顔を捨てた男のレビュー・感想・評価
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自分を愛してこそ輝く自分!
自分の中での一番の外見コンプレックスを魔法のように変えられたら、人は幸せになるのか。
死ぬほど辛い思いをして外見も中身も変わったはずだった。なのに昔の自分と見た目はそっくりなのに、キラキラに輝いて皆の人気者なオズワルドに嫉妬が止まらないエドワード。
なんかね。私にはいかに自分を愛して自信を持つか、という話にみえたわ。
自分が愛せない自分を誰が愛してくれるのか、ってこと!
整形は努力と言う人がいるけど、これを観たらそうかもしれん。。とちょっと思ったわ。痛くて苦しいと引き換えに自分にとっての美しいを手に入れるのね。
自分に極端に自信がないと、他人に対してノーが言い辛くとにかく他人に対してナイスな対応をすることで自分を守ろうとしてしまう。
その自信のなさが他人からヘルプももらうけど、同時に蔑まれる原因も生む。
難しいねぇ。
人間は、、というか、生き物である以上どうしても相手を上にも下にも見てしまうものね。
彼としては、自信のなさと問題は顔の病気からくる造形の問題だと思っていたので、そこに逆に内面の輝きが外見のそれとはまるで違って光り輝いてる対極にある人が現れたら、そりゃ自分の中での価値観がぐらぐらしておかしくなるよな。
色々自分の中の価値観もぐらぐらしながら、いやでも本当、自分のことをどれだけ愛せるかで人生の幸せ度はまるっきり違うよなぁ、うんうん、と思いながら観ました。
面白かった!!
外見かアイデンティティか
奥底にあるルッキズムを暴かれる
顔が変形した男エドワードが、新たな人生を歩もうと過激な治療で新しい顔を手に入れるも、かつての自分にそっくりな男オズワルドが現われ…
顔にコンプレックスを抱える男が整形でイケメンになるというお話といえば、ミッキー・ロークの『ジョニー・ハンサム』が思い出深い。でもこちらはかつての自分とソックリな男が登場し、それもドッペルゲンガーや妄想でなく実在の人物として現れるというのがミソ。監督のアーロン・シンバーグ自身が両唇⼝蓋裂の矯正治療を受けた経験に基づいているとの事だが、観る者に誰しもが奥底に持っているであろうルッキズムを突きつけ、「多様性が叫ばれる昨今だけど、はたして本当にそうなのか?」と問いかけられた気分になる。
とにかくオズワルド役のアダム・ピアソンが本作全てを持っていってしまっている。エドワードを演じたセバスチャン・スタンがゴールデングローブ賞を獲得したけど、ここはアダムが受賞すべきだったのでは(セバスチャンの演技自体に文句はないけど)。アダムは『エレファント・マン』の再映画化に主演が決まっているが、これは期待せずにはいられない。ちなみに、本作の原題『A Different Man』は『The Elephant Man(エレファント・マン)』のもじり。
終盤で登場する某俳優が本人役でカメオ出演しているが、いかにもなキャスティングで笑ってしまった。
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