ルックバックのレビュー・感想・評価
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何かをひたむきに続ける尊さ
ひたむきに漫画づくりを続ける2人の少女の姿を描く青春ストーリー。
久しぶりの映画館でのアニメーション映画鑑賞でした。
周りからどう思われようとも、何かをひたむきにやり続けることの素晴らしさを教えてくれます。“好き”なことが“夢”になり、“生きる”ための理由になる。辛くても苦しくても、それが好きだから。
家族も友人も含めて、自分以外の他人が、自分の“好き”を笑ったりバカにする権利はないから、これからも自分の“好き”を続けていこうと思います。
小学生、中学生、高校生の頃にこの映画を観ていたら、人生変わっていたかも知れないほどの感動がありました。
京本役の吉田美月喜さん、藤野役の河合優実さん、声優初挑戦とのこと。息づかいとか、間とか、声だけじゃない魅力が感じられて良かったです。
描いたマンガの事であって欲しい。
学生新聞で4コマ漫画を連載しクラスメイトから人気のある小4藤野と、不登校同級生の引きこもり漫画家京野の話。
ある日、先生の使いで京野家で出会った2人、「1枚のひらりと落ちた4コマ漫画」を機に、憧れでもあった藤野とアシスタントとして共にする事となった京野、2人の漫画家として動き出した時に…。
ある事件を機に友達でもあり、仕事パートナーでもあった彼女が突然いなくなりで、自分の書いた4コマ漫画がせいでと悔やむも前へ進むしかないと机に向かい、座り作業を始める姿は「前へと進め!」的な作品メッセージと受け取った!そうだよね?そうだ!
てか、この作品って人気作品なんですか?
鑑賞者多いし、なのに劇場側のチョイスで部屋は小部屋だしで観る環境があまり良くなく作品に入り込めなかった…、てかパーソナルスペースって大事ですよね(笑)
もうちょっと落ち着いて観れたら評価はきっと上がってると思ふ。
素晴らしかったが原作は越えない
うーん、★4にするか★4.5にするか悩みました。
原作ファンとしては、本当に丁寧にアニメ化してくれてありがとうの気持ちと、それでは原作は越えられないぞの気持ちの両方があります。
京本にほめられて、雨の中ルンルンで田舎道を帰宅するシーンとか、アニメがいくら頑張っても、数ページの漫画表現に届いていないと感じました。
後、音楽は、don't look back in angerが使われると予想してましたが、残念ながら使われず…
ともかくアニメになっても名作であることに間違いはないので、皆さん観てください!
ルックバック=出てくるな!
原作をジャンプ+で読んでいたにも関わらず
肝心なところは忘れていて、
新鮮な気持ちで鑑賞しました。
主人公藤野の軽薄そうに見えて実は努力家なところや
京本のことを自身がマンガを描くことをやめるほど
認めていて(リスペクトしていて)
京本と本当に一緒にマンガを描きたくて
そして京本をとても大事に想っているのが
観客にもよくわかります。
そんな藤野は感情を表出させないのですが、
京本の私を目の当たりにしたときには、
自分のせいだとして、自分を責めるほどに
思いがあるんですよね。
ひきこもりの京本との出会いのマンガでは
「出てこい!」が真のメッセージだったのを
ルックバックしたときには「出てくるな!」として
その後の世界を想像したのち、
ちゃんと自分を見つめて、
京本の生き様を理解して、前を向く藤野。
実にグッときました。
まさか本作で涙ぐむとは思ってもいませんでした。
それほどに心に刺さるものがありました。
藤本タツキの作品はどれも大好きですが、
本作は映画を観たことで、さらに好きになり
パンフレットはもちろん、原作単行本まで
購入してしまいました。
帰宅して、しばらく本作の世界観に浸ろうと思います。
素晴らしい
原作読了済み。でも話はほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで鑑賞できた。主役の二人の声優がとても雰囲気に合っていて、素晴らしかった。
最初のシーンから引き込まれたが、漫画や小説、絵など何かを創作したことがある人なら、心に深く刺さる作品だと思う。主人公の感情の動きがリアルに描かれていて、心にビシビシ刺さってくる。
君たちはどう生きるか
人生、生きていく中で誰しもが
好きなことができたり
夢を抱いたりすることがあるはずで、
でもその過程は簡単ではなく
順風満帆にはいかず
つまずき諦めたりしたことでしょう。
いまどう生きているかが大切なのはわかるけれども
わたしも人生後悔してることは多々あります。
本編の主人公も例に漏れずまさにそれで
絵を描くことが誰よりも上手くまわりに褒められ
なんなら運動神経も良いらしく?
向かうとこ敵なしな状態だったのに
まさかの不登校の生徒にうちのめされる
(相手はそんなつもりないわけだが)
しかし彼女は打ちのめされ諦めるのでなく
それ相応の努力をした
周りに何を言われても努力をやめなかった
けれどやるだけやったけど勝てなかったからやめた。
完全にやめた。
でもその後まさかの勝てなかったと思ってた相手から
先生といわれ尊敬のまなざしをむけられて
また彼女は歩き出す
そしてそれは二人三脚で。
最後道はわかれてはいたけれど
ふたりは繋がり合い感化され生きてたとおもう。
そういう努力などもひとつの暴力で全て失われてしまう壊されてしまう儚さ。
人生順風満帆に行く人なんてほとんどいないし
つまずいたり転んだりばかりでとても辛いものかもしれないけど
きっと先にある誰かの背中(家族、友人、恋人、夢)をみて追いかけて走っていくんだと思う。
ルックバック アゲイン
君たちはどう生きるか
観終わったあとそんなことを問われたような気がした
漫画原作の映画として、完璧な作品
藤本タツキの世界観を完全に映像化している。
完璧。
セリフも雰囲気も絵も、原作通り。
これこそが「漫画原作の映画」における到達点だと思う。
昔から、監督のエゴでクソのようなを改変したり
原作者を自殺に追い込むようなテレビ局すらあるらしいが、
この作品は、最高です。
次回「さよなら絵梨」も絶対映画化して下さい。必ず見ます。
誰かの背中を見るためには自分は前を向くしかない
京都アニメーションの事件はもちろんのこと、理不尽な事件、近年脅威の規模が増している数々の自然災害。
被害者やその関係者の方々の胸中はいかばかりか。いくら想像しても当事者の心痛は共有できないし、いつも無力感に苛まれる。
生き残った者がしなければならないことは、いつまでも立ち止まっていることではなく、もしそこに彼や彼女がいたとしたらきっと笑顔で喜んでくれたり、褒めたりしてくれそうなことを続けていくこと。
とても大切なことをこれ以上なくシンプルに伝えてくれる素敵な作品でした。
※入場特典として配られた緑色の漫画冊子が原作なのでしょうか?
小学校の教室と疾走する少女のダサい腕の振りがリアル!
素晴らしい作品だった。間延びしていないというところを鑑みても、58分という上映時間は適切だったと思う。
まず職業柄いじっておかないといけないのは、小学校の教室のリアルさである。4年生の頃だけ習字の枚数が少なかったのは気になったが、学習机の質感、ロッカーにしまわれたランドセルの無造作感、掲示物の押さえるべきところをしっかり押さえている感。原作未読の自分からすると、この時点で『真摯で丁寧だ』という期待値を跳ね上げて臨めた。
冒頭酔いそうだったけど、没入感を持たせるには最高の滑り出し。
原作未読なのでタイトルのルックバックの意味の多層性に驚いた。主人公はそれでも後ろを振り返らず前に進む過程の丁寧さ。
映画内漫画(原作では漫画内漫画)の切り替えも面白い。アニメーションでしかできない表現が連発される。
青春映画には必須の疾走するシーンが何度かあるんだけど、特に雪道を走るシーンで手の動きがリアルなんだよな〜。とにかく手の振りがダサい。でも、これが漫画にかけてきた女の子の走り方とも言えるし、少し空手をかじった女の子の走り方とも言える。きれいに走らないからこそ全力さが伝わってくる。
特にこの映画の好きなところは、音の静と動の緩急。劇伴をしっかり鳴らすところと無音にするところのコントラスト。漫画をめくる音しか聴こえない時、満員の観客の息を呑んで見守る様子が伺えた。これぞ没入感。
もはやキャラクターの顔面も河合優実に見えてきた。声優さえ水準以上の出来でこなしてしまう彼女は、日本映画界の宝だ。
58分の名作
河合優実さんが声優に初挑戦ってこと以外に予備知識がなく、4コマ漫画が原作の映画だと勘違い。
短い映画だし、軽い気持ちで観に行った。
しかし冒頭、机に向かって漫画を描いている顔を鏡で見せる場面で、これは良作だと確信。
原作知らなくても端折られた感がなく、作画も音楽も作りが丁寧。
ifもしものように、あの時ああしてなければという思いはあるけれど、京本の「部屋から出てよかった」は確実に本心なだけに、藤野ちゃんの後悔と、あの1コマ目の切れ端がなんとも切ない。
終わった後に、予告編を観てもまた込み上げてくる。
すごいもの観ちゃった。
よくも悪くもそのまま
原作漫画が素晴らしいので、映画としてどうなるか?
音響のいい施設で聴く意味や吹替えの音声、60分という尺に合わせた動きなど、探しましたが個人的には原作読めばいいのでは?という感想しか浮かばず。
しかし悪いわけではなく、本当にそのまま動画にしているので不満はないです。
ひたむきに描く青春
ポスターに河合優実とか吉田美月喜の名前を見て楽しみにしていた作品。
60分ながら、特別興行1700円(普段はシニアだからイオンだと1100円)どうせならとULTIRAでの上映回で鑑賞。
藤野先生と京本のひたむきに漫画を描く青春。
河合優実と吉田美月喜という2人の若い才能に生命を吹き込まれ、アニメーションでしか成し得ない表現と美しい風景で観る者を魅了する。
河合優実と分かって聞いていてもはじめの方は分からない。高校生になってやっと河合優実。小学生の時は小学生の声になってたんだ。彼女なら、まる子ちゃんでもドラえもんでもルパンでも(たとえが古くてごめんなさい)演じられそう。
吉田美月喜の山形弁で呼びかける「藤野先生」の声もよかった。
振り返って見た(ルックバック)ドアにかかっていた半纏の背中には思わず泣いてしまった。
いつも自分の背中を追いかけてくれた京本。
追いかけてくれる彼女がいなくなって、藤野は描くことができなくなった。
彼女の部屋を訪れ、ふと振り返った先には、彼女が追いかけていた自分の背中があった。
藤野は前に向かって歩みはじめる。
もう一度観に行こう。
濃縮された実に気持ちの良い時間
押山清高監督作品。監督だけでなく脚本・キャラデも兼任し、まさに彼一色のような作品でした。
とにかくその熱量がすごい。
瑞々しいキャラクターとその作画の美しさ。色彩やカットも隙がなく美しい。
そして、その二人の少女の物語を彩るharuka nakamuraの音楽、ものすごいフィットしてました。これは素晴らしかったです。
全編を通して、夏休みのようなワクワク感に溢れているんですね。
尺は短い、でもとても濃縮された実に気持ちの良い時間でした。
素晴らしかったです。
あんたが いたから いるから 描く
漫画家
その名の通り漫画を描く人及び職業
作品のジャンルや形態によって
一人で描く場合も多人数で役割分担
して描く場合もあるし作者の年齢も様々
つまり「絵が描ける」熱意や
多少の才能さえあればそれだけで
年齢は関係なく成立する仕事である
今作はそんな漫画をテーマに
学年で一番絵がうまいと自負してた
藤野歩が学級新聞に載せていた
4コマ漫画を並べて公開されたことで出会った
京本との出会いめぐる友情と運命と別れの物語を
監督・脚本・キャラクターデザインまでを
エヴァからジブリまで変幻自在の
押山清高氏が手掛けてた作品
どうだったか
いやすごかった
アニメーションというもの表現力
の可能性を改めて感じるほど
単純にキャラクターの画面上での
「動」と「静」が
これほど心情を示すのかと
衝撃を受けました
何より作りたいように作った
「気持ちよさ」に溢れていた
ように感じます
5点満点付けるのは生涯最高の
一作だと思っていたが
俺が死ぬ間際だったら
付けてただろう
説明的なセリフはいらない
京本に刺激されて友達と遊ぶのも
勉強もせず
描いて描いて描きまくっても
京本の表現力に勝てないと悟り
漫画をあきらめるに至「りかけ」た藤野歩が
ひょんなことから京本に初めて会ったら
自分のファンだったと知り
4コマをやめたのは
新作の構想中だったとでまかせを言い
雨の中を踊るように飛び跳ねながら
家路につく場面は最高です
表情を全く変えてないとこが
逆にいい
なぜ
どんな思いで自分は
漫画を描いていたのか?
引きこもりだった京本が
外に出るきっかけになり
対人恐怖症なので人は描けないが
最高の背景を描く京本と歩は
合名「藤野キョウ」でジャンプに
作品「メタルパレード」持ち込み
新人賞100万円を獲得して
高校卒業までに読み切り7本を
描きついに連載を依頼されます
しかしここで京本は美術学校で
絵をしっかり勉強したいと
歩に打ち明けます
歩は当然反対しますが
「歩ちゃんに頼らずに
一人で生きてみたい」
こう言われては・・
結局二人は袂を分かち
歩は連載「シャークキック」
を開始
京本は美大に進学します
歩は苦労しながらも
連載を軌道に乗せますが
やはりしっくりくる背景を
追い求めている模様
そんなところへ入ってきたのは
京本のいる美大への
作品をパクられたなどの
一方的な恨みを持った
通り魔侵入のニュース
そして京本は・・
(このエピソードは明らかに
京アニ放火事件がモチーフでしょう
藤本先生も思うところが
あったと思います)
絶望に打ちひしがれ
連載も休載した歩は
卒業証書を渡しに行ったあの日
京本の部屋の入口で描いた4コマ
「引きこもり選手権」を
ジャンプの隙間から発見
あれを描かなければ京本は
死ぬことはなかったと
「漫画なんか何の役にも立たない」
京本の部屋に入れず
後悔し4コマを破り捨てます
ここで「(部屋を)出るな」と
描かれた1コマ目を
見た部屋の中の京本が
あそこで歩に出会わず
美大に進学した京本が
通り魔に襲われる寸前に
漫画をやめ姉と一緒に空手を
習っていた歩が通り魔を蹴り飛ばす
世界線が広がっていきます
そして助かった京本が
実家に帰り歩が助けてくれた
シーンの4コマを描くと風に
あおられそれが部屋の外に・・
そして元世界の歩がそれを観て
京本の部屋の扉を開けると・・
京本は「シャークキック」の
熱心な読者でアンケートも必ず
書いてくれていました
「なぜ漫画を描くのか」
あの時引きこもりを脱した
京本と一緒に「メタルパレード」
執筆に取り組んだ日々
あそこに今の歩の原点があり
その後も京本はファンで居続けて
くれた
漫画を描く理由はそこにあった
それを理解した歩は部屋を出て
再び京本が楽しみにしていた
シャークキックの制作に戻ります
この世界観のつながり方とか
確かにクリストファー・ノーラン監督
「インターステラー」っぽくもあります
パクリとか言いたいんじゃなくて
あの映画も手狭な部屋の中から広がる
世界がやがてつながっていくという
ところに魅力がありましたが
二人が作ってきた漫画の世界
つながりをこうまとめる終わり方は
いいなと思いました
切なくも希望につながり
それで生きていく
必見の一作だと思います
鬼才が作った作品を天才たちが奥行きを広げる
藤本タツキが産み出した『ルックバック』を押本清高が奥行きをつけ、河合優実、吉田美月喜が藤野、京本に息吹を吹き込む。
原作は10回以上読んでいて、一体どんな作品に仕上がってくるのか、期待と不安でいっぱいだったが、藤野の第一声を聞いてすぐに安心した。さすが、河合優実。事前情報がなかったら、「完璧に藤野を演じる声優は誰だ?」ってなるよね。
秋田弁ネイティブ引きこもりの京本も原作のイメージそのまま。わざとらしさがない朴訥とした喋り方で藤野への憧れの気持ちを絞り出す。
ここのシーンは、初見であればコメディー的な感想を持つと思うが、先行きを知ってしまっている自分にとっては、涙が溢れてしまう。
京本にべた褒めされて、藤野が思わず歓喜のジャンプをする。
原作では見開き2ページを使っていて、ページをめくらずに、気の済むまで藤野に感情移入する静止時間帯。
ここのシーンをアップのスローモーションで演出するのではなく、映画的な表現で藤野の気持ちを表す。
京本が視界から消え、誰1人いないあぜ道を嬉しさにまかせて、全力で走る藤野。引きのアングルで自宅まで走り続ける藤野が映し出される。一刻も早くマンガを再開させたい藤野のはやる気持ちがスクリーンから伝わってくる。
『まんが道』的な展開から直角に折れ曲がり、よもやの出来事が待っているこの作品。
何度読んでも、胸が締めつけられる。それを、こんな素晴らしいアニメーションで鑑賞できるとは。
出張が早く終わったので、2回続けて鑑賞。2回目の回は、作品を愛する観客で埋め尽くされていて最高の環境だった。
重要なシーンでは誰も物音を立てずに息を呑んでスクリーンに集中している。エンドロールが終わると、感謝の拍手。
感動を共有して、余韻にひたる。何と贅沢な時間。
追記
3回目のルックバック鑑賞。あらゆるシーンで、背景がおそろしいくらい緻密に描き込まれていることに気がつく。
京本も無事に美大を卒業していれば、アニメーションの背景担当になったのかも。
なぜ描き続けるのか?
マンガやアニメには現実逃避だけではなく、辛い現実を癒す力がある。藤野が自ら作った4コマの世界が生命を持ち、希望という形になって戻ってくる。
haruka nakamuraの音楽を聴きながら幕が下りる。明日への活力がみなぎってくる。
すばらしい
原作も藤本作品も全部好きなので、どんな映画であろうと観ようと思っていたが、予想以上に素晴らしかった。
特に主人公が京本にはじめて会って漫画を認められて嬉しくて走って帰ったシーンは心揺さぶられた。表情だけ見たら苦しそうで、からだも変なふうにねじまがってて、それがあまりに嬉しいからそうなってるんだ、というのがすごい表現だと思う。
あと、漫画の執筆シーンは原作より生々しいリアリティがあると思った。良いアシスタントが見つからなくて交渉するシーンは、過酷な漫画現場の一端を垣間見る感じでゾッとする。
マール社の「やさしい人物画」とかの定番の美術書とか、デジタルの漫画画材の数々とか、細かい道具とかも良かった。
シャークキックの単行本が複数巻のものがあるのは何でなのか、と思ったが、「重版」がかかったことを表す描写だと知って納得。
ただ、正直言えば映画で1時間弱の時間というのはやや物足りなく思った(特別料金1700円で鑑賞ポイント使えないし)。これはこれでテンポが良くて良いのだが、どうせ映画にするなら2時間くらいの話にしてもいいのではないかとも思った。
特にこの作品はたくさんの映画のオマージュが詰め込まれているので、ふくらませる余地はありそう。でも素人がいい加減なことを言うものではないな…。これはこれでいいのかも知れない。
入場者特典で原作の全ページのネームの単行本がもらえるというのは全然知らなかったのですごくうれしい。大切にしよう。
表紙裏に、「発表時から単行本収録において、一部台詞の表現を修正した箇所があります」との一文
そうだ、この作品、ジャンプ+の初掲載時の台詞が修正されたんだった。
言うまでもなくこの作品は京アニ事件がもとになっている。藤本さんのやり場のない怒り、悲しみ、後悔、苦しみを作品に叩きつけたのだろう。だからこの作品は胸を打つ。
初掲載時の台詞は精神障害者への差別を助長するということで変更されてしまったけど、そこでこの作品が京アニ事件がもとになっている作品だと言う要素も消えてしまった。
単行本版と映画版だと、犯人のセリフが「ネットに公開していた絵をパクられた」になっており、京アニ事件とのつながりを示唆したものになっている。
今の時代って無料コンテンツが溢れすぎてて、漫画やアニメに対する価値が相対的に低くなってる気がするんだけど、五分で読み終わってしまうような漫画も、描くのは一ヶ月とかとんでもない時間と苦労をかけて生み出してるかもしれなくて、そういう生み出す側の苦労を知ると言う意味でもこの作品はもっとたくさんの人に観てもらいたい。
全664件中、621~640件目を表示