「急にリアリティを失うラストの意味」胸騒ぎ 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
急にリアリティを失うラストの意味
お前、人にすすめたい映画じゃねぇよ
・・・オレ褒めてんだぜ? 分かるよな?
そんな談志師匠風の感想も言いたくなる一本
誰にもすすめたくない。でもそれは今作の持つパワーゆえ
それに他人にすすめられなくてもトリアーやハネケの映画が好きな人なら自然とたどり着くことだろう
設定はデンマークに住む主人公家族が旅行先の
イタリアで初対面の家族と意気投合する
「今度、家に遊びにきてくださいよ!」と誘われオランダの家まで泊まりにいく主人公たち
さて、どういう展開が待っているのか・・・
原題の『Speak No Evil』(悪口を言わない)を
『胸騒ぎ』とした翻訳にもセンスを感じるが、
作品理解を助けてくれるのは原題直訳の方だろう
違和感の積み重ねで紡がれた物語は、ラストに急にリアリティを失う
しかし、それはエンドロールの背景に映し出される宗教画と同じで、この作品の色を分かりやすく提示してくれる演出になっている
「デモなんかで一流の大学入学をムダにした」と米国の大学生を笑う人達の目に、この映画はどう映るだろうか?
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