ルックバックのレビュー・感想・評価
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良い物語です
レビュータイトルにあえて「物語」と入れたのは、ともすればテーマ性優先で押し付けがましくなりかねないお話を、しっかり主人公二人の物語として描かれていたところが良かったから。
映画としては短い作品ですが、アニメーションとして、きれいな映像と日常系としてはメリハリのある動きで観ていて満足度も高く、音楽、キャラ、ストーリーとオススメできる良作です。
タイトルはルックバックですが、内容は前を向いて歩いて行くお話に感じられたが解釈ちがいか?この後、原作を読んで確かめたいと思う。
なお、今回思った。自分にとって星5の最後の一つは、たいてい「好き」ポイントなんだな、と。
何故、漫画を描くのか
その答えは作者様の中にあり、って感じですかね…。
主人公は陽気で人当たりも良さそうだから漫画を描かなくても要領よく生きていけそう。
なのに小学生にして、友達と遊ばず毎日毎日絵を描くことに明け暮れる日々。
周りが感じる幸せと、自分の中の幸せの形は全然違いますよね。
主人公の部屋に貼られてるポスターが何回か変わったのですが、すべて共通項がありましたね…
このストーリーにも関わってくるところだと思うんですけど、映画好きさんにはたまらないかなと思いました!
途中、泣きすぎて嗚咽が出そうになりましたが、全体的に静かな映画だったので
苦しかったです。
秀逸! ただ少々人を選ぶ。
秀逸な映画でした。
まず、タイトルが秀逸。
ルックバックという短いタイトルに、「私の背中を見てついてこい!」「行き詰まった時は過去を振り返って初心を思い出せ!」「背景にも刮目せよ!」と、いくつものメッセージが込められている。
映像に関しても秀逸。
綺麗な映像であるがそれだけでは無い。
ただ背中を見せて漫画を描いているだけの単調な場面を、背景の方を徐々に変化させることで時間の経過を示す。
努力という目に見えないものをスケッチブックの量という目に見えるものに変換する。
敢えて似たような画面を使い、差異でメッセージを伝える。
単調なのに単調では無いという矛盾。
音楽も秀逸。
昨今、歌詞でストレートにメッセージを伝える映画が多い中、楽曲で勝負。無音すらメッセージとしている。
シナリオもなかなか。
まあ、どっちかが死ぬんだろうな〜とは予想付きましたが、if展開がなかなかグッときました。
様々なオマージュも散りばめられており、中でも京アニ事件への追悼とアンサーにもなっていると思います。
そして何より、全編を通じて全力で伝えてくる「創作の苦しみと喜び」が胸に来ました。
「テクニック云々より取り敢えずひたすら描け!」「どんなものであれ完成させることが大前提であり、それが出来ない人がほとんど」「創作は苦しくて単調でつまらない作業がほとんどだけど、とにかく続けろ!」「評価されない冬の時代があっても、とにかく続けろ!」「続けられなくなったら、自分がなぜ創作を始めたのか、初心を思い出せ!」「その先に喜びがあるから創作はやめられない」「さあまた、産みの苦しみを続けよう!」
これは、個人的にはどストレートに突き刺さりましたが、
どんな些細な作品でもいいから、一度でも何らか創作を作り上げて、他人の目に晒したことのある人にしか分からないメッセージかもしれません。
その点では人を選ぶ映画かもしれません。
1時間にも満たない短編映画ですが、3時間ダラダラ見せられる映画より、グッと中身の濃い、良い映画でした。
全体としては、非常に秀逸なのですが、少々見る人を選び、万人には勧められないと思うので、星4にしておきます。
絵に命が懸けられる人たち
原作を読んでいたので、早くから感情が先走りして涙があふれっぱなしでした。
アニメの再現性はすごくよかったです。
漫画の連載て、すごく過酷です。現在はタブレットで描くことで多少作業は省略化はできているでしょうが、無から1本の線を生み出して描き連ねていく作業の負担は、手書きの頃からそんなに改善されていません。活字なら口述筆記という手もありますが、漫画は漫画家さんが身を削って描かないと作品にならないのです。
手塚さんも石ノ森さんも、ほんとに寝ないで漫画を描いていたから、60歳でお亡くなりになりました。
そんな過酷な作業をどうして通づけるのか、それは根本的に絵を描いて動かすのが好きなんだ、からだと思います。そんな、漫画家の絵に対する情熱を見事に表現してくれた原作であり、さらにそれに別の命を吹き込んでくれたアニメでした。
動く絵か止まっている絵か、藤野と京本の絵に対する生き方の違いが、二人の道を分けたけれど、二人の絵に対する情熱は尽きることがなかったんでしょう。
一つ残念だったのは、藤野が京本にファンと告げられて別れた後のシーン、あそこはワンカットで動かしてほしかった。藤野の高揚していく心が弾ませる体を一連の動きで見せてほしかった。
それこそが漫画にはできないアニメならではの表現だと思うので。
無駄なく
原作の無駄のない話を、無駄に話を足したりなどせずに映像化したところは良かった。あの話で映画一本?と思ったが、この短さでやるのかと。
1700円均一という値段設定はどういう意図かわからんが、その価値はあったと思う。
評価は私が思った星の数で、漫画を読んだ時に、凄い作品を見てしまった、、という凄い衝撃だったので、勝手にそれを超えるものがあるかと期待しすぎた結果、この星になったかと。
個人的に、漫画を越えてなかった。漫画の時の衝撃はなかったということで。
何か自分も行動したくなる作品でした
漫画(絵を描くこと)をモチーフとして、二人の少女の交わりを、心の機微を丁寧に描いた良い作品でした。
原作既読ですが、原作へのリスペクトを感じ、随所で原作者の他の作品を思わせる絵を入れる遊び心?サービス?も楽しかったです。
私自身は何かをクリエイトする仕事や趣味には携わっていないのですが、絵を描く人には勿論、何かしらのクリエイターの方々には、より響く作品なのではないかと考えます。
つまるところ、とても面白く、心動かされました。
凡人には分からない世界
高評価だったので、期待して鑑賞したが、私が漫画苦手なのでイマイチ刺さらなかった。
豪華な豪華な漫画を読んでいるような感じ。主人公の声が大人っぽすぎて、子供らしさが全くないのが違和感を感じた。
背景の絵が美しく、特に田舎の街並みがうちの近所かな?と思うほどリアルに描かれていて素晴らしい。
子供の頃から絵を描くことだけに全情熱を注ぐ二人の友情物語。天才的な才能+努力と熱意のあるものだけがなれる漫画家の世界を覗くことができた。
前半は面白かったが、後半はあまり好きではなかった。
【天才と秀才。二人は似たもの同士。】
藤本タツキ先生の大ファンなので、心の底から楽しみに、そして期待していた作品です。
ファンだから★5だと思われたくないのですが、これは藤本タツキ先生を知らなくても★5に成りうる超大作です。
原作は既読だったので、序盤の『京本』が『藤野』の帰宅を止めるシーンから、ボロボロ泣いてしまいました。
『京本』の声優[吉田美月喜]さんの訛りがかった喋り方は、引っ込み思案で変わり者の京本のイメージにピッタリでしたし、『藤野』の声優[河合優実]さんの自然体の演技のお陰もあり、良い意味でアニメアニメしてませんでした。
そして言わずもがな、作画やキャラデザが素晴らしい。
序盤の四コマがアニメとなるシーンは、原作と違う味を楽しめ、思わずフフっとニヤけてワクワクしてしまいました。
ここまでタツキ先生特有の人物画を映像に落とし込める技術は、天才の所業と言っても差し支えないでしょう。
物語を無理やり延ばすことはせず、鑑賞者と良い距離間で作品の良さを出せていました。本当に感服です。
藤本タツキ先生由来の小ネタが何個か有りましたね!
『藤野』と『京本』が見ていた映画が、「さよなら絵梨」のオマージュであったり、『京本』が美大で描いていた絵が「チェンソーマン」で出てくる扉であったり…。
そういう小ネタのおかげで、“原作者愛”がヒシヒシと伝わってきました!
夢を見ている者。夢に這う者。夢を諦めた者。全ての人に影響を与える映画なのでは無いでしょうか。
自分より優れた存在が現れても、負けん気で追いつこうとする『藤野』。絵を描くことに真剣かつ、純粋な『京本』。
二人が織り成す化学反応に、1時間弱の上映とは思えない程、浸ってしまいました。
身体中の水分を吸い取られて困りましたが、
藤本先生、監督、声優の[河合優実]さん、[吉田美月喜]さん、この作品に関わった全ての方々。
本当に感謝しか御座いません。有難う御座いました。
美しい背中に魅せられた
原作には無く、アニメーションならではの表現がとても効果的だと感じた、主人公の感情の揺れ動きはアニメーションならではの表現だなと感じた。
創作活動の美しさ、希望を見事に描いてくれた作品。
人生は“無限あみだくじ”
おれの眼球表面張力が暴発した🚰
思わず零れ落ちた涙、何味だったか当たった方には踊るヒット賞として、「真夏にまつわるもの」をお送りさせていただきます。
なんかこれ観て、人の人生って“無限あみだくじ”だなって思った。
人との出会いや、何喋るか、何をするか、その一つ一つでその人の人生、はたまた運命って無限に変わってくのかなーって。
それを神秘的にも捉えられた反面、めちゃくちゃ怖いなとも思えたし。
そんな大きなテーマ・メッセージを藤野と京本、たった2人の少女から教わったように感じた。
あと音楽が良かった❗️
秀逸な劇伴が、要所要所のキーとなる場面で流れてた印象←うるさいぐらいだったけど笑
あとあと、声優も良かったなー。
良い意味であんまアニメっぽくないというか、ふつーの女の子感?っていうのかな😅
んで調べたら、んまー今や人気沸騰中、こないだ観たあんのことでも凄まじい演技してた河合優実じゃあーりませんか!あなた声優もいけちゃう口なのね笑
兎にも角にも、このたったの58分に均一1700円は払う価値あり!💸
漫画もアニメどちらも良かった
手書きで描いてこそって思ったんでしょうね
非常に良かった。
ボクは早川と出会い雨の中帰路につくシーンの喜びを隠しきれず全身に溢れ出まくる嬉しさで飛んでるかもしれないってしれないってぐらい躍動する藤野のシーンが漫画で読んだ時にガツンと心を持ってかれたので
そのシーンが楽しみだったのだけど想像よりあっさりしていて、アレ?アレ?って思ってしまってからはどうも気持ちが落ち着いてしまって早く家に帰って漫画読み返して確かめたかった
映画が終わり即帰宅しルックバックを読み返したのですがやはりあのコマの感じた気持ちはままで、けど一体何が映画と違っていたのか決定的なものはわからなかった
とはいえ、すごくリスペクトを感じる映画化だったと思いました。
音楽はちょっとお涙誘いがチラついて少し耳障りに感じたので
もっとミニマルなものでも良かったのかもしれませんね
京本役の吉田美月喜さんの演技とても素晴らしかったです!
面白いんだけど、なんかモヤモヤした。
ストーリーとしては綺麗なんだろうけど、
映画館でみると値段とのコスパ(尺も含めての)を考えると物足りなさがあった。
あの花チームのアニメは、映画館で見るに値する作品でそこと比べると評価は少し落ちちゃう感じかな。
アニメものは評価が高くなりがちなんだよね。
震えるアニメーション
シンプルだからこそ震えました
内容はすこぶるシンプル
一言でいえば青春
ただしぶっ飛んでる。
青春を1時間見せられて語られて楽しいだろうか?いや、羨むだけだと思う。
それを
ストーリー、作画のみのもので震えた
(作画と言ってるが音楽、リズムそれら踏まえてのもの)
それと、映画館でこそ震えた理由と思ってます。
なんか、目線がドンピシャに合うんです。最初から画面の中に引き摺り込まれてました。
震えた映画アニメーションです
藤野の4コマが本当に笑える
お互いが何年も知っているけど、実際会うのは初めてという緊張した場面での4コマ。
現実では亡くなった京本の部屋の前で、別次元の京本が書いて藤野に渡した4コマ。
緊張した場面でのふざけた4コマが最高に笑えるし、また喜びが伝わってくる。
漫画を通したコミュニケーションは、現実の漫画作者同士が連載の中で密かに行なっているのでは?と思うくらいリアリティがあった。魂の篭ったメッセージといった感じか。
原作を読んだ後に映画を見ると、あの癖のある絵がそのままアニメになって動いているようで、アニメーターの技術の高さに驚きました。
最近はどんな絵の原作でも(素人目ではありますが)、完璧に再現して、さらに上乗せして表現されているように思います。
原作者の藤本タツキ先生は、チェンソーマンでもそうですが、これまで世の中で表現されていなかった感情を漫画の中で表現しようとしているように感じられて、どの作品も心が揺さぶられるような感覚を与えてくれますね。
丁寧に丁寧に作られた高熱を持った映画
自分は特別な存在だと信じていたあの頃。
自分には才能など無いと気がついたあの日。
それを手に入れたくて手に入れたくて必死だった時間。
築き上げた物の中で、才能だけでは生きていけないことを知った昨日。
それでも生きていかなければいけない今日。
1時間という短い時間の中で振り返ってみた人生は、あまりに鮮烈で痛い。
漫画に忠実に、丁寧に丁寧に作られた作品。
その静かな映像と音楽の中に、線香花火の蕾のような、高い熱を持った芯を見る1時間だった。
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