「コロナ下の貴重な映像」不思議の国のシドニ クロイワツクツクさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ下の貴重な映像
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日本が舞台のフランス人主演の映画。冒頭の、いかにもな日本の描写に、またか、という感じだったが、話が進むにつれてそれは薄れていったのは良かった。最初の調子でやられていたら、星一つ消すところだった。
コロナ下の日本の観光地。奈良の東大寺とか、まったく人がいない日中なんて、今では撮影不能なんじゃないだろうか。映画の雰囲気の多くは、人のいない静かなコロナ下の状況で撮影されたことが大きいのではないかと思う。
タルコフスキーの映画を見ているみたいな淡々とした調子で、特に盛り上がりがあるわけでもなし、幽霊が登場してから消えるまでにカタルシスのようなものもあまり感じなかった。
シドニと溝口の関係は、もっとドライな感じが良かった。ウェットに、ベッドシーンまであるとは思っていなかったので、ちょっと興ざめしてしまった(個人的な感想)。
幽霊がもっと謎めいていて、サスペンス調だったら緊張感もあって良かったが、もう撮ることが難しくなりそうな日本の映像を記録に留めたという点で、この採点にした。
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