劇場公開日 2024年12月6日

「タトゥーとココナッツが魅力の9割」モアナと伝説の海2 おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5タトゥーとココナッツが魅力の9割

2024年12月8日
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『2』になって「オタクの青年・モニ」「船大工の少女・ロト」「料理担当の老人・ケレ」と人間の仲間が3人追加。
ところがロト以外、ほぼ役に立たず、必要性を感じなかった。
途中、マウイに「人材ミスでは?」みたいなことを言われていたが、本当にその通りだと思ってしまった。
「口先だけのオタクと老人は肝心な時は役に立たない」というメッセージにも感じてしまった。
船が沈みそうになり、ケレがなんとかしようと奮闘する場面で、「まさか自ら海へ飛び降りて船を軽くするつもりなのか!」と思ったのは自分だけ?

ミュージカルシーンについて。
前作はモアナが幼児から村のリーダーになるまでの成長過程をミュージカルで描いたり、全身タトゥーがミュージカルで踊りだしたりしていて、新鮮な見せ方多数で感心したが、本作はミュージカルの見せ方自体はよくある感じだと思う。
ただ、音楽自体は本作の方がノリが良くて好みだった。
モチベーションが低い仲間たちをミュージカルの力で奮い立たせる場面が、興味のない趣味に「やってみたら絶対楽しいはずだからまずはやってみて!」と無理矢理付き合わさせられる感じがして、ちょっと不快だった。

前作よりもグロテスクな生物が増えたと思う。
深海に住んでそうなイメージ。

このシリーズ最大の独自性はタトゥーが感情を持って動きまくるところだと思うが、今回はタトゥーが乳首を攻撃する場面が斬新過ぎて爆笑してしまった。

正直途中までは話が平凡に感じられてちょっと退屈に感じていたが、ココナッツの海賊が出てくる場面が前作同様面白く、ここら辺から映画が楽しくなってきた。
見た目の可愛らしさに反してやっていることが野蛮で、このギャップがたまらないものがある。
「無口で忠実」な感じが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のウォーボーイズを連想させる。
今回は涙もろい巨大スライムが海賊の仲間になっていて、面白みがアップしていたと思う。

前作はこのままだと島が滅んでしまうから島を救うために旅に出るという動機で、命を懸けるのも致し方なしという感じがしたが、今回は海の向こうの世界を知りたいぐらいの理由で旅に出たため、明らかに命の危険がありそうな場面では「危ないからやめなよ」と思ってしまった。

モアナの妹は今回は顔見せ程度の登場で、次回作への布石に感じた。

おきらく