ルックバックのレビュー・感想・評価
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観たあとの余韻がすごく残る映画
「レビューの点で期待したがそれほどじゃなかった」という意見も散見するので迷ったんですが、減点ポイントが思い当たらないし何より自分がすごく好きだと感じたので、やっぱり5点。
漫画は結構好きで原作も読んでますが、アニメの作画のことはよくわからないし色んなレビューサイトとかインタビューとかで「原動画」とか、線がガサガサしてる(?)とか、少人数というのを見てもピンと来てないところもあります。でもそんな自分でさえ並々ならぬ熱量はものすごく伝わりましたし、本当に「漫画がそのまま動いてる!」としっかり心動かされました。個人的には原作も映画も泣けるというよりはジーンと心にしみて少しうるっとくるお話です。
主人公の藤野ちゃんの、特に小学生の時が秀逸です。ものすごい努力家なのに沢山時間をかけて書いた漫画を「5分で書いた」と言っちゃう(でも顔は得意気)ところ、「私より絵が上手い4年生なんて許せない!」という負けず嫌いっぷりとそこからがむしゃらに努力する泥臭さ。悪意で傷つけるつもりじゃなかったのに勢いでキツい物言いをして「あっ…」という空気の中、少し口を動かして、でも何も言葉が出なくて、結局素直に謝れないところ。欠点ばかりだし素直じゃないけど、そこが可愛いし、ところどころ昔の自分を重ねたりしてすごく愛着が湧きます。
劇中に現実で起きた事件を重ねて、そこばかりクローズアップされることもありますが、原作者は東北の震災を経験しての無力感を消化するために書いた作品でもあると言っていますし、あまりそこばかりとらわれずに見て欲しいです。
観たあとの余韻も、自分の場合は、辛さや悲しさはしっかりと感じつつも、何だか分からない情熱がこみ上げてきて不思議と前向きになれる映画です。それこそ昔の部活とかに燃やしてたかつての自分のひたむきな情熱や、黙々と机に向かう藤野の背中を思い出して、「自分も頑張らないと!」と静かにひたひた内面の熱量が満たされていく感じ。
この作品を作ってくれた人みんなにありがとうと言いたくなる映画でした。
秀作です。クリエイターを目指す2人の異なる性格描写が面白い。絵が素...
観たあと半日くらいは映画のこと考えてしまう
原作見ずに、映画見に行きました。手書き線を活かした作画と、こういう動きするよなあというリアリティのある動き、無駄なセリフがない感じがとても良かった。静寂と間の取り方も他アニメに比べて大胆で、作品世界を盛り立てていた。声優はとても自然で、無駄なノイズがなく作品世界に入っていけるためか、自然と自分の思い出とシンクロさせやすく、涙がわりと止まらなかった。中心となる展開については、受け手の経験や見方で様々な解釈も生むと思うが、それで良い。全体58分だが、1時間半くらいの体感。つまらない映画が冗長に感じる場合とは正反対で、丁寧に作られた世界が凝縮されていたから、体感が長かったという感じ。劇場で観ることをおすすめします。
よ、良かった!
見事な映像化
もう少し二人を見ていたかった。
ルックバック
心が揺さぶられて‼️❓肌が泡立ち‼️❓感動に咽せた‼️❓
一生懸命生きたいな
描くと言う事
鬼才、藤本タツキの作品はチェンソーマン(第1部のみ)を読了。また曲者の作者が出てきたなあ〜と思ってました。
本作の原作本は、無料公開してたのも知らず、気になって内容も知らず衝動買い。
なのに封を切らず寝かしてた。
その後アニメ化を知ってどうせなら、映画見てから読もうと寝かし続けた。
良い映画で、良い原作でした。
観る前に泣かせる話なのだと勝手に思ってたので、劇場で号泣してやると、
腕ブンブン回して臨んだんだけど、泣く事は無かった。
まあ、泣かそうとしてる感じも無かったけど。
大筋としてマンガ創作で出会った2人のバディ物で、出会いと創作欲求の違いから袂を分ける事、その後永遠の別れと存在の確認という、
それほど珍しくない話ではある。
ただその間に描かれた才能に対する嫉妬や憧れ、独善的な考えや、従属的な部分、他者の才能に巻き込まれたり、自分の才能で人を巻き込んだりする様子、単純に褒められた時の高揚感などなど、かつて美大生の端くれだった者には、刺さりまくりでした。
本作は基本的に原作をトレースしたかのような映像化ではありましたが、
表現方法としてマンガとその映像化は、
相反する部分があってマンガは切取り、省略、枠の拡大やレイアウトで語り、映像化は間を埋める作業となる上で、読み手個人の持つリズムと映像化のリズムが合わないと、印象が変わってしまうと思います。
そう言う意味では、私は少し違和感を感じるシーンもありました。(主に台詞のない同じ大きさのコマの止め絵の連続のシーンの映像化)
ただ藤野が京本に褒められた帰りの雨の中、歩きからスキップし、踊り出すシーンは映像化で高揚感が増してました。(原作の3コマ+見開き、計3ページも素晴らしいけど)
原作の持つ細かい描写も網羅しようとしている姿勢は好感が持てて、ずぶ濡れのまま藤野が机に向かう廊下の足跡など、きっちり再現されてました。
そして原作の魂を受けて足された細かいマンガには無い描写、夕暮れの光の反射を受けて走る電車とか、引きこもりだった京本のドアを描いた絵画の色だとか、とても素晴らしかったです。
少し不満だったのは、町に繰り出し手を繋いではしゃぐ2人の手をアップで映し、袂を分つ時に手を離す描写を入れた事、結局2人は手を離す事なく繋がっていたのだから、この描写は少しくどいと思いました。
とはいえ、京本不在の部屋の机の読者アンケートで泣きそうになったので、本当に良い原作だし、映画だと思います。
最後に、この原作の発表時からの実際の事件を下敷きにしている点の賛否について触れるとしたら、私見としては表現者が現実の事象に対してのリアクションとして、表現するのは当然であるし、それが表現者の責務とさえ思う部分もあります。
今までも小説や映画、舞台等で現実の事件は表現されてきた事です。
ただ、それを行うには並大抵では無い勇気と思慮が必要です。
私にはこの作品を藤本タツキ氏が描くにあたり、その勇気と思慮深さを感じました。
描かずにはいられない叫びを感じ感銘を受けました。
長々とレビューと言えない感想文、失礼致しました。
アニメーションの力を感じる
原作発表の時点で物語については優れた考察や意見が多数出ているので、敢えて内容の詳細には触れない。アニメーションになったことで、もともとの素晴らしい内容がさらに素晴らしくなった。
背景の描写が素晴らしく、私が東北出身ということもあるだろうが、舞台となった東北(山形)の小都市の雰囲気がよく出ている。そのことにより、作品の没入感やリアリティが一層に増した。
また、京本の話し方に訛りを強調したことで、キャラクターがさらに生き生きと存在するように思えた。
わずか1時間の映像だが、多重にもわたるテーマは創作や年齢に関わらずに心を揺さぶるものだったので、是非多くの人に見て欲しいアニメだ。
個人的に大事な一本
子供が美大出身で、絵師として活動していることもあり、終始自分の子供を観ているようで個人的に大事な一本になりました。机でひたすら漫画を描く後ろ姿のカットが印象的ですが、絵を描くのが好きな人は本当にあんな感じで、起きてから寝るまでずっと描いている感じ。描く=生きるなんでしょうね、本当にうらやましい。寝食忘れ没頭できるものがあるというのは本当に素晴らしい才能だと思います。
そんな子供も就職で家を出て、いつも絵を描いていた机はぽっかりと空いています。映画を観終わって、ついLINEしてしまいました。たまには帰っておいで。
上映時間が短いこともあってか、映画が終わっても余韻に浸っていたい感じでなかなか席が立てなかった。幸せな時間でした。
うまく言葉にできないけど
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