劇場公開日 2024年6月14日

「未来への応援歌」数分間のエールを たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5未来への応援歌

2024年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

正直評価がちょっと難しいなと言うのが最初の思いです。
自分で見て感動した物を多くの人に届けたい、そして自分と同じように感動して欲しい。
そんな物を作りたいとみんな思いますよね。高校生の朝屋彼方もその一人。
自分の作り出したものでその思いが届けば嬉しいし、届かなければそれは辛いですね。
偶然出会った織重夕の曲に感動した彼方は彼女のMVを作りたいと告げ、織重先生もそれを受け入れます。しかし出来上がったMVを見た織重先生は彼方に対して、私の気持ちを分かっていないと言い放ちます。でも高校生が人の作った曲を一曲聞いただけでその気持ちを理解することなど出来る訳がないと思うのです。
いや高校生じゃなくても大人だって難しいのではないでしょうか。
正直僕もわかりませんでした。
むしろ外崎くんのように分かってしまえる子の方が不思議に感じてしまったのです。
もちろんそれは同じような感情を抱える織重先生と外崎くんを表現するための描写だと思いますが、ちょっと違和感がありました。
だからこう考えました。私の気持ちを分かってくれないではなく、私の気持ちをわかって欲しいという願いなのだと。
だからそんな気持ちは理解できていないけど彼方の純粋に先生の曲をみんなに届けたい、応援したいという思いに織重先生の心が動き再び歩きだしたのでしょう。
諦めないひたむきさがひとに感動を与えるものを作り出すんだと言うことを改めて考えさせてもらいました。誰かにはきっと届くはずだと。
絵のほうは余り見慣れない感じのものでしたが、人の動きがリアルに見えたり、逆にぎこちなく感じたりちょっと微妙に思いました。ただそれも良い物を作りたいと願う創作者の思いなんだと感じました。
この先の彼方や織重夕に素晴らしい作品を作ってほしいとエールを送りたくなります。
作り手さんのメッセージちゃんとちゃんと届いています。
いい映画を見ました

たつのこ