ルックバックのレビュー・感想・評価
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ここ数年で一番良かった
映画のレビューはいつもまあおもろいかな3点、うまい+0.5、すげーや+0.5点、個人的に好きすぎる+0.5~1点という感じでつけているが、これはすべてを計算して5点だった。それくらいよかったな。
ルックバックは読み切りが掲載されたときにも読んだのだが、「まあおもろいね、流石だね」という感じ。それから映画化して、レビューがいいというのは耳にしていたが、元来漫画派の私は「うーん、まあええやろ」と見るのを先延ばしにした。それからも先延ばしにしていたが、年が明ける瞬間寝る前、なにか映画を見よう。このタイミング、このおふとんがふかふかの状態に最適なものを見ようと思った。それがルックバックである。
正直最初はまあ、普通だなー、普通だなーという感じだった。まあ無難におもろいなーという感じ。それが衝撃的な事件がいきなりナイフのように降ってきて、おいおいハッピーエンド信者の私もそこからどうやってこっからハッピエーエンドになるんじゃと目が釘付けになった。後半は「ルックバック」というテーマとも伏線とも取れるすべてが回収され、「あーこれはこれはもう完璧や」となった。トドメを指したのはエンドロールである。
エンドロール丸ごと含めて、これは「映画」なんだと思った。単なるアニメ化じゃなくて、監督がクリエイターがアニメーターが解釈して、表現した映画なんだと思った。昨今は生成AIでそれっぽい映像がすぐ作れるぜ、アニメ制作にも取り入れようぜと新興企業がニョキニョキ出てきているが、このシーンのこの山の形、色味、このアングル、すべてが表現者の意図がある中で、それっぽいなにかじゃなくて、「これじゃないといけない」なにかがあるような「表現」が凝縮されていて、これが表現するということの一つの意味なのだろうと思った。
2025年のはじめにこれを見れたのはとてもいい感じだ。
内容、画、声の演技、音楽、すべてが見どころ、聞きどころ
アニメも含めて邦画の悪いところのひとつは、なんでもかんでもセリフで説明してしまうところだ。だが、このアニメは違う。
藤野は自分より画力が上の京本から慕われて優越感に浸っている。この作品のクライマックスは圧巻で、そんな藤野の京本に対する気持ちの変化を一切セリフでは説明しない。藤野が京本と過ごした日々を回想するシーンがすべてを物語る。藤野は「あなた(京本)がいたから、私はここまでやってこられた」と心で思ったに違いない。
泣くのは当然。
原作既読作品。
原作者の連載作品がどうも苦手で(ぶっとんでるところ)あまり触れてこなかったのですが、この読み切りは当時読んだ。毎日読んでたジャンプラで載ったからというのが大いにある。
それで泣いて読んで、こんなのも描けるんですか〜ってなった覚えがある。
泣く作品だったので、映画化と聞いた時も「泣くからなぁ…」と観に行こうとは思ってたなかった。
ただまぁラストにいいか!ムーブオーバーでやってるのも何かの縁!てことで観に行ったんです。
泣いたのは当然です。
線がガサガサ少し乱雑感があるのが、作品と合ってました。
藤野が小学生らしい万能感と無遠慮感で、家人が迎えてこない家に入っていくものだから、笑っちゃいました。田舎だからこそ出来る。そんな藤野が担当編集に電話でアシスタントのことを言葉選んで話してるところで「大人になって…」と感動してましたね、変なところで。
美大に行かなければ、じゃなくて、美大に行ってる京本を救う世界線な辺り、藤野の、京本を思う気持ちを考えてしまった。そんでもってやっぱ漫画に誘うんですよ。二人はそんな二人なんですね、どの世界線でも。
どこかの藤野と京本は幸せでありますように、最後に一人で机に向かう藤野の背中を見て、そう思いました。その世界線がある限り、この藤野も京本も生きていけると思う。
と、浸りました。
長過ぎずちょうど良い映画でした。
来場特典?色紙の二人が可愛かった…
ライバル
藤野が必死で絵の勉強をしてうまくなったのは京本の存在、やっぱり、ライバルって大事だなと思いました。ただ、藤野はお金に執着心が高かったり、美大に進学しようとする京本にあんたには絶対無理、漫画を続けようという上から目線のくだりはがっかり、わたしも一緒に美大に行くと言って欲しかった。
事件の後は夢か幻想か分からないが二人で漫画を描いている回想シーンが出て来たのでルックバックって回想のことかなと思ったのですが、気になったのは京本が藤野に「背中を見て・・」と言うと藤野の背中につるはしが刺さった4コマ漫画、実際に死んだのは京本ではなく藤野だったのか?なんて一瞬戸惑いました。盗用を逆恨みして美大生を襲う凶悪な事件ですが、動機がどこか京アニ事件を思い起こさせるところもあって被害者のアニメーター達へのレクイエム的な印象も受けました、名前を京本にしたのも京アニ事件へのオマージュだったのかしら・・。
単純な友情物語かと思いましたが不可解な展開、奇妙な映画でした。
伝えたい気持ち
中学の時の親友を思い出した。
めっちゃ仲良しなんだけど、対等じゃなくて、どこか相手のことを下に見てるような、それは素直になれなかったり、 照れくさかったりする感情から来るもので。そんな関係性がすごく身近に感じて共感、京本のこと見下したまま最悪な終わり方でお別れしたふたりなんだよな、、😢お互い出会えたから、良いように作用していたのよな
普段伝えられない素直になれないそういう気持ちを、ストレートに伝えられるといいなと思った
うまくなりたくて頑張っても届くか分からない不確実性。不安定さを抱えながら頑張る気持ちが強く伝わる。自分より才能がある人や、自分よりも努力してる人を目の当たりにすることもある、いくら自分がうまくなったと思っても、レベルが違うような人を見てしまうと、やっぱり自分下手すぎるってなっちゃう気持ちは凄く身に覚えがある。
先生!って尊敬してくれている人の前では、良い自分でありたいしプライドも芽生える。見栄を張ったりした藤本だったけど、実際は京本の絵を見て、強く感化されてたし敵わないと思って諦めようともしたし、京本の描く絵は藤本にとって凄く大きな力を持っていた。
変なプライドで伝えられなかった本当の気持ち、もう伝える事はできない。それがすごく惜しい。尊敬してた人が、自分の絵で心を動かされてた、一方通行の気持ちじゃなかったんだよ、ってことが分かったら嬉しかっただろうね、、
ふたりの間には更に強い結束も生まれてたんだろうなって思った。、でもそういうのってなかなか伝えられることではない。それがリアル。
雨のシーンで、藤野は何を想っていたのか?
例の雨道での藤野のシーンは、本作の白眉と賞賛されている。
ただ、単に喜びのシーンだと言う解釈が多いが、拙僧の解釈は少し異なる。
確かに、心の底から自分を必要、尊敬してくれたのだという喜びの感情もあるだろう。
しかし、藤野の表情をよく見ると、どこか辛そうな表情にも見えなくも無い。
元々プライドが高く、他者を見下す傲慢なところがある藤野としては、よりによって自分貶めた相手からの賞賛を、果たしてプレーンな気持ちで嬉しいと感じたであろうか。
現に、直前の京本とのシーンで、藤野は虚勢を張ってしまっている。
恐らく、悔しさや、恥ずかしさ、でも同時に嬉しさといった様々な想いがあったのではないだろうか。
そんな複雑で大きな感情に渦巻かれながら、それを体で体現するかのように、ただ遮二無二、雨道を駆け抜けて行ったのだと解釈した。
最初は、女の子版の「バクマン。」みたいな話かと思ったが、
創作や表現、即ちクリエイターの話。所謂モノづくり映画というやつだった。
「映画大好きポンポさん」に近いかもしれない。あれより遥かにヘビーな話だが…
後半が賞賛されていますが、個人的には前半の努力パートの方が観ていて刺さりました。
自身のアイデンティティが、完膚なきまでに打ちのめされた瞬間の絶望感。
天狗になっていた自分が、まさに鼻っ柱を叩き折られた時の屈辱。
所詮は路傍の石であり、周囲の賞賛が持て囃しだったと気づいた時の惨めさ。
この時点で強烈なまでに藤野に共感を抱き、胸がズキズキと痛んだ人も多いのでは無いだろうか。
しかも、どれだけ努力しても努力しても、届かない。
家族、友達、次々と失っていくもの。
ただただ孤立していき、嘲笑にさらされる。
こんな事に意味はあるんだろうかと、無情な現実を突きつけられる。
才能と現実の理不尽さ、というと「リズと青い鳥」を彷彿とさせるが、本作はより容赦が無い。
叩き伏せられた相手からのまさかの憧憬という、奇妙な縁で友情を結んだ藤野と京本。
しかし、楽しい日々は長くは続かず、悲しい決裂からの、急転直下の悲劇。
原作を知らずに観たため、例の大事件を彷彿とさせるあの展開には、あまりにもショッキングで目の前が暗くなりかけた。
そこからこの物語は、ある非常にトリッキーな展開を見せる。
意表を突いた展開だが、これもまた、「漫画」という創作物だからこそできた表現であり、藤野のせめてもの願いでもある。
即ち、この作品が、クリエイターという職種への多大なリスペクトが込められている証だろう。
ラスト、新たな覚悟と決意に、すぅっ、と息を吸う藤野。
ここで、下手に台詞で、「よしっ!」とか、「がんばるぞ!」などと言わせず、
ただ、すぅっ、と息を吸うだけのアクション、たったこれだけでそれを完璧に表現してみせたのが素晴らしい。
そして、次のシーンでは藤野は、冷たく、足取りが重くなる雪道を踏みしめている。
思い返すと、先述の雨道のシーンも、空はどんよりと暗く雨が降り続けていた。
まるで、これから自分が進む道を暗示しているかのよう…というのは、深読みだろうか。
if世界では、事件は防がれて死者は出ず、京本も無事で、藤野は再び漫画に再燃する。
もしかしたら、藤野と京本はこの世界でもコンビを組んで漫画家活動をしたかもしれない。ブレイク出来たかどうかはともかく。
こう聞くと、現実世界よりもif世界の方がハッピーじゃないかと思うかも知れないが、
しかしこの世界では、
毎日を二人で楽しく過ごしたかけがえのない日々が無かった世界なのだ。
自分が漫画を描いたから、京本を不幸にしてしまった。
自分が漫画を描いたから、京本は幸福になることできた。
相反する業の深さ。
哀しく壮大な主題歌である「LIght song」が、さながら鎮魂歌のように響き渡る。
大きな不幸が訪れたとしても、描きつづける。
なぜ、描きつづけるのか。
そうする事で、京本が、京本のような人がどこかで笑ってくれるから。
「ルックバック」。「背中を見て」
不満点としては、58分という驚きの短尺は確かに観やすくはあったが、さすがに季節や時系列の移り変わりがハイテンポすぎる気はした。
あと、せっかくのクライマックスで止め絵が多すぎるのも実に勿体無い気がした。
監督が作画の半分を手掛けたという衝撃の制作背景には魂消たが、それそれで言い訳にしかならない。
あと、同じくクライマックスで、京本の部屋の前の藤野が説明セリフが多すぎるのも勿体無かった。
あんな一から十まで心情を吐露してしまうのはダサい。
正直なところ、他の大絶賛の人たちほどの熱量は感じなかったのですが、と思いつつもこの映画の事がなぜか頭から離れず、結局3回も観てしまいました。
例えるなら、前半がバクマン×リズと青い鳥、後半がポンポさん×ワンハリ。
インターステラーっぽさもありました。
文句なし
元々原作が好きだったが、それの映像化としてこれ以上ない仕上がり
映像も音楽も、丁寧で繊細
京本と会った日の帰り道は最高のシーンになっている
芸術家としての自信と傲慢、承認欲求や向上心、もろもろ含めた友情と青春
そしてそこに不意に訪れる不条理
京アニ事件を作品に落とし込み、一つの作品として、悲しみ、追悼し、それでも前を向く、その過程や覚悟を描き切ってみせている
ああ、良すぎる
友情と絆
こんな1時間あるかないかないかなのに、アニメーションもすごいし、不登校の子と、マンガに向き合う子の大人になってもどんなに悲惨なことが起きても無くならない友情はすごい アカデミー賞級やっぱ日本はアニメがすごいね
それでも人生の扉を開けたのは藤野
うーん、殺さないで欲しかったなぁ~
確かに藤野が京本を外に出さなかったら、死んでいなかったかも知れないけど、あんなに充実した青春時代を過ごせなかったかもしれない。
思ってたような内容じゃなかったけど、藤野と京本の絆を感じてグッと来たシーンがあったので、悪くはなかった。
でも、殺さないで欲しかったなぁ~
ちょうど1時間くらいは動けなくなる
適当にアマプラで見つけたアニメ映画でしたが、とんでもなく感情揺さぶられました。
褒められたらすぐに調子乗ったことを口走る藤野、分かりやすくてかわいい。
同級生のことを先生とかつけてガチ尊敬してる京本、かわいい。
2人の出身は山形だけど京本は極度の人見知り+訛りが他に比べると強いから引きこもってたのかなーとか思いました。
一緒に漫画を描き始めてから藤野に引っ張られつつ、世界が広がっていた京本。結構序盤からこの2人がいずれ別の道を行くんだろうということは分かってた。けど、最終的にパワーアップして最強の2人になる!みたいなエンディング期待したかった、。
終盤に出てきた4コマの想像の世界で、藤野が飛び蹴りした時「え〜よかった〜」とか声出たのに。
やっぱり現実じゃないんだって引き戻された時の悲しさと、京本を思って泣く藤野の気持ちが刺さります。
本当は知らない男に襲われて怖かったよね、自分の知らないことで責められながら何度も刺されて声も出なかったのかもしれない。4コマ漫画をみて自分がこんなふうに助けに行ってあげられたらいいのにとか。画面上で見てるだけなのに勝手に共感してました。
京本の部屋に入ってみると、漫画の出費が今まで藤野の部屋だったから気づかなかったのか。これまでの2人の関係を大切にし、藤野を応援しながら糧にしている京本の生前の姿が浮かぶ。ここで「悲しんでる場合じゃない、漫画描かないと。」って。
なんとなく今まで自分のために漫画を描いてそうな感じった藤野が京本のためにも、、な流れになるところも青春ものとしての主人の成長が伺える作品でした。
想像の世界と現実に引っ張られながら、最終的に地に足ついた感じです。
晴れやかなハッピーエンドではありませんが1時間ほどで見れるので中弛みもなく楽しめます。映像や登場人物の表情にも引き込まれる作品でした。
面白いので見始めると約1時間くらいはその場を動けなくなりますが、家で見るにはちょうどいい長さです。
前を向いて歩んでいこう
原作読破済みでこの作品は上手くまとまるのかな?声優さん大丈夫なのかな?と公開前は不安ばかりであった。
私は藤本タツキ先生のファンであり、チェンソーマンのアニメの出来にがっかりしていたからである。
だが、そのような心配は杞憂に終わった。
一つ一つのシーン細部にこだわりがありメッセージ性があり、印象深く脳裏に焼きつき、思い返しても涙が溢れてくる。
余談だがワンシーンにエマニエル坊やのコラの藤野がいて笑った。
また、声優さんもバッチリこれだ!という感じだった。小学生の頃の自分が秀でているんだ!とちょっと生意気盛りな少女の藤野と、引きこもりで誰とも話してなさそうな滑舌の悪さの東北弁の京本。
物語の行く末を知っているせいで最初の藤野が漫画を描くところから目頭が熱くて堪らなかった。
藤野と京本が絵を通じて出会い、お互いを尊敬し合い高めあい、協力して一つのことに魂を打ち込む。なんて尊いんだろう。
引きこもりだった京本に藤野が明るくて楽しい世界に引っ張っていき、京本が目を輝かせて喜ぶ様子がなんとも可愛らしい。ちょっとずつ喋るのも滑らかになってきた。
別々の道に歩んだとしても京本は藤野の1番のファンであった。それが、京本のなくなった後に初めて分かるのが辛すぎる。藤野の同じ作品を幾つも買い、読者アンケートを熱心に出していた痕跡が見られる。小学校の頃の学年通信も丁寧にスクラップしていたり、窓に貼っていたりと一番近くで見守り応援してくれていたのだと。
終盤では、バッドエンドとハッピーエンド、どちらも見せてくれる。創作って素晴らしいんだなと強く感じるシーン。
たとえどんな辛いことが起きたとしても、強く前を向いて歩んでいかなければ。
最後に映る藤野が独りで机に向かう背中がすごく切ない。
一時間もない中ですごく感情が揺さぶられた作品だった。
原作読んだ時とは少し違う気持ち
原作読んだ時は事件から近かったせいか理不尽に亡くなってしまった事実が辛くて悲しい気持ちばかりで映画なんてとても見る気持ちにならなかったけど、やっと見て、2人がお互いを理解して尊敬して支え合ってた姿がきれいで、そっちに感動して涙が出た
背中
何かに打ち込む背中は美しい
藤野の虚栄心が結果的に自分の原動力になる感じは昔の自分を投影してしまった。
恥ずべきことなのかもしれないけど、社会ってそんなものの積み重ねなのかもしれない。
京本が報われて欲しいと思うけど、理不尽なことがあるのも人生だし、残った人間は残った人なりに生きていくしかない。できれば去った人の何かを引き継いで生きていく、去った人はきっと頑張っている人の背中を見ている
観てよかった短編アニメ映画
先日(2024年11月9日)観ました。
アマプラ独占配信という事で、前々から少し気になりつつも、出来るだけ予備知識なしで臨もうと、関連記事などから目を逸らしていました。
今回観て知ったのは、チェンソーマンの作者の作品である点や、中学生の女の子2人の漫画に関する物語であり、最先端のデジタル技術ではなくアナログの手書きにこだわった作風などです。
基本的に学生ものの作品は食指が伸びにくい所がありますが、本作は再生から5分とかからず引き込まれました。
クラスで漫画がうまい藤野。ちょっといい気になっている所に登場する京本のずば抜けた景色たち。クラスメイトの関心は京本の画力に移り、居場所を失いそうになった藤野が一念発揮。交友関係すら断ち、絵の稽古に没頭していく…と言った展開です。
60分を切るとっかかりやすい尺と手書きならではの温かみのある絵のタッチ、ジャンル分けするのに難儀してしまう物語の変化に、気がついたら画面にかじりつかんばかりに観入っていました。
同じ場面が繰り返されるシーンがあり、どういう状況か分からなくなってしまった箇所がありましたが、エンドロールの余韻までお腹いっぱい堪能することができました。
5年前の夏に起こった凄惨な放火殺人事件を思い出すシーンがあり、当事者でなくとも胸が締め付けられました。
藤野と京本は出会えてよかったと、個人的には思っています。
この作品は家族で観てもらって、鑑賞後に家族みんなで話をしてほしいです。色んな意見が出てきそうですね☺️
追記
先日(2024/11/24)に妻と一緒に観ました。
やっぱり考えさせられますね😞
Look back
藤本タツキ作品は、チェーンソーマンをはじめとして、その他短編集も読んでいる。私はファンのひとりである。本作品は、2年ほど前、寝つきの悪い日曜日の夜に一気読みし、感動と切なさで余計に眠れなくなってしまったことを覚えている。
これは、鑑賞後にタイトルの真の意味がわかるタイプの映画である。なぜ漫画の表紙に描かれた主人公が窓際でひとりで絵を描いているところなのか。
主人公(藤野)は絵を描くのが得意で、学級新聞の四コマ漫画を担当し、絵を周りから褒めれることが大好き。あるとき、不登校の生徒(京本)が描いた四コマ漫画を見て、あまりのレベルの高さにショックを受ける。それでも藤野は、絵を勉強し、よりうまく描けるように努力を続ける。それでも差は埋まらず、一度は諦めてしまうが、たまたま会った京本に「先生」と言われ、気持ちよくなり、猛勉強を再開する。そこからは2人の漫画共作が始まっていく。
物語は高校生までは順調に進むが、2人の進路は漫画家と美大進学で完全に分かれてしまう。大学内で起こった事件により、京本は亡くなってしまう。そのとき藤野は回想し、京本の人生の分岐点に、自分が大きく関与したことに気付いてしまう。そこからは藤野らしい明るく爽快な妄想と思われるシーンが繰り広げられる。そして新たな四コマ漫画を窓に貼って再び仕事に戻る。
ストーリーはほぼ原作通りで、色が入ることで、漫画を描いているときの窓の外の景色や背景の美しさが際立っていた。58分という短い上映時間であるが、これ以上ない濃密さでストーリーは進んでいく。
辞書では、「look back=回想する」であるが、最後のシーンや京本と漫画を描いているシーン、藤野の性格からして、タイトルがその意味を表してしていないことは明らかだろう。
よくみるお涙頂戴アニメ映画とは完全に一線を画する。やはり藤本先生おそるべしである。
またね
初対面の二人の去り際の言葉が圧倒的期待感を持たせてくれて最高。
58分だけで映画として超傑作を作れるんだということを提示してくれる意欲作。映画内におけるダイジェストシーンって「君の名は」とかで象徴されるように演出的にも凝っていて面白いことが多いんで、「それだけで完成させればいいんじゃね」という狙いかどうかはわからないけど、メインに据えることで上手くハマって成功している。
初対面で尊敬しすぎて同級生を先生と呼んじゃう場面が序盤の名場面。後半の名場面はブラックコメディな4コマを実は相方も制作しており、それがけっこうクオリティ高いところ。オチの背中を見ろ=タイトルにもリンクするという構成が綺麗。個人的な心情だけど、あの4コマ切り取りが時空を越え、空手少女の主人公が正史になる終わりかたでも良かった気がするんだけどなー。
タツキはおそれている。
自身の出世作第二章を前に、今一度過去を振り返る様な自伝的漫画(だと勝手に思っている)。
とにかく病的に描く描く描く、その喜びと苦しみのループは、そっくりそのまま作者の頭の中なのだろう。突然挿入されるあの事件の描写は、漫画的に都合良く成敗する結末を選ばず、現実を突き付けて終わる。死んだ人は帰って来ない。
漫画から感じたそんな想いが全く表現されていない映画。
意味のある・なのか
面白かったです。
登場人物が亡くなる演出はあまり好きではなくて、なんというか、死なさずに感動させてくださいと思ってしまう。特にこの話ならその必要ある?と思ってしまうのですが。
犯人の動機がそのままあの事件と同じということは、ここにもこの映画のメッセージの一つがあるのでしょうね。ここでの死は突拍子のない出来事ではなくて、描かなくてはならないものだったということなのか。
結局、主人公は背中を見ることで前を向くことが出来た。
誰もが出来るとは限らないけど、利用出来そうなものがあればなんでも利用して、それを燃料にして進んでいけたらいいのですけどね。
とか感じました。
終盤の助けれるストーリーの方に変わったらよかったのに。
と、どんなに思っても現実は変わらない。
その厳しさも受け入れないといけないんだろうな。
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