Cloud クラウドのレビュー・感想・評価
全186件中、1~20件目を表示
黒沢清監督は我々とは違う視点で世界を見ることができるのではないか。
菅田将暉さんが演じる主人公が転売で大金を手にし、都会のアパートから湖の畔の新居へ引っ越してから物語世界は、まるで野心に燃える貧しい青年の恋と転落を描いた1950年代の人間ドラマのような、「ダーティハリー」などの70年代のバイオレンス・アクションのようなテイストを帯びます。
すると、緑の多い美しい風景の中で、古川琴音さん演じる恋人との甘い新生活がスタートすると思いきや、当時のアメリカ映画を見ている者は、湖で何かが起きるのではないか、恋人との関係性が豹変するのではないかと邪推してしまうでしょう。
さらに集団の狂気がピークに達する後半のクライマックスも、主人公の勤務先だった会社社長を演じた荒川良々さんがカウボーイか盗賊団の首領に見えてきて、まるで乾いた西部劇のような様相を呈するのです。
黒沢清監督が70歳を前にして、本作は「どうしてもやりたいことを割と素直に実現できた、その最たるものかもしれない」と述べており、映画史への造詣の深さも堪能することができる、破壊と混沌の映画となっています。
黒沢清監督作品にしては“黒さ”が足りない
中堅・若手のメジャー俳優を多数揃えた豪華な座組ではある。それぞれが役に入り込んで熱演しているが、菅田将暉や窪田正孝らスターたちにはどことなく“陽”のオーラが残っているというか、かつて黒沢組常連だった役所広司や西島秀俊が漂わせる底知れぬ闇がじわじわと背景をもどす黒く侵蝕していくような、要所要所でフレームを支配するダークさが足りない気がするのだ。
2020年の「MOTHER マザー」でデビューした奥平大兼は今や超売れっ子で(2023年の映画出演作は4本、2024年は本作含め3本)、主人公の吉井に雇われる佐野の得体のしれない存在感がいい。黒沢監督作との相性が良いように思うので、今後も起用されることを期待する。
スタイリッシュさとは対極にある終盤の撃ち合いのシークエンスは、素人が銃器を持ったらこんな感じだろうなというのが伝わってきて、あの野暮ったさや、彼らがあっさり撃ち殺される無常感が個人的にはよかった。あのアクション演出にはもちろん賛否あるとは思うが。
フレー厶の抜群さ
不思議な展開
転売ヤーの実態に切り込んだストーリーを期待していたせいか、転売屋の闇や核心に迫ることなく 後半の銃撃戦に突入したように感じた。復讐、嫉妬、自分の意のままに操りたい、憂さ晴らし、暇つぶし、変質者・・・ネットを通じて無関係な者たちが集まり“悪”を成敗するために悪行を働くという話は理解できなくもないのだけれど、主人公も敵役も抜けている面がどうしても目についてしまった。PCや商品の管理をはじめ 色々杜撰すぎて危機感が感じられないというか。
結局のところ、転売ヤーは正義で強者なのか。悪なのか。それとも、邪魔者扱いされながらも日々を生き抜く雑草のような存在として描きたかったのか。視聴者の興味がありそうな題材として祀り上げられた単なる犠牲者か。
とは言え、豪華なキャスト陣のパワーもあって面白いは面白い。得体の知れぬ 恐怖感はあった。
ただ、私的には 青少年にはあまりお薦めしたくない内容だった。若い人たちは 残忍なコンテンツに見慣れていて何とも思わなかったり、新鮮味に欠けるのかもしれないけれど。暴力や殺し合いがあっても 教訓を得られるような物語だったら まだ良かったなと思う。
エンターティーメントとして
何故か評価されていて、ファンも多いので言いにくいですが
はじめに言っておきます。
俺は黒沢清監督が嫌いだ!
監督作品を観て良かったと思った事が一度もない!
過大評価されている一人だと思ってる。
思わせ振り監督とも思ってる。
ファンの皆様ごめんなさい。
正直、話の内容的には酷い!破綻している!
ツッコミどころも多々ある。
なんでを佐野がコイツのところを選んでバイトに応募してきたのか?
なんでコイツが働いていた工場の社長や
町工場の社長に恨みを買ってるのかが不明
町工場の社長なんて、安く買い取られただけだし、
おの値段で嫌なら売らなければいいだけの話だし
ただの逆恨みでしかない。
なんで見られたくないPCにパスワード設定してないの??
PCを無断で見たのがバレてグビにされた佐野が、
なんで助けに来るの??
なんでコイツにこんなに忠誠的なの??
しかも組織って何?そんな組織に入ってるような人がバイトに来る??
組織に入ってたプロのはずなのに、二度も命の危機に合う。しかも素人相手に!
急に恋人が最後に命を狙ってくるし
行き当たりばったりで、後付け設定したとしか思えない脚本
後は個々に考察して、といった感じだが、実は何も考えてない。
こうやって思わせ振りにしておけばイイと思ってる
でも、そういう事を気にしなければ、
今回は普通にエンターティーメントとして楽しめた。
エンターティーメントとしては暗いけどね(苦笑)
役者さんオファー受ける時、内容確認しなかったのか!?
自宅レイトショー『クラウド』#Amazonプライムビデオ
公開時に菅田将暉主演で転売ヤーの話って事で気になってましたが・・・
レビュー見てスルーしてまましたが、早々にアマプラで観れたので鑑賞
しかしこの作品の出演者がヤバイくらい豪華!!
序盤は面白い感じでしたが、中盤から何を見せれられてんだ状態@@
役者さんオファー受ける時、内容確認しなかったのか!?
今回の出演者で別の作品撮って欲しい
不気味が残る
職人技
黒澤清とジャンル映画の距離感が面白かった。
湖畔の屋敷といえばサスペンスもの。停電したり不気味な人影はホラーもの。銃でバンバン人が死ぬのは西部劇かアクションもの、そしてラストはやくざもの。
ジャンル映画には観客と監督との間に約束のような暗黙の了解があるから、観客は安心して楽しめる。
ジャンル映画特有のマジックによって、観客はこの時ばかりと単調な日常生活から逃れ、スクリーンの映像とストーリーを満喫するのだ。
面白い映画は、こうしたジャンル映画にその時々の社会状況やテーマを織り交ぜて巻き直すことで、観客に新鮮な感覚を与える。
本作も、転売ヤー、闇サイト、嫉妬やマウント、晒し上げ、無敵の人などなど、現代の問題をきちんと切り取りつつ、無意識な悪が絶対的な悪の手中に落ちる奇妙な物語を提示してくれた。
ショットとショットのつなぎなんか最高にワクワクしたし、銃の音とか、闇バイトが落ち合うレトロなゲームセンターとか、随所に職人技を感じた。
ラストは空飛ぶ車であちらの世界(地獄)に行ってしまった主人公。〝Cure〟でも役所広司が空飛ぶバスであちら側へ行ってたよね。
黒澤清らしさで締めてくれたのがまた安心感があって最高だった。
なんでそう…なるのっ‼︎
前半すごい面白かった。
転売ヤーとしての矜持とも言える
菅田将暉の演技が素晴らしかった。
人をなんとも思わない一方で
精神的には常に不安に晒されて
虚無を見つめるようにパソコンの前に座る。
これから彼がどう言う人生を辿るのかワクワクして観てたのだけど、
後半の展開は、嘘だろ?って感じで、
前半あれだけ面白そうになるフリをしておきながら、
チープにまとめたなと言う印象でした。
安く買い叩かれた夫婦、
転売ヤーの先輩、
なんかきな臭い彼女、
工場の上司、
騙された客、
フィギュアを全部買われたおじさん、
怪しいアシスタント、
めちゃくちゃ面白そうだったのに…
なんとなく転売ヤーとして生きて、最後彼がどうなるか?
と言うリアリティーのある話だと思ってたので、
見方を間違えてしまったな…と言う感じでした。
奥平大兼が全部持って行く
とにかく 今、旬の役者が勢揃い。
しかも 奥平君なんか格好良くなっとるし。
転売ヤーは存在そのものが嫌いだし(中国人のはなお嫌いだが)
因果応報としてみればなるほど なんだが。
この作品について 意味不明とか 成り行きが陳腐という意見を見たが、そもそもこういうきっかけで殺人とか あるのが最近なんだよなあ。
強奪金額が数千円で殺してるニュースを見て、こんな事で人生棒に振って 何してるか自分でわかってるんだろうか? と他人事ながら 心配になる事もある。
なんか腹立つ。
無視された。
馬鹿にした目でみられて気に食わない。
居留守使われた。俺を差し置いて金が儲かってそう。
たったそういう事だけで残虐な殺戮に走る。たぶん暇潰しを兼ねて。
最初の医療機器を買い叩かれた親父が 考えれば思考は一番マトモ。
「俺の事は覚えてるか?忘れてるか?だけど俺は忘れないよ、一生忘れない」
と言ったって、それを捌ききれない側も十分に無能なのよね。
彼らの思考回路がなんだかわからない と言う人は 登場人物に自分を投影しようとし過ぎてるのかもしれない。
彼らの行動の意味がわからないくらい 思考が 年代格差であったり知識格差だったり、、、、
と言った感じがよく描かれていた。hvk
普通がわからなくなる。
期待していなかった作品だけど面白かった!やっぱり黒沢監督の作品が好みなのだなと改めて思いました。登場人物がみんな普通じゃないという…唯一普通に思えたのは三宅(岡山天音)だけ。あり得んだろうという狂気的な内容で展開されていきます。途中で真面目に見るというより世界観を楽しむ映画だなと切り替えるとすごく面白かったです。
転売屋といのはこういうことをするのですね。想像つく範囲ではあるけど考えたことがなかったです。顔が見えない世界でこそ色々と駆け引きが行われているのだと思うとお互い様的な感じもあるのかも、、と思ったり。とにかく人生が上手く行かない人たちが、これだけ奪い奪われを繰り返して行けばもう他力本願から抜けられなくなりますね。
俳優さんでは奥平大兼さんが新鮮で素敵でした。有望な若手なのかもしれない。他の作品も見てみたいな。窪田さんはやっぱり上手いですね。良い感じにヒリヒリしました。
珍味
僕が考えた悪者退治。
言ってることがわからない
全186件中、1~20件目を表示