「大泉洋さんの過去イチ!& 長尾謙杜さんの出世作の予感」室町無頼 たずーさんの映画レビュー(感想・評価)
大泉洋さんの過去イチ!& 長尾謙杜さんの出世作の予感
1/17公開は気になる映画がたくさんでこの日も1本『室町無頼』。
主要キャストがことごとく素晴らしかった。
「大泉洋っていい俳優だわ」と思わされるのは『駆込み女と駆出し男』から“探偵は…”を除けば時代劇なのよ。今回の兵衛は大泉洋さん史上最高に渋くてカッコよかった。
カッコよかったと言えば、松本若菜さんの啖呵には痺れた。
「下から見た顔は10年後の顔。お前は下からでも変わらず美しい」みたいなことを兵衛は言ってたけど、あの言葉がラストシーンの伏線だったとは。(あのシーンを観ているときには、その膝枕羨ましすぎるわ!としか思ってなかったっす)
そして、若菜さんのおヘソ(とお腹)はとても美しかった!
散々言われてるかもだけど、この映画、「大泉洋主演」は興行のための看板で、その実は長尾謙杜さんが演じた才蔵の成長譚だったのでは?中でも修行シーンはアクション映画として出色で、アクが強い柄本明さんの演技もこの役にはズバリハマってた。昔観たカンフー映画のよう(酔拳におじいちゃんいなかった?)。予告編にも使われていた桟橋に両足でダン!と着地する画はベストカットかも。
宣伝番組なんかで取り上げられていて期待してた屋根の上での格闘シーンに関しては、個人的には『八犬伝』の大屋根シーンの方が上だと感じた(初見の印象なので、見比べてみたらどうかはわからない)。ちょっと吊られてるっぽさ出てる気がして、もう少しカメラワークをがんばってほしかった。屋根から飛び降りて六尺棒を握り直すまでの動きはカッコよかったね。
長尾さんって初めてみた人だけど、ご本人にとっての役者としての成長譚にも欠かせない作品になりそう。
堤真一さんに北村一輝さんをはじめ語りたいことはまだまだあるけど、まずはこの辺で
あ、入江監督、『あんのこと』からの振り幅よ!カッコいい時代劇をありがとうございました!