ルックバックのレビュー・感想・評価
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メタ構造を超してキュビスム
作品全体が、
メタ構造を通り越して、
もはやキュビスム。
説明しよう。
絵の中の必要な物、
ちょっと必要な物、
不要だけど無いと成立しない物、
の濃淡、太細が鮮やかだ。
解体して構築でもなく、
現実世界をそのまま写し取っているのでもなく、
作中人物の頭の中にある抽象的なイメージを視覚化している。
抽象アニメの傑作
「かぐや姫の物語」
先日公開されたフランスの
「リンダはチキンが食べたい!」
は、
あくまでもレイアウトや構成が抽象的なアニメーション作品。
本作は、
抽象画、日本画でいうと、
東山魁夷の作品を観てるようでもあるが、
抽象的レイアウトと、
ビビットではない配色、彩色との、
アンビバレントなあり得ない構造、
薄紫と薄緑、
緑とオレンジ、
濃紺と水色、
まさに色々だが、
配色は的確。
背景の、
森の木々が、
紫で、その影がまたパープル、
あり得ない、
いや、
美しすぎた。
藤野にも京本にも負けられない、
スタッフや原作者の意地だろう。
配色は配置レイアウトにも影響し、
その配置は演出や、
ストーリーとも共犯というか、
相互関係でもある。
その大胆過ぎる構成の取捨選択は、
ストーリーの構造にも影響されていて、
時間軸にも違和感がないというか素晴らしい展開だ。
そして脳内の記憶ファイルの一枚だけ一行だけ上書きキック・・・
(参考作品、タランティーノがジェシカ・テートにやってやつ)
上書きできる・・・上書きできない・・・消去・・・できない・・
できた・・・できない・・・できた・・・
藤野自身は上書きしない、
別名保存で再起動、
そして時々ルックバック。
キュビスムの十分条件を満たしていると言えないだろうか。
以上、
誇張しすぎているのか、
そうでないかは、
今後の作品や若い人たちが証明するだろう。
紫と緑が、
バズ・ライトイヤーを思い出した。
無限の彼方へさあいくぞ。
原作未読者ですが
年齢も性別も関係なく
眩しくてたまらない背中ってありますよね。
振り返れば目を輝かせながら追いかけてきてくれる、
その存在が支えになってる人がいる。
離れていても、姿はなくても。
今日も前に進んでいこう。
物語も良いんですが、
音の使い方が上手いなぁと思いながら見てました。
抑揚で、自分の脈拍が操られてるような感覚に。
感情むき出しの走り方最高!
原作を
読んでてもなお心揺さぶられる作品。
「あの時こうしていれば」、「これをしていなければ」結果から逆算する時、誰しも必ず思う瞬間があるはず。
人はそれを後悔と呼ぶのかも?
藤野によって動き出す京本の人生。
さあ!順風満帆な成功物語の始まりか!と思わせて物語は意外な展開へ…
京本の人生が動き出す藤野の4コマ漫画の躍動感と最後に京本が藤野に宛てて描いた4コマ漫画の切なさにめちゃくちゃ感情が持っていかれるとっても、とっても良い作品でした。
現代の「君たちはどう生きるか」
『チェーンソーマン』の藤本タツキさんによる140頁の読み切り漫画を原作としたアニメーションです。チェーンソーマンを読んだことはないし、藤本タツキさんのお名前も知らず、原作漫画がある事も全く知りませんでしたが、この絵に惹かれる物を感じ映画館に向かいました。小学校の新聞に連載四コマ漫画の連載を持ち、周りからその実力を認められ、自分でも漫画に自信を持っていた少女・藤野が、同学年で抜群の画力を持ちながら登校拒否になっている京本の存在を知るお話です。
近年は多くの作品で上映時間が伸びて来て、だらしなく長いと感じる作品も増えましたが、僅か58分でこんなに繊細な思いをこんなに大胆に描けるとは!「自分には何ができるの?」「私は一体何者?」と考えてしまう十代の子供達には一層響くものがあるのではないでしょうか。現代の「君たちはどう生きるか」と言っても良いと思います。
藤野が思わず駆け出す場面と、ドアの下を往復する四コマ漫画は2024ベストシーン賞候補に早速ランクインです。今年のアニメはデデデデで決まりと思っていましたが、58分作がそれを軽々と超えて来ました。
また、若手女優さんの中では今や圧倒的な存在感を放つ河合優実さんが、声優としても確かな魅力を放つことを知らしめて下さいました。
それでも、だからこそ、描き続ける
原作未読。
昨今の美麗な作画を追求していくトレンドとは異なり、キャラの表情と動き、情景描写を巧みに用いて、人間の情熱や羨望、後悔といった心理を深く描いた稀有な作品。
中高年に意外と受けるかも⁇
p.s. LookBack(過去を振り返る)、良いタイトルだな〜
見に行ってよかった
◾️前提
泣ける映画は好んで見ない。原作者の短編は基本「女体や女性への興味」が強すぎて気持ち悪いと思ってしまっているので見に行くつもりはなかった。
友人知人各位にオススメされまくったので行きました
◾️感想
見に行ってよかった〜〜〜〜!!!
演出も表現も演技も音楽も全部素晴らしい。
感情の没入感がすごい。展開を知っているためか、京本に会いに行くシーンからずっと涙が止まらず。
感情の波幅は
1共感性周知
2努力する姿に号泣
3努力しても壁に敵わないことを自覚した姿に号泣
4不法侵入に恐怖
5好きと言われ高揚する姿に号泣
6主人公の頑張りに号泣
7青春に号泣
8ジャンプ本社に過去の己を思い出す
9アニオリに関心
10号泣
11号泣
12号泣
13嗚咽→放心
みたいな感じでした。
割と序盤から感情のパラメーターが振り切れています。
声優さんがたの演技がアニメ独特の声の出し方じゃなくて自然体なのもすごくよかったです。映画オリジナル展開も、原作の補完になっていてよかったです。
生き生きとした描写
それぞれのキャラクターの表現が生き生きして印象的だった。58分という長さの中で凝縮されたストーリーと、繊細な描写。あの時こうしていれば、こうだったかもしれない、って誰しも思うことがあるから切ない。
漫画制作を通して成長していく2人の姿には素直に感動した。制作陣のレベルの高さが窺える。
深淵な58分間
事前情報ゼロだったので、冒頭のヘタウマな感じのアニメからぐいぐい引き込まれ、「なんだこれは!」と驚きました。新海監督のアニメもとても写実的で鮮やかな美しさがありますが、それとはまた違ったテイストで、とても身近な生活感のある描写に引き込まれました。天候が晴れから曇り、雨から雪へと変化に富んでいたり、朝、昼、夜という時間経過が風景の変化として丁寧に表現されていて、時の流れが無意識のうちに伝わってきたように思えます。そうそう、「となりのトトロ」(88)のあらゆるシーンがいきいきと描かれている感じとも似ている気がしました。劇中に主人公の藤野(河合優実)と京本(吉田美月喜)が描く四コマ漫画が出てくるせいか、それを描いている二人の世界がリアルに感じられました。構成に全く無駄がなく、緩急のバランスも絶妙で、58分間とは思えない濃密で深遠な映画体験でした。台詞もよく考えられていてハッとさせられるものが随所にあり、声の演技も「声優」とは違うトーンが作品の雰囲気を独特なものにしているように感じました。音楽も彼女たちの心情にしっくりくるものばかりで、あらゆるシーンが心の奥深くに染みてきました。先の展開が全く読めなかったのもよかったです。アニメ史に残る名作ではないでしょうか。
映画って、
実はこのくらいの尺が丁度いいかも。
最初は1hで1700円?と思ったけど、鑑賞後の満足感やらはなんら120min超の作品と変わらない。
究極のタイパ映画。
このくらいの長さの作品、もっと世に出てほしい。
濃い内容なんだけど物足りなかった
ノーマークな作品だったんですが、たまたまテレビでおススメされているのを見て、尚且つこちらの評判も良いので遅ればせながら鑑賞しました。
小学校の学級新聞で4コマ漫画をそれぞれで担当していた藤野と京本が、合作で漫画を描きながら仲良くなっていきます。
冒頭、あっ苦手かも…と思ったのもののストーリーにどんどん引き込まれていきました。不登校の引きこもりだった京本を藤野が街に連れ出すシーンはキラキラで幸せに満ちていて、なぜか逆にウルウルしてしまったのは私の親心だったのかも?
保護者気分に勝手になったせいか、2人の後半シーンを物足りなく感じてしまいました。
現実の世界で起こった事件を思い出すようなセリフは悲しすぎです。
幸せが凝縮している人生か穏やかに長生きする人生か?答えは出ないけど考えちゃいます。
原作、読んでみたら終わった後の気持ちを消化できるのかな。
本来なら5.0です!
ドストライク過ぎて、ちょっとだけ物足りなかった。。
でもドストライクではあって、あと2回は観るつもり!!
本当に、バクマン。とか僕線とか物作りや上達を目指して頑張る系の映画やドラマが好き過ぎて。
ワンスアポンアタイムも好きでして。
その期待は充分にあり楽しんで観ましたが、
期待し過ぎたかなぁ。と思わざるを得ない。
でも友達には絶対観てって言うくらい良かったです。
藤本タツキ臭を存分に残しつつアニメに昇華させた傑作
同じく藤本タツキ原作のアニメチェンソーマンに代表される、近年のcgグラフィックを用いた作画は原作の良さを封じ込めてしまうことが往々にしてある。
しかし、この作品はアニメの良さと、原作の良さを相乗させた傑作であると確信する。
特に、cg作画最大の欠点である心理描写をあえて漫画的な作画を用いて完璧に表現したところに感動した。
そして、ストーリーの変更をほぼせず、潔く一時間以内にまとめたのも英断だった。漫画自体が読切りとして出版されたもので、その風のように読者を突き抜け過ぎ去ったが故の感動を、うまくアニメに残した。とにかくテンポが良かった。
僕は高校生で普段より高いお金を普段より短い時間にはらうことになりましたが、全然気になりませんでした。素晴らしい作品です。アニメを見て感動して泣いたのはいつぶりだろうか。
正直見る前は、漫画を書くアニメだと思ってました。
めちゃくちゃ申し訳ないことに見るまで、ただ漫画を書くだけのアニメだと思ってました。
しかし、実際は、ただ漫画を書くだけではない、数えきれないほどの感動や奇跡が詰まった映画でした。
最高の映画でした!ありがとうございました!
良すぎ
これはみてほしい
漫画はアプリで読んだだけだったんだけど
そこの映像化だけでもとても良かった
んだけど、その続き?
もしかしたら読切じゃないやつは
続きがあるのかわからないけど、
読切漫画みてから映画してほしい
良かった
ストーリーは両手あげてばんざーい
じゃないんだけどさ
良かったわぁああ
※映画館出た瞬間な感想です
背景と背中
オープニングから、勉強机に座る藤野の背中の描写だけでクリエイターの覚悟が十二分に表現されていた。背中は自分では見えないが、本人が背負っているもの、藤野が描き続けるということを象徴しているようだった。
藤野のライダーキックで京本が助かった世界線。そこに京本は生きているのだ。それは無惨な出来事で救えなかった人への鎮魂歌。
同時に私たちは自分がどの世界線で生きるかを自分で決めることができる。
京本と漫画を描いていた走馬灯のような日々を無かったことになんてできない。愛してもらった経験さえあれば、たとえ京本がいなくても前に進める。涙
アニメに詳しくない私は、作画の動きに目が行きがちで、もちろんそれも素晴らしいんだけど、本作の背景はまるで京本が描いてるみたいに思えてしみじみと感動した。
アニメの本懐
最近鑑賞した映画、アニメの中でも群を抜いている。アニメの作画・色彩・動き・表情等、郷愁感があり、これ程好みと合致するとは思わなかった。
レビューを見て何気なく選んだのに、映画館で鑑賞出来てよかったと思わせる良作。
1時間程の上映時間と短いが、雑味がない感じでスッキリ進行し主役2人に集中できた。与えられる他の情報が少ない分、色々と想像してしまう。
声優、音楽も合っていて作品全体のまとまりが有りレビューを書きたくなる映画でした。
主観的で情緒的
複数の知り合いがこの作品を評価していたので、シニア割引がなく、短編にもかかわらず、気になって観てみた。確かに観応えはあった。
相方の京本の家族がどう思っているかは全く描かれないのも不自然かと思うが、何か関係が描かれたとしても、影響力は小さかったのだろう。ネット評では、京都アニメーション事件被害者への鎮魂というものがあったけれども、社会性よりむしろ個人的な哀惜を強く感じた。小学校の学校新聞で挫折感を覚えた京本の作品よりも、藤野の自作品への注視の方が強調されているように感じた。総じて、客観性より主観的で情緒性が強く感じられた。
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