「サスペンス要素と親子の繋がり」かくしごと イオナさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンス要素と親子の繋がり
Amazon primeで配信開始になっていたので、さっそく鑑賞しました。
最初から最後まで、とっても面白かったです。
原作は未読なので、タイトルの「かくしごと」の意味が次々と移り変わって行く展開に、感心しました。
最初は友達の久江が事故を起こした事を「かくす」という話なのかと思ってましたが、
千紗子が少年の事を「かくす」事に移り、ラストには意外な「かくしごと」が隠れていたことが分かります。
見終わってみるとタイトルは小説の「嘘」のほうが、ぴったりなようにも思えました。
事故で記憶喪失、虐待されてた少年をかくまうサスペンス的な要素の他に、千紗子と認知症の父親との関係にも焦点を当てていて、心に響く作品になってるなと感じました。
小さい時から厳しかった父親。嫌いだった。
息子を海の事故で亡くした時から、父親との関係がさらに悪くなっていった。
認知症になって、弱い父親の姿を見たり、父親の心の奥に潜んでた言葉を聞いて、父親に対する気持ちが変わっていく千紗子の心も描かれていて、こちらも心が動かされました。
親子の繋がりを感じましたが、やはり元気なうちに言葉に出して伝えることは大切ですよね。
千紗子側の親子関係、少年側の親子関係、
少年と千紗子との偽親子関係、様々な親子を描いていて考えさせられる作品でした。
私にも施設に入っている母親がいるので、なんだか身につまされる気がしました。
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