「薄味」室町無頼 水原秀策さんの映画レビュー(感想・評価)
薄味
大泉洋の善人ぶりが鼻につく。薄っぺらで魅力がない。途中で「いやあ、止めようと思ったんだけど、うまくいかなくて」みたいな言い訳するとこがよかったのでああいう小狡さを前面に出したほうが深みがでたのでは?
彼に限らず出てくるキャラクターがみな一面的でしかもどこかで見たようなものばかり。
マカロニウェスタン調でやろうとするのはわかるし、腕がちぎれたり屋根をぶち抜いたりするのは楽しかった。ただ、やり方が中途半端。話のトーンがウェットすぎる。もっとドライにしてくれないと。結果、マカロニウェスタン調の劇伴が浮き上がって聞こえてしまう。
京都での攻防戦にもアイディアが足りない。一揆側の作戦がうまくいきすぎてるし、さらにはその作戦がショボい。細い木枠を倒すやつとか。あんなの何の効果があるんだろ。もっと知恵を出して考えるべきだった。
アクション自体は頑張ってはいた。が、アクションとアクションのつなぎが悪く、なんでそうなるの?みたいなケースが散見された。
殺戮戦をやってる最中に「証文が焼けた」とみなが踊り戦いが中断するとこなどがその例。なぜ止まるのかボヤッとしてる。「証文が焼けた」の声にそれまで静観していた民衆が雪崩れ込んできて武士たちがあっけに取られるという展開、これが正解だろう。もしかすると演出のせいかもしれない。
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