「人が生きることに正しさがあるとするならば、それは法を守ったり、規則...」かくしごと 朱映さんの映画レビュー(感想・評価)
人が生きることに正しさがあるとするならば、それは法を守ったり、規則...
人が生きることに正しさがあるとするならば、それは法を守ったり、規則に従うことでは決してない。拓未とお母さんとおじいさんで顔中汚しながら作った粘土の力強さと色彩の鮮やかさ、窓に描かれた花の透明な美しさの中にこそそれは存在するのだと思う。「魔きり」をおじいさんが拓未にあげるシーンで「人には悪魔がいる。神様も。」と言ったことが、そのまま現実となった。法廷で「ぼくは犬養洋一です。でもお母さんはあの人です」と真っ直ぐに言った拓未の言葉が「かくしごと」のないすべてなのだと思った。拓未が救ったのは二人のお母さんである。
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