「あり得ると知ってたはずの、見知らぬ時代劇」室町無頼 路傍立石さんの映画レビュー(感想・評価)
あり得ると知ってたはずの、見知らぬ時代劇
凄絶な飢饉の悲惨さ
一揆や焼き討ちを“仕掛ける側”の目線
棒術使いの兵法家
シリアスでアクションもできる大泉洋
一つ一つの要素には既視感があったり知識としては知っているものも少なくないのだけど、組み合わせの妙で馴染みがあるような気がするのに新鮮に見られる、という不思議な感覚の連続
スケール感、迫力、盛り上げ方の表現が上手くて没入感、満足感がとても高く感じられた
難があるとすれば「十一人の賊軍」でも感じられた「本当はもっと掘り下げがあったんだろうな」という、人物描写やストーリーの一部が切り欠かれたような“ぶつ切り”感が、やや強かったこと
小説を原作として二時間前後の上映時間にまとめることの難しさなのかもしれないけれど、そこで没入感が些か損なわれてしまったのが口惜しい
とはいえ「それはそれとして」とばかりに殺陣のアクションがかっこいいので、その辺りで評価が分かれそうな印象はある
ともあれ、エンタメとしての満足度はとても高かったように感じられたし、アクションの派手さ、群衆の規模の大きさが生む迫力など映画館で見ることをオススメできる映画だと思う
コメントする