ヒットマンのレビュー・感想・評価
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イドとエゴって猫の名前すごく素敵だな
10月のファーストデイ2本目は有楽町ビックカメラ8階の角川シネマへ。たまたまここでやる作品に縁が無くて初めて行ったけど良い感じの映画館でまたここで何か見たいと思いましたね。
映画は既にNetflixでやってそうなクライムコメディで、パートタイムの潜入捜査官っていうお仕事があるということさえ腹落ちすれば、あとはもう話の流れに身を任すだけ…なんですけどまずここで引っかかってしまって入り込めず(残念)。前に見たグレン・パウエルの出演する「恋するプリテンダー」も彼自身の感情の変化がとてもわかりにくい話だったので、この人との相性悪いのかも?と思ったり。
そもそも相貌失認で外国人の顔の区別があまりつかないワタクシなので、前半は見た目と立ち居振る舞いがいろいろ変わって疲れちゃいました…。
あと幸せそうにしてるけどその幸せって2人の死体の上に成り立ってるからね!ってこと忘れちゃダメですよね。
なんてことを考えながらビックカメラを見て回ってるうちにApple pencilを落としてしまってすごく落ちむなどしています。
それではハバナイスムービー🎞️
コメデイにとどまらない哲学性
実在した「偽殺し屋に扮したおとり捜査官」をモデルに、コメディドラマ(映画)にしたと言うことで、中身はまったくの創作のようでした。
予告編では全体の1/2~2/3くらいが、「おとり捜査官が殺人依頼の犯罪者と恋に落ちてしまった」ことが主要なエピソードのように見せていましたが…
その話は本編115分中、ラストの30~40分くらいしかなく。
素の彼は善良だがヘタレな弱虫で、心理学の面でのただの警察サポート役な大学講師でしかない人物なのに…
担当捜査官がスキャンダルで離脱したせいで、急遽ピンチヒッターでおとり捜査官をする羽目になり。
コスプレというか「変装によるおとり捜査」でなりきりをすると性格が変わって大胆になり、多羅尾伴内的な活躍をしていき、だんだん性格が変わっていくそのギャップや変化を見せるコメディが、尺の大半でした。
だから予告に騙されたような感覚で観る羽目になりました。
しかも、オチはいくらなんでも倫理的にどうよ、という。
「着想にはモデルがいるけど完全創作」なのはクレジットされているとはいえ、これモデルの捜査官にとってはめちゃくちゃ不本意かつ不名誉な内容じゃないかと、かなり心配になりました。
ただ、その「だんだん性格が変わっていく」部分、考え方が理想から現実に寄り添いつつも思いやりにあふれた哲学的なものになっていくあたりが、いろいろ考えさせられて、単なるコメディにとどまっていなかったのは興味深かったです。
楽しく見られる作品ではあろうが、字幕がやや難解か
今年353本目(合計1,445本目/今月(2024年10月度)4本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
※ 時間調整のために「シティハンター」を見てからになりますが、アニメ系作品(派生も含む)は憲法論が絡まない限りレビュー対象外です。
さて、こちらの作品です。
最近、いわゆる「*し屋」を扱う映画が増えてきましたが、まぁ全体的にそうであるわけではなく、「ベイビーわるきゅーれ3」や今日(10/4)からの「~ドキュメンタリー」等、一時的に「あたかも多く見える」というのに過ぎないのでしょう。
本映画もそれを扱った映画ですが、シリアスなアクションものというより笑いを誘うコメディものの扱いで、そこは同じ「*し屋」を扱う映画の中でもよい具合に「すみわけ」ができている点は良かったです。同じ理由でそうした「ちょっとどうか」と思う職業を描きつつもその表現の幅も色々で、この手の映画でありがちな「表現が残酷すぎる」という点についても本映画はコメディ系(お笑い系)に偏っているので見やすいのが良かったところです。
ただ、それでも全くないわけではないわゆる「マシンガン等のシーン」も数は少ないとはいえありますので、耐性がない方(いわゆるちかちかシーン)は後方推奨といったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.4/「アズイフ構文」が何を指すか理解しがたい)
これはそのまま出てくるのですが、より分かりやすく書くと「as if構文」です。as if には「あたかも~であるように」の意味が主にあり、「この意味では」その後には仮定法現在(接続法)が来ます。
一方で相手の表情や話し方などから「~(状況から)~のように見える」の意味では直説法が来ることもあります。例えば、
>> You talk as if you're angry (怒っているような話し方だね)
…の場合には as if 以下は直説法です(ここが接続法なら as if you << be >> になる)。
映画でいう「as if構文」はこのことを指している(ネイティブでも誤用が多く、正しく使えるかどうかが「教養のある話し方」「書き方」ができるかのバロメーターとして使われることも多い)のですが、このことは一定の英文法の知識があればわかりますが、当然映画内ではこの単語がいきなり出てくるだけで英文法の話にも一切飛ばないので、そこがちょっと好き嫌い分かれるかなといったところです(多くの方には多分理解が難しい。ただ、一度出てくるだけでこのことはトリックになっていないし、これがわからないと理解ができないという趣旨の映画でもないので、減点幅はある程度多くは見ても調整済み)。
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ただの七変化コメディじゃなかった! 実話ベースのブラック・コメディ
殺し屋になりすまし、殺人依頼者を逮捕するおとり捜査官を描く。
劇中で実話ベースで本人の写真や逮捕歴なども紹介。
様々な殺し屋を、相手が信じ込みやすいようなキャラクターを想定して、演じ分けているのが面白い。
ある日、殺人を依頼してくる女性を説得して、依頼を思いとどまらせてしまう。
その女性に魅かれて何度か会ううちに(ラブシーン、彼女のコスプレも見どころ)、嘘の殺し屋を演じる中で、生きがいを見出し、実際の自分も自信を持ち始める。
そんな中で、彼女に殺人容疑がかけられ、ついに真実を明かす日が来てしまう。
時には、囮捜査が必ずしも良い面だけでなく、逆に殺意を誘導しているのではないかと非難される面もあるというところもきちんと描いている。
ここから先、彼の苦悩だけでなく、彼女と警察の狭間で次第に追い詰められていく複雑な展開が面白い。
ただ可笑しいだけでなく、殺人も絡むブラック・コメディ。
結末も、ブラックに微笑ましい?
犬好きの社会と猫好きの個人
大学講師の傍ら電子工作の副業で警察の捜査に協力していたゲイリーが、殺し屋役として囮捜査に担ぎ出されたばかりに足を踏み入れる道ならぬロマンスと、その結末を描いた作品。
変装モノの作品は変装の出来やキャラの使い分けのぎこちなさによって白けてしまったり、どの顔がハマっているかでストーリーの先がわかってしまう部分があるので、個人的には難しいジャンルだと思っている。本作はゲイリーを変装の名手とせず、織り交ざるチープな変装が依頼者達の短絡さを強調したりコメディ味として効いていた。
人付き合いの薄いゲイリーの人格を掘り下げる際にモノローグだけに頼らず絶妙な距離感の人物を登場させたり、合間に挟むゲイリーの授業風景をそれまでの話の総括と次の展開の匂わせに使ったり、伏線の徹底回収ぶり、囮捜査で公判を維持できるのかという疑問にも答えて…と、ストーリー構成が非常に丁寧だった。そうして感心した分、ラストには驚いた。
ロンとして語っていた言葉が半ば本心だったのか、奔放かつ理解ある彼女ちゃんの存在には勝てなかったのか、興味本位で覗いていたものに影響されたのか、授業で言っていたことが持論だったのか、…等々、納得材料が無いわけではないのだが、これまでの変遷の描写が丁寧だった分セリフだけの説明には唐突感があった。
エピローグでは画面に幸せの記号を敷き詰め、モノローグでもポジティブなことを語り、従来のゲイリーの暮らしとの対比も強調し、「めでたしめでたし」感をこれでもかと並べていた。それでも、大団円と言えるのかに疑問が残るラストだった。テンプレ的な幸せや『犬』達の実態、もっともらしいペルソナを皮肉ったブラックコメディと受け取ればよかったのだろうか。単に『顔』をもう一つ追加するためのエンディングなのかも知れないが。
ゲイリー・ジョンソンという人物が殺し屋に扮して囮捜査に協力していたというのは事実だそうで、このエピソードを多くのプロデューサーや俳優が映画にしようとしては断念していたらしい。ロマコメ的な切り口を入れることで今回の企画が進んだのだとか。遠慮のない脚色をした上で「実話に基づく…」という煽り文句を便利に使う作品が少なくない昨今、またラストがラストだけに、エンドロールで『ここまでは本当』という意味の説明を入れてくれた点は良かった。
夜勤明けで意識朦朧の状態で鑑賞した。
自分の体調が最悪だったから、間違っているかもしれないけど、登場人物達の会話が分かりにくくて、字幕を追うのに難儀しました。
普通に映画を見ていたら、会話が理解できないという事はまず有り得ないのだけど、応援チームの面白黒人女性とか、変な髪型の男とかが会話しているシーンもギャグが寒すぎて寒すぎて、面白いとかいう以前に何を言っていたのかが理解できない。
脚本も担当していたグレン・パウエルの演技はトップガン以外は知らないけど、この作品を見た限り...、演技うまいか?終始ニヤニヤしているだけだったぞ?
色んな変装をするんだけど、ヅラと服装を変えるだけの変装でキャラに合わせて演技を変えていると話題になっているけど、役作りも何も物真似のコロッケが何やってもコロッケであるように、グレン・パウエルがコスプレしているね?という感想しか思いつかない。
犯人をハメる時に部屋にこもって現金を受け取ってから、犯人が刑務所で背丈がわかる壁をバックに撮影した写真がバーンと出るシーンが、全く同じ構図で繰り返されるんだけど、同じシーンばかりで撮影して飽きない?
殺し屋を装った心理学の教師が、殺人未遂の容疑者を何人も挙げるんだけど、あの程度の演技で騙される人はいるのか?ショカツの女のウッチャンナンチャンのナンちゃんの刑事の演技といい勝負だぞ?
おそらく、コメディのつもりで作ったのだろうが全く笑えない。
笑えないコメディ映画って、クリープを入れないコ
今回は短かかったけど、どう?
← だから、誰に言っているんだ。お前は。
TARGET
グレン・パウェルがたくさんの殺し屋のフリをするというところに惹かれての鑑賞。
アメリカのコメディの苦手な方の作品でした。
殺し屋に化けるというテンポの良さを期待したのに思った以上にスローに進む物語に謎のタイミングで入る笑いにちょっと振り落とされそうでした。
笑いのツボだとは思うんですが、ここが笑いどころですよってところで全く笑えなかったのが致命的でした。
ゲイリーが殺し屋ロンとして、1人の男としてマディソンとこれでもかってくらいイチャコラするのは見るに耐えなかったです。
アメリカはこんくらいフランクだってのは知っているとはいえ多すぎていらない供給の過多でした。
ラストのスマホの画面で指示しながらゲイリーとマディソンでやんややって切り抜けるところだけはしっかり笑えて面白かったです。
ただラストシーンだけはちょっと腑に落ちずでした。
ジャスパーに薬を盛って気絶させて、そこからゲイリーが窒息死させて…ここは史実を大胆に改変していてそこから子供達が生まれてワハハ〜って終わり方はいくらなんでも雑すぎるのでは?と思ってしまいました。
フィクションでのこのハッピーエンドならまだしも、実在した人物のやっていない行為を+αして映画にするのはゲイリーに少し失礼ではないのかと思ってしまいました。死人に口無しとはこのことなんでしょうか。
役者陣、特にグレン・パゥエルの七変化は観ていてとても面白かったです。
コメディチックになる時もあればクールにもなって、イカつくもなってと役職と演技が見事に噛み合っていて単調な物語に凄まじいスパイスを加えてくれていました。
自分とは相性が悪かっただけで合う人には合うコメディだろうなと思いました。んーちと残念。
鑑賞日 9/24
鑑賞時間 18:40〜20:45
座席 E-3
シリアスにコメディ
良質なシチュエーションコメディだったように思う。
実在の人物から着想を得たようで、語られるエピソードがどこまで事実に近いのか知りようもないのだが、世界観の説明から始まる導入部にワクワクもする。
偽の殺し屋
殺しを依頼してきた人物を逮捕する
警察の囮捜査官
そんな人物が、依頼してきた女性に恋をする。
彼の名前は「ゲリー」で偽名は「ロイ」
ロイの状態で恋愛が始まる。
なので、ロイの状態である時は全てが虚構だ。
このロイが超絶セクシーなのだ。
恋愛の初期の頃は多少なりともカッコはつけるが、それはさすがに…と思う事の目白押しだ。
恋愛が始まる時の「契約」とか、笑いを堪えるのそうなのだが、流れるように出てくる嘘と、ありもしない説得力に思わず感心してしまう。
このシーンは情事を経てからのものなので、もう彼女はロイにゾッコンなのだ。
殺し屋との恋っていう、禁断のスリルに陶酔してる。
よくぞ凌いだと思わせる演出と脚本に拍手喝采である。
その後は嘘に嘘を重ねるのだけれど、ロイからは罪悪感は感じられず、幸福感しか感じない。
どこまで、この状態が続くのだろうと思ってた矢先に殺しが起こる。
犯人は彼女である。
殺し屋と恋愛が出来るぶっ飛んだ女性であるのだが、そのせいもあり殺しが身近にもなってたんだと思われる。ここから物語は転がりだす。
どこに向かうのだろうとドキドキしてるとまさかのハッピーエンドが待ってた。
作品が残したメッセージは
「なりたい自分になれ」だ。
いや、そうかもしれないが…w
彼女は元旦那を射殺し、彼は同僚を殺害してる。
2人とも立派な殺人犯で、その真実をお互いだけが握ってる。元同僚の死体をバックに再契約の熱烈なラブシーンだ。
もう、殺し屋とその伴侶のシチュエーションをコレ以上に証明できるシーンはないと思われる。
偽の殺し屋なのにっ!w
同僚にビニール袋を被せるとなんて、冷静沈着でジョークなんかも混じえながら熟練の殺し屋の空気さえある。自己暗示や自己催眠ってここまで!?と突っ込まずにはおられない。
もう、中盤以降大笑いはしないまでも、笑いを堪えるのに必死だったし、なんなら軽いツッコミを声にだしてたw
「ロイ」を見てて思うのは、どんな自分でも肯定して受け入れてくれる他人の存在って、偉大だなぁと思うし、人格を形成するにあたり絶大な効力を発揮するのだなぁと思う。
ソレが愛情を示し応えてくれる存在ならば尚更だ。
なので後半は怒涛の展開ながら、澱みなく流れハッピーエンドが訪れる。
そのハッピーエンドにも突っ込まずにはおられないし、途中の展開にも疑問点はあるものの、総体的には面白かった。
冒頭うだつの上がらない「ゲリー」がラストでは、イケメンにはなってて、そら元がハリウッド俳優なので、当たり前ではあるのだけれど、その変化も楽しかった。
日本で言うと昔の三谷幸喜さんなんかが書きそうな、良質なコメディだったなぁと思う。
心理学映画としては面白かった
グレン・パウエル、七変化+演じているうちにどっちが本当の自分か分からなくなってくるという複雑な芝居に対しては、存在感と演技がちょっと粗いかなと思ったが、「トップガン」のハングマン役が良かったので贔屓目に見て、まあいいやと思った。
グレンには、もう少し癖のある役とか、嫌な奴の役、気難しい奴の役が似合うかなー
と感じるが(ハリケーン映画でもそうだった気がする)
トムと演じたハングマンの役がよほど自分の中に強烈に焼き付いてしまったのかな?
ルースター役のオーディションに落ちて、ハングマン役の打診があったが、グレンは最初、ハングマンの役どころが気に入らなかった。そして一度はトムからのオファーを断った(世界的な知名度があったわけではない俳優がトム・クルーズからのオファーを断れるというのは物凄い事だ。)というグレン自身も相当我の強い人に見えるんですよね。結果的にトムが脚本を変えて出演OKとなります。
それはそうと、この映画は、心理学映画としては面白いのだが
ややテンポが悪いです、あとエロすぎです。
これはAVか?と思うほど男の夢を凝縮した美女との絡みシーン、これを撮るためにこの映画を作ったんじゃないかと思うほどです。
女優が出演をOKしたのが信じられない。
グレン・パウエルの筋肉美も拝めますが演技は微妙かなー
一度、スネイプ先生みたいな出で立ちで出てきた時は笑った。
授業のシーンで語られている事のほうが本筋より面白かった。
これもっとオドオドした感じの人が演じた方が良かった気がする。
だってビフォー・アフターのアフターのほうが元からのグレンのイメージに合ってるのだから、人間ここまで変わるものかと思うほど気弱そうな人がビフォーを演じてないと、驚きがない。グレンはエラが張ってるので傲岸不遜に見えるのも手伝ってるが。
今後に期待します。
現代の設定は厳しかったんじゃないかな
サクッと観られて面白かったんですよ、あぁ、こんなお仕事もあるんだ、って感じで。
ただ、スマホがツールとして重要だから「イマ」の時代設定なのでしょうが、それにしては警察の捜査技術が陳腐すぎて、さすがにそれじゃ通用しないだろ!って、ここはなんとか30年以上前の出来事で展開してほしかったなあ〜。
あと、おとり捜査部分の前半が長めな割に盛り上がらず、中だるみ気味に感じました。
それとグレン・パウエル、イケメン過ぎて全てのシチュエーションをあっさり受け入れてしまうので、葛藤が伺いしれなかったのが残念でした。
ハンサムだけど憂いを含む男になれば更に魅力アップだと思います。
でも、制作に主演にと、よく頑張りました!
グレンVSアドリア、セクシー対決コメディ
日本では昨年やっと劇場公開されたリンクレイタ―監督作『バーナデット ママは行方不明』(2019)がすごく面白くて思わぬ拾い物だったので、同じくコメディ路線の監督最新作にも期待しつつ鑑賞。
まず、往年のウディ・アレン作品を連想させるオープニングタイトルからしてゴキゲンな滑り出し。主に舞台であるニューオリンズ絡みで選曲されたサントラが耳に愉しい。
ストーリーの方は、畳み掛けてくる“グレン・パウエル七変化”がつかみとして上々。時折挿し込まれる道路標識のアップや彼が教える大学での講義内容が、本筋とリンクしているのも気が利いている。
個人的にツボったのは、不意に映し出される邦画『拳銃は俺のパスポート』のワンシーン。“ヒットマンつながり”でこんな映画まで引っぱり出してきたか!と思わず吹き出した。
がしかし……全編通してみると、やはり最後のオチでつまずいてしまってイマイチ乗れず。いや、「あの殺人を看過して幸せなどあり得ないでしょ」とか言いたいわけじゃない。社会的規範を逸脱する人間の不可解さにこそ視線を向けるのが、映画だからだ。むしろあのアイロニカルなラストこそが、この映画の面白さといえる。では何が引っかかったのか。
たとえば、上方落語に「算段の平兵衛」という大ネタがある。不慮の殺人を犯した主人公が隠蔽にとどまらず、持ち前の機転で死体をネタに荒稼ぎしてしまうという噺だ。これについて、故・桂米朝は「悪が栄えるという内容なので、後味が悪くならないように演じるのが難しい。平兵衛をどこか憎めない男とか、共感するようなところがあるように描かないと落語として成り立たない」と語っている。
で、この映画の場合、すんなり共感できなかったのは、主人公のグレン・パウエルじゃなく、彼にDV夫の殺害を依頼してくるアドリア・アルホナの方だ。
理由は、ひとことで言うとあまりにエロ過ぎること。そのため、彼女は計算ずくで主人公を誘惑しながら腹の底で何か企んでるのでは、と勘ぐってしまうのだ。
もちろん、ヒットマンの“仮面”を被ったパウエルも十分セクシーではあるのだけど。彼女にだけそう感じるのって個人的偏見だろうか?
実際、彼女は夫の保険金増額してたし、キャビンアテンダントのコスプレで大胆に彼をベッドに誘ったり、警察の事情聴取に対して肝が据わった振舞いをみせたり、と怪しい。純朴さを「装い」ながら、ホンネのところはどうなの?…といったぐあいだ。
ちなみに、エンドクレジットでは、主人公のモデルとなった実在の人物について「殺人は一切なし(劇中の該当部分は創作)」とユーモラスに表示されるので、さすがにそうだよねと妙にナットク。
「満足度98%」に釣られて…
標的から微妙に外れ気味のヒットマン
今年に入って日本での公開作が3本目と売れっ子のグレン・パウエルの実話ネタのコメディで、まあまあ楽しめました。大学の哲学の教授が、地元警察の囮捜査で偽物の殺し屋を演じる羽目になると言う愉快な設定です。様々な依頼人に合わせて主人公が変装するのはいいけど、依頼人のキャラと変装したキャラの関連性に乏しいので、やや空回り。そのうち、夫殺しの依頼人に一目惚れして引くに引けなくなるけど、二人がイチャつくシーンが長く、なんかダラダラと中弛み気味です。ところが、彼女を疑う警察を欺くため、主人公が盗聴器をつけたままジェスチャーとスマホで彼女に指示を出しながらの掛け合いはものすごく面白く、二人の役者さんの息の合った演技が楽しく、一番の見どころかも。とは言え、リンクレーター監督のコメディ演出はイマイチでキレがなく、面白い着想を活かしきれなかった感じです。役者では、グレン・パウエルの芸達者振りがなかなかでした。相手役でラテン系美人のアドリア・アルホナもセクシーで腹の座った感じがよかったです。
私はチョロい男なので。。
偽の殺し屋の話で実話らしい。。
そして主演が先日ツイスターズで見たばかりのグレン・パウエル。
話の展開が早くて序盤に殺し屋七変化が見れたので、どーなる事かと思ったら、魅力的な殺人依頼者が出てきて新たな展開が始まる。
この女優さん良かったですねー。
アドリア・アルホナさんというらしいです。
私はチョロい男なので、魅力的な女優さんが出てくるだけで、映画の評価はグッと上がるのです(^-^)
主演のグレン・パウエルも良かったです。
パッとしない大学教授と、色気溢れる殺し屋を演じ分けていました。
それに、いろんなキャラの偽の殺し屋役で依頼人をダマすシーンが見どころ。
激しいアクションシーン等は無い偽ヒットマン映画。
楽しく見れました。
その後いろいろとドタバタがあってのハッピーエンド。
腑に落ちない点はあったけど、楽しい映画でした。
あまり深く考えずに見るべき娯楽映画ですね。
鑑賞動機:リンクレイター監督9割、あらすじ1割。
リンクレイター監督だから観てみようと思ったのに、始まる頃にはリンクレイター監督なのを忘れていて、エンドクレジットで思い出す。
これは成長なのだろうか、としばし考えてしまう。もっとブラックにしないとうーん…。
実在した「偽の殺し屋」
本作のモデルとなった潜入捜査官ゲイリー・ジョンソンは、地方検事局で働きながら講師として地元のコミュニティカレッジで心理学などを教えていた実在の人物である。1990年頃から「偽の殺し屋」として警察に協力する活動をはじめ、70人以上を逮捕に導いたといわれている。
本作の面白みは、「殺し屋」を雇って殺人を依頼したはずが、実は事件を捜査する捜査官だったというところだ。相手がおとり捜査官だということを知らずに、その殺し屋に殺人を依頼する人々が後を絶たないのに驚かされる。
製作のきっかけは、グレン・パウエルがリチャード・リンクレイター監督に「偽の殺し屋」に関する記事を持ち込んだことからはじまる。それは2人の共通の出身地であるテキサス州オースティンの雑誌に掲載されていた。リンクレイター監督は、この記事を13歳の時から知っていて、こんなに面白い実在のキャラクターはめったにいないから、時々その話について考えてきた、過去にもブラット・ピットをはじめ、いろいろな人たちが映画化を試みたけど、誰も正しいアプローチを見つけられなかったと語ったという。また、ゲイリーとマディソンが恋仲になるエピソードは、フィクションではあるものの元の記事を膨らませたものであるらしい。パウエルは次のように話している。「この映画のゲイリーは、情熱を持って毎日を生きていません。彼は左脳だけで生きています。ですが、マディソンに出会い、理屈に合わない、直感的な行動をするようになります。普段なら絶対にやらないようなことを。それがめちゃくちゃな状況を生み出すのですが、そこから彼は自分の生き方を見直していくようになるのです。」
ラストは、2人とも本当の殺人者になり、まったく罪に問われないまま、結婚し、子供が生まれるという流れになるが、この展開には相当無理があると物議を醸している。しかし、破滅的な男女カップルを描いた「俺たちに明日はない」を2020年代の現代版にしたようなものだという肯定的な意見もある。
タブーを破るようなラストに驚く
リチャード・リンクレイター × グレン・パウエル ‼︎
リンクレイターとはオールタイムベストの一本となった 2014年の「6才のボクが、大人になるまで。」で出会った。それ以降に観た「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」や「30年後の同窓会」での半端ない同世代感に何か怪しいと思ったら同じ歳だった。誰よりもシンパシーを感じる監督さんだ。
「ツイスターズ」を観て間もないグレン・パウエルが演じたのはニセの殺し屋として警察のおとり捜査に協力する大学教授。
殺しの依頼者を逮捕し殺人を未然に防ぐスタイルだが、依頼者の女性(アドリア・アルホナ好き💕)と恋に落ちたことから思わぬ方向へ。
映画のタブーを破るようなラストが斬新。何しろ犯罪なので賛否両論あると思うけど自分は支持したい。
ちなみに脚本はリンクレイターとパウエル。面白いだけで終わらない毒を含んだエンターテイメントだった。
脚本が良く書けてる
見終わった後の違和感
前提として、この話は実話をベースにしている
前半は、その実話の魅力である、犯罪者(殺人依頼者)を
おとり捜査のテクニックを駆使して逮捕していく流れはなかなか
面白かった
数多くの実例にはとても興味がもてた
でも、後半の(多分フィクションの部分)展開についてはまったく
納得感がもてない
この物語を「実話」としている以上、後半の展開は視聴者を
ミスリードしてしまうし、あのエンディングにしてしまうことで
前半の本来の実話部分との整合性がなくなり、作品自体が
「で、何をいいたいのか?犯罪を肯定するのか?善悪は個人の主観に
左右されるなら、そもそもこの映画のスタートから間違っているではないか」という
自己矛盾を見せられる内容にモヤモヤが止まらなかった
この映画を面白いと思って作った感覚に不信感がでちゃう映画
全141件中、21~40件目を表示