「安易なワイヤーアクションで長尾謙杜の努力が台無しに!アクション監督出てこい! 誰か「痛快アクション時代劇」を作ってほしい。」室町無頼 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
安易なワイヤーアクションで長尾謙杜の努力が台無しに!アクション監督出てこい! 誰か「痛快アクション時代劇」を作ってほしい。
本格時代劇で、良く有る江戸の戦国時代でなく、舞台は室町時代。
日本史上初めて武士階級で一揆をおこした人物の人間的な魅力と半生を描く。
大泉洋が好演。
彼に拾われ戦いの技も人間としても大きく成長していく青年を演じた長尾謙杜も良かった。
一応面白かったのですが、色々気になってしまうことも…。
まず冒頭、大泉洋登場の時、役人2人を死体の山に突き落とす。
周りに役人は何人もいるのに、誰もやっつけに来ない不思議。
ここは、役人連中が寄ってたかってくるのに、刀を使わず、素手で全員やっつけるのが定石でしょう?
かえるを連れて村に戻ると、悪党に襲われている。
ここは、かえると二人で、村を守るため、バッサバッサと次々にやっつけるのかと思えば、なんと、アクション全カット!
次のシーンでは戦いが終わってる!
なぜ?
冒頭の見せ場になると期待したのに。信じられない。
全体で、大泉洋の殺陣のカタルシスが得られるのは、最初の関所破りくらい。
それ以外のアクションはほとんど印象に残っていない。
なぜアクションシーンを端折るか。
アクション、殺陣を出し惜しみしてるように思える。
クライマックスでは、安いミエミエのワイヤーアクションで長尾謙杜の努力が台無しに!
アクション監督出てこい!
これを見逃した監督も、併せて責任重大。
そして、ラスト。
悪党の公家をかんざしで一突き、絶命。
なんで、真正面から一刀両断!しないか。
かたき討ちでいい感じにしたかったのだろうけれど、スカッとしない。
そして、戦いの最後に、門に何か「たいそう意味ありげ」に書付を貼り付ける。
矢まで放って。
そしてめくれたら「無頼」?命がけの末にそれ?何のこっちゃ?
何か歴史的な意味や、男の生きざまとかあるの?全くわからん。
全身創痍の主人公は、ライバルと一騎打ちで絶命、その志は青年に引き継がれる。
これって、いい話?
頼むから、誰か「痛快アクション時代劇」を作ってほしい。
泣かせやシビアな結末はいいから。
悪者バッサリやっつけて、無頼の放浪の旅に出ればいいのではないか。
なぜ、泣かせにいかないといけないの?
ほとんどは私の個人的な嗜好だけかもしれません。
世の中とかなりずれてきているのかなあと感じる今日この頃でした。