ルックバックのレビュー・感想・評価
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あぁなんという素晴らしい映画を
私は今まで見ずにほったらかしていたのか。この映画に携わったすべての方に謝りたい。
小学生の藤野、7歳児の姪っ子の話し方とまったく同じ。私が気づいたのはそれだけだけど、きっと他にもこれと同じように気づく人は気づくこだわりが山ほど詰まっているのでしょう。それに直接は気づかなくても心に響く作用をしているのでしょう。こんなに丁寧な映画はなかなかない。
2時間以上に感じる58分
本作はめちゃくちゃ素晴らしい映画です。
本作を見た人のほとんどは長く感じ、たった58分の映画とは思えなかったと思います。
何故実際は短い映画なのに長く感じるかと言うと、映画内での時間の経過の表現の仕方が非常に上手いからです。
ただブツ切りに時間を経過させるのでは無くて視聴者も一緒に作中人物と一緒に時間経過した気にさせるからです。
こんな映画は他には無いです。
キャラクターの表情も素晴らしいです、他の映画だと登場人物の感情を分かりやすくセリフで表現しがちですが、この映画は表情だけでも痛いぐらいその感情が伝わってきます。
スティーブンスピルバーグは「面白い映画は音声を消しても面白い」と言っていましたが、この映画は実際に音声を消しても面白かったです。
音を消しても表情で感情が伝わるのです。
抽象的だけど甘酸っぱい物語。
上演時間1時間弱という点や漫画というところもあってぶっちゃけ舐めていた。
だがまさに「濃縮液」とも思われるほど濃密な映画だった。鑑賞時間の都合上前後編に分けて見たがいまだに分けたことを後悔している。
中盤(の途中)まではただの甘酸っぱい青春劇かと思ってみたが本当は違った。
京本は無差別殺人の被害者というポスターの画とは裏腹な設定にびっくりした。そして「戸の隙間からはいる」や
「藤野の作業しているときの姿」など様々な「ストーリとは違った」伏線回収にさすがと思った。これはアニメ、漫画の垣根を
越えてすべての人に「創作活動とは」「生きる・進路って」を問いかける多世代に向けたすばらしい作品だと言えるだろう。
京アニ事件、だから何?
2024年の映画評価が高い作品。
この作品が京都アニメーション事件を
元にしているのは誰にでも判る事です。
それは殺された共に漫画家を目指していた女の子が襲われた時の「俺の作品をパクったろう!」と言う台詞でも判ります。
事件が起こった時に被害者がいて、その人にも人生があった事は解ります。
でも事件が起きた事を描いて、悲劇を描いて、
だから何?なんです。
世の中に悲惨な事件はいっぱいあります。
それを忘れない為に描いたんですか?
それとも鎮魂ですか?
主人公の成長を丹念に小学生から描くなら
事件に遭ったから、そこを乗り越えて成長する姿が観たかった。
唯、友人が殺されて沈んでいるだけの主人公にして欲しくなかった。(妄想で犯人を倒す描写はありましたが)
私は見つからなかったですが、友人が殺されて、その先に少しでも希望がある描写はあったのでしょうか?
未来と現在、決して元には戻れないからこその決断の重要性を教えてくれる
クリエイティブな仕事における才能、情熱、そして人との繋がりを軸として物語が展開される非常に奥深いものでした。
単なる青春ドラマではなく、ビジネスの成長やリーダーシップの本質に通じるテーマが数多く見えました。
一見、対照的な2人の少女(藤野と京本)が、それぞれの得意分野や情熱を活かしてお互いに切磋琢磨しながら夢を追いかける姿はチームワークの在り方を描いているようでした。
藤野の行動力や結果に対するこだわりは、ビジネスで言えば「プロジェクトを前進させる実行力」。一方、京本の職人的な集中力や繊細な技術は、「製品やサービスの品質を高める専門性」と捉えることが出来ます。
何かを成し遂げるために必要なのは、才能やスキルだけではなく「人との相互関係」だということを教えてくれました。しかしながら、後半ではバランスが崩壊し、関係に亀裂が生じます。自分の力を試したい京本の気持ち、一緒にやっていきたい藤野の気持ち、両方のことが大切だと思う反面、どこかで人生にとって選択を迫られるものだと感じました。
結果的には人は一人では生きていけないものの、選択は自分自身で行っていく必要があります。そのときに信関係がどう働くのか、、、物凄く考えさせられる展開でした。
過去の決断が現在にどのような影響を与えるかを問いかける構成は、長期的なビジョンを見据える大切さと、目の前で前進していくために突っ走る行動力の両方が必要であることを教えてくれました。
創造性やチームワーク、時間の使い方を考えさせられるこの作品では、
時に立ち止まり「過去を振り返る」ことで、未来をより良いものにするヒントが得られる。そんなメッセージを儚さを含みながらも静かに力強く描いているそんな作品でした。
良いです。
河合さんが声をやっているの、後から知ってびっくりしました、プロの声優さんだと思っていたので、すごいです。
そしてチェンソーマンの作者さんのアニメと知ったのがきっかけで見ましたが、すごく胸がぎゅぅと締め付けられるけど暖かくなる映画でした。
あの時部屋から出ていなくても、違う世界線だったとしても2人は違う形で出会えていると思います。
でもあの時出会って、あの日部屋から出たからこそ京本が外の世界への希望を持てたと思います。
2人が過ごした時間に決して無駄な時間は一つもありませんでした。
最後は決意をして絵をまた書き進めていって終わったのが良かったです。
前を向かせてくれるアニメでした。
アニメの映像もすごく綺麗で、ずっと見ていられました。変なスキップよ田んぼを走るシーンとかすごく大好きです。
藤野歩
世界にたった一つしかない藤野歩名義のサイン
一度は止めた歩みを前に進めたきっかけが今度は「藤野キョウ」という天才の背中を押す
京本がいてよかった
本当によかった
様々な映画のオマージュが散りばめられた作品とのことだが、私がわかったのはリズと青い鳥だけだった
死んでいない状態を生きているとは言わない
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう(公式サイトより)。
ストーリー展開に若干無理めなところがあり(さすがに卒業証書は先生が持っていくだろうとか、たった1回の出来事で友だちを失うほど何年もデッサンに没頭できるだろうかとか)、群像劇によくあるプロットやモチーフが並ぶ。京本のフラグもなんとなく読める。
山場は、京本が凶行に襲われ荼毘に付された後、藤野が部屋を訪ねるシーン。そもそも自分が引き籠っていた京本を外に連れ出さなければ事件にあうことはなかった、あの時、思い付きで描いた何の役にも立たない4コマ漫画が描いてしまったことが、全ての引き金となったと落涙する藤野。
そこから場面は、あの時、出会っていなくて、一緒に漫画を描いておらず、藤野は空手を学び(たぶん強くなっている)、京本は美大で学んでいる、「都合の良い世界」に飛ぶ。「都合の良い世界」で描かれた京本の4コマ漫画が、結界としての扉の隙間からひらりと「現実」の藤野に届く。
幸か不幸か、わたしたちはたった1種類の、この「現実」を生きることしかできない。「都合の良い世界」では生きられない。この「現実」を生きるために、普通は生きられない「都合の良い世界」を創作して生きてこられた藤野と京本は幸いだ。創作の過去を振り返ることで、死んでいない状態を生きているとは言わないということに気づかされ、藤野はまた創作に戻る。
エンドロールの背景美術が夜景に染まっていくシーンは物悲しくも動的な萌芽を思わせる。京本が左利きなのも絶妙に良い。
これはアカン!
文芸映画並
1時間映画なのにハンパない
1時間で完成されたドラマティックストーリー
まさか見られるとは思わなかった。胸が熱くなる。藤野は最後まで、京本...
まさか見られるとは思わなかった。胸が熱くなる。藤野は最後まで、京本に嫉妬したことを話さない。空手のラストシーンはそれこそ漫画の夢だ。背中の凶器も含め。大事なコミュニケーションが4コマ漫画でやり取りされるのも素晴らしい。出なかったら死ななかっと嘆く気持ちもわかる。
1時間に込められた高い表現力と雄弁さ。
直向きな思春期のスピード感と熱量、直向きさ。そしてアニメーション業界のみならず社会を震撼させた、2度とあってはならない事件に対するオマージュ。
たった1時間なのに人生の大切な期間を雄弁に描けるチカラに、実写映画とは違うアニメーションのさらなる可能性を感じられた。
アニメ作品は積極的に観る機会はないものの、エールと良い余韻が残る作品だった。
つん、と立ち昇る女の子の汗感
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