「安易なラストを設定しない誠実さ」ありふれた教室 mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
安易なラストを設定しない誠実さ
これが、かなり面白い。
アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。
中学1年生のあるクラスの話。
今年赴任したやる気のある若い女性教師。いいクラスにしようと積極的にクラスの子たちと関わる。ただ最近校内で盗難が相次いていた…。
で、彼女は、職員室で盗撮をして、犯人らしき画像を撮ったのだが…。
登場人物は普通の教師たちと生徒。カメラは学校以外を映すことはない。校内のみで物事が進む。
それぞれの反応も理解できるし、白黒つけることができない事象がことごとく起こる。それらをテンポ良く編集してゆく。行き着く先が見えない緊張感。
犯人探しがこの映画の目的ではなく、SNSなどで情報が氾濫した中で、また移民も多く人種的にも複雑になる中で、正解がない世界で生きている今を映し出す。
ラストは、当事者の生徒と主役の教師が、微妙に心を通わせるように見えるが…。
安易なラストを設定せず、むき出しのまま映画は終わる。現実は映画が終わっても続いていることを意味するように…。
うまく言えないけど、優秀な映画でした。クレバーなというか…。
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