ルックバックのレビュー・感想・評価
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藤野先生
「じゃあなんで藤野ちゃんは漫画描いてるの?」
週刊少年ジャンプにて「チェンソーマン」が好評連載中である藤本タツキ先生の半自伝的長編読切漫画作品をアニメーション化。学年通信に掲載する4コマ漫画を通じて出会った二人の少女を通して、漫画愛を描く。
僕は「チェンソーマン」をちゃんと読んだことがなく、実質本作が藤本先生の作品としては最初に触れたものと言っていい。とはいえ噂は聞いており、特に「チェンソーマン」のパッケージやアニメのオープニング映像がタランティーノ作品やキューブリック作品を意識した作りになっていることを知ってから気にはなっていた。
本作の上映時間は58分、しかしこの1時間足らずの内容で何かこう重い十字架を背負わされた気がした。前半パートは恐らく藤本先生の実体験を2人の少女に分担させたのだろうと思う。問題は後半、これは今から5年前のあの件がベースにあるのだろう。僕自身もあれは許せなかったし、今でも猛烈な怒りが込み上げる時がある。実際はそうではないにせよ、当事者たちには何か連関があって結末に導かれたような気持ち(カルマと呼んだ方がいいのかもしれない)に飲み込まれる状況で、僕は何もできなかった。
妙に心に残ったのは主人公のひとり、藤野歩(声:河合優実)の部屋だ。序盤、もうひとりの主人公・京本(演:吉田美月喜)の画を見た後の部屋の床には「アマデウス」と思しきパッケージが置かれていた。そして藤野のベッドの壁の映画のポスターは季節ごとに更新されていく。「バタフライ・エフェクト」「おくりびと」「時をかける少女」…終盤に思い出して寒気がした。
起こった現実は変えられない。しかしペンが走り続ける限り紙面の上では物事を変えることができるし、その能力を持った者には行使する責務がある。
このふたりの少女が紙面の上でどのような旅を続けたのか、僕はただ想像するばかりで、それはこのふたりにしか分かりません。
きっと藤野は京本に会いたかったでしょうね...そんなことは分かっている。彼女は今、京本に会っている。
原作よりも良いと感じた作品
・作品評価としては100点満点です。
・原作漫画読了済みですが、映像表現においては原作を超えているというか、映像化することによるグレードアップを感じました。
・原作付き作品の映画化においては、原作との作品体験の違いが良く語られますが、わかりやすさやとっつきやすさで映画化が成功していると思います。
・本作品は原作漫画の評価が高いことから、作る側においての映画化ハードルも非常に高かっただろうと想像しますが、近年稀に見る傑出した出来でした。
・個人的には、音楽面が映像に追いついていないような印象を持ちましたが、少数意見となりそうですね。
・しかし、最近のアニメーション映画のレベルの高さには驚くばかりです。
なるほど高評価な訳ですね
相方との出会い方
その後のサクセスストーリー
など
絵も含めて
惹きつけられました。
ただ、相方のあのシーンは
なんとなく想定してたかなと
作品が短編なだけに
そこまでは感情移入が出来なかったです。
私にはわからない
なんだか、よくわからなかった。
扉を隔てた紙のやりとり、時間が戻る? 別の時系列の世界は、藤野のただの空想?
最後、ガラス窓に貼り付けた4コマ漫画は京本の?
主人公の身勝手さ、京本の「センセイ」から独り立ちしたいための絵の勉強?
多分2度観ても分からない気がする。
迷うことなく観た方がいい!
多分、一生忘れられない作品。
深夜のラジオ番組で、DJさんが凄く「面白かった」と言いながらも、「この面白さをどう伝えたらいいかわからない、
映画館を出た後も喫茶店でコーヒー飲みながら、この映画のことをずっとずっと考えてんだけど、ただただ自分の気持ちの整理がつかない」と言っていたのが気になっていて、原作は未読で観てきました。
で、鑑賞後ですが僕自身も「この気持ちはなんだ?」と言う問いに色んな言葉が浮かんでは、目の前を通り過ぎてゆく、ただそんな時間ばかりが過ぎています。
作品の全て、背景や音や声がすべてあるべきところにあり、先品の中の要素一つ一つが尊重しあい、そこに存在するよう、各パートのスタッフが作っているのが伝わってくる世界観に浸れる喜び、流れるように進むストーリーに身を任せる心地良さ。
好きなことを突き詰める苦しさも楽しさも、みんなみんな詰まった2人の時間は、やがて、ある事件へ加速していくのですが、過ぎてゆく時間だけがその痛みに寄り添い、癒していく、その描写があまりにも切なくて、優しくて、自分も「明日を生きよう」と背中を押されてました。
河合優実さん、吉田美月喜さんも本当に素晴らしい。
特に自分が好きなのは、河合優実さん演じる藤野が
担当さんとアシスタントの事で電話で話してるシーンで
そうそう、仕事の話って、電話で話とこう言う声のトーンになるよね、凄いリアル。
河合優実さんって、やっぱり天才!?
返画
伸び上がる腕が気分の抑揚を力強く示す。空にも昇りそうな気持ちとはよく言ったもの。不意に食らったこれまでにない認知。雨の中で高まり彼女の道が開かれていく印象的なシーン。
4コマ漫画の1コマを用いて鮮やかに立ち上がるパラレルワールド。よくぞ空手のことを思い出したものだ。想像のつかない京本のアナザーストーリーは紡げない。京本の一言がなければ道が開かれなかったことは忘れていない。背中に刺さる斧は自らが負う。
多くは伝えきれずに別れゆく。一面しか知らぬかもしれぬが、その者を心に住まわせ次に進む。
滲み出る、若々しい苦悩、、、そんな絵と話。
あっという間にレビュー300超えですよ。
原作超えた数少ない漫画アニメ作品だと思います。
走ってるシーンとか動きにしか表現出来ない感情表現ってあるんだなぁ、と動画作画の素晴らしさは言うまでもなく、CGじゃない手描き動画背景とか、押山さんのこだわりの原作世界観です。
話も多分藤本たつき自身の漫画経験、目線が根本にあるからシンプルだが太い。
実は自分も高校あたりから漫画描き始めて美大行った口なんで色々ざわざわ来るものがあります。結局私は別な仕事を選んだがプロになった仲間も決して皆んな成功した訳ではなくまだまだ人生は続くんだわさ。
主役の河野は当然だが、京本の吉田美月喜がぶっちぎりで素晴らしかった。
しかし京アニ事件はこの路線、沿線の若い人達にはかなり大きなインパクト残したんだなと再確認した。世間に背を向けて自分を追い詰め磨くことにより製作物という物を介して世界に認められたいという、物を作る人が必ず通る光と影が悲しい形でパッケージされた事件であり、諸行無常感半端ない。南無。
月と月。裏と裏。影と影。そんな二人。
予備知識0ですが話題になっているので行ってみました。もう、めちゃくちゃ良かった!夢と希望と葛藤と嫉妬心。そして何かを成し遂げる為の決意をたった58分で描いた傑作アニメです。
絵を描くこと、漫画を描くことに懸ける若い二人。これ一見、藤野が才能ある京本に嫉妬する話のように見えて実は才能も実力も藤野の方が圧倒的に上回っている。そのある種の残酷さがとても沁みる。
実力不足を感じる京本と自身の実力をしっかり把握できていない藤野のアンバランスさ。そしてなるべくして離れる二人。それは別れとなりそこからまた新たな想いが生まれる。
藤野はこの連載漫画を最高のクライマックスを持って締めくくるはず。その最初の読者はきっと京本に違いない。窓の外の景色。たった一人机に向かううしろ姿の構図がとても印象的だった。
58分1700円。でも高くない。
いい映画だった。
正直この漫画を映画化すると聞いたときは「絶対滑るだろうなー」と思っていた。
いい漫画だけど、映画向けの話の山場はないし、内容的にも2時間は持たないから。
だがこの映画は無駄にオリジナルエピソードを付け足したりはせず、藤本先生の繊細な絵を再現しつつその細やかな絵の先にある表情の変化を巧みに表現した。
アニメ映画化というか漫画を動かしたような、アニメーターや制作サイドのこだわり、技術の結晶だと思う。
ストーリーもやっぱり良くて、原作漫画を読んでいたのに3分の2はずっと泣いていた。
あっという間の58分のようで、2時間超えの映画を見たような満足感。
できる子と言われた小学校時代
この映画の評価が高いのは同じ経験をしたからではないでしょうか。
誰もが小学校の時にできる子と言われたと思います。
それを否定するのは自分や友人たちです。
しかし主人公はふとした嘘からやる気スイッチが入ります。
私も今日から作家を目指します!
レビューの数、多ッぃ!
意味不明な内容なのに、こんなに評価があるのは何なのかしら?
なんで1700円取るのか?
まだ幸運だったのは普段はドルビーシネマを流すルームで、大画面で音響がハンパなかったこと位だろうか…
そんなに大騒ぎする映画か?
確かに絵もきれいで面白く観れたが物足りない。尺が短く描いていないシーンが多いのでは。二人の仲違いシーンは不満や不安のシーンを描いてこそ京本が勇気を出して言うのでなければただのセリフの説明シーン。
中学、高校シーンも、もう少し二人の感情や家族の話など入れないと感情移入出来ない。テレビのように全てを説明しろとは言わないが、感動するにはするためのシーンが必要なのではと思う。
生きている人間を描くのだから。アニメと割り切って2人以外は描かないのであればそれでも良いのだが、中途半端。
小学生のシーンは良くできていて納得はする。
走り続ける
気怠げな表情と声に反して、抑え難い情熱を持つ二人の主人公。初めて会った日の別れ際、じゃあねと言い合う二人の姿がなんとも良い。それぞれのシーンに音楽が合わさり、観る側の感情を揺さぶってくる。
二人だったからこそ、ここまで来られた。そして二人ではその先には行けなかった。最善の選択の先にある圧倒的な理不尽。大切な人の熱量を糧として更に先へと進んでいく。
時々この様な甘酸っぱさのある作品を観たくなる。少しの反省とともにもう少し頑張ってみようと思う。そして、人の情熱で生きながらえるドラキュラのような自分に気が付き、自己嫌悪になるところまでがテンプレである。
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