ルックバックのレビュー・感想・評価
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私の人生を変えた藤本先生・押山監督に心からの感謝を
なんで絵を描くんでしょうね。描きたいから描くんです。京本も藤野も、違う人生を歩んだとしても、やっぱり描いてしまうんです。
そういう風にプログラミングされて生まれたのかもしれません。そのせいで悲しくも苦しくもなるけど、何かを成したい、諦めたくても諦められない衝動というのは、呪いではなく宝なのだと、30を過ぎた頃から思えるようになりました。
押山監督は舞台挨拶で、人生讃歌の物語だと思うとおっしゃっていました。創作を愛する人に特に刺さる物語だと思いますが、そうでない人にもそれが伝わるといいな。
ジャンプ+でルックバックが発表された年、押山式作画術を読みました。翌年の2022年、私は諦めたはずだった絵を仕事にしました。細々とですが今日までやっております。
この2つの本がなければ、私は今も諦めた夢に胸を焦がしていたと思います。
そして2024年、まさか押山監督によるアニメを見ることができるとは。運命的だと感じてしまいました。
完全な漫画が完全なアニメになっていました。
ひょっとしたら漫画の青さを、不完全な部分を不完全なままアニメにしてくれていたと言った方がふさわしいのかもしれません。
鑑賞後、拍手をしたいと強く思いました。誰かが手を叩いてくれたので、私もそれに続くことができました。最初に拍手をする勇気はないのに、拍手をせずに席を立てない、そんな気分でした。
舞台挨拶で押山監督がタイタニックをずっと流しながら、特に最後の楽団のシーンを見て作業をされていたとおっしゃっていましたが、私はルックバックを流しながら作業することなるでしょう。
流石に漫画を読みながら絵は描けませんので、アニメにしていただけて良かったなと思いました。
これからずっと私を励ましてくれる映画です。
藤本先生、アニメに携わったみなさま、本当にありがとうございます。
Light song
タツキ先生の短編のアニメ映画化ということで、そりゃ観にいかにゃならんと初日に向かいました。
特典はルックバックのネーム本です。貴重すぎるんですがこれ、本当に良いんですか?と受け取った時思いました笑
原作の雰囲気、タツキ先生の唯一無二の絵柄をここまでアニメーションに仕上げてくれるなんて…。
余分なものは一切ない、原作の濃さをそのままに1時間満たずの時間で表現しきるというアニメーションもとい映画の極限を体現しているようで、映画ヲタクとしても歓喜ものでした。
作中の4コマ漫画のアニメ化もこれまた藤野の絵柄を反映して動かしているのが本当にお見事で、隕石の4コマの世界をここまで広げられるのかとアニメーションの強みをマシマシに感じられました。
漫画を描いている時のアクションはそこまで大きくないのもあって、反動で藤野が帰り道の水溜りを踏みながらスキップするシーンだったり、京本と藤野の2人のお出かけで走りまくるシーンだったり、殺人犯を思いっきりカラテキックしたりするシーンだったり、"動"の部分はガツンと動くもんですから、そっちの表現もこのチームは上手いのかと舌が唸りました。
ルックバックの劇中作のシャークキックの掲載順位の推移がこれまた面白く、チェンソーマンもこんな感じで浮き沈み激しかったけど、後半になるに連れて上位に君臨していった流れがフラッシュバックして、あの頃のジャンプに思いを馳せてしまいました。
改めてクセの強い作品とはいえど、ジャンプの一番後ろに載ってた時期があったのは今考えても想像できないくらい大きい作品になったなぁって思いました。
原作は読んでいたので、衝撃の展開自体は知っていたはずなのに、それでも突然世界が真っ暗になったような感覚になる大学の襲撃シーンはやはり衝撃的でした。
そこから描かれるifのお話への持っていき方も素晴らしく、扉越しに伝う4コマで影響され、京本は絵の世界に飛び込むために外の世界へ向かうという世界線ではまた違う物語になり、そこでも2人はすれ違っているという偶然のような奇跡のような出会いの様子は、劇伴の良さも相まって感極まってしまいました。
タイトル回収の仕方もやはり粋で、それすらも始まりの4コマで回収していっちゃうもんですから、何から何まで緻密に作られていましたし、それに応える映像やシナリオを練った製作陣には頭が上がりません。
そこから再び漫画家として歩み出す様子をエンドロールでじっくりと見せてくれるのも良すぎて、こんなに優しく包み込んでくれるのかと何度目かの感動を食らいました。
河合優実さんと吉田美月喜さん、お二人とも声優初挑戦ということらしいんですが、これまた表現とキャラクターがリンクしまくっていて凄かったです。
悲しみに明け暮れる様子だったり、中身のヤンチャさが滲み出てるところだったり、タツキ先生のキャラクターがそのまま飛び出してきたんじゃないかってくらい自然で、役者としての生き様も同時に味わえて幸せでした。
60分とは思えない濃密な映画体験でした。
自分も藤野が4コマを描いていた時期に漫画家を目指していて、スケッチブックに書いてあった虫と人間の融合漫画を久々に見返して懐かしい気持ちになりました(なぜかツギハギだらけのキャラが多いのはご愛嬌)。
全ての創作に感謝しながらこれからも共に生きていくんだろうなと嬉しくてスキップしちゃったりしたり。
鑑賞日 6/28
鑑賞時間 12:20〜13:30
座席 G-2
万人に正しく評価を得るかはどうでもいい
原作既読。
好きすぎるが故に映画化へ一抹の不安ありでしたが、鑑賞後は少しでも作品の空気感を薄めたくなく、なかなか帰路につけず笑
藤野と京本の纏う青春の閉塞感はテーマは違えど我々も少なからず感じていた社会やコミュニティーからの疎外感を思い起こさせる。
生まれて初めて自分の矮小な自己顕示欲を自分と同じ世界の住人に認められるシーンは、なんとも言えないむず痒さがあり、同志を得れなかった過去の自分への追悼のようにさえ感じた。
雨の中、踊り狂う彼女は滑稽で浅はかで、とんでもなく美しい。このシーンがとにかく好きだ。そしてどうしようもなく羨ましい。
彼女達の作画能力やストーリーテラーの才能云々などは瑣末な事だ。そんなものが不必要であるように、二人が創作に没頭するカットを、良かったなあ、良かったなあと感じながら眺めてる自分に軽く引いた笑
二人が袂を分かち、それぞれの道を歩んだこと、その後の物語の顛末、様々な解釈を読んだラストに至るまで、この作品が万人に評価を得るかは、どうでもいい。ただ自分にとっては、まあ最高だったよなと過去の思春期の自分に問いかける。
どうせあと5回は観ちゃうよな俺ら
名作に動きがついて、また違った味わいに
読み切り作品という比較的短い原作を一本の映画にするということで不安でしたが、すばらしい映画になっていました。
漫画のコマとコマの間に動きや間が入ることで、例えば卒業証書を渡したあとの藤野先生の感情の高まりなど、より登場人物の感情が理解しやすくなっていました。
また、最後のシーンは漫画では一コマで表されていてこれはこれで良かったのですが、親友を失ってほんとに読んでほしい相手がいなくなってもそれでも親友のために描き続けていくんだ、という気もちの強さが、鮮明に感じ取れました
原作を読んでいても読んでいなくても、おすすめです。
原点を思い出させてくれる
子供のころに夢中でえんぴつを走らせていた時のことを思い出して涙が出ました。自分より実力がある人間がいることに気づいた時の焦りと嫉妬。褒められた時の悦び。いろいろと共感できる部分が多くのめり込んでしまいます。必死にやり続けていたことで回りと乖離してしまい、一度は筆を置くのですが、理解者を得て再び道を突き進む。努力が実り成功を収めてゆくが二人の道は同じではなかった。そして不幸がまきおこるのですが、主人公も十分この犯人のように道を踏み外す可能性も孕んでいる。創作にはそこまで人を狂わせるのだと思わずにはいられません。58分で1700円。キッチリ間延びすることなく映像化されているのでこの尺にしたのは英断。上映劇場も限られているので原作に触れていない人には割高に感じるでしょうが、創作に携わっている方は是非見てほしいです。
全力で何かをやりたくなる!
原作は読んでたけど結構忘れてた、
•何かを続けることは難しいし、挫折を乗り越えて全力でやることはすごいことだと改めて思わせてくれる!
•4コマ漫画がアニメーション化してるのめっちゃ面白い!特に好きなのは生まれ変わって隕石になったやつ笑
令和6年11月19日2回目の視聴!
•プライムビデオで配信されたので視聴!
•ひとつのことに全力になりたいと思った、、
•特に印象に残ったのは、小6の藤野が4コマを見てやめることを決めたシーンで悲しいけど共感してしまう、、どんなに頑張ったとしても上には上がいる。でも藤野は京本と一緒にやりたいことに全力で自分も今からでも遅くないかなと思った、、
自己慰安の作品
キャラクターの息づかいが伝わってくるような作品だった。
初め、冒頭、闇の中からまるで夜空の星のように幾つもの光が見え、そのひとつに降りてゆくと、そこには藤野がひとりで四コママンガを描いている部屋へと移る。
夜空へ向かっていったように見えた先には地上があったことになる。
これは創作の、創造の、インスピレーションが、星の先にも有り、また、ひとりのペンの先にもあるように思えてくる。
僕はこの作品は自己慰安の作品だと思った。
自分で自分を慰める話だと思う。
創作や創造の、原始のようなところは、それでいいようにも感じた。
それを改めて気付かせてくれる作品のように思った。
四コママンガを得意とする小学生の藤野は、同級生で引きこもりではあるものの、風景画が得意な京本という存在を知り、意識をしながら絵の上達を目指す。努力の線が張り詰めた先で藤野は自分の絵と京本の絵と比較し、四コママンガを描くことを辞めてしまう。卒業式の日、来なかった京本へ卒業証書を渡す頼みを担任の先生から引き受けてしまった藤野は京本の家を訊ねる。出てこない京本の部屋の前に幾つも積まれたスケッチブックの上にひとつ置かれた四コママンガの紙を見た藤野はふと、京本に呼びかけるように四コママンガを描くと、それがうっかりドアの下から向こうへ入ってしまい、慌てて藤野は京本の家を出る。先ほどの四コママンガを見たのか、京本が家を飛び出し、「藤野先生」と呼び止めて、サインを求め始める。引きこもりの京本は藤野のマンガの大ファンだったのだ。京本に話を合わせながら、長編を考えていると述べる藤野。藤野は京本の半纏の背にサインをし、降り出した雨の中歓喜して帰ってゆく。
中学生になった藤野は京本と共同でマンガを作るようになり、やがて作品が入選し始める。
マンガ家としての軌道に乗り始めた藤野はある時、京本から絵の大学に行きたいことを告げられる。共にマンガ家になることを促す藤野に「もっと絵が上手くなりたい」と京本は告げ、二人はそれぞれ別の道を行く。
ある日のこと、マンガを描いていた藤野はテレビのニュースで美術大学で人が襲われる事件があったことを知る。藤野は母から京本が事件で亡くなった連絡を受ける。
葬式の帰り、京本の部屋の前へ行き、自分が外の世界へ誘い出さなければ京本の命は失われなかったのでは、と考える藤野。
卒業式の日、小学生の京本はドアの向こうから入ってきた四コママンガに、「出てこないで」と書いてあり、こわくなって、表へ出なかった。時は経ち、美術大学へ進学した京本は作品制作に打ち込でいたある日のこと、凶器を振り回す男に襲われる。そこへ突如、空手を習っていた藤野が男を蹴り倒し、京本を助け出す。そこで京本はふと気づく。もしかして昔マンガを描いていた藤野さんではありませんか、と。お互い偶然の出会いを果たしたのだ。
藤野は、そんな妄想を、葬式後の夜の部屋で、気づくと四コママンガにしていた。京本の部屋を見る藤野。その窓にはまるで藤野の妄想に呼応するかのように、京本が描いたと思われる四コママンガがあり、凶器が藤野の背中に刺さったオチで「後ろを見て」と書いてある。後ろを振り返る藤野。そこには京本の背に書いた藤野のサインのある半纏がかけられてるのだった。
ざっと書くと、こんな感じだが、途中なかなか複雑な所がある。
自分としては、引きこもりだった京本が美術という世界を頼りに社会へ出る、ということが、偶然とはいえ、社会に潜む狂気にふれてしまうことだったのではないか、と感じた。その象徴として、凶器をもった男というモチーフが扱われたようにも、ひとつ思った。
男が口ずさむ、〝パクられた〟という言葉から、社会事件や問題の一端をも、個人としても想像する。
僕はこれが自己慰安の作品だと書いた。
そして初めには、それが夜空の星のような部屋のひとつひとつ、とも書いた。
個人的に感じたことだが、これは個々人のクリエイティビティが普遍的に求められる時代になってしまったのではないか、ということだ。
それはつまり、個々人の自己慰安が個々人自身に求められていることでもあるように思う。
雑に言えば、〝一億総クリエイター社会〟のようなものになりつつあるのではないか、なっているのではないか、という示唆を、僕はこの作品から感じた。
僕の解釈は個人的な所があると思うが、
そうした自分自身を救う、ということが、もしかしたら誰かをも救うことにつながれば、という祈りのようなものを、勘違いかもしれないが、僕は「ルックバック」から感じた。
こう文を綴ることも、まるで夜空の星のひとつのような、インスピレーションの何かなのかもしれない。そう思いながら、ひとり部屋で書いている。
良くも悪くも原作通り
藤本タツキの読切漫画が原作
ウェブ読切に公開されていたものを読んだだけなので
あまり細かくストーリーを覚えていない
良くも悪くも原作通り
京アニ事件をモチーフにしたような事件が描写されるので
初見だと賛否両論がありそう
完全ハッピーエンドにならないストーリーで
さらに1時間程度の映画で鑑賞料金1700円だったので
原作者のファンでないとハードルが高い
学級新聞の4コマを描いていた藤野が
不登校の京本の絵で画力の差をみせつけられたことで
劣等感を感じたり
逆に虚勢をはったりするところは
イラストやマンガを描いたことがある人にとっては刺さるのかな?
京本はアニメだと
話し方がなまりがかなり強く感じる
余談だが入場者特典のネーム本で
登場人物の名前が違っていたが
それには理由があったのだろうか?
描いたマンガの事であって欲しい。
学生新聞で4コマ漫画を連載しクラスメイトから人気のある小4藤野と、不登校同級生の引きこもり漫画家京野の話。
ある日、先生の使いで京野家で出会った2人、「1枚のひらりと落ちた4コマ漫画」を機に、憧れでもあった藤野とアシスタントとして共にする事となった京野、2人の漫画家として動き出した時に…。
ある事件を機に友達でもあり、仕事パートナーでもあった彼女が突然いなくなりで、自分の書いた4コマ漫画がせいでと悔やむも前へ進むしかないと机に向かい、座り作業を始める姿は「前へと進め!」的な作品メッセージと受け取った!そうだよね?そうだ!
てか、この作品って人気作品なんですか?
鑑賞者多いし、なのに劇場側のチョイスで部屋は小部屋だしで観る環境があまり良くなく作品に入り込めなかった…、てかパーソナルスペースって大事ですよね(笑)
もうちょっと落ち着いて観れたら評価はきっと上がってると思ふ。
ルックバック=出てくるな!
原作をジャンプ+で読んでいたにも関わらず
肝心なところは忘れていて、
新鮮な気持ちで鑑賞しました。
主人公藤野の軽薄そうに見えて実は努力家なところや
京本のことを自身がマンガを描くことをやめるほど
認めていて(リスペクトしていて)
京本と本当に一緒にマンガを描きたくて
そして京本をとても大事に想っているのが
観客にもよくわかります。
そんな藤野は感情を表出させないのですが、
京本の私を目の当たりにしたときには、
自分のせいだとして、自分を責めるほどに
思いがあるんですよね。
ひきこもりの京本との出会いのマンガでは
「出てこい!」が真のメッセージだったのを
ルックバックしたときには「出てくるな!」として
その後の世界を想像したのち、
ちゃんと自分を見つめて、
京本の生き様を理解して、前を向く藤野。
実にグッときました。
まさか本作で涙ぐむとは思ってもいませんでした。
それほどに心に刺さるものがありました。
藤本タツキの作品はどれも大好きですが、
本作は映画を観たことで、さらに好きになり
パンフレットはもちろん、原作単行本まで
購入してしまいました。
帰宅して、しばらく本作の世界観に浸ろうと思います。
あんたが いたから いるから 描く
漫画家
その名の通り漫画を描く人及び職業
作品のジャンルや形態によって
一人で描く場合も多人数で役割分担
して描く場合もあるし作者の年齢も様々
つまり「絵が描ける」熱意や
多少の才能さえあればそれだけで
年齢は関係なく成立する仕事である
今作はそんな漫画をテーマに
学年で一番絵がうまいと自負してた
藤野歩が学級新聞に載せていた
4コマ漫画を並べて公開されたことで出会った
京本との出会いめぐる友情と運命と別れの物語を
監督・脚本・キャラクターデザインまでを
エヴァからジブリまで変幻自在の
押山清高氏が手掛けてた作品
どうだったか
いやすごかった
アニメーションというもの表現力
の可能性を改めて感じるほど
単純にキャラクターの画面上での
「動」と「静」が
これほど心情を示すのかと
衝撃を受けました
何より作りたいように作った
「気持ちよさ」に溢れていた
ように感じます
5点満点付けるのは生涯最高の
一作だと思っていたが
俺が死ぬ間際だったら
付けてただろう
説明的なセリフはいらない
京本に刺激されて友達と遊ぶのも
勉強もせず
描いて描いて描きまくっても
京本の表現力に勝てないと悟り
漫画をあきらめるに至「りかけ」た藤野歩が
ひょんなことから京本に初めて会ったら
自分のファンだったと知り
4コマをやめたのは
新作の構想中だったとでまかせを言い
雨の中を踊るように飛び跳ねながら
家路につく場面は最高です
表情を全く変えてないとこが
逆にいい
なぜ
どんな思いで自分は
漫画を描いていたのか?
引きこもりだった京本が
外に出るきっかけになり
対人恐怖症なので人は描けないが
最高の背景を描く京本と歩は
合名「藤野キョウ」でジャンプに
作品「メタルパレード」持ち込み
新人賞100万円を獲得して
高校卒業までに読み切り7本を
描きついに連載を依頼されます
しかしここで京本は美術学校で
絵をしっかり勉強したいと
歩に打ち明けます
歩は当然反対しますが
「歩ちゃんに頼らずに
一人で生きてみたい」
こう言われては・・
結局二人は袂を分かち
歩は連載「シャークキック」
を開始
京本は美大に進学します
歩は苦労しながらも
連載を軌道に乗せますが
やはりしっくりくる背景を
追い求めている模様
そんなところへ入ってきたのは
京本のいる美大への
作品をパクられたなどの
一方的な恨みを持った
通り魔侵入のニュース
そして京本は・・
(このエピソードは明らかに
京アニ放火事件がモチーフでしょう
藤本先生も思うところが
あったと思います)
絶望に打ちひしがれ
連載も休載した歩は
卒業証書を渡しに行ったあの日
京本の部屋の入口で描いた4コマ
「引きこもり選手権」を
ジャンプの隙間から発見
あれを描かなければ京本は
死ぬことはなかったと
「漫画なんか何の役にも立たない」
京本の部屋に入れず
後悔し4コマを破り捨てます
ここで「(部屋を)出るな」と
描かれた1コマ目を
見た部屋の中の京本が
あそこで歩に出会わず
美大に進学した京本が
通り魔に襲われる寸前に
漫画をやめ姉と一緒に空手を
習っていた歩が通り魔を蹴り飛ばす
世界線が広がっていきます
そして助かった京本が
実家に帰り歩が助けてくれた
シーンの4コマを描くと風に
あおられそれが部屋の外に・・
そして元世界の歩がそれを観て
京本の部屋の扉を開けると・・
京本は「シャークキック」の
熱心な読者でアンケートも必ず
書いてくれていました
「なぜ漫画を描くのか」
あの時引きこもりを脱した
京本と一緒に「メタルパレード」
執筆に取り組んだ日々
あそこに今の歩の原点があり
その後も京本はファンで居続けて
くれた
漫画を描く理由はそこにあった
それを理解した歩は部屋を出て
再び京本が楽しみにしていた
シャークキックの制作に戻ります
この世界観のつながり方とか
確かにクリストファー・ノーラン監督
「インターステラー」っぽくもあります
パクリとか言いたいんじゃなくて
あの映画も手狭な部屋の中から広がる
世界がやがてつながっていくという
ところに魅力がありましたが
二人が作ってきた漫画の世界
つながりをこうまとめる終わり方は
いいなと思いました
切なくも希望につながり
それで生きていく
必見の一作だと思います
すばらしい
原作も藤本作品も全部好きなので、どんな映画であろうと観ようと思っていたが、予想以上に素晴らしかった。
特に主人公が京本にはじめて会って漫画を認められて嬉しくて走って帰ったシーンは心揺さぶられた。表情だけ見たら苦しそうで、からだも変なふうにねじまがってて、それがあまりに嬉しいからそうなってるんだ、というのがすごい表現だと思う。
あと、漫画の執筆シーンは原作より生々しいリアリティがあると思った。良いアシスタントが見つからなくて交渉するシーンは、過酷な漫画現場の一端を垣間見る感じでゾッとする。
マール社の「やさしい人物画」とかの定番の美術書とか、デジタルの漫画画材の数々とか、細かい道具とかも良かった。
シャークキックの単行本が複数巻のものがあるのは何でなのか、と思ったが、「重版」がかかったことを表す描写だと知って納得。
ただ、正直言えば映画で1時間弱の時間というのはやや物足りなく思った(特別料金1700円で鑑賞ポイント使えないし)。これはこれでテンポが良くて良いのだが、どうせ映画にするなら2時間くらいの話にしてもいいのではないかとも思った。
特にこの作品はたくさんの映画のオマージュが詰め込まれているので、ふくらませる余地はありそう。でも素人がいい加減なことを言うものではないな…。これはこれでいいのかも知れない。
入場者特典で原作の全ページのネームの単行本がもらえるというのは全然知らなかったのですごくうれしい。大切にしよう。
表紙裏に、「発表時から単行本収録において、一部台詞の表現を修正した箇所があります」との一文
そうだ、この作品、ジャンプ+の初掲載時の台詞が修正されたんだった。
言うまでもなくこの作品は京アニ事件がもとになっている。藤本さんのやり場のない怒り、悲しみ、後悔、苦しみを作品に叩きつけたのだろう。だからこの作品は胸を打つ。
初掲載時の台詞は精神障害者への差別を助長するということで変更されてしまったけど、そこでこの作品が京アニ事件がもとになっている作品だと言う要素も消えてしまった。
単行本版と映画版だと、犯人のセリフが「ネットに公開していた絵をパクられた」になっており、京アニ事件とのつながりを示唆したものになっている。
今の時代って無料コンテンツが溢れすぎてて、漫画やアニメに対する価値が相対的に低くなってる気がするんだけど、五分で読み終わってしまうような漫画も、描くのは一ヶ月とかとんでもない時間と苦労をかけて生み出してるかもしれなくて、そういう生み出す側の苦労を知ると言う意味でもこの作品はもっとたくさんの人に観てもらいたい。
吉田美月喜が気になった
学級新聞に4コマ漫画を連載し、クラスメイトから称賛されていた小学4年生の藤野は、先生から、不登校の京本の4コマ漫画を新聞に載せたいと言われた。自分の漫画に自信を持っていた藤野だが、引きこもりで学校に来られない京本の描いた絵に衝撃を受けた。そんな2人は、一緒に漫画を描くことになり、共同作業を続けていたが、京本が美大へ進学することになり、離れ離れになった。そんなある時、美大へ乱入した男が・・・という話。
引きこもりの子が絵が上手く、衝撃を受け必死に練習する小学生、というのは良かった。その後の上から目線の態度はどうかと思ったが、美大での事件は突然で唖然とした。悲しすぎる。
藤野役の河合優実も悪くなかったが、京本役の吉田美月喜が朴訥としてて魅力的だった。
入場者特典のコミック、ほぼ映画通りで良かった。
【”Don't Look Back in Anger そして、私は彼女の背中を思い、漫画を描き続ける。"今作は二人の漫画好きの少女の交流と成長を軸にした物語構成、絵の美しさと共に心に響く作品である。】
■小学生の藤野が、学級新聞に連載している四コマ漫画はクラスメイトからも好評。だが、ある日不登校の同級生京本が描いた自分のタッチとは全く異なる四コマ漫画も併せて掲載され、藤野は自身の漫画とのレベル差を感じる。
だが、京本も藤野の漫画が大好きで、二人は一緒に漫画を描き始めるのである。
◆感想
・藤本タツキ氏の漫画は、申し訳ないが、この映画を観るまでは全く知らなかった。だがフライヤーに記載されている氏の画を見て鑑賞を即決した。
・ストーリー展開も、起承転結がはっきりと描かれており、且つ二人の少女がふとしたきっかけで交流を持ち、好きな漫画を描くことに没頭する姿がとても自然に描かれており、魅入られた。
・藤野と不登校の京本が小学生時の出会いから一緒に漫画を描く様や、自己主張せずに、只管に藤野が描く漫画の背景を担当していた京本が初めて”美大に行きたい。”と言い、藤野と別れ、夫々の道を歩み始めつつも、常にお互いの存在を忘れずにいる姿。
更に、藤野の連載漫画の本がドンドン売れていく様を、第一巻から巻数が増えていく本棚を映す事で表現する巧さには、センスを感じる。
■藤野が売れっ子漫画家になった時に京本に起こった凶事。
ここのシーンは容易に京都アニメーションを襲った悲劇を想起させるが、それを今作では藤野が自身の四コマ漫画で笑いの要素で犯人を撃退する姿で描いている事も、上手いと思う。
藤野は、犯人を憎めどその仕返しを漫画でキッチリと行うのである。
藤本タツキ氏の理不尽極まりない京都アニメーションを襲った犯人への激烈な怒りが垣間見えるシーンでもある。
■”Don't Look Back in Anger”・・ご存じ、Oasisの超名曲である。
意味は様々な解釈があるが、私は素直に【怒りで、過去を悪く思わないで】という意味でレビュータイトルとした。
”藤野は京本を狭い部屋から出し、新たなる広い世界に連れ出したのだ!”と言う思いからである。
<そして、藤野が主のいない京本の部屋を訪れるシーン。
”自分が漫画の世界に引き込まなければ、京本は生きて居たのに・・。“
と悔いながらも、落ちていた四コマ漫画を高層ビルの仕事部屋に持ち帰り、仕事をするデスクの真ん前の大きなガラス窓にペタリと貼り付けて、藤野は再び漫画を描き始めるのである。
今作は二人の漫画好きの少女の交流を軸にした物語構成、絵の美しさと共に心に響く素晴らしき作品である。>
泣きすぎて息が詰まった。美しくある種残酷な映画。
原作は一度だけWEB上で読んだ気がする。CMをみたときに、「好みの絵が動いてる」と思い鑑賞。大正解、自分。良すぎて思わず、そのまんまもう1巡しそうになった。
藤野が京本の絵を見て「許せない」と奮闘し続けるところ、藤野と京本が出会いふたりで漫画を作っていくところ、季節が巡っていく描写が美しすぎて泣いた。
お互いがお互いを希望に思っているのだろうなという関係性がすごく眩しかったし、アニメーションの光と影の描き方も美しかった。
最後、決して明るい終わり方ではないし、人によっては残酷に思えるような感じかもしれない。しかし、京本という光を失ってもなお筆を折らずに机に向かう藤野は美しく、私には希望の光に見えた。
私の素敵な人生(京本)返せよ
京本 私の背中見ててね
藤野ちゃんの背景(過去)私頑張るね
言葉を貴方よりも言い表せられません
私は使えていません
そんな風に言い表せられなく
嫉妬するほど繊細で
私には見えていないと自分で気づく
言葉をもっと知りたい
貴方の様に
私も生きる
言葉の為に
私の素敵な人生(京本)返せよ
取り返しにいく
藤本タツキの鬼才を余すこと無く体感する1時間
まず、映画に携わった全ての方に感謝を。
私はこの作品の原作を読んでいるが、正直観るまでは1時間ではまとめきれないと思っていた。
同じ感想を持ちながら、観に行った方も多いのではないだろうか。
しかしながら、この思いは開始5分にして裏切られ、少女達の人生が文字通り1時間で描かれる事になるのだ。
映画のタイトルである、ルックバックは終盤に伏線回収されるが、「有象無象に埋もれる自分と自分の世界で唯一無二の才能の持ち主が、互いの背中を見ながら成長していく。」がコンセプトになっていると感じた。
映画の終盤10分は息付く暇もなく、彼女達と同じ時を刻むことになる。
エンドロール後に忘れていたかのように、劇場のあちこちから、息を吐く音が聞こえた。
迷っているなら、見に行った方がいい。
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