ルックバックのレビュー・感想・評価
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見ればみんな、心のどこかが揺さぶられるであろう作品
涙こそ流しませんでしたが、自らが生きてきた過程を振り返えらせてしまう、印象が強烈で、密度が濃く、鑑賞後満足感が高い作品で、強く心を揺さぶられました。
遅ればせながら、興味を持たずにいたチェーンソーマンの原作者と同じ原作者(チェーンソーマン第1シーズン後にルックバック執筆)と知って驚きました。早速、アマプラでチェーンソーマンを視聴したところ、想像していたものと違い、これまた驚きました。
ちなみに、鑑賞後、ネットにある、ルックバックのレビューを数多く見て、原作を読みたくなりましたが、どこも売り切れで、高値を付けた中古品▪️新古品しか見当たりません。
それにつけても、公開当初の入場者特典はかなり立派なものだったようで、今は、おざなりの入場者特典で残念です。
これ絵描きなら前半部分は共感せずにはいられないな クリエイターに対...
これ絵描きなら前半部分は共感せずにはいられないな
クリエイターに対するリスペクトと、それでも描くしかないっていう業の深さのようなものを感じた
前半楽しくエモく~の後半の凄まじさ
ここまで背中を押してくれる映画も中々ない奇跡の60分
タイトルの意味がいろんな場面で全部重なってる
超傑作
今を自分らしく生きる
憧れの藤野先生にサインをお願いした時、京本さんの心は喜びに弾けていました。卒業証書を届けた帰り道、藤野さんの抑えられない体は本当に生き生きしていました。
正直に生きる二人は本当に楽しそうで、私は嬉しいです。
日本のアニメと漫画の素晴らしさ
あるレビュアーさんがとある作品で書いていた事が思い出された。日本アニメに才能が集中している事の素晴らしさと同時に実写映画にも波及して欲しいとの嘆きが記載されていた。
まさにこの作品もその一つであり至る所に素晴らしい魅力とスタッフの情熱、その作品にかける意気込みをひしひしと感じる。
また現在の多くの映画やドラマ等の作品の多くの原作は漫画であり、その素晴らしさは世界を席巻している。
そしてこの作品は鎮魂の物語りであると同時に振り返って観る事も大事だが、そこから這いあがり前を向く為の映画なのだ。
【『ルックバック』4回目を観に行きDon't Look Back In Angerと「背中」の含意の深さに唸る】
※すみません、かなりの長文です。
やはり名作は何度観ても味わえる。
というか、ますます味わいが深くなる。
そして新たな発見を繰り返す。
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まずトリビア的な前振りから。
3回目を観たときから、
「藤野が、京本の手を引いてひたすら走る」
というシーンがこんなに多かったか、と思った。
一度目は、デビュー作を集英社に持ち込むために出てきた東京の街で。
二度目は、走っているよりほとんど歩いているが、発売されたジャンプを買いにコンビニに向かう雪深い田舎道で。
三度目は、もらった賞金で豪遊するために出た街角で。
四度目は、京本の部屋で一夜を過ごす藤本の記憶の中の故郷の畦道で。
もっとあったかな?
この「繋がれた手」こそ『ルックバック』に込められた関係性の象徴だ。
結末を知っているからなおさら、最初の「繋がれた手」のシーンから繰り返し登場するに連れ、目頭が熱くなってしまう。
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そして手を引かれる京本は、藤野の背中を見ている。
当然、『ルックバック』には「背中を見ろ(見る)」という意味と「振り返る」の意味のダブル・ミーニングがある。
ここで、劇中のモヤモヤするやり取りが思い出される。
それは連載の話をもらったあとに田舎道を並んで歩く二人のやり取りだ。
画力と描くスピードの話になり、藤野が
「私、もっと上手くなる予定だからさ」と言い、
京本「じゃあ私、もっと絵ウマくなるね! 藤野ちゃんみたいに!」
藤野「おー。京本も私の背中みて成長するんだなー」
というやり取りだ。
これはかつて(小6)、藤野が京本の才能を超えられないことに絶望し、一旦は「やーめた」とペンを置いたことと矛盾するし、そんな藤野のセリフとしては不遜とも言える。
また、京本はなぜそこまで自分の技術と才能を肯定できないのか、とも取れる。
しかしこの一見逆転した関係こそ、『ルックバック』という物語の真髄かも知れない。
京本の背中を追い続けていたのは藤野であり、「私と離れて上手くいくわけがない」と詰る藤野こそが京本なしではやっていけない、と感じていたからだ。
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時空を超えて京本が藤野に届けた4コマ漫画のタイトルは「背中を見て」だった。
暗い部屋でヨロヨロと立ち上がった藤野の目に飛び込んできたのは、かつて藤野がサインした綿入れ半纏で、そこにはでかでかと「藤野歩」と書かれている。
京本は死ぬ日の朝までそれを着ていたはずだ。
つまり、毎日藤野を背負ってきた京本が「藤野、歩め」と言っているようにもとれる。
綿入れ半纏が掛けられているドアを開けて京本の部屋を出る時、藤野はその夜初めて呼吸するかのように「すうっ」と大きく音を立てて息を吸う。
まさに息を吹き返したように。
これは原作コミックにはないシーンで、映像監督の素晴らしい創造だと思う。
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そして本題のDon't Look Back In Anger"。
これはもう、ネットのマニアックな人々の間ではあまりにも有名となっているが、『ルックバック』というタイトルは、ロックバンドOASISが1996年英国チャートで1位を獲得した楽曲"Don't Look Back In Anger"に重ねているという符丁であり、しかも作画の中に巧妙にそれを練り込んでいる。
コミック版の最初の1コマでは、担任が
「はーい! 今週の学年新聞、配るぞー」
と言うその背景の黒板に
Don't
と書いてある。その先はコマに切れていて読めない。
そして物語の最後の1コマには、手前の床に散らばるDVDケースや大学案内?の冊子の他に「In Anger」と表紙にある冊子が見える。これもInの前に何があるのかは見えない。
つまり最初のコマの「Don't」と最後のコマの「In Anger」でコミックタイトル『ルックバック』を挟んでいて、続けて読むと"Don't Look Back In Anger"となる。
これが映画でどうなっていたか、改めて確かめに行った。
担任が学年新聞を配るシーンの背景はほんの一瞬しか写らず、しかも英語というより理科?の授業のようで、Don'tが見当たらない。。
だがそのシーンの前、まさにオープニングで月夜の街に降下していくカメラ目線の次に、呻吟しながら机に向かう藤野の後ろ姿のシーンで、机左手の本棚最下段の左から2冊目に背表紙が『DON'T』と読めるコミック誌が見える。見〜つけた♪
でも、ラストシーンでは残念ながらIn Angerがどこにも見つからない。
そこまではこだわらなかったのかもしれない。
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さて、OASISの楽曲はどんなものか。
YouTubeをちょっと漁ればすぐにMVを見つけることができるが、その歌詞を改めて確認すると二重三重に意味が込められているように思う。
作詞したノエル・ギャラガーによれば「俺の歌詞には意味はない」とうそぶいているようだが、英国でのとあるテロ事件の犠牲者追悼デモで、サビの部分に共鳴してか、この楽曲が参加者によって合唱されたという情報があった。
And so Sally can wait
She knows it's too late
As she's walking on by
My soul slides away
But don't look back in anger
I heard you say
So Sally can wait
She knows it's too late
As we're walking on by
Her soul slides away
But don't look back in anger
I heard you say
このSallyは特定の個人を意味していない、というのが定説のようだ。『いとしのエリー』のエリーが誰でもいいのと同じように。
しかしなぜ原作者の藤本タツキはそうまでしてこの楽曲を持ってきたのか。
と同時に、なぜ藤野には「歩」という名が与えられているのに、京本には名がないのか。
これは本当に僕の妄想というか幻視なのだけれど、原作者は京本に密かに「サリー」という名を与えているのではないか。
上記の歌詞のSallyを京本とイメージして読んでみると、にわかに物語が色彩を帯びてくる。
だがそう言ってしまうとあまりにもベタすぎるので、まるで余白に大きな意味を持つ絵のように「下の名が明かされない京本」を創造したのかもしれない。
決して嫌いではないけど
周りの盛り上がりにはついていけないな、という感じ。
時間の経過や登場人物の成長を絵で見せる表現力はすごいと思ったし、笑ったり涙ぐんだり感情を動かされる場面もあった。
東北弁や東北芸大が出てきたことも嬉しかった。
ただ、特別に感動するか、考えさせられるかっていうと…他人事だったな〜
原作ファンの熱気にあてられて、期待しすぎちゃったのかな。
いい映画だけど、そんなに騒ぐほどかな~と思っちゃった。
いつも会員料金だから、1700円って割高に思えるっていうのもある。
もっとフラットに観れたら違ったかも。
何故漫画を描き続けるのか
原作未読。
予告や設定を見た印象では「『リズと青い鳥』的な話かな?」と思ったけど違った。
まあ一緒に歩いてきてこれからもずっと続くと思っていた関係が崩れていく、という共通点はあるが。
中盤以降、ややトリッキーな展開があり、???となるが、これも主人公が自分の立ち位置を再確認するために必要な演出なんだなと理解した。
1時間足らずの作品だが、それ以上の重みを感じた映画であった。
作品としては素晴らしかったが、一点苦言を呈すならば、
一般映画でなくODS作品として公開したことかな。
どちらの世界も美しいと思いたい
才能に恵まれた2人の少女、藤野と京本の青春を描く物語
そしてこれからの物語
子供の頃何かに情熱を注いだり、現実を見たり、大人になって何でそれが好きだったか大事だったか忘れてしまったりした経験のある方は多いと思う
そんな思い出にグサグサと刺さりまくる
そして意表をつき、琴線に触れてくるシーンの数々
アニメーションとしては画と音だけで感情が手に取る様に伝わり、そこに声が宿る
全てのクオリティが高く得難い映像体験になりました
多くの人のバイブルになるだろうなぁ
追伸
上映前舞台挨拶で押山監督が話されてましたが、まだ誰にも気付かれていない、世に出回ってない仕掛けがあるとか
何度も観たくなりますね
辛くても進む
原作は未読、60分足らずで1700円は高いと思い見送っていましたが、評判が高いので観ることにしました。
一日たって、まだ消化できていない部分もありますが、心揺さぶられる映画でした。
どんなに辛く悲しくても、進むしかない、そんな感じでした。
観てよかった。
すごく中身が詰まった映画でした。
画と題名の感じから、若い人向けの映画だと判断し、全く観に行くつもりはなかったのですが、大学生の息子に勧められ、鑑賞してみました。
予習せずに買い物ついでに行ったので、館内の混雑ぶりにビックリ。
途中からめちゃめちゃ色々な感情があふれてきて、涙がポロポロこぼれました。
ハンカチの出番を想定していなかったので、すぐに取り出せなくて困りました。
ご覧になる方は、念のためハンカチ持っておいた方がいいです。
学年新聞、四コマ漫画の懐かしさ。
陽キャと陰キャの友だち関係。
何かに夢中になって、日常生活が破綻する時期。
失って気づくかけがえのないものと後悔の念。
それでも、人生は続いていくこと。
58分とは思えない濃密さでした。
タイムスリップした気分。
構成が良くて、全く混乱することなく、主人公たちと一緒にその時を共有できました。
画も音楽も映画館で体感する価値大です。
全ての年代の人に響く作品だと思います!
ここ数年イチ泣けた
伊集院光がラジオの中でお勧めしていた縁で鑑賞
1時間足らずだということと、とっても良かったという以外の情報はなし
創作に携わっているわけでも不登校の経験もないのになんでこんなに感動するんだろう
共感するような生き方はないのになんでとめどなく涙が出てくるんだろう
たぶん人生の中でいくつも選択があってそのなかにいくつものifみたいなタラレバがあって
中学、高校、大学、社会人と進む中で失うものがなく生きてきた人なんていなくて
その中でスクリーンで小学生から打ち込んできたものは別にして追体験みたいにタラレバの後悔とまではいかない心の奥にそっとしまった柔らかいものをギューっと掴まれたような1時間たらず
それでもカット割のメリハリがいいのとセリフもない季節の移ろいや絵を描いている絵が効果的で尺の短さが全く気にならないぐらい
いっときの別れだったつもりが永遠の別れみたいにならないように同窓会みたいなのがあったら顔出そうかな
原作読んだ人も更に深い体感を得られそう
知り合いに説明もネタバレも出来ないから
Webで無料で見るところまでを読んで貰ったら「これお前じゃんww」
って、藤野が同学年の京本の画力を知ってめっちゃ走りながら悔しがる場面と、そんな京本に尊敬されているのを知って走りながらめっちゃ浮かれてる場面を指されて複雑な気持ちになった
というか走る場面が多かったけど
そのカットが映画で見ると凄く良い!
しかも前方、後方から見たカットが良い!
漫画読んだ人も映画で見るのオススメです
音声も含めてまた変わった雰囲気を楽しめるかもです
実は私も学級新聞に4コマ漫画描いてたので
あの頃は狭い世界で自尊心を得ていて承認欲求が満たされてたんだなーと思った
もし、京本みたいな存在が居たら私も藤野みたいに雷打たれたようにもっと絵を描いていたんだろうか?
なんて思ったり
それと家でこっそり描いてた漫画を親が隠れて読んでたのを知って全部捨てたんだよね
今思えば勿体ないことをしたなぁ…
なんて思ったり
ストーリーが素晴らしい
前情報無しで観ました。ネタバレ無しで観る事を強くお勧めします。
ストーリーの完成度と演出のレベルの高さが素晴らしかったです。
漫画家を目指す若者のサクセスストーリーだと思い込んで観ましたが、良い方向に裏切られました。
エンディングが切なすぎて泣けてきます。
隣に座ったオバさんが号泣しててそこにも驚かされました。
ノスタルジー
忙しくてレビュー投稿できてなかったけれど、備忘録的に。
作画が良かった。原作よりも小学生の幼さや柔らかさがよく表現されていた。スキップのシーンは秀逸。
声優が良かった。間が良かった。藤野役の河合優実さん。こまっしゃくれながらも幼さを残す話し方が可愛らしく、作画ととても良く合っていた。京本の吉田美月喜さん。ああ、京本らしいな。それがまた最後の悲しさを演出する。
音楽が良かった。この作品にはharuka nakamuraさんしかいないだろう、と思わせるぐらいストーリーにあった劇伴と流れていく曲達。
最後のワンスアポンタイム的なもう一つの世界線がゆっくりと涙腺を滲ませる。この世界線があったのか、幻想なのか。どちらともつかず、言葉にできないもの悲しさが余韻として今も残っている。
見終わった後の心地いい切なさや悲しさとノスタルジー。いい作品でした。
これは傑作🎉🥳🎊
約40分の映画
長時間映画苦手の人や最近感動系が見たい人にはお勧めします。
この出来は映画史上過去最高傑作だと思われます。
私は元々藤本タツキ先生の大ファンで、ルックバックをリリースした時見て、これは映画にするべきだと思っていました!
ぜひ劇場へ🫰
2人の軌跡
2人の少女がそれぞれに抱く相手への憧れと嫉妬、この2人がひとつのマンガを描くことで目標となり心を通わせる。
それと同時にそれぞれが夢見る未来。
夢、希望を互いに与え合える親友として描き、それぞれを鼓舞する存在として丁寧に描き切ってる。
そして自室でマンガを描き続ける姿が、2人が過ごしたかけがえのない時間であることを窓ガラス越しに映し出される後ろ姿がとても心を動かされた。
この時間(短編)にまとめきった作者も製作陣も素晴らしく感じた。
びっくりした
短編小説のような美しさ。
そこにharuka nakamuraの透明感。
彼女たちの背中を見続けているような演出、少し距離感をとって見つめているような撮り方。
ひとつ消費されない映画が現れました。
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