劇場公開日 2024年9月27日

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Cloud クラウドのレビュー・感想・評価

全314件中、1~20件目を表示

4.5全部、黒沢清のせいにしよう

2024年10月14日
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鑑賞方法:映画館
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まぬままおま

3.5怖い😱怖い怖い😱こわ〜い映画です。でも、誰にでもありえるかもしれない日常の中の恐怖の話。

2024年10月4日
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鑑賞方法:映画館

怖い

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ななやお

3.5黒沢清監督は我々とは違う視点で世界を見ることができるのではないか。

2024年10月3日
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鑑賞方法:試写会

楽しい

怖い

興奮

菅田将暉さんが演じる主人公が転売で大金を手にし、都会のアパートから湖の畔の新居へ引っ越してから物語世界は、まるで野心に燃える貧しい青年の恋と転落を描いた1950年代の人間ドラマのような、「ダーティハリー」などの70年代のバイオレンス・アクションのようなテイストを帯びます。

すると、緑の多い美しい風景の中で、古川琴音さん演じる恋人との甘い新生活がスタートすると思いきや、当時のアメリカ映画を見ている者は、湖で何かが起きるのではないか、恋人との関係性が豹変するのではないかと邪推してしまうでしょう。

さらに集団の狂気がピークに達する後半のクライマックスも、主人公の勤務先だった会社社長を演じた荒川良々さんがカウボーイか盗賊団の首領に見えてきて、まるで乾いた西部劇のような様相を呈するのです。

黒沢清監督が70歳を前にして、本作は「どうしてもやりたいことを割と素直に実現できた、その最たるものかもしれない」と述べており、映画史への造詣の深さも堪能することができる、破壊と混沌の映画となっています。

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和田隆

4.0黒沢清監督作品にしては“黒さ”が足りない

2024年9月30日
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鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

中堅・若手のメジャー俳優を多数揃えた豪華な座組ではある。それぞれが役に入り込んで熱演しているが、菅田将暉や窪田正孝らスターたちにはどことなく“陽”のオーラが残っているというか、かつて黒沢組常連だった役所広司や西島秀俊が漂わせる底知れぬ闇がじわじわと背景をもどす黒く侵蝕していくような、要所要所でフレームを支配するダークさが足りない気がするのだ。

2020年の「MOTHER マザー」でデビューした奥平大兼は今や超売れっ子で(2023年の映画出演作は4本、2024年は本作含め3本)、主人公の吉井に雇われる佐野の得体のしれない存在感がいい。黒沢監督作との相性が良いように思うので、今後も起用されることを期待する。

スタイリッシュさとは対極にある終盤の撃ち合いのシークエンスは、素人が銃器を持ったらこんな感じだろうなというのが伝わってきて、あの野暮ったさや、彼らがあっさり撃ち殺される無常感が個人的にはよかった。あのアクション演出にはもちろん賛否あるとは思うが。

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高森 郁哉

0.5酷すぎる

2025年7月24日
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単純

アシスタントだけが優秀。
他がやば過ぎやろー、、、
見るに耐えず後半飛ばしまくりました。

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Rito

悪い夢でも見てるのかと思った

2025年7月23日
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鑑賞方法:映画館

難しい

最初の不穏感じはいいのかなと思ったけどストーリーに繋がりがなく、整合性が取れてないのでところどころで、ん?となる
これに2000円払ったのかと思うと泣けてくる。
家でところどころ飛ばしながら見てやっと見れるレベル。
逆にすごいとおもった。

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まっすー

4.5コンクリートの打ちっぱなし

2025年6月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

黒沢清監督はバツグンにいいショットを撮れる人なのだけれど、逆に言えばその一点突破型の人でもある。つまり、アクが強くて観る人を選ぶのだ。
私も以前は黒澤監督を苦手だと思い、一時は「もう観ない監督」のレッテルを貼った。
しかし同監督の「CURE」を観て、そのあまりの面白さに少し考えを変えることになった。

巷で評判の悪い本作は、かなり期待して観ることになった。なぜならば、評判が悪いということは「CURE」のような娯楽性はなくとも、全開に突き抜けているに違いないと思ったからだ。
私が黒澤監督に求めるものは突き抜け感のみなのだ。

やはりというべきか、物語のほうはある程度目茶苦茶なのである。表面に見えている物語は、だが。
内に潜む物語のほうはしっかりしている。
それを表現するような、ディストピア風で寂れた温かみのないショットの連続は面白さしかない。
ほとんどの画が金属とコンクリートで、その中で生きるキャラクターにはある意味で生すら感じない。荒廃した生き物のいない世界で動いている者たちとは何なのかと考える。
そしてそれは、映画用に極端に表現されてはいるものの、現代に生きる一部の人と重なってしまう恐ろしさ。
この作品のわけが分からないって?。私には現実でも大して変わらない、わけの分からなさを感じる。

菅田将暉演じる吉井はサイコパスだ。いかなる状況でも自分のこと(彼の場合は出品物が売れたかどうか)しか考えていない。ハッキリいってヤバいヤツだ。
しかし物語が進むにつれ、吉井はまともな方にみえてくるくらいヤバい人だらけになっていく。
吉井がまともに見えるって相当おかしいよね。でもそうなる。つまりそれくらいこの作品は目茶苦茶だったわけだ。そしてそれが最高なのである。

吉井の新居、コンクリートの打ちっぱなしで倉庫のようだ。それだけでも観た価値ある。

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つとみ

2.5批評家絶賛や黒沢清印で“名作”。転売の如く

2025年5月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

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近大

3.0転売ヤーは人間のクズと再認識

2025年5月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

黒沢監督の作品は「Cure」と、前田敦子さんの作品(タイトル忘れた)は面白かったと記憶してますが、後は、その作家性と言うか世界観がしっくりこなくて(恐竜でてくるやつとか?)、さすが世界の巨匠で芸大の教授だけのことはありますが、わたしには白ける作品が多いです。評価する方々がたくさんいることも分かってはいます。

今作は、良かった方です。

あの程度の憎悪で徒党を組んで、拳銃持って、仮を返しに来ますかね?そこまで転売ヤーはクズ人間と言うことなんでしょうか。

アクション、平凡で長いです。日本なんだから拳銃は止めましょう。

ポスターを初見した時、主演は山田孝之さんかと思いました。古川琴音が良かったです。ラストのあの怒った顔、中々出来ません。

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ウルスアベイユ

3.0みんなが狂っている

2025年5月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

驚く

商品を安く仕入れて、高く売り飛ばすことをしていた良介
ある時、そのやり方でとても儲けた
良介はさらに儲けようとしたが、良介の行動がきっかけで人生が終わってしまった人たちから復讐されることになったという内容だった
出演している人たち、みんなおかしな人だと思いました
良介は金のことしか考えていないですし、他の人もやばいなと思いました
岡山天音さんが演じた人だけはまだまともだったかも
話の流れがよくわからず、人生が終わったからといってある個人に復讐するのは共感できない部分が多くて、なにを訴えたいのかわからなかったです

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やっすー

0.5人物設定がめちゃくちゃ

2025年4月25日
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途中から何でそうなるの連続でまったくストーリーに入っていけない。
キャストは豪華なのに無駄遣い。
古川琴音さんのファンだから観たが、そうでなければ観なかった。

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岡

3.5面白い。けど低評価なのもわかる

2025年4月13日
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jirou

2.5現代日本のネット社会における闇

2025年4月5日
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鑑賞方法:映画館

現代日本のネット社会における闇をギュッと集約して寓話的に描いた作品。

前半はどこにでもありそうなありふれた日常の中で繰り返されるちょっとした悪意や他人に対する無関心が描かれ、後半のハンティングが始まると非日常的な展開になる。ただ、標的になる吉井だけではなく、追う側のメンバーたちも追い詰められていく様子は、ほんの出来心で始めた闇バイトでも一度足を踏み込むと蟻地獄のようにどんどん深みにはまって決して抜けられなくなるような状況を暗示しているようにも見える。

既に言い古された感は否めないが、匿名に隠れた集団意識の暴走への対処法は、結局、たとえ時間がかかっても、対面によるコミュニケーションの機会を増やすことで築く信頼関係の輪を広げていくしかないような気がする。

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Tofu

4.5これぞまさに、ザ・黒沢清ワールド。

2025年3月31日
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鑑賞方法:VOD

笑える

興奮

難しい

レビューだと酷評が多く、正直なところ個人的にも黒沢清作品は苦手な方なのですが、これがまさかのまさかのストライクな傑作でした。

レビューだと、この後半の展開に酷評が多いようで、リアリティの無さの批判が多いですが
ぶっちゃけこの映画はある種のブラックコメディなので、そういうリアリティ云々の指摘はまた違うんじゃないかなぁと思いました。

(まあそれにしたって黒沢清作品は非常に観る人を選ぶのですが…)

ともあれ、黒沢清監督の70歳手前という高齢でのこのチャレンジ精神には感服。

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ガッキー

3.0顔がわからないもの同士の憎悪が現実的世界へ

2025年3月31日
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ななえ

0.5久しぶりにエンドロールを全く見ずに映画館を出ました

2025年3月27日
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鑑賞方法:映画館

怖い

これ、スリラー映画なんだろうか。

今年に観た映画の中で一番つまらない映画だった。
役者の全てが無駄遣いに思える。

途中で「お金を返せ!」と映画館の中で叫びたくなったけれど、他にそういう人はいなかったので止めておきました。
当たり前ですね。

配役はすごく良い感じだから、期待してたのだけれど。
久しぶりに、エンドロールを全く見ずに映画館を出ました。

自分にとっては、そういう風に感じる映画もある。それもまた善き。

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ねこたま

4.0捨てる者と、それを拾う者……。

2025年3月3日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

 転売屋もラクじゃない――。
 いや、そもそも転売屋なんてやるもんじゃない――と、みんなにそう思わせるような始まり。

 でも、映画を観ているうちに……いやいや、自分だって紙一重じゃないか? どんなにうまく行ってる安全な暮らしをしていても、今の時代は何が起きるかわからないんだぞ。自分がどこでどう転落していくかわからないんだから。
 ……今観ている主人公の吉井の姿は、未来の自分かもしれないのだ。
 世の中での「成功者」だなんて全然言えない状態の自分だからこそ、映画を見ていてそんな思いさえ抱いてしまう。
 それに、転売屋も知恵だ。
 零細企業の工場主が気づかない売り方を知っている。工場主が売れないと思っていても、実は売り方(要は世間の騙し方)を知ってさえいれば、製品は売れるのだ。売り方を知らない者が損をして、赤字状態の経営危機から抜け出す打開策を見つけられないまま、破滅していくのだ。
 まさに薄ら寒い弱肉強食の社会が描かれていくのかと思うと、実はそうでもない。
 売り方のうまい主人公の吉井自身も、実は転売を成立させるために手間暇かけて働き、時間外労働なんてのも惜しまずに、よく働き、汗を流す。なんでそんなに働くのかというくらいに働く。あなたって働くのが好きなの? それとも転売が趣味なの? まさか生き甲斐なの?
 でも、ああ……やっぱりお金なんだよね?
 銀行通帳に貯まった残高を観て、ホッとするような、心の中でヤッタぞと言ってるような顔をすることで、吉井も底辺から抜け出したい青年のひとりなんだなと……同時に僕のような人間も紙一重なんだなと、やはり思ってしまう。
 転売という世間に嫌われがちな行為以外は、彼は真面目に働いている。
 昼間は工場で働き、副業でチマチマと小銭を稼ぐための転売程度にしておけば良かったのに、徐々に踏み外してしまう。
 その理由は、やはり女の存在だった……。
 贅沢な暮らしに憧れる彼女への見栄――そしてそんな女を幸せにしてやりたいという、男が誰しも持ってしまう落とし穴に吉井は自ら嵌まっていくのだ(笑)。
 女がもうちょっとマトモな性格だったら、吉井も幸せになれたんだろうけど、自分本位で、交際する相手を幸せにしたいと思うような女ではなく、ただ流されるままに生きていて、なかなか本音を出さないという女だから、吉井が「彼女はこういう女なんだろう」と思い込むことで、微妙な誤解というかズレを保ったまま付き合いはかろうじて続いていく……。

 しかし吉井は「彼女を幸せにしたいから」という欲と見栄によって、今の生活より2段階上のステージに移行してしまう。
 佐野君という助手も雇い、湖のほとりにある白い一軒家へ引っ越して、よせばいいのに手広く転売屋を始めちゃうのだ。
 でも、それで貯金をかなり使ってしまったせいか、ちょっと危ない商品の転売にも手を出してしまうようになる。これが吉井をピンチに追い込む。
 ネットで「悪者」を探し回る正義マンたちに吉井は見つかって、ターゲットにされてしまうのだ。
 便利だけど、ネットは誹謗中傷などの問題も起こす……。
 彼ら「悪を正したがる正義マン」に見つかってしまうと、どうなるか――ここから物語は、ネットの恐ろしさへと移り変わっていく。
 でも、逆にここで面白いのは吉井の鈍感ぶりだ。
 意識して気をつけていないと、ネットでの自分の悪評に気づかないという長所なのか短所なのかわからない微妙なズレが、やはりまたここでも現われる。
 よくネットで誹謗中傷された人が、追いつめられて自害を選択するという悲惨なケースもあるが――そういうのって、自分の悪評を覗かなければ、気にしなければいいと言われる。そうすれば、すべては対岸の火事になってしまうからと、吉井を通じてネットと現実の差を見せつけられてしまい……そうだよな、見ちゃうからダメなんだよなと、あらためて気づかされてしまう。
 でも、やっぱり僕は見ちゃうけどね……(苦笑)。

 さて。吉井の「他人からどう見られているかを気にしない」という鈍感さは、吉井の心が傷つくといったピンチからは救うが、一方で別のピンチも招いてしまう。
 ネット上の見えないところで蠢き出すのが、正義マン以上に怖い連中だ。
 過去の転売で吉井に恨みを持つ者、吉井のことが好きすぎてストーカー的に追ってしまう男、ただ社会的に許せない奴を、実際に自分の手で懲らしめたい実力行使主義の男……いわば底辺で、どこにも自分の行き場所がなくて、もはや破滅的で、もう後に戻れなくなっている「さまよえる死体」のような連中だ。
 彼らは、もう社会では半ば死んでると言っていい状態で、本人たちも「いつ死んでもいい」と考えてる刹那主義者とも言える。
 ネットは闇バイトもそうだけど、常識が飛んでしまった連中とも繋がっているという怖さがある。その怖さが、平然と表に出てくる。
 これが描かれだすと、急に映画が加速しだす。
 まず佐野君が吉井がネットで叩かれだしているのに気づき、雇い主に注意したほうがいいと警告するも、吉井は我関せずと言った感じで気にする様子もない。ただ、今の転売がうまく行くかだけに興味を注ぎ、それは一種、取り憑かれてしまってるかのようだ……。

 さて、ここから先の展開を具体的に書くとネタバレになってしまうから、やめておいたほうがいいのだけど。
 でも……自分が本当に書きたい感想は、後半のここにこそ多くあるので、これ以降は曖昧で抽象的な書き方になってしまうことをお許しいただきたい。

 ……現実とは、こんなものかもしれないな……。
 後半に突入するにつれ、僕はそう思った。

 この世の中、何が起きるかわからない。
 気をつけていても、不幸はやってくるし、自分が他人にどう思われているかなんてのもわからない。
 吉井は、きっと他人にどう思われてるかなんて気にしないように生きるのが正解だと思っていたのだろうし、他人に深く関わらなければ、それで波風は立たず安全なんだろうと思っていたはず。僕も性格的にそういうところがあるからわかる。他人が怖いし、わずらわしい。出来れば深く関わり合いたくない。だけども、そういうわけにも行かない……だから、その矛盾で苦しむ。
 そうやって自分の意識を殺して、殺して、無感情、無表情となっていくうちに、完成したのが吉井だとしたら、その生き方をまっとう出来ていることに嫉妬した連中が、それを否定するために集まってくるみたいな、なんだか聖書の一文に書かれてありそうな神話に似た物語性を感じた。
 つまり、人類の歴史的に全然変わらない人間の愚かな行いを見せられているような気がしていたのだ。
 だからクライマックスは危機感あふれる場面を愉しみながらも、どこか人の愚かさ、切なさを感じざるを得ない……。
 人は何かに取り憑かれて、逃れられない何かと闘いながら生きてるんじゃないかって。

 ラスト……吉井は人生で、何を信じていたんだろう?
 幸せにしたいと思っていたはずの女は、結局は幻だったのだろうか。
 今まで吉井は、彼女の何を見てきたのか?
 もしかすると吉井の周りにあったもの、すべては現実のものではなく、虚構だったのかもしれない……。

 そして、佐野君だけがホンモノだったのかも。
 嘘っぽさに覆われた佐野君こそが現実で、自分が現実だと信じてきたものは虚構だったのか……。

 だけど、吉井の帰る場所は、やはり転売だったのか。
 あれほどの出来事に巻き込まれたのに、吉井は転売の売れ行きのほうを気にする。
 周りの人物がどれだけ虚構だったとしても、転売だけは、自分の手で触れて、買って、商品を運搬して、製品写真を撮るためにカメラのシャッターを自分で押して、ネットで公開して、じっと株の値上がりを待つかのようにネットでの売れ行きを見守り続ける……その自らが直接手をかけた仕事の数々だけは、すべてホンモノの触感があり、自分がやったことのすべてだと実感を持てるものだから。

 最後に佐野君は、吉井にこう言う。
「転売を続けてください。あとのことはオレがやりますから。そうすれば、のぞむものを手に入れられますよ……」
 このとき、僕は佐野君が――神のような存在に思えてしまった。
 神様が人間界に来て、興味を持った人間に何かを与えたいと思った。自分はもう何もかも手に入れてしまってるから、欲がまるでない。だから逆に与える側になりたい……。
 そう言ってるかに聞こえてしまった。

 そして、それを暗示させるかのように――事件現場から帰る2人の車から見える空は、どこか現実ではない不気味でサイケデリックな色を輝かせていた……。

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おさ

4.0いかに現代の日本社会でリアルに銃撃戦を描くか

2025年3月2日
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怖い

興奮

ちょっと楽しい映画でした。私にとって。

世間的には、「現代社会に潜む“集団狂気”描くサスペンス・スリラー」なんて言われているけど、私には、いかに現代の日本社会でリアルに銃撃戦を描くか、ということを黒沢監督はやりたかったように思えた。それは半分ぐらい成功している。その辺りが見ていて楽しかった。

まあ90年代の「Vシネマ」をバージョンアップしたような映画でした。

理屈の部分もそれなりにできている(ネット社会の転売文化の怖さを描いている)。だが多分監督本人は、それほど深刻に考えてない。程々に観客がその恐怖感をリアルに感じられればそれでよかったのでは?と思う。ただこの理屈部分をしっかり描かないとこの銃撃戦やアクションシーンが成立しない。いわば、アクション映画の土台(建物の基礎工事のようなもの)でこれがしっかりできていないと肝心のアクションがつまらなくなる。
その辺が映画という媒体の面白さですね。アクションシーンだけの映画のつまらなさ。アクションシーンがいかによくできていても。

映画自体は、ペキンパーの「わらの犬」の影響や、フランス映画っぽい雰囲気もあり、この点も好みだった。
ラストは、まるで「わらの犬」を思わせる。このラストがいい。

最近の黒沢清の映画は、私好み。前作の「蛇の道」も。
昔の「カリスマ」なんかは、???だった。「リアル 完全なる首長竜の日」も?だった。
古いのではやはりアクションものというか刑事ものスリラーの「CURE」は良かったけど。

黒沢清のアクション映画の良さは、銃の扱い方(今どきの「ジョン・ウイック」風の扱い方ではなく、60年代〜70年代前半の頃のアラン・ドロンやスティーブ・マックイーンのそれを思い出す)。今回も、乾いた甲高い銃声で、撃ち方もそっけなくてリアルな感じがよかった。

出来としては 3.5
好みとしては 4.5

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mac-in

2.0うーん。モヤモヤ感が残る

2025年2月28日
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ムービー好き

1.5なんだこれ?

2025年2月19日
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