「独自のCGビジュアルで日本アニメの可能性拡げた」数分間のエールを 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
独自のCGビジュアルで日本アニメの可能性拡げた
この映画の素晴らしい達成はまず第一にアニメーション映画として新しいビジュアルを獲得していること。Blenderで作っているそうだが、フォトリアルな3DCGでもなければ、単純に手描きアニメの模倣でもない、独自のイラストルックの絵柄を立体感を持って動かすことが出来ている。日本のCGアニメは手描きアニメのテイストを再現するのか、リアルな方向を志向するのかの選択だったところに別の観点を持ち込んだと言っていい。丁度同時期に放送していた『ガールズバンドクライ』と一緒に、日本のCGアニメに新たな1ページを加えることになったかもしれない。
物語はシンプルにもの作りのに熱意を燃やす少年と一度夢破れた大人の女性を通じて、創作者へのエールを送る内容だ。MVを作ってきた監督たちがMV作りに情熱をかける少年を描く。その熱意が一人のミュージシャンの熱意を再び呼び覚ますシンプルな物語。上映時間は短いが満足度は高い。
主演の2人の声優ははまり役。特に伊瀬茉莉也さんの演じるダウナー系のミュージシャンはいい。
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