「迫力ある戦闘シーンに息を呑むも中盤以降の失速ぶりに意気消沈」ランド・オブ・バッド ヘマさんの映画レビュー(感想・評価)
迫力ある戦闘シーンに息を呑むも中盤以降の失速ぶりに意気消沈
無人機が導入された最先端テクノロジーの現代戦を本物さながらに体感できる本作。
米国本土にて、無人機を操るのはロートル大尉・リーパー。戦場にて、その無人機による航空支援連絡役を担うのは新兵・キニー。遠隔地同士の二人を軸に物語は展開されていく。
CIAエージェント救出作戦で反政府ゲリラが支配する孤島に潜入した救出部隊一行。戦地に赴いた経験の浅いキニーだが、元々は航空支援連絡役だけに、本来は現場系ではなさそう。だが、なぜかガタイはマッチョなのよね。
部隊一行は敵のアジトに向かってジャングルを突き進むが、無人機を使った航空支援が素晴らしすぎ。100m四方を上空から監視できるので、敵の有無が丸わかりなんですよ。これなら不意な攻撃も受けずに安心だなと思いきや、無人機が一時的に故障してしまい、一気に緊迫感が増していく。
やがてアジトにたどり着いた一行は、救出作戦のため急襲攻撃を仕掛けようと準備するが、そこで展開された光景は敵方同士の仲間割れと虐殺。残虐行為を止めるため、部隊たちは急遽、虐殺されようとしている側を助けようと動き出し…。
このあたりまで戦闘シーンは大迫力で見応え十分。虐殺行為を働く輩たちを狙撃したり、無人機によるミサイル攻撃などスカッとした流れで、最新テクノロジーの威力もまざまざと感じて楽しめたんですよね。ところが…!
さて。本作の最大の問題点は、無人機の存在が圧倒的に凄いこと。だって100m四方が高性能カメラで見えちゃうですよ。隠密でやることやって無事に帰投できるはずなんです。それだと物語が閉じちゃうわけで、物語を紡ぐために、何かしらのアクシデントを作るしかない構造なんですよね。
そうみると物語の終わり方から遡って、ぜーんぶアクシデントを作るために設置された小物が見えてしまい興醒めしてしまった次第。前半4でありつつも後半1な、全体で3な作品でした。
本当、配信主体の作品って脚本が薄っぺらいのが多くてゲンナリ。ランキング1位になるアルゴリズムに合わせて作っているんじゃないかしら。