「人物描写が単純で深みがない」パレード くらげのこさんの映画レビュー(感想・評価)
人物描写が単純で深みがない
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16ミリカメラを構えているサムネイルに惹かれて鑑賞しました。
坂口健太郎演ずるアキラのお父さんが小説を書いている描写と、ナナと靖子の屋上での涙には胸にくるものがありましたが、
そのほかのキャラクターの背負っているものの描き方が浅く、入り込めませんでした。
死に対するショックや怒りを美奈子やナナは当初感じていましたが、
死者たちのパレードを見たことでそれが解消するとは到底思えません。
ナナが気持ち悪い、何かの宗教?というようなことを言っていましたが、それに近い薄気味悪さを感じます。
心のグラデーションがなく、前後で別人に近いキャラクターになってしまっていると思います。
16ミリの映画作りについても、監督やスタッフは自身が映画に携わっているにも関わらずあのリアリティの無さで満足なのでしょうか?
死後だからなんでもあり、で片付けず、
せめて、食べ物はいつのまにか冷蔵庫に入ってるのよね、だとかフィルムはいつのまにかセットされてるのよね、といった、当人たちが不思議を受け入れる描写が欲しいです。
編集はしてるけど現像はどうしているのだろう、など、中途半端な部分が気になってしまいます。
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