
この映画では、
如何にして、天然痘治療が日本にやって来て
そして根付いたのか描かれている。
こんな風に描かれているのを観て、
種痘の種をこんな風にして、人に植えて
そのウィルスの抗体反応によって出来た膿を
人から人へ繋げて行くことを理解した。
他の病気についても、
過去の人たちがこんな風に積み上げて来たから
治療法が確立されて今があるし、
その積み重ねは今も続いているのだ。
なので映画の中で、ようやく手に入れた種痘の種が
腕に根付いた時、皆が歓喜した理由が理解できた。
それも翻訳された書物から得た知識で、
写真もない時代に。
落ち着いた画作りで描かれているので
登場人物がより際立って、
あの頃から今まで地続きなんだと実感できる。
フィクションだけれど
南方仁と同時代なわけで、
春嶽公の名前が出たあたりで、
おお、竜馬・・・、と
頭がぐるぐるしていた。
個人的にツボだったのは、
主人公である笠原良策とその妻、千穂が
メチャクチャ武術的に強いこと。
良策が悪漢をボコボコにした後、
治療はするが前払いだ、しかも5両て・・
あとでちゃんと治療して、
子分になってたら面白いな。
この映画は、子供に観てほしいなと思いました。
親子で来て、親子で話すと良い
そんな映画だと思いました。
I thought I knew about smallpox vaccination, but I realized there was so much I didn’t know.
This film depicts how the treatment for smallpox arrived in Japan and took root in society.
Watching it, I finally understood how the smallpox vaccine was transferred from person to person. The vaccine was inoculated, and the pus produced by the immune response was passed along, ensuring its continuation.
It made me think about how treatments for other diseases were also established through the tireless efforts of people in the past. Thanks to their dedication, we now have effective treatments, and this process is still ongoing today.
So when the long-awaited smallpox vaccine finally took hold on someone’s arm in the film, I could truly understand why everyone rejoiced. And to think that all of this knowledge came from translated texts, in an era without photographs.
The film’s calm and composed cinematography allows the characters to stand out, making it feel like a continuous thread from that time to the present.
Although it’s a work of fiction, it takes place in the same era as Jin (the TV drama), and when the name of Lord Shungaku was mentioned, I couldn’t help but think, “Oh, Ryoma…” My mind was spinning with connections.
One thing that really got me was how incredibly skilled in martial arts the protagonist, Kasahara Ryosaku, and his wife, Chiho, were.
After Ryosaku beat up a group of thugs, he told them, “I’ll treat you, but payment is required in advance—five ryo.” That line was just too good. It would be amusing if, after getting treated, those thugs ended up becoming his followers.
I felt this is a movie children should watch. It’s something parents and children should see together and then discuss.
That’s the kind of film it is.
脚本がとにかく最悪でした。
名作「居眠り磐音」の柳の下にドジョウが二匹の企画なのか、同じ松坂桃李+芳根京子の名優コンビによる時代劇2作目でしたが、どうにもこうにも救いようがありませんでした。
おそらく脚本に対して充分なリサーチ人材・予算を用意できなかったことが最悪の原因なのだろうと思います。
「種痘に対して嫌悪を覚える領民」の『心』。
種痘は怖い。
牛になると噂を聞いた。
この手の流言蜚語によって恐れおののく領民の心を、いかにして転換し、領民たちが広く種痘を受け入れるようになったのか。
これこそ本作が、現代人の問題意識(ワクチン・流言蜚語など)にも通じるはずの重厚なテーマであるはずです。
いったいいかにして、主人公たる町医者は、領民の心を転換できたのでしょうか。
現実に、領民の心を転換できたからこそ、種痘が領民に受け入れられたのです。
必ず、その苦労、その方法、その戦略など存在していたはずです。
リサーチャーは、なぜそういう現代に通用するテーマを調べ上げることができなかったのか。
ご家老が3人の医者を叱責し、平伏させました、という程度で、領民の猜疑心が解消できるはずなど、ありえません。
答えは存在していたはずなのです。宵寝
だからこそ種痘が受け入れられたのですから。
その正答を探し出し、描かせるのが、リサーチャーの仕事です。
リサーチャーが仕事をしていない。
かくて、最低最悪のシナリオが出来上がってしまったというわけです。
峠道が雪道だったのでウンタラというような、小手先でピンチを捏造する程度では、観客はまったく騙せません。
脚本がダメだから、名優・芳根京子の演技を楽しめるシーンすら、でてきません。
宝の持ち腐れとはこのことです。
起承「承」結
失礼を承知ながら言わせていただきますと「淡々としすぎ」と感じました。
同じ天然痘問題を取り扱うのであれば、手塚治虫先生の傑作漫画『陽だまりの樹』の方が断然優れていると思います。
今このご時世に何故この作品が製作されたのか、よくわかりませんでした。
「製作陣の意図は何かしら」とも思えました。
パンフレットは購入いたしておりません。パンフレッターではないので…
チラシに役所広司さんのお名前が入っておりますが、期待していたほどのご活躍はありませんでした。とくにチラシに名前をあげる必要はないのではないかなぁと思いました。
残念ながら面白味がわからないままの2時間でした。勢いがない。
役者さんが豪華な『再現ドラマ』みたいな感は最後まで拭えませんでした。
あと音楽についてですが、巨匠『加古隆』さんを起用されているためか、劇伴ほぼ全て同じ曲でエンディングも同曲だったのには苦笑。
人におすすめしたいとは思わない映画でした。
医は算術にあらず、仁術なり
退屈
タイトルなし(ネタバレ)
江戸時代の実話を現代風にアレンジした時代劇であるのは仕方がないだろう。
江戸時代にこんなのないだろ、ということを言い出せば時代劇など
成り立たない。
牛痘を人間に接種すると言う話は過去時代劇にも何度も登場しており、どれが本当の話かはよく分からないが、この話だけでもこの医師の強い意志、情熱だけでなく周りの人の協力なくしてあり得ない。当時の時代背景からすれば偏見や憎悪は半端なかったはず。
映画の中では周囲の理解と協力が比較的あったと。妻はもちろん町の人の「お金じゃない」という献身的な支持もあったし。非協力的と言うか憎悪と偏見は小役人と情弱の庶民ってのは今と同じなのか。
苦労の末の雪の花が咲いたのはハッピーエンドでよかったです。
…あなたには生きていてほしい
ゆったり観られた
当時は種痘が簡単に手に入らなかったから京都の子供に数人腕に植えつけて、福井の子供(親同伴)を連れてきて京都の子供から種痘を植えつける。
あの猛吹雪の中峠を越すシーン、今ではCGでするのだろうが、大雪の中の撮影で便乗感がありました。
笠原良策という町医者がどうして認知されないのかは幕府の取り立ての話を断ったのがきっかけなのかな。
質素な町医者として恐らく良妻と共に暮らしたのかなと思わせるラストシーン。
芳根京子さん、武術もだが和太鼓が素晴らしいかった。
名を求めず、利を求めず
尊い町医者が天命を受け疫病に
立ち向かう姿が良い。地味で真面目。
時代劇のお手本のような作品。
いつの時代も空気を変える大事は
難しい。
自然の借景や人物の配置が心地よい。
まるで浮世絵のよう。
日本の良い所を上手に引き出している。
綺麗な風景描写。
名を求めず、利を求めず
命を繋ぐ素敵な作品でした。
知らなかった感動秘話
全156件中、21~40件目を表示