No.10のレビュー・感想・評価
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“天才と狂気は紙一重”を感じる(監督に)
SFっぽいスリラーを予想して観たら、舞台の稽古風景や男女間の不倫話が続きます。
こんな下らないの観たくない、いったい何を観せられてるだろ…と。
シリアスで暗くて退屈で、メチャクチャ眠くなってウトウトしながら観賞。
が!途中から急展開、意外な展開に眠気が吹き飛び、一気に面白くなった。
終わり方も最高(笑)
普通の映画じゃなく、天才と狂気は紙一重って言葉を思い出した。
急展開後の面白い部分よりも退屈で眠い部分が長いので、相殺されて、この評価(笑)
なんか残念(笑)
これから始まる配信やレンタルで観た場合、展開が変わって面白くなるまえに、観るのをやめる人いるでしょうね(笑)
60点ぐらい。
監視、不倫、異星人
公式サイトによるとSNSでのネタバレ厳禁ということなのでシンプルに記録します。
前半にあるいくつもの伏線が回収される度にこういうふうに繋がるのか!と何度も思いながら鑑賞。
噂通り異次元級にぶっ飛んでいますが、一貫性はあります。 何度笑いを堪えたことか…。
ルナボー星が気になる👽
意外性の塊みたいは作品
かなりというか、無茶苦茶訳が分からない作品でした。最初のうちは主人公・ギュンターが属する劇団内の不倫騒動が本筋かと思いきや、ギュンターの不倫を告発した端役の俳優に対して彼が舞台上で復讐するという急展開となり、さらにはギュンターを監視していた謎の集団が登場して驚くべき真実が明らかにされていくということで、常人の理解を遥かに超える内容に仰天しました。
一応無理くりに解釈しようとすると、ギュンターは宗教というかキリスト教に否定的で、謎の集団の一味である司祭に対して好戦的な態度を取ります。一方さらなるキリスト教の布教を目指す司祭たちは、ギュンターの言葉など意に介さず自らの目的に邁進するかに見えました。ところがラストでは、司祭たちが文字通り”排出”されてしまってエンディング。つまりはキリスト教なんて塵芥と変わらない程度のものなんだと言いたいのかと思った訳ですが、正直良く分かりません💦
ただ意外性の塊みたいな展開の作品であり、不快になるという感じもなかったので、たまにはこういう作品もいいかなと、これまた無理くり自分を納得させたところです。
そんな訳で本作の評価は★3とします。
エンドロールで文字通り頭を抱えた
「これはやられた…!」と。
個人的には前情報(といってもサイトにネタバレ厳禁の旨があったのでポスターくらいしか観ていないが)を裏切りまくられる体験は嫌いではないので意味不明な展開、ラストは不快には感じなかった。
…それにしても一番気になるところで終わるラスト!「で、なんだったの?」と思い調べてみるが本サイトのレビューも混乱したとの意見ばかり。劇場ロビーにあった本作が各媒体で取り上げられている切り抜きに目を通すも濁った意見ばかり。使命感に
駆られサンプルを立ち読みもできたにもかかわらずパンフレットを購入。Tシャツはフロントデザインは良いが流石に…と私の良心が購入の手を止めた。
最後までオチ読めず
これは見ていて最後まで展開が読めなかった。
展開が読めなかったからこそオチがまさか過ぎてキョトンとしてしまった。
幼少期の記憶が全くない主人公のギュンターは舞台役者として生計を立てていたが、共演者との不倫関係があからさまになり、立場を追われた末に代役になった役者の足に狙いを定めると足元から釘で打ち負傷させて復讐を果たしたところで、行き場がないギュンターはある組織へと身を委ねる事になる。
復讐とは、パンフレットにあった。
復讐ってそもそも相手悪くないかm(_ _;)m
不倫関係の夫が舞台監督じゃ、バレたらおろすか役を外すに決まってるじゃん。
まあ細かいところは別にして、本編内容へ。
色々なことがあり、立場を追われたギュンターは組織の存在に気づき始めるとやがて組織の一員として加わることになるが、ストーリーのところどころにエンドロールに繋がるオチがポロッと落ちている。
それが肺が二つあるはすがギュンターは一つしかないというもので、ギュンターの一人娘も検査を受けてはじめて肺が一つしかないことを指摘され自らの身体に疑問を抱くようになる。
実は、この肺が一つしかないというのも、ギュンターが普通の人間のように見えて実はというのも、最初から最後までモニタリングされていた末に還るべき場所へ一人娘と共に還るエンドロールだが、最後のシーンでは布教目的でついてきた教会関係者が突き落とされるのは苦笑いするしかなかった。
ぶっ飛んだ。
どんどん裏切られる気持ちよさ、私は高評価です。
ジェットコースターだと思うとかなりレベル高いと思うし、音楽も自分で作る多彩な監督であります。
気になる監督1人増えた。
どのブロックもちゃんとリアリティあるし、下準備もある程度できてる。不倫三角関係、からのUFO系SF、からの宗教問題、、っていう映画です。あなたの知識やキャパが問われます。
大好きな人に告ってドキドキしてたら、地震が来て津波に遭って家族が飲み込まれどうして良いかわからなくなってたら、近くの原発がぶっ壊れて人類滅亡とか、、、、まあ、現実近い事起きてるなと思うんですよ。
これでUFOに拉致されたら約この映画です。
ネタバレ厳禁(笑)。異能監督による、パンキッシュで「人を喰った」ネタ全ぶり映画!
いや、たしかに先読み不能な映画ではあるんだけど。
だからどうしたっていう……(笑)。
まあ、やりたかったことはわからないでもない。
要するに、これは「パンク」なのだ。
既存のジャンルとか、物語とか、お約束を、あえてプリミティブでおバカな手法でぶっつぶすという方法論であり、ネタ映画としてはこれはこれでありなんだろう。
とはいえ、まさかあそこで映画が終わっちゃうとは思いもしなかったな(笑)。
映画の冒頭は、前衛演劇を手掛ける劇団の練習風景と、主演の男優・女優の秘めた不倫関係が描かれ、そこに男優を監視する謎の男たちや、男優を盗撮する彼の娘の姿が挿入され、不安感をかきたてる。
ノリとしては、パトリシア・ハイスミスの小説のようなテイスト。
どこか歪んだ人々が、観衆のモラルとは少しずれたところで男女関係を結んだり、ストーカー行為に精をだしたり、唐突な暴力行為に及んだりして、どんどん変な方向に話が撚れてゆくという。とてもハイスミスっぽい。
あと、主人公が常に複数者によって見張られているくだりなどには、ちょっとヒッチコック・テイストも感じられる。
最初の衝撃は、謎の一味による劇団内の老優の妻殺し。
第二の衝撃は、プロンプタに成りすました主人公による足釘打ち。
話はよくわからない感じで転調を繰り返していく。
で、例の謎の集団による真相開示シーン。
実は、映画自体はいつもの通り、予備知識ゼロで観には行ったんだが、館内で『X線の目を持つ男』『光る眼』を想起させるようなポスターを見てしまったせいで「もしかすると実はSF」「もしかすると実はオカルト」っていう可能性は、脳内にずっとあったんだよね(笑)。
どうせなら、宣伝の段階から徹底的に『ドッグヴィル』みたいな映画に「偽装」してたほうが、よりびっくりさせられたと思うんだけど。
まあ、「肺がひとつしかない」ってのと、母を意味する謎の言葉(もう忘れたw)だけで、彼がただ一人の宇宙人の血族の生き残りだとは、なかなか想像はつかないか。
個人的には頭のなかで、ぼんやりと「キリスト再臨」説と「宇宙人」説がせめぎあってた感じだったので、ぎょっとはしたけど素直に受け入れられた感じ。
「まあそのへんしか落としどころはないよね」、みたいな。
やってること(意想外なジャンル・チェンジによるびっくらかし)自体は、M・ナイト・シャマランとそう変わらないし、昔テレビで観た『フォーガットン』のほうが、衝撃度では断然上だったかもしれない(ジュリアン・ムーア主演の、あの人がビヨーンって吹っ飛んでくやつw 個人的おバカ映画殿堂入りの怪作)。
とはいえ、教会の地下から雪の平原をぶち破って、宇宙船が登場するシーンにはたしかについ笑わされてしまった。
「そんなアホなwww」
で、宇宙旅行編がしばらく続くのかと思いきや、キリスト教勢力の強制排出のシーンがあって、唐突に映画は「もうやることはやったからいいや」みたいな感じで終わってしまう。
「な、キリスト教ってのは畢竟クソみたいなもんなんだぜ! だからアホな十字架もアホなカラヴァッジョもアホな司祭もまとめて、強制排便してやったぜ!!」
って、それはそれでいいんだけど(笑)、
人間だったころの不倫や人間関係の清算も、
お母さんの映像がフェイクだったかどうかも、
母星が今も本当に存在しているかどうかも、
積み残した案件をまるごと放置したまま、いきなりエンドクレジットが流れて来て、僕は「実は宇宙人だった」の3倍くらいびっくりして、思わず笑ってしまった。
やはり、ここはツッコミ待ちというか、「あの段階で字幕が流れだす」という衝撃を敢えて狙ってやってるとしか思えないよなあ。
これだけ風呂敷を閉じる気がないというのは、結局のところ作り手は「わざとそうしている」としか考えられないのであって、これは俗に「投げっぱなしエンド」と言われるものを「意識的に」追求した結果の産物なのだと思う。
最初に言ったとおり、僕は監督がどういう映画を撮ろうが、別段構わない。
たぶん、ここにはパンキッシュな実験精神が満ちあふれている。
劇中の演出家が奇しくも口にするように、これは「コラージュ」であり、「前衛」なのだ。
そういやあの演出家は「僕が手掛けた作品は今までにもちゃんと当たってきただろう?」とも言ってたな。要するに、あそこで出て来る舞台演出家の言葉は、そのまま映画監督としてのアレックス・ファン・バーメルダムの言葉でもある。
監督は、自由意志で作品をコラージュしてよいし、私情を挟んで役回りを入れ替えてもよいし、自由な発想で作品を改変することを妨げられない。
その奔放な実験精神において、本作はジャンル・チェンジと投げっぱなしエンドの在り方について、挑発的に試してみた作品といえるのだろう。
ただ、正直言えば、少し思っていた映画とは違った、というのが率直な感想だ。
僕はもっと、野田秀樹の『夢の遊眠社』みたいなのを想像してたから。
この映画には「登場人物が演劇を進行しながら、どろどろの不倫関係に陥る」要素と、「宇宙人の生き残りを帰還させる」要素と、「キリスト教は宇宙の果てまでも布教し拡大する意志を持っている」という要素が、併存している。
これらを、もう少し「重層的」に結び付けて、言葉や象徴やほのめかしを駆使して「一体の物語」に出来ていると格好よかったのになあ、と。
現状、前半の不倫パートは、宇宙人だとわかった瞬間に、まとめてゴミのように物語から「排泄」されてしまう。で、どこまでキリスト教の在り方に対する批判を深めるのかな、と思っていたら、そちらも強制「排泄」されて終わり。
ゲーム音楽を聴きながらのほほんと時を過ごす主人公を乗せて、乗員のやけに削減されてしまった宇宙船は、いずこへかと飛び去って行く。
なんというか、ちょっと……いろいろ考えて作ることを放棄しているような(笑)。
野田演劇のように、もっと三つの異なるフェイズに存立する物語が、「仕掛け」によって混然一体となる作りも出来たはずなのに。
そういう思いは否めない。
個人的には、「宇宙人が聖職者として仮の生活を送り、母星への帰還に向けて、キリスト教組織として陰謀を張り巡らせている」という設定自体は、けっこうおもしろいと思ったので(ちょうど最近『ゴッドランド』を観たばかりで、キリスト教の辺境布教への野心への関心が高まっていた矢先であった)、そのへんもう少し深めてくれたらよかったのになあ、と。
だいたい最後まで観ても、誰が宇宙人の生きのこりで、誰がそれに便乗して布教しようとしてる聖職者なのかすらよくわからないし(笑)。
「足に釘を打ち付ける」ってネタだって、間違いなくキリストの受難と関係しているはずだと思うのだが、ネタとして出しただけでそのまま放置プレイだし、わざわざカラヴァッジョの『聖トマスの不信』を出してきたのにも何らかの意味がありそうなのに、単なる出オチで終わっちゃってるし。
宇宙人であるせいで「病気ひとつしない」といった『アンブレイカブル』みたいな超人設定とか、娘のサプライズ用盗撮ビデオ撮影とか、いくらでも膨らませようがあると思うのに、なんか忘れちゃったかみたいに放りっぱなしになってるし。
……と、いろいろと文句はつけたいところだけど、こういう「人を喰った」映画自体は個人的に嫌いじゃないので、また次回作が日本で公開されるようなことがあれば、ぜひ期待したいと思います!
あと、パンフの解説を読んで、『No.10』ってタイトルが、フェデリコ・フェリーニの『8 1/2』を意識してると言われて、なるほどと思いました。不条理劇って意味でも、自分自身を主人公に投影した作品(ファン・ヴァーメルダムは劇作家・俳優でもある)って意味でも、そうなんだろうね。
監督本人が主役の映画みたいなもんだと思って改めて考え直すと、これって、ある種の「貴種流離譚」でもあるんだよな。やたら主人公にとって都合の良い展開の……(笑)。だいたいこの映画の主人公の設定自体は『スーパーマン』と一緒だしね(ちっとも地球のためには戦わず、害だけ成して星外逃亡をはかるんだけどw)。
本人のなかにも、私生活における恋愛のどろどろとか、演劇業界をメチャクチャにして高跳びしたい願望とかが実際にあったのかもと思いながら観直したら、もしかすると新たな発見があるのかもしれない。……いや、おそらく観直したりはしませんが(笑)。
映画評のように書きました。
映画評論風に第三弾→
■映画『No.10』:緻密な仕掛けと観客を翻弄する内容。
〇ジャンルを超えた多様性:ノワールからメタ視点まで、映画『No.10』は、一言でジャンルを括るのは難しい作品だ。
ノワール、Vシネ、火サス、など、様々な解釈のされ方をするだろう。
現代風に言えばメタ視点を取り入れた作品とも評せる。
オーソドックスな解釈では、ブレヒト風作品と捉えることも可能だろう。
トリアーの『ドッグヴィル』や、
カンヌのパルムドール作品でもあり、
同じ北欧の作品『ザ・スクエア 思いやりの聖域』のような特異な作品を好む観客であれば、本作の高い完成度を評価できるだろう。
一方、そういった作品に興味が無い観客にとっては、
理解しにくく、途中で置いてけぼりにされる可能性もある。
前半は巧妙な仕掛けが次々と積み重ねられ、
観客の興味を惹きつける。
高い技術力も光っており、映像美も楽しめる。
本作をセカイ系というのであれば、
セカイ系にありがちな、
ベクトルが星のカナタや大気圏外に向かわないという設定は、
観客を一時的にでもミスリードさせる効果があり、
見事?なストーリー展開と演出とも言えるだろう。
〇観客を翻弄するラスト:ラストに向かって、マリウスが遮るのか遮らないのか、行動を起こすのか起こさないのかというように、
おもしろいかどうかは別にして、
ストーリーの落とし前を明確にできたかもしれない。
全ての試行錯誤を提示する方法もありだろう、
しかし、演出家カール(劇中の演出家)はあえてそれを許さなかったのだろう。
【蛇足】
秀吉や家康が、
右手に鉄砲、左手に聖書を、
見破ってなかったら、
僕たちは、ポルトガル語か、フランス語か英語を話していただろう。
Mug
ポスター以外の情報が全くないまま劇場にIN。シュールなコメディなのかな〜くらいで観ましたが、前半と後半で全く違う作品に化けて、それが良い意味でも悪い意味でも頭の痛くなる作品でした。
前半は同じ劇団内の不倫の話で、正直新鮮味のない至って普通の不倫の話だから面白みはなかったです。
妻の介護が理由でセリフの覚えられないベテラン俳優のシーンは作品に刺激を与えるためだとは思うんですが、2文字のセリフも飛ばすというコメディ的なものも笑いに繋がっている気がせず、かといってシリアスにはなってなくてバランスが悪すぎるなぁと思いました。
ベテラン俳優の太々しい態度にはイライラさせられたので、セリフを要求してくるタイミングで足を釘でブッ刺したシーンはガッツポーズしてしまいました。今作のハイライトでした。
そんなダラダラっとした前半を過ぎた後はまさかの主人公の出生は宇宙人だったという完全に別ジャンルになって困惑しました。ポスターっぽい内容にはなっていたので腑には落ちましたが、それでも混乱していました。
正直、このパートの意外性が今作の売りだとは思うんですが、その意外性がそこまでで、宇宙船がモリモリっと土から這い出るシーンこそ面白かったですが、やはりやり取りそのものがダラダラしていて面白くは感じませんでした。
2時間弱の尺でやるにはあまりにも長すぎてパートが切り替わってもそのテンション感についていけずでした。とち狂った作品は好きなんですが、どうにも全体の波長が合わないと乗り切れないなというのが最近分かってきました。
いつかアレックス監督の作品と相性が合う時が来れば、今作を見る目線も変わるのかなと思いました。
鑑賞日 4/16
鑑賞時間 16:00〜17:45
座席 D-5
低評価になるのは否めないが、意味不明な映画に意味を見出したい人にとっては面白いのかもしれません
2024.4.17 字幕 アップリンク京都
2021年のオランダ&ベルギー合作の映画(101分、G)
ある舞台俳優が謎の男からの囁きによって、自分の出自と向き合うことになるミステリー映画
監督&脚本はアレックス・ファン・バーメンダルム
原題は『Nr.10』、「No.10」のこと
監督の長編10作目という意味「らしい」
物語の舞台は、ドイツのとある町
舞台俳優のギュンター(トム・デュイスペレール)は、演出家カール(ハンス・ケスティング)の舞台に参加しつつ、彼の妻イサベル(アニエック・ファイファー)と不倫関係にあった
彼にはリジー(フリーダ・バーンハード)という成人の娘がいるが、彼女は父の誕生日のサプライズのために、舞台の裏手から侵入し、父をずっと撮影していた
舞台には、妻レナーテ(Harriet Stroet)の看病でセリフが覚えられないマリウス(ピエール・ボクマ)、マリウスと夫婦役を演じるエルサ(Liz Snoyink)、彼らを見守る友人役のパウル(Alexander ElMecky)がいて、小道具係のビコ(Jan Bijvoet)、カールの助手マリー=ルイーズ(Kim Karssen)で作り上げている
マリウス、エルサ、パウロ、ギュンターはいつも車を乗り合わせて稽古場に向かい、イサベルは息子フレタの原付バイクを借りて移動していた
だが、バイク移動はギュンターとの密会のためであり、ある日、そのことにマリウスが気づいてしまう
マリウスはカールにその関係を暴露し、その裏を取ったカールは、ギュンターに露骨な嫌がらせを始める
主役はマリウスに交代し、プロンプター(セリフを表示する機械)を床に仕込んで公演を行うのだが、本番当日、ギュンターはそこに忍び込み、劇の最中にマリウスの足に釘を刺して、全てを台無しにしてしまうのである
と、前半はほぼこんな感じの不倫ドロドロ劇が展開されるのだが、後半は「完全なるジャンルチェンジ」が起こってしまう
前半の途中でギュンターに謎の言葉をかける男(のちにブレスラウアーと判明、演:Stjin Van Ospal)は、ヴァシンスキー司教(ダーク・ベーリング)の命令で動いている男で、ヴァシンスキーとの連絡係として、イノセンス(マンデラ・ウィーウィー)という司教総代理がいる
彼らは、ある計画のためにギュンターを監視していて、その目的は「船」に彼を呼び込むためだった
これ以上書くと完全ネタバレになってしまうので避けるが、思ってもみない方向に映画が動くというのは間違いない
この展開を面白いと思える人もいれば、あまりにも唐突に話が変わっているので、何を見せられていたのかわからずに呆然とする人もいると思う
映画のテーマを端的に挙げるなら「人類にとって必要なもの」という感じになっていて、ギュンター以外の「同乗者(物)」は「放出」されてしまう
このあたりにメッセージ性が隠されているのだが、言及するとアレなので、興味のある人は何の知識も入れずに観た方が、その意味が理解できるのではないだろうか
いずれにせよ、レビューを書くのが大変な映画で、ネタバレにふれずに書くのは無理だと思う
映画は、何が起こったかよりは、何を残したのかに着目すると、テーマというのがわかりやすく、無関係に思える前半も「後半に残すもの」との明確な違いを描いていることがわかる
前半に登場するのが、いわゆる人間の醜い部分であり、どのキャラクターも自己中心的に動いている
その成れの果てがギュンターの前半の行為に集約されているので、あれが「トリガー」になるというのは、彼自身が不要なものを全て捨てることになったから、とも言えるのだろう
とても歯切れの悪い文章になっているが、観た人は何となく書いている意味がわかると思うので、自分の中だけで消化して楽しんでいただければ良いかな、と思った
アレックス・ファン・バーメルダム監督のやりたい放題映画
監督、脚本、音楽も一人で担当して、上映時間が過ぎるほどに支離滅裂になるし、何を表現したかったのか、全く解りません!前半の演劇登場者の内容は、結末に何の関係があるんですかね?
スクリーンという盤面を桂馬のようにストーリーがナナメ横っ飛びしていく
実話ベースものを除き、基本は公式のあらすじ以上の情報は入れずに映画館に足を運ぶことにしている。本作もそのようにして鑑賞したらブッ飛んだ映画だった。
劇団の舞台稽古で、役者たちのギスギスした関係や、演出家と女優の不倫で序盤が展開していき、また主人公とおぼしき男優の周囲に怪しいひとびとが見え隠れして、これらが一体となってある種不穏な空気のなかで物語は進行していく。 ふーん、そういう系のサスペンス・スリラーかねと思っていると、中盤、ある驚愕の事実が明らかにされてトンデモな方向に。唖然とするなか、主人公の旅立ちののちに宗教批判(実に痛快だ)まで語られる。要するに、一体なにを見せられているんだ系の映画です。
クセは強いが、ハマるひとにはハマる。私は好きだよ、この手のスクリーンという盤面を桂馬のようにストーリーがナナメ横っ飛びしていく作品。 この監督の次回作に期待する。
これは極端に厳しい…。海外レビューサイトも大荒れ。
今年149本目(合計1,241本目/今月(2024年4月度)23本目)。
(前の作品 「プリシラ」→この作品「No.10」→次の作品「フレディ・マーキュリー The Show Must Go On」)
何かを「察した」のか、書かれている方が極端に少ないのが全てを物語っているような気がします。
序盤こそ不倫だの離婚だのといった話ですが、後半になるといきなり陰謀論(?)の話をするなど無茶苦茶度がすごく、何を言いたいんだ???というのが恐ろしくわからないというか、何か「決め込んでるんじゃないのか」というほどにわからない発言ばかりなので、理解するもしないも、理解「できる」方も何か「決め込まないと」無理じゃないかとすら思える本当にワケのわからない映画だったりします。
なので、評価サイトでありながら何をどう感想を書いてよいかわからず、私の理解が足りないのかなと思ってここの他の(少ない)方の評価を見ても同じような感想だし、海外の合法なレビューサイトを見ても「意味がわからない」というものばかりなので、程度の差はあってもそうなんじゃないのかなぁ…という気がします。
どうみても「感想を書きましょう」が無理で、もう何か書くとすれば「絶対におすすめできない」しか感想にならないという、1200本以上レビューしているのに「レビュー拒否」に近いような状況が起きるのはストーリーも何も理解できないといった状況です。
ただ、そうした状況になるのは「何か決め込んでるんじゃないのか」というだけであり、人を不愉快にさせるような発言や描写ほかはほぼないので(あって数か所程度か)ということなので、ある程度他の作品との整合性をとって評価したものです。
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(減点1.2/映画の趣旨が何なのかよくわからない)
たぶん、DVDになってもアマゾンプライムほかでVOD課金しても、この映画を理解できる方は多分ほぼほぼいないんじゃないのかな…といったところです。序盤こそ離婚だの何だのといった話ですが、後半から突然陰謀論?の話をするなど話の「飛びよう」がすごく(2話セットの作品かと思ったくらい)、何がどうなっているのかまるで不明です(参考になるかなと思って海外サイトのレビューを見ても「全然わからない」ばかりで、まともなレビューをしている方が皆無というのもすごい…)。
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そういえばフライヤーが…
監督の妻で共演者の女性と不倫する舞台役者が、追い詰められる話。
誰が誰だかまともに把握も出来ていない中、作品の為じゃなく自分の感情の為に演出にモンクをつけるオッサン俳優とか、監督の嫁の不倫お出かけとか、そのお相手の男の成人の娘が生まれつき肺が一つと今更発覚とか、これといったツカミも盛り上がりもなくのぺ〜っと始まって、なにがなんだかな中年メロドラマ?とダルさ満天。
サスペンスとか言う割にチクッたジジイに復讐するだけ?とか思っていたら、えっ?コメディ?
全然笑える程のネタはないとはいえ、なんだか変な空気になって行き頑なに病院に行きたがらないない理由というか、作品的に行かせなかった理由はそういうこと!?
色々無視してぶっ壊す何でも有り系がOKの人だったら楽しめるんですかね…。
せめて最初からもうちょいキャッチーなつくりだったらね…。
No.10 良い意味でとち狂った、ぶっ飛んだ作品が大好きな人には勧...
No.10
良い意味でとち狂った、ぶっ飛んだ作品が大好きな人には勧めたくなる作品。
後半の宗教批判や宇宙人の展開はぶっ飛び過ぎてそこで一気に興味を引きつけられたが前半中盤がだいぶ長く感じた。ラストの展開、ヲチ含め総合的に見ると個人的にはあまり合わず退屈な作品に感じてしまった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アイアンクロー 4.7
5 オッペンハイマー 4.7
6 アマグロリア(原題)Àma Gloria(横浜フランス映画祭2024) 4.7
7 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
8 ARGYLLE/アーガイル 4.7
9 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
10 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
11 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
12 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
13 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
14 アクアマン/失われた王国 4.5
15 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
16 異人たち 3.7
17 ミツバチと私 3.6
18 ブリックレイヤー 3.5
19 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
20 オーメン:ザ・ファースト 3.4
21 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3
22 12日の殺人 3.3
23 インフィニティ・プール 3.3
24 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2
25 プリシラ 3.2
26 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
27 コヴェナント/約束の救出 3.0
28 僕らの世界が交わるまで3.0
29 ブルックリンでオペラを 3.0
30 ストリートダンサー 3.0
31 カラーパープル 2.9
32 弟は僕のヒーロー 2.8
33 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
34 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
35 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
36 関心領域 2.6
37 ジャンプ、ダーリン 2.5
38 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
39 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
40 マダム・ウェブ 2.3
41 落下の解剖学 2.3
42 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
43 哀れなるものたち 2.3
44 ザ・エクスチェンジ 2.2
45 DOGMAN ドッグマン 2.2
46 パスト ライブス/再会 2.2
47 リトル・エッラ 2.2
48 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2
49 ボーはおそれている 2.2
50 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
51 瞳をとじて 2.2
52 ゴースト・トロピック 2.2
53 葬送のカーネーション 2.2
54 Here ヒア 2.1
55 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
56 ハンテッド 狩られる夜 2.0
57 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
58 ゴッドランド GODLAND 2.0
59 ザ・タワー 1.9
60 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
61 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
62 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
63 デストラップ 狼狩り 1.6
64 No.10 1.5
65 VESPER/ヴェスパー 1.5
66 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
ソウルフル・ワールド 5.0
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
あの夏のルカ 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
犯罪都市 NO WAY OUT 4.5
DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5
シュールなどんでん返し
前半と後半の展開がこうも違ってくる作品もなかなかなもので。前半に伏線を色々張ってはいるが、冗長感は否めず。これだったら60分のテレビドラマで十分と思うも、そもそも1960年代のアメリカで人気を博した某ミステリードラマがそうしたテイストの作品だった。画作り的にも似たところがあるし、何らかの影響は受けていると思う。
監督のアレックス・ファン・バーメルダムの過去作は未見なので考察できないが、宗教に囚われるとロクなことがないという反発心でもあるのだろうか。こうしたシュールなテイストの作風は嫌いじゃないし、M・ナイト・シャマランのように大化けする可能性を秘めているので、次回作に注目したいところ。
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