「蓮田兵衛は「民のために税を使え」と言う。もし兵衛が現代ニッポンを見たら同じことを言うに違いない。(追記)エンドと思うとなかなか終わらない (^^)。」室町無頼 マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
蓮田兵衛は「民のために税を使え」と言う。もし兵衛が現代ニッポンを見たら同じことを言うに違いない。(追記)エンドと思うとなかなか終わらない (^^)。
映画を見ていて、民を軽んじる室町幕府が、民意を無視する現代の政治家と重なった。
国民の声を聞かないと,蓮田兵衛ひきいる軍勢が国会議事堂になだれこんじゃうゾ。
例えば,きのう 1 月16日(木)から政府がガソリン補助金を5円縮小した。 コレに伴ないガソリン代が5円値上げされた。
主要7か国のほとんどでは既に補助金を打ち切っていて、そうしたガソリン補助金の廃止という国際的な動きに日本も追従するために今回の廃止となったとのこと。
これに対し多くの国民は「補助金を縮小するのはまだ早い、今じゃないでしょ」と思ったハズだ。
蓮田兵衛ならきっと 「た,たわけ~い、民の声を聞かんかあ (`Д´)/。 国民が物価高に苦しんどるのにナゼ今ガソリンの補助金をやめるんじゃ?
日本は先進7カ国の中で唯一過去30年間、GDP成長率と賃金上昇が停滞しとるのに、ガソリン補助金の廃止の理由を主要7カ国が廃止してるからとするのはオカシイじゃろー」 と言うに違いない。
ホントはニュースの受け売り (^^)。
話は変わるが、蓮田兵衛の名前が歴史上たった1行しかないのに、そこからこれだけ壮大な物語を創造する作家には舌をまく。いやスゴイものだ。
原作を読んだときは、才蔵の修行と飛び抜けた天才的才能のところが面白かった。
今回才蔵を演じた長尾謙杜さんの殺陣が素晴らしく見ごたえがあった。他の時代劇で棒術使いの役で出たら見たいと思う。演技にはまだ伸びしろがあって、これからに期待だ (つまりイマイチ (^^) )。
長尾さんの殺陣も良かったが、大泉洋さんの殺陣もコレがまたスンバラしかったヨ。 大泉洋の無双ぶりをもっとたくさん見たかった。
特に堤真一さんとの戦いの場面も、途中で邪魔が入って引き分けなんて事にして、もっと見たかった。
蓮田兵衛と骨皮道賢、かつての盟友が今は袂を分かち、敵として相対峙して争う運命には悲しいものを感じる。
ただ、も少し2人でつるんでた時のエピソードでも有れば、より運命の悲しさが際立ったと思う。映画ってなかなか時間的制約があるからのう。
一揆の戦乱のところは大迫力で、特に大量のタイマツのうねりは見ごたえがあった。
だけど物語としては、蓮田兵衛が一揆の総大将になる展開が唐突な感じがしたし、一揆の軍勢に後からどんどん仲間が増えて大軍になった様も、えっ,いつの間にそんな段取りしてたのって感じで違和感がを感じた。
松本若菜さーん (^_^)/~~~~~~~~。
先日終わったTVドラマ「わたしの宝物」以来の大ファンである。だからもっとたくさん出番が有ったら良かったのになとは思う。だけど、遊女がらみの話は要らなかったと思ったりもする。
この相反する気持ちはどうしたらよいのでせう。
最後に、古文書の記述とは違い、実は2人は逃げて生き長らえたんじゃないかな、なんて空想すると嬉しい気持ちになるのであったヨ。
(追記)エンドと思ったらなかなか終わらない。
一揆の目的が幕府打倒ではなく、高利貸しの証文焼き捨てと妻と娘の奪還なので、なだれ込んで目的達成したところで終わりかと思ったし、それでいいと思った。
しかし、ここから映画がなかなか終わらない。正確にはもう終わりかなと思うと何度も終わらない。
例えば、才蔵が今頃やっと登場かってタイミングで登場して大活躍する場面。殺陣は見ごたえがあったけど、編集でもっと一揆の最初のほうで活躍の場を持ってきたら盛り上がったと思う。
僕は「才蔵、遅えよ、ナニ今さノコノコやって来てんだ」と思った。
また戦闘で盛り上がってるところに酔っ払いが御輿に乗って登場する場面も、カンザシの復讐を入れたかったのだろうが白けてしまった。
蓮田兵衛と骨皮道賢の対決も一揆後の川原に持ってくるからナカナカ映画が終わらない。
ここで終わると思いきや、応任の乱で骨皮道賢が打ち首になる場面まである。
さすがに終わりかなと思ったら、後日談で松本若菜が出て来た。 僕はテンション漠上がりでスゲー嬉しかったが、映画としては蛇足だと思った。長尾謙杜くんファンも最後に凛々しい才蔵が見れて嬉しかったと思う。
やっと終わり (^^)。