「私の人生を変えた藤本先生・押山監督に心からの感謝を」ルックバック けいさんの映画レビュー(感想・評価)
私の人生を変えた藤本先生・押山監督に心からの感謝を
なんで絵を描くんでしょうね。描きたいから描くんです。京本も藤野も、違う人生を歩んだとしても、やっぱり描いてしまうんです。
そういう風にプログラミングされて生まれたのかもしれません。そのせいで悲しくも苦しくもなるけど、何かを成したい、諦めたくても諦められない衝動というのは、呪いではなく宝なのだと、30を過ぎた頃から思えるようになりました。
押山監督は舞台挨拶で、人生讃歌の物語だと思うとおっしゃっていました。創作を愛する人に特に刺さる物語だと思いますが、そうでない人にもそれが伝わるといいな。
ジャンプ+でルックバックが発表された年、押山式作画術を読みました。翌年の2022年、私は諦めたはずだった絵を仕事にしました。細々とですが今日までやっております。
この2つの本がなければ、私は今も諦めた夢に胸を焦がしていたと思います。
そして2024年、まさか押山監督によるアニメを見ることができるとは。運命的だと感じてしまいました。
完全な漫画が完全なアニメになっていました。
ひょっとしたら漫画の青さを、不完全な部分を不完全なままアニメにしてくれていたと言った方がふさわしいのかもしれません。
鑑賞後、拍手をしたいと強く思いました。誰かが手を叩いてくれたので、私もそれに続くことができました。最初に拍手をする勇気はないのに、拍手をせずに席を立てない、そんな気分でした。
舞台挨拶で押山監督がタイタニックをずっと流しながら、特に最後の楽団のシーンを見て作業をされていたとおっしゃっていましたが、私はルックバックを流しながら作業することなるでしょう。
流石に漫画を読みながら絵は描けませんので、アニメにしていただけて良かったなと思いました。
これからずっと私を励ましてくれる映画です。
藤本先生、アニメに携わったみなさま、本当にありがとうございます。
私は創作を生業とする者ではありませんが、40前から踊りを始めました。理屈無しに何かに打ち込むということの素晴らしさをこの歳で感じています。
描きたいから描くを生業にされた勇気、尊敬します。
大吉さん>コメントありがとうございます。この作品、ハートにぶっ刺さる人が多い一方で、そうでもない方も結構いますね。刺さる人と刺さらない人を、創作をする人しない人で単純に区別できませんし、好みかどうかでそうも評価が分かれるタイプの作品かなあと思うので、そこの差はいったい何なんだろうなあとまだ答えが出ません。
カルチャーというものは人生を豊かにしてくれますが、たぶん生きるのに最低限必要なものには含まれないので、転職活動をした2022年前半…戦争のニュースばかりの頃、藤野のように「なぜ描くのか」は考えました。世の中が乱れれば、何も役に立ちません。それでも、藤野は京本に、京本は藤野に力をもらったし、私は漫画と映画から力をもらいました。日々向き合っていることが、身近な人や知らない誰かを助けるかもしれないって思うと、「頑張ろ」って思えるのは、あらゆる分野に共通することかなと思います。
Mさん>ありがとうございます。御覧いただけないかもしれませんが一応コメントします。自分は社会に出て色々な経験をしても、憧れが燻って鎮火してくれなかったので、きっとこの気持ちは自分をどこかへ運んでくれるのだと考えるようになりました。思い描く形で花開くとは限りませんが、きっと人生を豊かにしてくれるものだと思います。レビューで紹介した押山式作画術には監督の経歴や精神論的なことも多く書かれており、実力不足を自覚している私に業界に飛び込む勇気をくれました。必要なのは実力より勇気、ということもあるかもしれません。数分間のエールを、とても面白そうなので観ます!最近クリエイター向けのアニメ作品が多い気がします。ありがたいです。
絵をお仕事にされている、とのこと。
畏敬の気持ちとうらやましい気持ちがないまぜです。
先日見た「数分間のエールを」にもあったのですが、スケッチブックが積み重なっていく場面を見ると、自分も負けられないな、と思ってしまいます。
けいさん、よい漫画、よいアニメに巡り合うことができてよかったですね!