「マウイは人間と伝説の「橋渡し」役。」モアナと伝説の海2 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
マウイは人間と伝説の「橋渡し」役。
モアナは今回もとんでもない活躍を見せる。モアナは一見ふつうの元気な女の子である。しかし人々の期待を一身に背負い、大きな使命を果たしてしまう所がモアナの魅力である。モアナが「海に選ばれた」と言っても何か特別な能力があるわけではない。海の力は、海に落ちたニワトリを船に戻してくれる程度である。逆に、モアナが超能力で何でもできるようでは、見る方も身近に感じにくいだろう。モアナは愛されるキャラであり、皆から力をもらうことで前に進む。なくなったおばあちゃんや、はるか昔の祖先も彼女を導いてくれる。マウイもモアナの力になりたくてしょうがないという風に見える。一方で、命の保証もない危険な仕事なのに、一緒に冒険に出かける仲間はあまり役に立ちそうもない面白キャラばかりである。ブタとニワトリは食べられないだけましなだけの存在である。しかし彼らに接するモアナは愛にあふれており、役に立たなくても一人一人(小動物も含めて)存在感があるのがいい。こんな所がモアナが愛される理由でもあるだろう。
前作もそうであるが、モアナとマウイのバディ感がとてもいい。半神半人というのが何かよく分からないが、マウイが神的(?)な力を発揮することで、伝説の世界が現実になっていくように感じる。モアナは人間の代表であり、彼女だけでは到達できない伝説の世界へ橋渡しをしているのがマウイといった所である。
日本語吹替版で見たが、モアナの屋比久さんとマウイの尾上松也はとてもいい感じであった。モアナの元気いっぱいで愛情深い所や、マウイの頼りになるのかならないのかよく分からないコミカルな所が良く伝わった。モアナのさらに成長した姿を見たい気もするし、もうこれで十分という気もする。