「怪盗グルーとミニオンの人気者になりすぎた薄さ…」怪盗グルーのミニオン超変身 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
怪盗グルーとミニオンの人気者になりすぎた薄さ…
やはり今回も。
劇場受付「ご覧になるのはミニオンですか?」
私「いや、怪盗グルーで…」
と言いはしなかったものの、思った。
前のはミニオンだったけど、今回は親分、グルーやろ!
あちこちでもミニオン推しの感想。
そもそもの邦題。前作の『大脱走』もそうだったけど、邦題に絡めたミニオンのわちゃわちゃはメインではなく。邦題からミニオンがいっぱい見れると勘違いして、実際見たらグルーじゃん…なんて言うようなもんなら、世間や配給会社にイライラする。
もう一度。今回はミニオン主役じゃなく、親分グルー!
別にミニオンが嫌いな訳じゃない。ミニオンやグルーやイルミネーション・スタジオの作品が好きだから、ファンの期待を裏切るような宣伝をして欲しくないだけ。
…という事で、“怪盗グルー”最新4作目。
『ミニオンズ』も含めると通算6作目で、いつの間にやら『シュレック』シリーズ(スピンオフの『長ぐつをはいたネコ』含め)と並び、洋アニメ最長シリーズに。
『シュレック』は久々の新作(5作目)の製作が決定したらしいが、こちらも負けじと『ミニオンズ3』の製作が決定。両者の“洋アニメ最長シリーズバトル”は続く…!
洋アニメの人気シリーズとなったグルー。いや、ミニオンか…?
世界中で安定の大ヒット。日本でもちょうど夏休みという事もあって、ファミリー客でいっぱい。
今回も楽しかった。そう、“楽しかった”のである。
作品の質や話は…。これもいつもながらだが、シリーズBESTの座はやはり第1作目『月泥棒』から盗めなかったかな…。
悪党学園の同窓会。出席したグルーは反悪党同盟のエージェントとして、在学中のライバルで虫の力で悪さをするマキシムを逮捕。が、脱走し、在学中のある恨みも含め復讐を誓う…。
安全の為に、グルーたちは反悪党同盟のセーフハウスへ。別の町、新たな家で名前や身分を変え、ごくごく平凡な家族として暮らす事になるのだが…。
こんにちは赤ちゃん。ルーシーとの間に産まれたグルーJr.。キュートだが、何故かグルーだけには懐かない子育てにたじたじ。ルーシーは美容室の失敗でターミネーターなマダムに追い掛けられ、マーゴたちも新たな環境に大変…。
そんなある日、隣の家の悪党に憧れる娘ポピーに正体を知られ、盗みの協力をさせられる。忍び込むは、懐かしの学舎…!
ケビン、スチュアート、ボブ以外のミニオンたちは反悪党同盟へ。そこで選ばれた5名が“メガミニオン”に超変身。スーパーパワーでスーパーヒーローな活躍をするのだけれど…。
そしてマキシムの魔の手が子供たちに迫っていた…!
エピソードは盛り沢山だけど、今回に限った事じゃないけど、あっちでわちゃわちゃ、こっちでわちゃわちゃ、とにかく忙しい。
第1作目の頃だったらどれか一つに焦点を絞って、わちゃわちゃではあるけどほのぼのハートフルな物語だったんだけど…。
例えば、マキシム。動機も含めキャラ的にもショボ…。『5』が作られる頃にはそんな敵いたっけ?…と忘れてそう。
産まれたばかりのグルーJr.を中心に、ファミリーのハートフルな絆が描かれると思いきや、ここもシリーズで最も薄い。
かと言って、新米悪党ポピーもただのぽっと出の端役。
まあミニオンたちは『大脱走』よりかは“超変身”してたけど、スゲー活躍するってほどじゃない。
いつもの事だけど、でも今回はいつも以上に、わちゃわちゃ騒動やキャラの愉快さだけがフィーチャーされたような…。
楽しいのは楽しい。子供には充分楽しめる。
だけど、大人の目には…。
ディズニー/ピクサーやドリームワークスと比べると、作品の質や特に物語はガクンと見劣りする。
作品やキャラの人気なら、その両会社に負けやしない。
その礎を築いてくれた怪盗と黄色い子分。
他会社だけではなく、同会社でも人気作『SING/シング』や大ヒット作『マリオ』など増えてきた。
怪盗作戦(ストーリー)をしっかり立てず、人気に浮かれぼやぼやしてると、“会社の顔”を奪われちゃうぞ。
今一度魅力的な怪盗劇を!
グルーよ! ミニオンたちよ!
吹替で鑑賞。
アグネスが芦田愛菜じゃなくなって残念…。大人になったからかな…?
なら、滑舌微妙なつるべはどうなの…?? グルー=つるべは嫌いじゃないけど…。