「親とは?愛情とは?」かくしごと 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
親とは?愛情とは?
田舎の風景、そこに住む認知症の父、世話をするために一時的に帰省した娘、そこに虐待された子どもが絡み、と脚本の筋をみて、観てみようと思いました。
ラストの子どものセリフからのエンドロールへの切り方が秀逸。さらには、随所に深みのあるセリフ、ストーリーと脈絡のない、ストーリーを語らない自然なセリフの流れ。脚本のセンスを随所に感じました。
親とは何なのか、生物学的に親だからではなく、愛情をもってこそ親と呼べるものであると感じたし、認知症の独り暮らしの親を抱える子ども、さらには虐待されている子どもを護ること、他人事とは思えないような身に迫るものをこの映画で感じることができた。
杏の演技は自然で、血のつながりのないとはいえど、子どもへの愛情を注ぎ育てる独りの女性の有り余る愛情、制御できない、理性では語れない人間の性、そういった内面になりきった演技で、この映画に瑞々しさと熱さを注入しています。泣ける映画です。
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