劇場公開日 2024年3月30日

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「ここのサイトや公式サイトを見ていないと理解に詰まるので注意」成功したオタク yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ここのサイトや公式サイトを見ていないと理解に詰まるので注意

2024年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年123本目(合計1,215本目/今月(2024年3月度)41本目)。
(前の作品 「Here」→この作品「成功したオタク」→次の作品「ラブリセット 30日後、離婚します」)

 いわゆる「推し活」を描く映画で、その対象(俳優や女優)が犯罪嫌疑で検挙された場合の当事者(推し活の当事者)が推し活をやめるか続けるか、という趣旨の映画で、ストーリーが発散しないようにこの点に限局されています。

 ただ、この映画は、「性加害を扱うことに特化している」ことが前提になっているため、この「推し活」の当事者に出てくる当事者も大半は女性で、いわゆるドキュメンタリー映画に属しますが、男性はほぼ出てこない(0人か?)というように結構偏った部分がありますが、ここは公式サイトを見ていないと理解がしがたいという部分もあります。

 日韓ともにこうした「推し活」の概念は多少の違いはあってもありますし、その俳優女優が逮捕された(あるいは嫌疑がかかったとき)に推し活をやめるやめないの話は当然共通しますが、隣国の韓国の出来事とはいえ文化圏として似る日本でこの映画が放映された意義は大きかったのかな、というところです。

 ただ、上記のこと(性加害を問題にしていることに特化している)を理解していないと理解につまづく点があるので注意が必要です。

 採点に関しては以下まで考慮しました。

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 (減点0.3/推し活の当事者(ファン)に対する考え方がやや微妙)

 もっともこの点は、日韓ともに思想良心の自由があるので、どうこう「強く」いえるかというと微妙な部分があります。また上述した通り「性加害」に特化したため、「推し活」の当事者(ファン)の大半は女性で、過激な考え方を持つ方も理解はできます。

 ただ「控訴するなんて反省していないのか」といった発言は、何人も控訴の権利があることは日韓ともに共通なので、控訴したこと「のみ」をもって当事者を非難するのは、やや人権配慮の観点から気になったところです。
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 (減点なし/参考/「一生刑務所から出てこないでほしい」)

 韓国は、「事実上の」死刑廃止国です(1997年から執行されていない)。

 (減点なし/参考/「裁判所」などの字幕について)

 字幕では単に「裁判所」と出ますが、そのあとで英語で High court と出るので、日本でいえば高裁から話が始まっていて、上記の事情から最高裁(韓国では大法院)も出ますが、ここは日韓で制度が異なるので何か字幕で考慮が欲しかったです。

 (※) 日本では刑事民事とも、最高裁への上告は憲法違反や過去の判例と反する判決であるなど上告理由が制限されます(単なる事実誤認を主張するものは門前払い。ただし、日本では死刑が争われる刑事事件に関しては慣例的に最高裁でも事実審としても審理されます)。

 (※) またややこしいことに、韓国には「憲法裁判所」(日本でいう、違憲立法審査権のみを扱う裁判所)もあるので、一定の知識がないと理解に詰まります。

 ただ、韓国ではこの制限が民事のみであるので上記のような展開になるのですが、ここは日本の法制度を知っているとやや混乱を招くかなといったところです。

yukispica