「わからない事を楽しむ余裕。」NN4444 masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
わからない事を楽しむ余裕。
4人の監督と4つの映像プロダクションが作った不条理ホラー短編4本です。なにしろ不条理だから説明も落ちも有りません。不思議さを噛み締めてモヤモヤ色んな事考えながら見て楽しむ映画です。
1本目の「犬」主人公どっかで見たと思ったら「私はひとり」の子であった。ちょっとイノセントな感じが話に合っていて良い。女性の微妙な生きづらさが丁寧に描かれていたので女性監督かな、、と思ったらビンゴ。
生きづらくなった女達が何故か犬化する話。
2本目の「Rat Tat Tat」はパーティーの拍手や手拍子で気分悪くなって産気づく妊婦の話。パーティーの客やセットがちゃちくて辛い。予算不足が絵に出てしまって、役者の熱演とのギャップが悲しい作品。
3本目の「洗浄」は水辺のコテージで小さな湖の水を飲んだ子から伝染して取り憑かれた様にみんな水を飲みまくる話。水を啜る音SEがエグく、ちょっと気持ち悪いだけの作品。
4本目の「Void」は小さな街に良くない何かが集まって徐々に崩壊が始まる話。何の理由も説明も無し、結末もわからないが明らかにバッドエンドが予想され、、それがジワる、つまり見せ方が上手いんだよね。
「由宇子の天秤」に出てた池田良がよくないエネルギーの話をたのしそうに語るのが怖かった。
4本とも制作会社がCMやPVをメインにやってる会社だから映像のレベルはかなり高い。そして主人公女子達は皆んな可愛いし上手い。
私は1本目と4本目が面白かったです。
初め下北沢だけの公開でしたが連日満員で(っていうか上映回数も、席数も少なすぎ)PARCOシネクイントでも掛かることになったようで良かった。