バティモン5 望まれざる者のレビュー・感想・評価
全50件中、41~50件目を表示
血の気の多い彼に仮託した不条理
レミゼラブルよりかえって分かりにくい印象
考えると分かりにくいのは映画ではなく現実のフランスなんだろう
いち早く同化して政治意思決定に入り込んだ移民と
言葉も理解しない一世2世
そこから生まれた3世達は軋轢の最中に掘り込まれる
ええー、そんなことあり得るの?
「レ・ミゼラブル」のラジ・リ監督の新作ということでものすごく期待していた。
レ・ミゼはパリ郊外の、居住者のほとんどが移民となっている団地が舞台であり、居住者の若者たちと警察の人種間・世代間対立、暴力の介在を描きリアルな衝撃があった。
今回も、エレベーターも壊れている古い団地棟(バティモン5=5番棟)を巡って、住民と棟の解体を目論む新任市長の対立を描く。
住民側のリーダーがアフリカ系のアビー(事務所にラスタカラーのポスターがあったのでカリブ系かもしれない)、そしてアビーの友人ブラズがお話のキーマンとなる。
市長側でも、副市長は黒人だし、シリアからの移民に対しては政治的な配慮から寛容だったりするところはレ・ミゼの頃よりはストーリーが複雑化しているとも言えるかもしれない。
でも対立の構造が、本当にそんなことしてもいいの?というレベルまでいっちゃってるところが気になるんですね。
フランスが公権力の強い国であることは承知しています。でも極端な私権の制限にあたる未成年者の夜間外出禁止を地方自治体が法制化したり、裁判所の介在もなく個人の家から警察力を使って住民を追い出したりすることができるのだろうか?
いや言いたいことはよくわかるのですが、ちょっとリアルではない感じがして、最後の方は引いちゃって観ていたというのが正直な感想です。
試写会に当選して、一足先に観られました。 パリ市内の、移民ばかりが...
試写会に当選して、一足先に観られました。
パリ市内の、移民ばかりが住む団地。
ろくにメンテもされてない建物、エレベーターは故障中のまま放置、
個人宅で不法営業の食堂とか、ボヤ騒ぎなども時折。
一方で、市長に着任したばかりのお方。
前任者が急逝してしまい、選挙もなく、突如着任させられたとか。
実績を上げようと躍起な様子。
些細な騒動が起こる都度、市長が頑なに懲罰や排除に動き出て。
出来事が、積もり積もるうちに、徐々に衝突が激化してゆく様子。
ただのタムロを検知→集会や注意→暴動や強制排除…。
敵対の構造が作られますが、誰も、一方的な善人 or 一方的な悪人
にはあたらないように見えました。
各人の言い分にも、見かた次第で、一理あるとも思えたり、
さすがにやりすぎ? とも思えたり。
見慣れた種類のフランス映画とはまるで違って、
先入観がなくなりそうな印象です、
劇中の冒頭に用いられた歌は、
Fatoumata Diawara さん (女性歌手, マリ出身, フランス在住)
の声だと、すぐに気が付き。
物語上の移民さんらの矜持を、感じずには居られず。
また観て聴きたくもなっています。
映像上で特筆すべきは、団地の映し方。
各々の世帯ごとには、そう広くもない区画ごとに押し込められて。
建物全体を見せるときは、立体的、斜め上、外から俯瞰的に、
地域の象徴のような (良くも悪くも)。ドローン撮影などでしょうか?
個別の狭さと、全体との対比、見入ってしまう凄みがありました。
パリの知られざる“暗部”
パリ郊外が抱える問題を描いた2019年製作のフランス映画「レ・ミゼラブル」で高く評価されたラジ・リ監督の最新作は、同様にパリ郊外で移民家族が多く暮らす地区を一掃しようとする行政と住民たちの衝突を緊迫感一杯に描かれる。
労働者階級の移民の人々が多く暮らすパリ郊外の一画・通称「バティモン5」では、再開発の為に老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められている。
そんな中、前任者の急逝により臨時市長に就任したピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策を強行する。
住民たちはその横暴なやり方に猛反発し、ケアスタッフとして移民たちに寄り添ってきたアビーらを中心とする住民側と、市長を中心とする行政側が、或る事件を切っ掛けに遂に衝突し、やがて激しい抗争へと発展していってしまう。
前作「レ・ミゼラブル」では、パリ郊外の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班と少年たちの対立を、緊張感溢れるリアルなストーリーで描いたいたが、本作では、バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による“排除”と“怒り”の衝突により、恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が怒涛の如く展開する。
そのスリリングなストーリーからは、パリの知られざる“暗部”が浮き彫りにされる。
未だ大きく横たわる
映画.com試写会鑑賞
「レ・ミゼラブル」と同じく、パリの郊外が抱えた問題を描いた作品。
長編ながらも105分というコンパクトな尺で、この重さはすごい。
とにかく残ります。
移民問題から人種・宗教差別を絡めた、行政と住民との戦いと言っていいのでしょう。
行政側の意図もちゃんとわかり、一方的な悪意だけで無いとはわかるものの、それはあまりにも横暴。
理解し合えない行動は遺恨となり、恨みから暴力へと変わっていく。
その連鎖の先にある、奪われた者と奪った者にもある喪失も描かれていました。
そのラストのカットも強烈で、バティモン5を舐めるようなカメラから俯瞰へと変わる。
この問題は未だ大きく横たわりそこにあると、観客に突きつけるようでした。
意味深い作品
レ・ミゼラブルと本作二本立て連続鑑賞。このパリオリンピックの年に、色々と考えさせられる意味深い作品。移民、人種差別などが盛り込まれたレ・ミゼラブルに対し、本作は行政vs住民という分かりやすいストーリーでした。
トークイベント付き試写鑑賞。
社会派問題をここまで描くラジ・リ監督は凄い!前作を上回る胸糞悪さでした。
女性は怒りを冷静に判断し政治的に立ち向かう、男性は内に秘めた怒りを爆発され暴力に走る。
怒りを爆発させても良いことはないけどその気持ちはわかる!
移民問題は根深いな。
バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 監督の前...
バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024)
監督の前作レ・ミゼラブル同様パリ郊外の現実問題を架空の町で描いた作品。本作と次作でパリ郊外の社会問題を描く三部作構成との事。
本作では移民が住む団地を市が強制的に追い出し彼らの生活する権利を奪う問題について丁寧に描かれている。
本作では市長の方の意図考えなんかも明確に描かれており、政府が一方的な悪だけとして描かれてはいないので色々と観客に考えをもたらしてくれる。
最終的に強制政治から生まれる物は暴力、恨み、復讐でありその辺りで最後作品が終わるのはショックでもあり同時に最後もクエスチョンを問いかけてくれる作品であった。
また上映後のQ&Aでは今フランス国内では移民問題が改善の方向にもあり、昨今のシリアやウクライナの移民に対しては寛容な対応をとっているとの事。
しかしながら同時に旧植民地からの移民等には扱いが悪く移民間でも歪みがあるとの事。
前作のレ・ミゼラブル同様パリ郊外の問題を学べる良作であった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 ARGYLLE/アーガイル 4.7
5 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
6 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
7 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
8 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
9 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
10 アクアマン/失われた王国 4.5
11 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
12 異人たち 3.7
13 ミツバチと私 3.6
14 12日の殺人 3.3
15 コヴェナント/約束の救出 3.0
16 僕らの世界が交わるまで3.0
17 ストリートダンサー 3.0
18 カラーパープル 2.9
19 弟は僕のヒーロー 2.8
20 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
21 関心領域 2.6
22 ジャンプ、ダーリン 2.5
23 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
24 マダム・ウェブ 2.3
25 落下の解剖学 2.3
26 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
27 哀れなるものたち 2.3
28 DOGMAN ドッグマン 2.2
29 パスト ライブス/再会 2.2
30 ボーはおそれている 2.2
31 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
32 瞳をとじて 2.2
33 ゴースト・トロピック 2.2
34 葬送のカーネーション 2.2
35 Here ヒア 2.1
36 ハンテッド 狩られる夜 2.0
37 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
38 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
39 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
40 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
41 VESPER/ヴェスパー 1.5
42 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
全50件中、41~50件目を表示