愛に乱暴のレビュー・感想・評価
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モヤモヤ映画
原作は未読だが、映画が少し歪な感じなので(悪い意味で)変更は結構あったんだと感じる。主人公に感情移入出来ない、させない作りになっている。不倫されて可哀想と思ってたら自分も同じことをしていたとか。
ゴミがメタファーになっているのかやたらとゴミ推しで、主人公がゴミなのか?ラスト中国人に言われる言葉は肯定なのか、ゴミ置き場の話でゴミそのものではないので???が。
撮影は基本が手持ちカメラ等でワンカットに徹していて映画を見ているって感じがした。
江口のりこの風呂シーンで出さなくても別に良かったのではと思う。
小泉孝太郎は適役で情けない駄目な男代表って感じで良かった。
ハズレ風が吹き荒れる
全体的にアクターの良さが全く生きていない作品。内容的に仕方ないのかもですが途中から観たくなくなりました。江口さんはコメディタッチの良い人が⭕️、小泉くんも新境地といえば聞こえが良いが誰でもできる役柄とも言える。あげく馬場ふみかちゃんの無駄遣い。風吹じゅんさんにも失礼です。
期待していただけにガッカリ😮💨
101
自業自得
初瀬桃子(江口のりこ)は夫・真守(小泉孝太郎)とともに、真守の実家の敷地内に建つ離れで暮らしていた。桃子は義母・照子(風吹ジュン)への気づかいや夫の無関心によるストレスを石鹸教室の講師や手の込んだ夕飯作りなどで日々を充実させていた。そんな中、ゴミ捨て場での不審火が有ったり、愛猫が行方不明になったり、桃子の平穏な日常が乱れはじめ、ついに夫に浮気相手を紹介され、離婚を迫られた。さてどうなる、という話。
元々、自分が前妻から夫を奪ったんだから自業自得だな、って思った。
携帯で見ていた不倫のコメントは夫の彼女じゃないよね?
アレの意味がよくわからなかった。
チェンソー買ってきて床下に穴を開け、土の中から取り出した箱に入ってたのは流産した子用に準備していた服なのかな?
魚を庭に放っていたのとか、最後、家を壊していたが、建物と土地も貰ってたって事?で、土地を売るために建物を壊してたって事だよね。
桃子の意味不明な行動を見せられるだけでちっとも面白くなかった。
夫を献身的に支え、姑とも良好、ゴミ捨て場の掃除や無添加石鹸のセミナ...
夫を献身的に支え、姑とも良好、ゴミ捨て場の掃除や無添加石鹸のセミナーを行う意識の高い良き妻。だが、夫の無関心さや姑との地味にすり減るやり取り、周りから軽く扱われている姿が辛い。夫のまさかの行動に薄々気づいていたように思えるが、その後がキツイ、なんでそんなに欲張りなんだよ…だけど、一つミスリードが明らかになり主人公も欲張りだったのかもと思わされた。消耗しきった状態で、1人の人間としてたった一言であの言葉が響いたんだろうなぁ。吹っ切れた姿がとにかく良い。
良い意味で気持ちが悪い
絶妙な気持ちの悪さ。わかる。これイライラするやつ。人間の醜さみたいのが良い。原作知らずでしたが、「悪人」「怒り」の作者ですか。ちょっと納得。
そういうことか、、、なるほど。
救われたのか?それとも??
最後の終わり方も見方のよって違いそう。
映像と演出も良い。引き込まれる。
江口のりこはさすがですね。可愛らしさと可哀想と狂気が共存。
チェーンソー!
江口のりこがダークサイドに堕ちて行く。
まあ最初からなんかヤバそうだったが。
結局離婚話はどうなった?不審火の犯人は?
謎の多い終わり方でした。
チェーンソーってナイフや包丁みたいにあんなに簡単に買えるの?
女は三界に家無し。されど、女は強し
その一家は、一見平和そうに見えた。
妻『初瀬桃子(江口のりこ)』は結婚を機に退職し専業主婦に。
綺麗好きで、家の中はいつも整っている。
以前勤めていた企業の協力で、
手作り石鹸の教室の講師をし、これが好評。規模の拡大をも目論む。
夫の『真守(小泉孝太郎)』は毎朝のジョギングが日課。
母の住む母屋の隣に離れを建て、夫婦で住む。
しかし、子供はまだいない。
母の『照子(風吹ジュン)』は夫を亡くしてから日も浅いが、
気丈に振舞っている。
むやみに息子夫婦を頼ることはせず、
身の回りのことは(朝のゴミ出しを除き)なんでも自分で行う。
が、描写されるそうした生活の節々に、
なんとはなしの違和感を覚えるのは穿ち過ぎか。
もっとも、一家の周囲では不穏な動きも。
決まって餌を食べに来る野良猫が、近頃は一向に姿を見せない。
給餌皿は空になっているし、時として鳴き声も聞こえるのに。
近所のゴミ置き場では、連続放火と思われる火事が立て続けに起き、
警察は警備を強化中。
主人公の家の近くのゴミ置き場は
ルールを守らない捨て方する人が多く、鴉の溜まり場に。
彼女は独り、(綺麗好きなので)掃除をする。
その近くのアパートに住み、ホームセンターで働く外国人も、
怪しげな気配を漂わせている。
物語りが進むにつれ、一家が内包する複数の難儀が露わに。
とりわけ夫の『真守』は想像を絶するクズ男で、
確かにルックスも人当たりも良いものの、
こと女癖の悪さは唖然とするほど。
嫁姑の関係も、傍目ほど良好ではない。
喉に刺さった骨のように、互いに心を開けずにいる。
順調そうに見えた『桃子』の石鹸教室も
企業の論理の中で政争の道具にされつつある。
そして幾つかの事件は起きる。
主人公にとって弱り目に祟り目のように。
ただそれを乗り越えた先には、
生き方の新しい地平が開ける。
出ずっぱりの『江口のりこ』が出色で、
彼女の演技を観るための一本。
映画の出演本数は多いものの、
ほぼほぼが脇役で、主演作は片手を僅かに超えるほど。
とは言え力量は間違いのないところで
本作でも狂気にとらわれたように見えても、
奥底に潜む冷徹さとシニカルさを的確に演じる。
ギャグにも見える唐突な行動の表現も絶妙。
とりわけ、チェンソーを動かす時にわずかに浮かべる薄笑いには、
ぞっとすると同時にカタルシスを感じる。
各エピソードの繋ぎとエスカレーションの仕方が職人芸。
サスペンス映画のように、不穏な空気を漂わせ
次第に押し迫ってくる。
事故が起きたり死人が転がるわけではないのに
胡乱さを感じる構成は、
次の展開が待ち遠しく、一時も画面から目を離すことができない。
江口のりこだけが目立った作品
江口のりこの孤軍奮闘が際立った作品。
江口のりこの演技を観ただけでもこの作品を観た価値がある。
ただ、テーマからしたらよくあるストーリーでありきたりな作品だと感じた。
原作は吉田修一の作品からだが、作品の内容から見るとむしろテレビドラマや配信ドラマの方がいいかもしれない。
あるストーリーで何故、江口のりこが演じたももこがSNSで知ったのか言及がなかったのは残念だった。
今イチの作品だが、江口のりこの奮闘ぶりを観てワースト作品にはしない。
ひとつの絵画を観ている様な。
見えていないだけできっとどこかしらにある風景で、誰にでもある感情。
彼女が畳の下に埋めたもの。
人間の剥き出し。歪み。色々な角度で見え方は変わる。
次観たらまた感じ方は変わる。そんな作品。
「こんな作品です。」とはひとくくりにはできないかな。
でも私は作品の世界に引き込まれました。
小泉孝太郎の駄目夫役。この発明的な配役が猛烈に良い。
小泉兄の夫役を発明的配役と評す。
その出自ゆえ予め備わる、
今も実家から通ってる感、
世を人を無自覚に舐めてる感、
加齢劣化した元イケメン元モテ男感。
華を消す巧演。
いい役者だ。
風吹の今更無駄な美しさも奏功。
堂々たる主役江口の内に展開する怪演は想定内。
私的年テン入り当確。
江口のり子
さんは、ソロ活の人なんだけ、こういうのドンピシャです。当て書きの様相です。連れは「私ならプライドあるからああはならない」と宣いますが、確かに「軽くいなして」後々「夫の本音」を聞かされたほうがより悲劇さが増すかもしれません。その夫の小泉さん、やけに上手くなってますね。
力作だとは思う。思うが、、
どんな話か全く知らず、だけど怪しさはキャスティングから充分感じられ、期待はかなり高くしてしまったが、テーマと手法がちょっとあってないのかな。。
そして江口のりこは大好きなのだけど、この役はもっと凡庸なアイドルめいた人のほうがうってつけだったような気もする。
個人的には演出過多な印象。追い詰められていく江口のりこを淡々と追っていく前半部「いいわね、あなたにはたくさん選択肢があって」ひとことで全部を伝える構造はとてもいいのだけど、カメラが江口のりこに肉薄し過ぎてる感じがする。
この、世間ではまったく忘れられそうな主婦のため込んだため息の充満する危険な空気の話は、アケルマンのジャンヌディエルマンから『ワンダ』からアルトマンの『雨に濡れた舗道』とかでもいいのだけど、その系譜に連なるものだと思うけれど、それらの作品と違ってカメラが主演に肉薄し過ぎて狂気が伝わらなくなっている。物事を客観的に、冷静に突き放して観客もその想像合戦に参加させるのはとても強い演出力と観客を信じる力が必要なのだと思うけど、比較的サービス精神に溢れて動く江口を見せることに終始する。カメラがバックショットで江口のりこをずっと捉えていて、観客がそこに共感できれば、という作りなのだと思うけど、これは江口のりこの叫びを捉えようとするのならもうちょっと距離を離して観客が身を乗りだすような辛抱強さが必要だったのではないかと考えたり。出来事の展開と世界観はいいのだけど、、惜しい気がする。
健全な傲慢さが救いになることもあるはず
辻村深月さん原作の『傲慢と善良』の別視点とも思えるような物語。
ホテルのカフェで対面することになった不倫相手の馬場ふみかさん。
もし、不倫相手が馬場ふみかさんでなく、桃子から見て明らかに自分より容姿も劣り、職業やその他の属性においても、桃子の価値観においては〝桃子より下の人〟であったならこれほど心を乱されるようなことにはならなかったのではないか。
こんな下衆な男、こちらの方から離婚してやる。
と、割と単純に割り切れた気がする。
(と割り切れたなら、江口のりこさんの無敵な演技も、そもそもこの映画のような物語も必要なくなってしまうのだが…)
人が人を自分より下に見ることで得られる心の平安。
他者を下に見る、なんて発想は差別的であるとか傲慢であるという批判はその通りだが、人間心理としては、言い方を変えれば、人間がプライドを保つためには誰しもが心当たりのあることなのではないか。
国家や人民を守るための政治リーダーであったり、スポーツや芸術においてより秀でたパフォーマンスを発揮する。
そのような人たちの持つ崇高なプライドとは次元が違う品性に欠けるプライドではあるけれど。
決して人には言わないし、人を傷つけることもない秘かな傲慢さ(品性に欠けるプライド)であれば、いつも自分は敗者側に追い込まれていると社会を憎んだり、心がズタボロになるよりはずっと健全だと私は思います。
※桃子が不倫相手に決定的に負けた、と思わせられた原因に〝懐妊〟をあげるのは、なんとも言えない不快感を覚えます。
「分かり易いもの、言われないと気づかないもの」・・・狂気とエロス
両端が黒くつぶされる4:3の画面比率の映画でしたが、冒頭、何十年も使い倒されて燻んだトーンになっている古びた家屋における台所仕事を詳細に描写されたりする中で、まるで古いドキュメンタリー映画を観せられてる様な錯覚に陥りました。まあ、スマホ出てくるし、LINEっぽい描写もあるから現代の話に違いないのだけど。
今思えばこの段階で既にわたしは監督の術中にはまっていた訳なのですが、この作品において徐々に顕在化していく沢山の「狂気じみたもの」は、今、目の前で突発的、偶発的に生じたものではありません。
過去の長い長い年月を経てその狂気は徐々に醸成され、当人にとってはそれは当たり前の事象、下手すると世間的にもギリ許容されるんじゃないかと・・・いわば拡大解釈や誤認がすすんでしまっていることに、とても恐怖を感じました。
若干のパート勤めはあるがほとんど専業主婦である桃子を演じるのは演技派女優、個人的に大好きな江口のりこさんです。
年齢的に最後の妊活に興味があるが亭主は全く協力的でなく、むしろその亭主の浮気が疑われる最悪な状況に追い込まれ、精神的に不安定さが増し、徐々に言動の異常性が目立ち始める桃子。
しかし、亭主はじめ主要な登場人物のほとんどは様々な要因で「ナチュラルに狂人(笑)」でして、言われないと気づかないくらいの程度に常識人の姿に化けています。その化け物達に囲まれる中、桃子の分かり易い狂気が正当性を保ちつつ物語をひっぱっていくという稀有なパターンとなっています。
原作未読ですので、原作が素晴らしいのか脚本もしている監督さんの腕が立つのかよく分かりませんが、これだけ目を背けたくなる狂気をとっちらかしながら何やら爽やかな読後感さえある締め方にとても好感を持ちます。
あと、着目点に品が無くて申し訳ないですけど、ストーリーに必要な必然的なエロスも、狂気と同様、「分かり易いものと、言われないと気づかないもの」をしっかり提示していて素晴らしかったです。「言われないときづかないもの」に関して言及しますと「不倫相手の部屋での演出、演技指導?」とか、フェチ目線?ではもう完璧としか言い様がありません。やはり敏腕ですね、森ガキ 侑大監督は!
江口のりこさんの体当たりの演技はじめ、演者の皆さんがその演技に静かな狂気を含んでいて本当に素晴らしかったです。
ぜひご鑑賞ください!
江口のりことチェーンソー
なんとも不穏な空気の映画でした。
なんせ江口のりこさんの存在感そのものが不穏。こんなにチェーンソーが似合うのは13日の金曜日のジェイソン以来。
小泉孝太郎さんは誰だかわからないくらいイメージと真逆の役。
馬場ふみかさんはハマり役。
【この映画の要素】
江口のりこのイライラ度 50%
江口のりこの不気味度 49%
江口のりこのお色気シーン 1%
「ありがとう」と言ってくれてありがとう
江口のりこはこの5ヶ月で3本目の主演映画公開です。で、この「愛に乱暴」は本当に彼女ばかりカメラは追い、彼女のいないシーン(もちろんいないカットはありますが)はありませんでした。まさに主演映画です。
冒頭から10分ほどで彼女の現状がわかります。夫との関係や義母との関係、以前勤めていた会社が主催する「手作り石鹸」の講師などですが、確かに彼女にとっては不満な生活かもしれませんが、「それなり」に充実しているとも言えます。義母との関係もいうほど悪くはないと思います。
ただ、夫が若い女と関係を持ち妊娠させてしまうようなクズです(爆)しかも、同じような理由で現在の嫁も元嫁と離婚したうえでの再婚です。徐々に壊れていくヒロインですが、その壊れていくさまが鬼気迫るものがあります。江口のりこの演技はさすがです。ただ、誰のためのサービスカットなのでしょう(笑)私は好きですが。
彼女が正気に戻るのは、得体のしれない中国人青年との初めての会話です。
「いつもゴミ収集所をきれいにしてくれてありがとう」
劇中、彼女は夫に「あなたはありがとうって言わないよね」と一言いいますが、スルーされてしまいます。観ている方も・・・私もよく妻に言われるセリフなのでスルーしがちですが、この他人からの感謝の言葉こそが彼女を正気に戻し、あくまでも想像ですが彼との離婚にも応じたのだと思います。
この女を怒らせてはならない。荒ぶる女神 江口のりこの姿を目に焼き付けろ。
フィルム撮影されている。冒頭から適度に荒れた画像で、主役初瀬桃子の姿が延々と映し出される。ゴミ出しに行く桃子、石鹸作りを教える桃子、買い物に行く桃子、料理をする桃子、猫を探す桃子。江口のりこが淡々と能面のようなポーカーフェイスで演じる。背景はぼかされ、カメラは微かに揺れ続け、不穏な雰囲気が醸し出されている。
そもそも原作者の吉田修一が意図している「愛」とは何か。それは一種の秩序のようなものである。夫も妻も、親も子も、それぞれの立ち位置を守りそこから踏み出さない。裏では背信行為があるかもしれないが相手には明かさない。そうすれば連帯感や信頼感が生まれてくる。愛というものはそういうものだと吉田は前提におく。そして、それぞれの立ち位置からはみ出してしまう行為を「乱暴」と捉える。
原作では、主役の桃子も含め、登場人物たちが多かれ少なかれ他人に対し乱暴であり、その結果として関係性が壊れていく姿が精緻に描かれている。また吉田の作品ではよくあるモチーフの被害者と加害者が入れ替わる局面も描かれる。
映画は、途中までは実に忠実に原作をなぞっている。細かい部分での省略や改変はあるものの。
ただ、決定的に原作と映画が違っているのは途中から初瀬桃子=江口のりこが暴走を始めるところにある。それが端的にあらわれているのは、桃子が不倫相手の部屋を訪ねるところ。映画では、桃子は大きなスイカを畑からもぎ取ってもっていく。この場面は原作にはない。私は、桃子の攻撃性、暴力性をより過激に描きたいという映画製作者の意図的改変だと考える。スイカのシーンをきっかけに桃子はチェーンソーを振り回し家を破壊しはじめる。結末部分も同様で、原作はやや丸く収まっているが、映画は桃子が全てを破壊し尽くした後のようにみえる。詳細な説明はないけれど。
そして、江口のりこという女優について。よく「狂気」の演技とか言うけれど、彼女の演じる役はどこが冷めていて狂っているようにはみえない。むしろ分かっている上での攻撃性や暴力性を表現できる得難い役者なのだと思う。破壊王と呼んであげてください。
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