「考えるな感じろ!」美しき仕事 momoさんの映画レビュー(感想・評価)
考えるな感じろ!
感性に訴えかける映画。
あんまり考えちゃだめな映画だと思う。
カミュの異邦人における海と太陽と泳ぐ肉体を目の当たりにする。
音楽と映像、鍛え上げられた肉体や海、躍動感のあるダンスを海で漂うように、砂漠でさ迷うように楽しんだ。
外国人部隊というところに設定の妙がある。戦うための訓練はお国のためではなく美しき仕事なのだ。
規律正しいこと、折り目正しいことと人間的に正しいこと、倫理的に正しいことはだいぶ違う。
しわくちゃな感情があったっていいじゃないか、人間だもの。
あんなに綺麗に制服にアイロンかけたり、あんなに綺麗にベットメイキングしたり、大雑把でふわふわ浮遊して生きている人種に属する私には超人技に見える。
コンパスが無くなると方向を見失う。当たり前のことだが、全世界のほとんどの人は方向なんて気にしてもいない。
自分がどこに向かっているのか、会社がどこに向かっているのか、自国がどこに向かっているのか、考えもせずに決まったルールに従って今日も明日も明後日も今所属する集団の訳の分からない理不尽なルールにも従う。
時に誕生日を祝ってもらうような楽しみもあったりするから余計にその集団の居心地が良くなり麻痺してしまう。
世界がどこに向かっているかもわからないコンパス行方不明の時代。
方向を決めるのは自分だ!
今いる集団の中の規律以外にも別にも美しき仕事はあるのかもしれない。
頭が麻痺して心まで歪んできた時には、
一旦、自由になって規律のないダンスを楽しめ!
案外、コンパスを見失って野垂れ死にかけても、誰かがいのちを助けてくれるかもしれない。
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