「コイツは面白れーぞ」朽ちないサクラ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
コイツは面白れーぞ
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「朽ちないサクラってどんな映画だっけ?」
「えっと…わかんない」
この作品を観る前の会話だ。劇場公開されたときも、配信にきたときも、そして観る直前も、何度もあらすじを読んだ。
なんかバラバラで繋がりを感じない出来事の羅列は文字情報だけでは全く頭に入らなかった。あらすじが間違っているわけではない。
あらすじに書かれていることは冒頭20分くらいまでの出来事だ。
全く理解できなかった出来事の連続は、観てみると驚くほどすんなり理解できた。ちゃんと関連性を持って滑らかに展開していく様子は不思議でもあった。そして没入感がすごいのだ。
同じ柚月裕子原作の「孤狼の血」を観たときと同じような緊張感に圧倒される。コイツは面白れーぞと。
物語はもちろん面白いのだが、キャストの迫力が一番の理由かと思う。
特に主演の杉咲花はかなり良かった。事件の真相に迫っていく過程で顔つきが変わっていっているようにすら感じた。
新聞記者殺害事件の終わりと、主人公泉の求める終わりは若干違う。そこは同じであるべきだが違う。違ってしまう。
泉は警察官ではないので、事件の捜査と泉の捜査は違う。
この違った2つの捜査が、一本のようでずっと分かれていることが物語を面白くさせている。
キャストの迫力と物語、2つの相乗効果で極上エンターテイメントに仕上がった。
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