ルックバックのレビュー・感想・評価
全746件中、541~560件目を表示
表題の多様な意味と誰もが通る才能と足るを知る事
2024年劇場鑑賞51本目 良作 63点
上映時間が58分と一般的な映画と比較して短い上に、鑑賞料金が年齢やサービスデイ等関係なく特別興行料金として一律1,700円という、思い切った売り出し方をし、いろいろな意味で2024年話題を産んだ作品
結論、普段サービスデイに年に100本以上鑑賞する身からすると、その料金と上映時間のダブルハンデを負った上に、個人的に世間の声ほどハマらなかったので、評価として香ばしい結末になった
内容としては、多感な幼少期から青年期になる間で感じる、才能と努力や他者と比べ感じる劣等感や高揚感、一人称で感じていたことも一面生に過ぎないこと、など簡単な言葉にしたら苦い青春ドラマである
表題の意味を詳しく調べてないし、おそらく考察した解答があるのだろうけど、大雑把に過去や追いかける背中という意味だとにわかに感じる
個人的には、同年日本公開のロボットドリームズの方が、全人類が感じる共通の経験を描いたアニメーションとして、過去の苦い経験や淡い心を洗い流してくれるような感動を感じたので、比較するのも野暮だが、こちらに軍配が上がる
配信されたし、また観ると印象変わるのかなぁ
何か自分も行動したくなる作品でした
凡人には分からない世界
【天才と秀才。二人は似たもの同士。】
藤本タツキ先生の大ファンなので、心の底から楽しみに、そして期待していた作品です。
ファンだから★5だと思われたくないのですが、これは藤本タツキ先生を知らなくても★5に成りうる超大作です。
原作は既読だったので、序盤の『京本』が『藤野』の帰宅を止めるシーンから、ボロボロ泣いてしまいました。
『京本』の声優[吉田美月喜]さんの訛りがかった喋り方は、引っ込み思案で変わり者の京本のイメージにピッタリでしたし、『藤野』の声優[河合優実]さんの自然体の演技のお陰もあり、良い意味でアニメアニメしてませんでした。
そして言わずもがな、作画やキャラデザが素晴らしい。
序盤の四コマがアニメとなるシーンは、原作と違う味を楽しめ、思わずフフっとニヤけてワクワクしてしまいました。
ここまでタツキ先生特有の人物画を映像に落とし込める技術は、天才の所業と言っても差し支えないでしょう。
物語を無理やり延ばすことはせず、鑑賞者と良い距離間で作品の良さを出せていました。本当に感服です。
藤本タツキ先生由来の小ネタが何個か有りましたね!
『藤野』と『京本』が見ていた映画が、「さよなら絵梨」のオマージュであったり、『京本』が美大で描いていた絵が「チェンソーマン」で出てくる扉であったり…。
そういう小ネタのおかげで、“原作者愛”がヒシヒシと伝わってきました!
夢を見ている者。夢に這う者。夢を諦めた者。全ての人に影響を与える映画なのでは無いでしょうか。
自分より優れた存在が現れても、負けん気で追いつこうとする『藤野』。絵を描くことに真剣かつ、純粋な『京本』。
二人が織り成す化学反応に、1時間弱の上映とは思えない程、浸ってしまいました。
身体中の水分を吸い取られて困りましたが、
藤本先生、監督、声優の[河合優実]さん、[吉田美月喜]さん、この作品に関わった全ての方々。
本当に感謝しか御座いません。有難う御座いました。
人生は“無限あみだくじ”
おれの眼球表面張力が暴発した🚰
思わず零れ落ちた涙、何味だったか当たった方には踊るヒット賞として、「真夏にまつわるもの」をお送りさせていただきます。
なんかこれ観て、人の人生って“無限あみだくじ”だなって思った。
人との出会いや、何喋るか、何をするか、その一つ一つでその人の人生、はたまた運命って無限に変わってくのかなーって。
それを神秘的にも捉えられた反面、めちゃくちゃ怖いなとも思えたし。
そんな大きなテーマ・メッセージを藤野と京本、たった2人の少女から教わったように感じた。
あと音楽が良かった❗️
秀逸な劇伴が、要所要所のキーとなる場面で流れてた印象←うるさいぐらいだったけど笑
あとあと、声優も良かったなー。
良い意味であんまアニメっぽくないというか、ふつーの女の子感?っていうのかな😅
んで調べたら、んまー今や人気沸騰中、こないだ観たあんのことでも凄まじい演技してた河合優実じゃあーりませんか!あなた声優もいけちゃう口なのね笑
兎にも角にも、このたったの58分に均一1700円は払う価値あり!💸
漫画もアニメどちらも良かった
手書きで描いてこそって思ったんでしょうね
非常に良かった。
ボクは早川と出会い雨の中帰路につくシーンの喜びを隠しきれず全身に溢れ出まくる嬉しさで飛んでるかもしれないってしれないってぐらい躍動する藤野のシーンが漫画で読んだ時にガツンと心を持ってかれたので
そのシーンが楽しみだったのだけど想像よりあっさりしていて、アレ?アレ?って思ってしまってからはどうも気持ちが落ち着いてしまって早く家に帰って漫画読み返して確かめたかった
映画が終わり即帰宅しルックバックを読み返したのですがやはりあのコマの感じた気持ちはままで、けど一体何が映画と違っていたのか決定的なものはわからなかった
とはいえ、すごくリスペクトを感じる映画化だったと思いました。
音楽はちょっとお涙誘いがチラついて少し耳障りに感じたので
もっとミニマルなものでも良かったのかもしれませんね
京本役の吉田美月喜さんの演技とても素晴らしかったです!
面白いんだけど、なんかモヤモヤした。
震えるアニメーション
藤野の4コマが本当に笑える
お互いが何年も知っているけど、実際会うのは初めてという緊張した場面での4コマ。
現実では亡くなった京本の部屋の前で、別次元の京本が書いて藤野に渡した4コマ。
緊張した場面でのふざけた4コマが最高に笑えるし、また喜びが伝わってくる。
漫画を通したコミュニケーションは、現実の漫画作者同士が連載の中で密かに行なっているのでは?と思うくらいリアリティがあった。魂の篭ったメッセージといった感じか。
原作を読んだ後に映画を見ると、あの癖のある絵がそのままアニメになって動いているようで、アニメーターの技術の高さに驚きました。
最近はどんな絵の原作でも(素人目ではありますが)、完璧に再現して、さらに上乗せして表現されているように思います。
原作者の藤本タツキ先生は、チェンソーマンでもそうですが、これまで世の中で表現されていなかった感情を漫画の中で表現しようとしているように感じられて、どの作品も心が揺さぶられるような感覚を与えてくれますね。
丁寧に丁寧に作られた高熱を持った映画
背中を見て。そして前へ進もう
私より絵が上手い子なんかいない。引きこもりのあの子には負けたくない。
よし!もっと上手くなろう。
でもやっばりあの子の絵はすごい。
失った創作への意欲。
でも実はあの子は私に憧れてたんだ。袢纏に書いたサイン。
再び始まる創作活動。
いつの間にかあの子は私の部屋で一緒に絵を描いている。
このシーンとても好きです。
藤野と京本。ひたむきに漫画を書く二人の物語。
そうだ、京本はずっと私の背中を追いかけて来てくれていたんだ。
さあ、もう一度歩き出そう。
不幸な出来事で夢絶たれた、同じ志を持っていた人たちへの鎮魂歌でもあったのでしょうか。
ルックバック。
素晴らしかったです。
僕のつたない文章ではこの作品の良さををどう伝えたらいいかわかりませんので、ここまでにします。
ルックバックの世界を表現した河合優実・吉田美月喜のふたり見事でした。
みんなに見てもらいたい映画です。
一時間に満たない作品ですが、想いが込められた素晴らしい作品でした。
いい映画を見ました
あの事件のオマージュにより
ネタバレになるのでレビュータイトルは書きません
評判がかなり良かったので、シネコンの一番大きなスクリーンで観てきました。
大きな画面に耐える画面でしたが、普通くらいのサイズのスクリーンでも十分に画面の良さは分かると思います。
絵を描く人たちの葛藤の話だと思ってみたら、恋愛映画でした。異論は許します。
絵柄が好みでないせいか私にとっては★4です。
最後のクライマックスの後は、届かぬ愛を届け続ける重さに苦しみました。
互いの才能に敬意を持ち・嫉妬し・望む自分を目指す二人の関係が、小学生から成人過ぎの期間で描かれていました。
私には恋愛映画に観えました。叶わぬようになった恋。
二人が別の道に進み別れ、突然一人がこの世を去り主人公は、友人の自分への思い・二度と会うことのできない友人への自分の思いの前に絶望します。二人が出会っていない世界を夢想して友人の死を回避することを図りますが、死の現実は変わりません。
友人に自分の絵をストーリーを漫画を魅せたくて漫画を描き続けていた主人公は、二度と会えぬ友人に向けて漫画を描き続けていく。
1時間弱のお話ですが、映画料金が高いとは思いわない良い作品でした。
原作者は天才
感動のあまりウルッときてしまった。
山形県の小学校の学校新聞で四コマ漫画を任される「藤野歩」(河合優美)は、同級生たちの賞賛を浴びることを無上の喜びとしている。ただ、斜に構えているところもあって、徹夜で考えたネタも5分でまとめたと友達には吹聴している。
担任から不登校の「京本」の漫画を新聞に載せていいかと訊かれ、内心不愉快だが、どうせ自分に勝てるはずがないと考えて承知する。だが、掲載された京本の作品の画力の高さに、衝撃を受ける。
同級生に自分より漫画がうまい者がいるのは許せないといきり立つ。それからはスケッチブックや技法書を買い込み、勉強もせず、友達遊びや家族の団欒も断ち、文字通り寝食を忘れてデッサンに打ち込む。だが、姉からは、父さんや母さんは口には出さないがお前を心配している、私と一緒に空手道場に通わないかと誘われる。友達からは、私たちもうすぐ中学生だよ、このままじゃオタクだと思われちゃうよと諭される。
いくら練習しても京本のレヴェルに追いつけず、ある日やーめたと漫画を諦める。友達遊びを再開して、姉と一緒に空手を習い始める。
小学校の卒業日、担任から京本に卒業証書を届けてくれと頼まれて、嫌々引き受ける(さすがに卒業証書授与は本人に学校に来させるか、担任が家庭訪問して行うのが普通だけど)。
玄関が開いていたので上がりこみ、廊下に山のように積み上げられたスケッチブックを目にして、京本も修練を重ねて画力をあげたのだと理解する。
その場で京本の不登校をからかうような四コマ漫画を描きあげるが、その紙を落としてしまう。漫画は奇跡のように子供部屋のドアの下に吸い込まれる。慌てた藤野は逃げ出すが、裸足で追いかけてきた京本(吉田美月喜)に、もしかして藤野先生ですか、ずっと前から尊敬してましたと声をかけられる。サインくださいと頼まれて、京本の半纏の背中にマジックで大きく「藤野歩」とサインする。なぜ漫画をやめてしまったんですかと訊かれて、実はコンクールに応募しようと思っている、だから四コマ漫画からは卒業したんだと出まかせを口にする。
有頂天になり、雪解け水の残る農道をスキップしながら帰宅。帰るなり、漫画を再開する。
中学校に進学した藤野と京本は、互いの家を行き来しながら、コンクールに向けた作品を1年がかりで完成させる。「藤野キョウ」のペンネームで『週刊少年ジャンプ』に応募して、見事佳作に入選する。
高校でも共作を続け、集英社の編集者から『ジャンプ』に連載してみないかと誘われる。だが、京本は美大に進んで絵の勉強をしたいと言い出し――といったストーリー。
きっと漫画をはじめクリエイティヴな分野で活躍している人は、多かれ少なかれ似たような青春を過ごしてきたんだろう。同じ目標を追い求める2人だからこそ、友情を超える絆が生まれた。京本が美大に進みたいと言ったのは、藤野と決別したいという意味ではなく、技量を上げてあらためて共作したいという気持ちだったに違いない。京本のように、優れた才能を持ちながら、志半ばにして夢断たれた人間が、この世にはいったいどれほどいることだろうか。
藤本タツキさんは『チェンソーマン』でしか知らなかったが、まぎれもなく天才だと思う。
子供のころを思い出させた映画
映画の評判が良いので見てきました。原作は未読です。
物心つく前から、紙と鉛筆を与えておけば大人しくしていた、という幼少期を送った自分としては、共感できるところも多かった。人見知りだったので、藤野よりは京本に近いだろうか。自己肯定感の低い子供だったので、自分より絵のうまい人なんていっぱいいるだろう、と思っていた。
見ていて羨ましかったのは、あんなにスケッチブックが買えていいな、という本題とは関係のないところ。デッサンはチラシの裏とか、ノートの余白に書いて、スケッチブックは画家で言うところの習作を描くためのものだった。スケッチブックに、もう描くところが無くなっても自分の小遣いではなかなか買えなかったし、親にスケッチブックが欲しいと言っても、絵ばかり描いてないで勉強しろ、と言われるのが落ちだった。
藤野の担任の教師も、藤野の漫画は認めていて、馬鹿にしたりはしない。私の小学生の時の担任は、私の絵を、絵画コンクールのようなものには選ばなかった。理由は、絵が達者なので、小学生らしくないから、だったようだ。小学生らしい絵って、何だ?と当時は真剣に悩んでいたが、今でも分からない。
担任が小学校の卒業証書を京本の家に届けるように頼むのも、京本が藤野に憧れているということを京本の親から聞いていて、小学生最後だし、会わせてやろう、なんて考えたのかもしれない、という空想もしてしまう。
小学校を卒業してからは、少し駆け足で話が進む。京本は死ななくてもよかったようにも思うし(京アニ事件の影響もあるらしいことが言われているようだが)、パラレルワールド的なIF展開もそれほどストーリーにマッチしているとは思わないが、不要とまでは言えないか。短編としてはすっきり纏まってはいないが、話として小奇麗に纏まると、青春の青臭さというか、そういう雰囲気も失ってしまう気もする。
アニメーションの動きはとても良い。最近見た中では『窓際のトットちゃん』位によかった。監督が動画をすべて手がけているらしい。これどれくらいすごいかは、アニメの制作に関わったことは無いので私には実感はできないけど。
もう一回くらい見てもいいかな、と思うくらいには気に入っていて面白いとは思うけど、傑作だとか、最近の表現だと、”心に刺さる”ようなことまでには至らなかったように思う。
そうなるには、私は年を取りすぎていて、色んな経験や知識が雑多に増えすぎているからかもしれない。
全746件中、541~560件目を表示